No.35
慟哭の空
サブタイトル
「慟哭の空」
【シナリオデモ開始】
〔カーソル、ハワイ諸島沖を指定〕
ナデシコ/ブリッジ
マリュー「アルゴス号?」
ムウ「アルゴス号・・・どこかで聞いたことがあるな。確か、どこかの探査中に消息を絶った船じゃなかったか?」
ルリ「惑星探査船アルゴス号。船長はアイバ・コウゾウ博士。乗組員は博士の家族、および親族を中心とした数名。3年前、L4方面に観測された消息不明の重力場の調査のため派遣されるも帰還せず」
プロスペクター「あ、思い出しました。確か我が社も、少々の出資をさせて頂いたはずですな」
Dボウイ「アルゴス号が調査に向かった重力場と言うのは、自然の物じゃなかった。そこにあったのは、地球侵略のための、ラダムの母線だったんだ」
ユリカ「ええ!?」
エイジ「そんな物が・・・3年前に?」
Dボウイ「もちろんその時、そんなことは知らなかった。接近した時、生命反応はなく・・・中にあるのは植物だけのはずだった。だが俺たちが調査に入ったとたんに・・・!」
ノアル「お、おいどうしたDボウイ?」
Dボウイ「・・・中に入った俺達を、謎の球体が次々に襲った。逃げる暇も無く、俺達は全員、そいつらに飲み込まれた。それが・・・ラダムの地球侵略システムだったんだ!」
ナタル「飲み込まれた・・・内部に取り込まれたと言うことか。それが地球侵略システムだというのは?」
Dボウイ「・・・ラダムに取り込まれた者は、テッカマンにされる」
マリュー「何ですって!?」
フェステニア「そんな・・・それじゃ、Dボウイは!?」
Dボウイ「ラダムの内部で、俺達は肉体を作り替えられた。同時にラダムの知識、感情、本能を植え付けられて・・・侵略のための兵器にされる。それが俺達だ」
カティア「ひどい・・・それで過去のことを言いたくなかったんですね・・・」
チボデー「ああ、DG細胞と似ていやがる。気に入らねえやり口だぜ」
フリーマン「だがDボウイ、君は精神を則られることを免れたわけだ。それは何故かね?」
Dボウイ「・・・父さんのおかげだ。ラダムは、改造に適さない体質の人間は排除する。だから父さんは、改造される前に排除されて・・・」
健一「それで・・・君を?」
Dボウイ「普通ならその場で死んでいるはずだった。だが父さんは・・・最後の力で俺を・・・俺だけを・・・」
アキ「Dボウイ!」
レビン「Dボウイ・・・うう・・・」
フリーマン「それで全てに納得がいった。以前アルゴス号の記録を調べた時、アイバ・タカヤとアイバ・シンヤという名前を見たのを覚えていてね。Dボウイ、ではテッカマンエビルはやはり君の・・・」
Dボウイ「シンヤは俺の弟だ! それだけじゃない、テッカマンは・・・全員俺の家族だった!」
メルア「え、ええーっ!?」
統夜「そ、そんな! それじゃあDボウイは・・・」
デビッド「敵が全員、元家族だってのか!? おい、そりゃあんまりじゃねえか!」
ノアル「何てこった・・・今まであいつは・・・」
ムウ「さすがにこれは・・・まいったな」
マオ「ええ。最悪としか言えないわね」
〔モニターの開閉音〕
イネス「ブリッジ・・・ブリッジ、だれか聞こえて?」
ユリカ「はっ、はい! 何ですか?」
イネス「ミユキさんの意識が戻ったわ。Dボウイ君に知らせて」
Dボウイ「ミ、ミユキの意識が!? わかった、すぐに行く!」
イネス「それから、艦長達も下りてきてもらえるかしら。話したいことがあるそうよ」
ユリカ「え、私達もですか? わかりました! みなさん、行きましょう!」
ナデシコ/メディカルルーム
ミユキ「あ・・・お兄ちゃん!」
Dボウイ「ミユキ!」
ミユキ「お兄ちゃん・・・会いたかった・・・」
Dボウイ「大丈夫かミユキ・・・もう安心だ。これから俺がついている。ゆっくり休んで、元気になってくれ」
ミユキ「お兄ちゃん・・・私、お兄ちゃんに伝えなきゃいけないことがあるの。私が死ぬ前に、何としても」
Dボウイ「死ぬ前に? バカなことを言うな、ミユキ。お前は死んだりしない。絶対だ!」
ミユキ「ありがとう、お兄ちゃん。でも私、わかってるの。自分が・・・排除された、不完全なテッカマンだって」
アキ「・・・!」
ノアル「・・・何てこった」
Dボウイ「くっ・・・ミユキ、そんなことは何とかなる。ここには俺の仲間がいるんだ。だから安心しろ、大丈夫だ!」
ミユキ「・・・うん、お兄ちゃん・・・この人達がそうなのね?」
Dボウイ「ああ、そうだ。一緒にラダムと戦っている」
ミユキ「スペースナイツのみなさん、ナデシコとアークエンジェルのみなさん・・・お兄ちゃんと一緒に戦ってくれて、ありがとうございます」
ノアル「え・・・? い、いや、そりゃあ逆だよ。俺達が助けられてばかりさ」
ミユキ「私がここに来たのは、みなさんに危機をお知らせするためです。ラダムの地球侵略が、まもなく本格化します」
マリュー「何ですって!?」
ユリカ「え、今までは本格的じゃなかったんですか?」
ムウ「ラダム樹の浸食、ラダム獣と5人のテッカマン・・・こいつらが言ってみりゃ露払いだと?」
ミユキ「ラダムの情報にはこうあります。ラダム樹の花が開く時、地球は全てラダムの物になる・・・。そして、開花の時期は、もうまもなくだと」
マリュー「ラダム樹の花が、開く時・・・」
ムウ「ふうむ。少将暗示的だが・・・さっきのDボウイの話と合わせるとな・・・」
マオ「ラダム樹って、単にゲテモノの観葉植物だと思ってたけど。ったく、趣味の悪い話ね」
フリーマン「・・・ミユキ君、君が目覚めた場所がどこだか、覚えていないかね?」
ミユキ「ラダム母艦の事ですね」
ノアル「チーフ? あ、そうか! それって・・・」
フリーマン「君が意識を取り戻した場所は、おそらくエビル達の目覚めた場所と同じだと考えられる。そこが敵の本拠地である可能性は極めて高い。Dボウイ、アイバ博士が君を脱出させた後、ラダム母艦はどうなった?」
Dボウイ「あ、あの後・・・おそらく父さんは、わざと船を暴走させたんだ。俺が見たのは、外宇宙に向かって飛んでいく宇宙船だった・・・まさか!?」
ミユキ「外宇宙には行かなかったの。ラダム母艦は、廃棄されたコロニーに衝突して止まり、ラダムはそこで再び繁殖しました」
マリュー「廃棄コロニー・・・というkとは・・・そこが本拠地!?」
ミユキ「はい。残念ながら、私には正確な位置まではわかりませんが・・・そこには、全てのテッカマンを指揮する・・・テッカマンオメガが・・・基地に・・・あ、あうぅっ!」
Dボウイ「ミユキ!?」
アキ「ミユキさん、大丈夫!?」
ミユキ「あ、ああっ・・! あうぅっ!!」
イネス「いけないわ、みんな、続きは後で。アイリーン先生!」
アイリーン「ええ。取りあえず発作を押さえます。ミユキさん、少し我慢してね!?」
Dボウイ「ミユキ・・・!」
アキ「Dボウイ、ここは先生達にまかせて。出ましょう、ね?」
Dボウイ「くっ・・・!」
ナデシコ/通路
〔衝撃音〕
Dボウイ「くそっ・・・俺は何もできないのか? この世でたった一人の妹が、目の前で・・・俺は!」
アキ「Dボウイ・・・」
Dボウイ「アキ・・・?」
アキ「Dボウイ・・・可哀想なDボウイ・・・!」
Dボウイ「アキ・・・俺のために、泣いてくれるのか・・・」
〔カーソル、カーペンタリア湾へ移動〕
ザフト軍/カーペンタリア基地
イザーク「クルーゼ隊長が来ておられるのは本当か!?」
ディアッカ「おい、イザーク」
クルーゼ「・・・元気そうだな、イザーク」
イザーク「た、隊長!? しっ失礼しました!」
クルーゼ「良い。君達も知っての通り、オペレーション・スピットブレイクがいよいよ発動段階に入った。おかげでこうして、陣頭指揮にかり出されたわけさ。君達にも働いてもらうことになるな」
アスラン「・・・・・・」
クルーゼ「各自、準備に怠りのないように。追って指示を伝える」
イザーク「・・・隊長、お願いがあります! スピットブレイクの前に、我々にもう一度、足付きとナデシコをやらせてください!」
クルーゼ「熱くなりすぎだぞ、イザーク」
イザーク「ですが!」
クルーゼ「気持ちはわかるさ。・・・ニコルの事は私も非常に残念に思っている。私とて、仇を討ちたい気持ちは君達と同じだ」
ディアッカ「なら、やらせて下さい! 俺だって・・・俺だって、同じ気持ちです!」
クルーゼ「ふむ。アスラン、君はどうだ。君も奴らを撃ちたいと思うか?」
アスラン「・・・本当は、俺が死ぬはずだったんです。俺のためにニコルは・・・俺は・・・俺がストライクを撃ちます! 行かせて下さい!」
クルーゼ「ふむ、君達の気持ちはよくわかった。ここで私が押さえても、どうなる物でもない様だな。よかろう、ならば君達だけでやってみたまえ・・・だが、もう一人でも欠けてくれるなよ。残った君達まで失うことは、私には辛すぎる」
ディアッカ「は、はい!」
イザーク「ありがとうございます、隊長!」
アスラン(キラ・・・俺が・・・この手で君を!)
クルーゼ(足付きとナデシコ・・・私にとっても因縁の相手だな。さて、結果はどう出るか・・・)
〔カーソル、プラント周辺宙域を指定〕
グラドス艦
ジュリア(ゲイル・・・とうとう地球にまで来てしまいました。あなたの仇を撃つまでは、私は・・・)
カルラ「性懲りもなくブラッディカイザルに乗るとはな。ギウラ隊長の次は、ル・カイン閣下に取り入ったか」
ジュリア「カルラ・・・」
カルラ「あきれた女狐ぶりだ、大した物だよ」
ジュリア「取り入った覚えはありません。私は、エイジを討てればそれでいい」
カルラ「は! よくも言う。己の婚約者、ゲイル隊長をそのエイジに亡き者にされた。おそれ多くも閣下を、その後釜にとでも考えているのだろう?」
ジュリア「不敬ですよ、カルラ。慎みなさい」
カルラ「な、何!? 血の濁った女の分際で、貴様・・・」
ゴステロ「おうおう、女同士のケンカってのはまた、結構な見物じゃねえか。ああ?」
ジュリア「!」
カルラ「・・・ゴステロ!? 貴様いつから・・・」
ゴステロ「おいどうした、続けねえのか? 俺様が見物しててやるからよ」
カルラ「ちっ、けがらわしいわ! なれなれしく話しかけるな!」
〔扉の開閉音〕
ジュリア「・・・・・・」
ゴステロ「へっへっへ、おい、つれないじゃねえか。せっかく助け船出してやったのによ」
ジュリア「頼んだ覚えはありません」
ゴステロ「けっ、そんなこと言っていいのか? 念願かなって一緒に出撃するんだ。お前の代わりにエイジの野郎をぶっ殺してもいいんだぜ?」
ジュリア「無用です。私とエイジの勝負に手を出すと、許しませんよ!」
ゴステロ「て、てめぇ! 俺様のどこがそんなに気にいらねえ!?」
ゲティ「くっくっくっく・・・」
マンジェロ「ひゃあっはっはっはっは!」
ゴステロ「て・・・てめぇら!」
ボーン「こいつは傑作だぜ。振られた女に未練たっぷりか?」
マンジェロ「ジュリアちゃ~んってよ。ひゃっはっはっは!」
ゴステロ「う・・・うるせえ! 黙りやがれこのチビが!」
マンジェロ「・・・何ぃ?」
ゲティ「お、おいマンジェロ」
マンジェロ「この俺をチビと言って三日以上生きた奴はいねえ・・・おいゴステロ、味方だからって安心してつけ上がるなよ?」
ゴステロ「けっ、だったらどうしようって言うんだ。あぁ?」
ボーン「おい、止めねえか。出撃前にやり合って、ル・カイン様のお怒りを受けちまったらどうする。ゴステロ、てめえなんぞはただじゃすまねえぞ」
ゴステロ「ぐ・・・けぇっ! 憶えてやがれ! ジュリア、てめぇもだ!」
ジュリア「・・・・・・」
マンジェロ「・・・ふん」
ゲティ「けたくそ悪い女だぜ。おい、行くぞ」
ジュリア(今の私は、例えどんな屈辱でも受け入れる。エイジ・・・もうすぐよ。もうすぐ終わるわ・・・)
〔カーソル、ハワイ諸島沖を指定〕
ナデシコ/食堂
アーサー「Dボウイの妹さん、どうなんだって?」
シモーヌ「当分絶対安静ですって。イネス先生とアイリーン艦長が付きっきりよ」
アーサー「気の毒だよなあ。やっと兄妹が会えたってのに。やっと兄妹が会えたってのに。しかも家族が敵だなんて・・・」
ロアン「アーサー、もうその辺で・・・」
エイジ「・・・・・・」
アーサー「あ・・・。ご、ごめんエイジ。俺そんなつもりじゃ・・・」
エイジ「わかってるよ、アーサー。僕だって心配してる」
メルア「統夜さん、ミユキさん大丈夫ですよね?」
統夜「・・・そうだね、そうだといいけど」
メルア「元気になりますよね? だってそうじゃなかったら、Dボウイさんあまりにかわいそう・・・ね、大丈夫ですよね?」
統夜「うん・・・」
フェステニア「何だよ統夜、はっきりしてよ」
カティア「お止めなさい、二人とも。統夜に聞いても、困らせるだけよ」
メルア「あ・・・」
フェステニア「う、うん・・・そうだね。ごめん統夜」
ドモン「奴はそれほど弱くないはずだ。身内を失おうが敵になろうが、戦うのを止めたら生きてなどいられん」
メルア「そんな・・・!」
デビッド「おいドモン、お前さんも色々ふっきるには、ずいぶん苦労したはずだぜ? 察してやれよ」
ドモン「だからこそ言っている。もう一つ、俺に言えるのは・・共の存在が奴を支える。共に戦った仲間がいる限り、奴は絶望したりしない。必ずな」
統夜「ドモン・・・」
チボデー「へっ、キザなセリフ使いやがって。そういう事を言うのは俺の役だぞ」
シモーヌ「・・・ね、エイジ。あなたもよ」
エイジ「シモーヌ?」
シモーヌ「あなたには、私達が付いてるんだから」
アンナ「わ、私も・・・」
エイジ「・・・そうだな。ありがとう」
〔モニターの開閉音〕
メグミ「艦内放送です。各搭乗員のみなさん、至急上部フロアへお越し下さい。ブリーフィングを行います。各搭乗員のみなさん・・・」
統夜「さて、俺達も出来ることをやらなきゃな。みんな、今はその事に集中しよう。メルア、いいな?」
メルア「は・・・はい、統夜さん!」
ナデシコ/ブリッジ
マリュー「ラダムの件は、ミスマル提督を通じて上層部に具申します。ミスリルにも動いてもらうわ」
忍「上層部にな。ま、それで何とかなるような物じゃねえだろうがよ」
ナタル「言葉が過ぎるぞ、藤原」
ムウ「正直なところ、連合軍には手の打ちようがないだろうな。すでにラダム樹は世界中に繁殖している。今すぐに全ての戦争を終わらせて、草刈りにはげんだ所で、手遅れだろ」
統夜「現実はそうかもしれないですけど・・・指揮官がそんなこと言っていいんですか」
ムウ「要するに、正攻法で当たってもダメだってことさ。何か根本的な方法を考えないと」
豹馬「根本的つってもなあ。そんな都合のいい話が・・・」
ユリカ「あ、そうだ! オルファンが飛び上がったら、ラダム樹もみんなやられちゃうんじゃないですか!?」
カント「あの・・・」
アカツキ「そりゃ名案だ。同時に人類が絶滅してしまうのが難点かな」
レビン「あ~もうアタシ、出家して尼さんにでもなっちゃおうかしら? イズミちゃん、あんたも似合いそうだわ。一緒にどう?」
イズミ「二人で尼さん・・・二人でも、尼、三・・・ふっ、ふふふふふ・・・」
フリーマン「神に祈ったところで何にもならん」
ヒカル「あ、クールな発言」
フリーマン「心構えの問題だよ。このような事態に対しては、己の力を信じるしかない」
ノアル「チーフ、それじゃ何か考えがあるんですか?」
フリーマン「本拠地を叩く。それしかあるまい」
ムウ「・・・だな」
ドモン「ふっ、やはりそうきたか」
宗介「ああ。その作戦は有効だ」
フリーマン「ラダムの本拠地である廃棄コロニーを特定できれば、打つ手はある。ミユキ君の話では、敵の指揮官である、テッカマンオメガの所在もそこだ。ミリーに分析にかからせているが、ホシノ君にも協力してもらえれば有り難い」
ユリカ「ホシノくん・・・? あ、ルリちゃんですね! もちろんです。ルリちゃん、お願い!」
ルリ「わかりました、手伝います」
健一「元をつぶせば、何とかなるかも・・・か。なるほどな」
甲児「ところでDボウイは来てないのか? あいつ、こんな話聞いたら、また一人で飛び出して行っちまいそうだぜ」
さやか「あれからミユキさんの側にずっといるわ。アキさんも一緒だから、心配いらないと思う。今はそっとしてこいてあげましょう」
アークエンジェル/ブリッジ
サイ「・・・じゃ、次の目的地はヨコスカ基地ですか」
ナタル「ああ。場合によってはまた宇宙に上がることになるかもしれんからな」
マリュー「出来るだけ早く到着する必要があるわ。強行軍で行くわよ」
カズイ「ザフトの勢力圏に近いところを通りますけど・・・大丈夫ですか?」
マリュー「そうね。でも、迂回したら遠回りになりすぎる。監視を強化して、一気に抜けるしかないわ。キラ君に哨戒をさせて」
ミリアリ「わかりました」
トール「哨戒なら、俺、出ましょうか?」
ミリアリア「トール? 何言ってるの。この間までシミュレーションしかやったことなかったでしょ」
トール「で、でもさ・・・」
ムウ「いいから止めとけ。あいつを気遣ってやるのはいいが、お前じゃ危なっかしくて話にならん。もう少し場数を踏んでからにしろ」
トール「は、はい・・・」
ミリアリア「ヤマト少尉、ストライクで本艦の哨戒に当たって下さい。繰り返します・・・」
アークエンジェル/格納庫
キラ「あ・・・」
小介「呼んでますね」
十三「いっつもご苦労さんやな。ちゃんと寝とるんか?」
キラ「少しくらいしょうがないよ。それじゃ、僕行かなくちゃ」
トリィ「トリィ」
小介「ありがとうございました! また後でトリィ君を見せてもらっていいですか?」
キラ「ああ、僕も気晴らしになったよ。じゃあ・・・」
フレイ「あ・・・キラ」
キラ「フレイ・・・?」
フレイ「キラ、あの・・・私・・・」
キラ「・・・ごめん、出なきゃいけないから」
フレイ「キラ・・・」
キラ「・・・話があるなら、帰ってから・・・それじゃ」
フレイ「あっ・・・」
豹馬「お、おいキラ! どうしたんだ、あいつ」
十三「あの二人、仲ええのんと違ったか?」
小介「そうですね。ケンカでもしてるんでしょうか?」
大作「さぁて。まあ、あんまり詮索するもんじゃなかとよ」
豹馬「それもそうだ。さ、俺達も戻ろうぜ!」
フレイ「・・・キラ・・・」
【シナリオデモ終了】
【戦闘マップ開始】
〔味方戦艦出現〕
〔味方ユニット出現〕
マリュー「キラ君、このあたりは小島が多いからレーダーに死角が出来るわ、視認で補って。頼むわよ」
キラ「了解・・・って、目で見て補えって言われてもな・・・ん?」
ナタル「どうした!?」
キラ「・・・雲の中?」
イザーク「・・・来た! 来たぞ、足付きが!」
ディアッカ「ヒューッ! ビンゴかよ、やったじゃねえか!!」
アスラン「イザーク、わかっているな!?」
イザーク「ああアスラン、今回は貴様の読み通りだ! 行くぞストライク、うおおおっ!」
キラ「しまった! ブリッジ、10時方向からモビルスーツ!」
マリュー「何ですって!?」
ムウ「待ち伏せか!? くそ、味な真似を!」
〔敵ユニット出現〕
イザーク「食らえストライク! 貴様、よくもニコルをっ!」
キラ「お、お前は!?」
ナタル「ヘルダート、ゴットフリート、スタンバイ!」
マリュー「キラ君、全速でこの領域を突破するわ! それまでもたせて!」
キラ「わかってます!」
ディアッカ「そうはさせないっての!」
アスラン「今だ、行くぞ!」
〔マリューorナタルに爆発〕
〔敵ユニット出現〕
ミリアリア「イージスにバスター!?」
カズイ「左舷に被弾! ッ・・・! エ、エンジンが!」
サイ「艦長! 出力、上がりません!」
マリュー「姿勢制御に全力を集中して! 機関部に連絡! 処置を急がせろ!」
ミリアリア「続けて来ます!」
ナタル「近づけるな! イーゲルシュテルン、撃てえい!!」
アスラン「その程度の攻撃で!」
ディアッカ「そらそらそら! 落ちろってんだよ!」
キラ「くそっ、僕一機だけじゃ・・・」
イザーク「貴様の相手は俺だ! ストライクゥゥッ!」
〔マリューorナタルに爆発〕
〔敵ユニット出現〕
メグミ「アークエンジェルが!?」
リョーコ「や、やられちまうぜ!」
プロスペクター「これは・・・いけませんな」
ユリカ「フィールド拡大! 艦を前に出して! ナデシコで盾になります!」
エリナ「ちょ、ちょっと!?」
アカツキ「おいおい、少しは自分たちのことも考えてくれよ!?」
ユリカ「でも、このままじゃアークエンジェルが沈んじゃいます! ルリちゃん、フィールドそのまま維持!」
ルリ「了解、フィールドそのまま・・・グラビティエンジン、負荷120パーセント、なお増加中。ちょっとまずいかも」
〔モニターの開閉音〕
ウリバタケ「ブリッジ、いつまでもは無理だ! このまま圧力上げてっと、責任持てねえぞ!」
マリュー「ナデシコ!? 機関部に被弾して、アークエンジェルは動けないわ!」
ユリカ「了解です。ただちにアークエンジェルを援護します。ルリちゃん、フィールドを本艦前面に集中! アークエンジェルを援護、同時に迎撃に出ます! みなさん、いいですか!?」
ルリ「了解」
ユリカ「みなさん! お願いします!」
〈出撃準備〉
甲児「アークエンジェルは動けねえ!」
鉄也「今攻撃されたらそれまでだ! 絶対に近づけるな!」
<戦闘開始>
<キラvsアスラン>
アスラン「キラ! 君が! 君がニコルを!」
キラ「アスラン!? くそっ、やられるわけには!」
<キラvsイザーク>
イザーク「ストライク、貴様が! ニコルを討ったぁっ!」
キラ「こ、このおっ! 黙ってやられてたまるか!」
<キラvsディアッカ>
ディアッカ「落ちろよストライク! ニコルの仇を取らせてもらう!」
キラ「僕だって死ぬわけにはいかないんだ!」
<ムウvsアスラン>
アスラン「どいていろ、こいつ!」
ムウ「くそ、大した気合だ。この前の奴の弔い合戦のつもりか?」
<ムウvsイザーク>
イザーク「貴様なんか相手じゃない! 邪魔をするなっ!」
ムウ「くっ、大した勢いだがな、動きが荒くなってるぜ!」
<ムウvsディアッカ>
ディアッカ「ナチュラルはどいてろ! ここでやらなきゃ、ニコルが浮かばれねえんだよ!」
ムウ「そう大人しく言うこと聞けるかっての!」
<アスラン撃破>
〔アスラン、前進〕
〔キラ、前進〕
〔アスラン、気力150〕
アスラン「まだまだあ! キラァァッ!」
キラ「くっ! ア、アスラン!?」
アスラン「キラ、お前が! お前がニコルを殺した!」
キラ「く、くそっ・・・!」
トール「キラーーッ!」
キラ「え・・・ト、トール!?」
〔味方ユニット出現〕
〔トール、アスランへ接近〕
ナタル「スカイグラスパー!? 誰だ! 誰が乗っている!?」
ミリアリア「・・・トール? え? う、うそ! トールなの!?」
キラ「トール、ダメだ! 来るな!」
トール「キラ! 今助けてやる!」
〔トール、アスランへ攻撃〕
〔アスラン、回避〕
アスラン「くっ、こいつ!」
トール「う、うわ・・・あ、あああっ!」
〔アスラン、トールへ攻撃〕
〔味方ユニット撃破〕
キラ「トールゥゥっ!」
ミリアリア「・・・え?」
ナタル「どうした!?」
ミリアリア「スカイグラスパー・・・信号・・・消滅? ・・・え?」
キラ「アァスラァァァン!!」
アスラン「キラァッ! 俺が、お前を討つ!」
〔アスラン、キラへ隣接〕
〔ハッチの開閉音〕
アスラン「・・・これで!」
キラ「な・・・何!?」
〔爆発音〕
〔画面、発光〕
〔味方ユニット消失〕
〔敵ユニット消失〕
ムウ「な・・・今の爆発は!?」
ミリアリア「キラ! トール! 応答して下さい! トール! キラ! 応えて!」
<イザーク撃破(1回目)>
〔イザークに爆発〕
〔イザーク、変化〕
<イザーク撃破(2回目)>
イザーク「くそーっ! くそくそくそっ! こんな所で!」
〔敵ユニット離脱〕
<ディアッカ撃破>
ディアッカ「く、くそっ! 離脱するしかねえってのかよ! ん・・・何だ? どうした、おい! くっ、ハイドロ放出、駆動パルス低下・・・ちくしょう、コントロールが!」
〔ディアッカ、マリューorナタルへ接近〕
ディアッカ「し、しまった・・・正面!?」
サイ「艦正面に敵モビルスーツ! 距離10!」
ナタル「10だと!? バリアント、狙え!」
マリュー「待って!」
ナタル「艦長!?」
ディアッカ「・・・・・・」
ナタル「投降・・・するというのか・・・?」
〔敵ユニット離脱〕
<敵全滅・敵増援1出現>
メグミ「お、終わった・・・んですか?」
プロスペクター「どうやらそのようですな。やれやれ、今回はだいぶ危なかったようですが」
〔モニターの開閉音〕
ウリバタケ「おい、悪いがこりゃあ、全速出すのは当分無理だぜ。応急修理しちゃあみるが、いいとこ50パーセントの出力ってところだ」
エリナ「もう・・・高いことついたわねえ」
ユリカ「でもナデシコもアークエンジェルも無事だったんですから! あ、それよりパイロットのみなさんに連絡! 各機、帰還するのちょっと待って下さい。キラさんとトールさんを探してあげないと!」
メグミ「そうですね! それじゃ・・・」
ルリ「だめみたいです。熱源反応新たに接近」
エリナ「何ですって?」
ミナト「え? ザフトの増援!?」
ルリ「いえ、照会しました。グラドス軍です・・・しかもあの変な人たち」
ユリカ「え、ええ~!? そんな!」
〔敵ユニット出現〕
ゴステロ「エイジィィ! 出て来やがれえ!」
ボーン「くっくっくっく・・・」
マンジェロ「ひゃあっはっはっはっはあ!」
ゲティ「さあ、殺しまくってやるぜえ!」
ジュリア「・・・・・・」
ゴステロ「てめえら、わかってるんだろうなあ! エイジは俺様の獲物だ! 奴は俺が殺る、いいな!」
ジュリア「それは許さないと言ったはずです、ゴステロ。エイジの相手は私です!」
ゴステロ「けっ! エイジの野郎をぶっ殺してから、てめえをゆっくり可愛がってやらあ! 黙って見てやがれ!」
エイジ「あれは・・・ブラッディカイザル! ジュリア姉さん! 姉さんなのか!?」
デビッド「お、おいエイジ!」
シモーヌ「お姉さん・・・間違いないの!?」
エイジ「ああ・・・みんな!」
ドモン「・・・ん?」
エイジ「みんな、頼みがある! 姉さんは僕が何とかする! だから、あの機体を撃墜しないでくれ!」
甲児「え? そ、そうは言ってもな・・・」
勇「姉さん、か・・・気持ちはわかるさ。でも・・・」
沙羅「攻撃されたら、やり返すかもしれないよ?」
統夜「しょうがない・・・やれるだけやってみるよ。カティア、まずは他の敵から片づけるぞ!」
カティア「はい!」
エイジ「すまない、みんな! 姉さん・・・姉さんは必ず僕が止めてみせる!」
<統夜vsゴステロ>
ゴステロ「また会ったな、ガキ! てめえはどんな死に方がいい? 特別に聞いといてやるぜぇ!」
統夜「あんたみたいな下衆と、趣味の話なんかしたくないね」
カティア「ええ、死んだってごめんよ!」
ゴステロ「がはははは、言ってくれるじゃねえか! 今すぐその口利けなくしてやるぜ!」
<エイジvsゴステロ>
ゴステロ「どうだエイジ、てめえの姉貴に命狙われる気分はよ!?」
エイジ「だまれ、ゴステロ!」
ゴステロ「おおっと、安心しな。てめえをぶっ殺してから、ジュリアの面倒は俺が見てやるぜ! ぐあははははは!」
エイジ「それ以上は言わせない! 行くぞ!」
<エイジvsゲティ>
ゲティ「し、死ねエイジ! お、俺が殺してやるぅ!」
エイジ「このっ! 好きなようにはさせない!」
<エイジvsマンジェロ>
マンジェロ「ひゃあっはっはっはっは! この俺から逃げられるか!?」
エイジ「この程度の攻撃!」
<エイジvsボーン>
ボーン「てめえ黙って死んでりゃあいいんだよ、おらああ!」
エイジ「こんな所でやられるわけにはいかないっ!」
<エイジvsジュリア>
エイジ「姉さん、止めるんだ!」
ジュリア「問答無用です、エイジ! さあ、反撃なさい!」
<ゴステロ撃破>
ゴステロ「ぐああああっ! 痛え、お、俺様の脳があああ!」
〔敵ユニット離脱〕
<ゲティ撃破>
〔敵ユニット離脱〕
<マンジェロ撃破>
〔敵ユニット離脱〕
<ボーン撃破>
〔敵ユニット離脱〕
<ジュリア撃破>
ジュリア「エイジ・・・私は、あの人のところへ・・・」
エイジ「ね、姉さん! 姉さん、姉さーーん!」
<敵全滅・勝利条件達成>
※※まだジュリア健在の場合、セリフ追加※※
統夜「残り一機! ・・・エイジの姉さんか!」
ジュリア「エイジ・・・残るはこの私のみ。あなたに決闘を申し込みます!」
エイジ「姉さん、聞いてくれ! 先輩を殺したのは、僕の意志じゃない!」
ジュリア「何度言っても同じです! 覚悟が足りませんよエイジ!」
〔エイジの周囲に爆発〕
〔画面、振動〕
エイジ「本当なんだ! あの時はフォロンが発動して!」
ジュリア「何故反撃しないのです、エイジ!」
〔エイジの周囲に爆発〕
〔画面、振動〕
エイジ「やめてくれ! 姉さん!」
ジュリア「もう遅いのです、何もかも!」
エイジ「姉さん!!」
〔エイジ、ジュリアへ隣接〕
ジュリア「く、くっ! エイジ、何を・・・!?」
〔モニターの開閉音〕
ゲイル「お前が・・・命をかけて守ろうとする・・・この星が・・・お前の・・・地球・・・。あぁ・・・ジュリア・・・」
ジュリア「ゲ、ゲイル!? ・・・これは・・・」
エイジ「レイのメモリーに残っていた、先輩の言葉だ。姉さん、ゲイル先輩は、地球の事を僕に託した」
ジュリア「ああ、ゲイル・・・エイジ、私は・・・」
エイジ「この地球を侵略者に渡しちゃいけないんだ。姉さん、だから・・・」
〔敵ユニット出現〕
ゴステロ「やらせるかあああ!」
レイ「アサームメッセージ、4時方向ポイント179:33ヨリ熱源反応。スミヤカニ回避セヨ」
エイジ「ゴステロか!?」
ユリカ「またあの人ですか!?」
デビッド「あ、あの野郎! おいエイジ! 避けるんだ!」
ゴステロ「てめぇら兄妹は俺の獲物だぁ! 俺の体と心をズタズタにしやがった! 他の奴にゃ殺らせねえ!」
〔ゴステロ、エイジに攻撃〕
〔エイジ、回避〕
〔ジュリアにダメージ〕
エイジ「レイ! V-MAX発動!」
レイ「レディ」
ゴステロ「死ねええい!」
〔画面、システム起動〕
〔エイジ、ゴステロへ隣接〕
エイジ「ゴステロッ!」
ゴステロ「エ、エイジだぁ!? き、貴様ぁ! うおおおおっ!」
〔ゴステロにダメージ〕
〔敵ユニット離脱〕
エイジ「姉さん、大丈夫か!?」
ジュリア「エイジ・・・」
エイジ「姉さん、手を!」
ジュリア「エイジ・・・いいのです」
エイジ「姉さん!・ 姉さん、手を伸ばしてくれ! 姉さん!」
ジュリア「私は・・・あの人の元へ・・・」
〔敵ユニット撃破〕
エイジ「ね・・・姉さーーーん!」
レイ「左上腕部破損、敵ノ増援ノ場合有効ナル対処ノ可能性38パーセント、スミヤカニ母艦ヘ帰還セヨ」
エイジ「姉さん・・・そんな・・・」
レイ「繰リ返ス、スミヤカニ帰還セヨ」
エイジ「・・・・・・」
〔味方ユニット離脱〕
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ナタル「お、終わった・・・しのいだか・・・?」
カズイ「ザフト軍第二波! 接近してきます!」
ナタル「何だと!? く、これ以上はもう持たんぞ!」
サイ「べ、別方向からも反応! グラドスの増派部隊と思われます!」
ムウ「くそ、本隊にかぎつけられたか・・・これだけ派手にドンパチやってりゃあな!」
マリュー「機関部! 状況は!?」
〔モニターの開閉音〕
マードック「何とか飛べる! 出力40パーセントくらいなら大丈夫だ!」
ナタル「艦長! ここは離脱するべきです!」
マリュー「・・・わかった。全軍に通達! 本艦は速やかに戦闘地域から離脱します。ナデシコに連絡を!」
ミリアリア「離脱・・・? ま、待って下さい! ヤマト少尉、ケーニヒ二等兵! こちらアークエンジェル、応答して下さい! トール、キラ、返事して! こちら・・・え!?」
ナタル「・・・・・・」
ミリアリア「中尉・・・」
ナタル「もう止めろ。ナデシコに連絡だ」
ミリアリア「で・・・でも! 二人がまだ・・・」
ナタル「甘えるな! ここで全員死ぬ方を選ぶのか!? このままでは10分と待たずに全滅だぞ!」
ミリアリア「そんな・・・艦長!」
マリュー「・・・命令です。それからオーブとダナンにも連絡して。2機の最終確認地点を送って、パイロットの捜索を依頼します」
ナタル「艦長!? それは・・・」
マリュー「人命救助よ。どちらも受けてくれるわ。全責任は私が取ります。ハウ二等兵、急いで!」
ミリアリア「は、はい・・・! アークエンジェルよりナデシコ、本艦はこれより、当地域から離脱します。本艦は・・・これより・・・」
マリュー「部隊の収容急いで! エンジン始動!」
【戦闘マップ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
〔カーソル、ハワイ諸島沖を指定〕
アークエンジェル/ブリッジ
サイ「追撃ありません。ザフト軍とグラドス軍が、交戦を開始した模様」
ナタル「幸運だったな・・・おかげで逃げ延びた」
ミリアリア「・・・・っ!」
サイ「お、おいミリアリア! 待てよ!」
〔扉の開閉音〕
ナタル「お前達、持ち場を離れるな!」
マリュー「バジルール中尉、行かせてあげなさい。無理もないわ」
ナタル「は・・・」
カズイ「か、艦長、通信です。ナデシコ搭乗のクルーと・・・フラガ少佐が、その・・・引き返すって・・・」
マリュー「な、何ですって!?ちょっと、かわりなさい!」
〔モニターの開閉音〕
忍「キラとトールが戻らねえんだってな。ちょいと戻って、探してくらあ」
甲児「そっちは先に行っててくれよ」
エリナ「ちょっとあなた達! 許可した覚えはないわよ!」
豹馬「うるせえな、割り込んで来んなよ」
ナタル「バカなことを言うな! あそこが今、どんな状態なのかわかっているのか!?」
ムウ「応急整備が出来次第、俺も行く。放ってはおけん」
ナタル「フラガ少佐!? あなたまで・・・」
マリュー「・・・待ちなさい、許可は出せません。今戻れば、あなた達も無事ではすまないわ。ここはオーブとダナンにまかせて」
ムウ「しかしだな!」
沙羅「ラミアス艦長、あんたまでそんな事言うとは意外だね。キラ達とはあたしらより長い付き合いなんじゃなかった?」
雅人「ま、許可なんて下りなくたって俺達・・・」
マリュー「私が平気でいるとでも思っているのっ!!」
雅人「え・・・・・・」
カズイ「艦長・・・」
マリュー「・・・自重して。お願いよ・・・」
ムウ「・・・了解・・・すまなかった」
ちずる「ラミアス艦長・・・」
甲児「・・・くっ・・・」
忍「くっそおおおお!!」
〔衝撃音〕
アークエンジェル/通路
フレイ「あ、カズイ。ねえ、キラはどこ?」
カズイ「・・・MIA」
フレイ「MIA・・・何よそれ」
カズイ「戦闘中未確認・・・行方不明って事だよ。トールもね。詳しいことは、他の誰かにきいてくれ」
フレイ「ちょ・・・ちょっと待ってよ。全然わかんないじゃない。だから、キラはどこ? どこにいるの!?」
カズイ「だから、わからないんだよ! 生きてるのか、死んでるのかも!」
フレイ「・・・何よ、それ・・・」
カズイ「多分、死んでる・・・死んだんだよ・・・もういいだろ、フレイ」
フレイ「イラ・・・そんなの・・・」
ナデシコ/通路
ロアン「エイジの様子は、どうですか?」
デビッド「また部屋にこもっちまった。さすがに応えてるな。無理もねえ、目の前で姉さんが・・・」
アンナ「エイジ・・・」
シモーヌ「アンナ、わかるけど。今はエイジをそっとしておいてあげなさい」
アンナ「シモーヌ、私、何もできないの? エイジを支えるって言ったのに私達何も・・・」
シモーヌ「そんなこと無いわ。でも今は・・・一人にさせてあげた方がいいと思うの。ね?」
アンナ「う、うん・・・あ、そうだ!」
アーサー「おい、どこへ行くんだ?」
アンナ「何か食べる物もらってくる。エイジの部屋の前に置いておいてあげるの・・・それならいいでしょう?」
デビッド「アンナ、お前・・・」
シモーヌ「・・・そうね、アンナ。良い考えだと思うわ」
〔カーソル、ヨコスカを指定〕
コウイチロウ「大分ひどくやられたようだな」
マリュー「は、申し訳ありません」
コウイチロウ「謝る必要はない。報告は読んだ。・・・気を落とさんようにな、ラミアス艦長」
マリュー「は・・・ありがとうございます、提督」
コウイチロウ「ナデシコも相当痛んでいると聞いたが、どうかね?」
ユリカ「はい、ちょっと無理し過ぎちゃいました。ごめんなさい」
エリナ「ちょっと無理どころじゃありません! 機関が焼け付く寸前で、ヨコスカに付く頃には飛んでるのが不思議なくらいでしたわ!」
コウイチロウ「ふむ、ナデシコはネルガルでドック入りか。アークエンジェルも早急に修理せねばならんが・・・軍のドックは、なかなか緊急には空きがなくてなあ。どうだね、ついでにアークエンジェルの修理もそちらで頼めんか?」
ユリカ「え?」
プロスペクター「は、はあ。私どもはいっこうに問題ございませんが、その・・・」
コウイチロウ「かまわん。非常時には、臨機応変を旨とする。ではお願いするとしようか。いいな、ラミアス艦長?」
マリュー「は、はい! 無論であります!」
コウイチロウ「よろしい。では、今はゆっくり休みたまえ」
ムウ「提督・・・我々の送った、例のラダムに関する件ですが、その後いかがですか」
コウイチロウ「む・・・あれか。確かに緊急を要する事ではあるな。だが・・・」
ムウ「・・・上の方では半信半疑、ということですか?」
コウイチロウ「有り体に言えばそうだ。そもそも今、連合軍中枢では、対ザフト強行派が何かにつけて横車を押して来よってな。詳しいことは言えんが、どうも奴らの言うことはきなくさい」
ムウ「・・・・・・」
コウイチロウ「力不足ですまんことだが、また諸君の力を借りねばならんと思う。一刻も早く復帰してくれたまえ。以上だ」
アークエンジェル/通路
ディアッカ「おい、もっとゆっくり歩かせろよ。こっちは怪我人だっつうの」
甲児「あつかましい事言ってんじゃねえよ。おら、さっさと行かねえか」
ディアッカ「まったく、捕虜の扱いがなっちゃいねえな・・・ん? 何だ、ナチュラルの部隊にはこんな女の子までいるのかよ?」
ミリアリア「・・・・・・」
鉄也「無駄口を利くな。歩け」
ディアッカ「へいへい。あれ? 何だ、お前泣いてんの?」
ミリアリア「な、泣いてなんか・・・」
ディアッカ「あ~あ、泣きたいのはこっちだってのによ。ナチュラルのどんくさい彼氏でも、撃墜されたか?」
ミリアリア「!!」
甲児「てめえ! 言っていいことと悪いことが・・・」
鉄也「いかん、よせ!」
甲児「え!?」
〔金属のぶつかる音〕
ディアッカ「う、うわぁっ! な、何だ!? 何だってんだよ!?」
鉄也「やめるんだ! 手を離せ!」
ミリアリア「は、離して! ・・・何でこいつがここにいるのよ!? トールが・・・トールがいなくなったっていうのに! どうしてこんな奴が生きてここにいるの!? どうして!」
鉄也「落ち着け! こんな事をしても何もならん!」
ディアッカ「・・・な・・・」
ロール「ど、どうしました!? 今の音は!?」
鉄也「・・・何でもない。すまんが、彼女を頼む。必要ならドクターを」
ロール「は、はい・・・」
ミリアリア「う・・・っ、うああっ! うあぁぁぁ・・・!」
鉄也「行くぞ兜」
甲児「あ、ああ」
ディアッカ「・・・・・・」
〔カーソル、ハワイ諸島沖を指定〕
小島
オーブ兵「・・・まったくひどいな。自爆したのか?」
オーブ兵「これじゃもう片方の生存者なんて・・・まあ、絶望だろうなあ」
オーブ兵「ああ。一人生きてただけでも奇跡ってもんだ」
オーブ兵「ったく、コーディネイターってのは、悪運も強いのかね・・・」
〔カーソル、ハワイ諸島沖を指定〕
オーブ艦/メディカルルーム
アスラン「う・・・・」
カガリ「気が付いたか」
アスラン「お前は・・・ここは・・・?」
カガリ「オーブ艦の中だ。オーブの捜索隊がお前を見つけて、収容した」
アスラン「・・・ああ。オーブか・・・中立のオーブが、俺に何の用だ?」
カガリ「聞きたいことがある。ストライクをやったのはお前だな? パイロットはどうした? 脱出したのか?」
アスラン「・・・・・・」
カガリ「見つからないんだ! キラはどこにいる!? 答えろ!」
アスラン「キラは・・・キラは・・・俺が、殺した・・・」
カガリ「な、何!?」
アスラン「イージスで組み付いて、自爆したんだ・・・脱出できたとは思えない・・・」
カガリ「き、貴様ぁ!」
アスラン「・・・・・・」
カガリ「お前は! お前は知らなかっただろうが! あいつは・・・キラはいい奴だったんだぞ! 危なっかしくて、訳わかんなくて・・・すぐに泣いて・・・でもいい奴だったんだ!」
アスラン「知ってるよ・・・小さい頃からの、友達だ」
カガリ「な・・・何?」
アスラン「あいつ、やっぱり変わってないんだな・・・昔から、泣き虫で、甘ったれで・・・優秀なくせにいいかげんで・・・でも、やさしい・・・いい奴だった・・・」
カガリ「そ、そんな! 友達だったお前が! それが何でキラを殺すんだよ!」
アスラン「わからないさ! 別れてもう一度会ったら敵だった! あいつはコーディネイター、俺達の仲間なんだよ! 何度も一緒に来いと言った! なのに、聞かなくて・・・俺達と戦ってニコルを殺した!!」
カガリ「だからキラを殺したのか!? 友達のお前が!」
アスラン「敵なんだよあいつは!」
カガリ「バ・・・バカ野郎! 殺したから殺されて、殺されたから殺して! それで・・・最後は平和になるのか!?」
アスラン「・・・く・・う、うぅ・・」
カガリ「何でそんなことで・・・!!」
〔カーソル、ハワイ諸島沖を指定〕
オーブ艦/通路
マユラ「カガリ様は、まだメディカルルームの中?」
ジュリ「そうだけど・・・取り込み中みたい。どうしたの?」
アサギ「何か見つかった?」
マユラ「ううん。本国からの追加情報で・・・戦闘終了後と思われる時刻に、この付近で所属不明の飛行体が記録されていたんだって」
アサギ「うーん、それだけ?」
マユラ「うん・・・一応どんな些細な事でも、って言われてるし」
ジュリ「そうね、後で伝えておきましょう」
アサギ「・・・所属不明の、飛行体。識別出来なかったってことよね。怪しいって言えば怪しいけど」
〔カーソル、ハワイ諸島沖を指定〕
海底/トゥアハー・デ・ダナン
マデューカス「ブラックウイングが大気圏を離脱したそうです」
テッサ「そうですか。黒騎士から何か報告は?」
マデューカス「現在の所、ありません。どうも彼は、スタンドプレイが多すぎるのが難ですな」
テッサ「クライン派との接触はあの人に全権を任せているのですから。大丈夫、うまくやってくれます」
マデューカス「は。ところで大佐殿、先ほど海底から回収したSPTですが・・・」
テッサ「はい。搭乗者は、まだ?」
マデューカス「はい、意識不明のままです。いかがしましょう?」
テッサ「・・・敵か味方か判別できないうちは、判断も保留ですね。では、オーブにお願いしましょうか。まずは治療を受けさせないと」
マデューカス「問題になりませんか? 仮にもグラドスの・・・」
テッサ「もちろん、内緒でお願いするんです」
【シナリオエンドデモ終了】
● No34「真実の侵略者」 へ戻る
● No36「ボソンジャンプ」 へ進む
◆ 「スーパーロボット大戦J」 へ戻る
当館に記載されている作品名・製品名などは、各社の登録商標です。
当館の内容は、各社からの正式許可を受けてはおりません。