No.36
ボソンジャンプ
サブタイトル
「ボソンジャンプ」
【シナリオデモ開始】
〔カーソル、ヨコスカを指定〕
ヨコスカ基地
沖「着いたぞ。私はここまでだ、後は二人で行きたまえ。話は通っている」
美久「ゼオライマーは・・・」
沖「既に搬入済みだ。後でチェックしておけ」
マサト「沖さん・・・今までありがとうございました」
沖「マサト・・・」
マサト「やだな、本心ですよ？」
沖「マサト、私は・・・いや、今さら何も言うのは止そう。礼を言うのは私の方だ。二人とも・・・地球圏を頼む」
マサト「はい。それじゃ・・・」
美久「お世話になりました」
沖「ああ。念のため言っておくが・・・死ぬなよ」
マサト「行こう、美久」
美久「はい！」
〔カーソル、ヨコスカを指定〕
ヨコスカ基地
健一「マサト？ おい、マサトじゃないか！？」
日吉「マサト兄ちゃんと美久ねえちゃん！ 帰ってきたの！？」
マサト「やあみんな、ただいま。元気だったかい？」
沙羅「ふっ、ただいまときたね。おかえり、マサト。よく戻ったね」
忍「おいおい、元気だったかってのは、こっちのセリフだぜ。もう大丈夫なのかよ？」
マサト「うん。ゼオライマーは次元連結システムを再構築して、再生させた」
鉄也「ゼオライマーもだが、肝心なのはお前さんだ。念のため聞くが、無理をしていないだろうな？」
マサト「・・・はい。正直、戦うのは好きじゃないし、あの時のことを思い出すと怖いけど・・・僕の中の木原マサキから逃げるんじゃなくて、その力を地球圏のために使おうって。マサキの犠牲になった幽羅帝や鉄甲龍の人たちも、許してくれるんじゃないかって思うんです」
鉄也「なるほどな・・・わかった。上出来だ」
マサト「何より僕には・・・」
美久「・・・マサト君」
マサト「美久がいますから。彼女を守らないと」
ボス「けっ、何だってのそりゃあ！？ あ～あ、もう勝手にしやがれ！」
クルツ「ほほう、今のアイコンタクト、さりげない手の取り方、これはかなりの線まで行ってると見たね」
宗介「？ 格闘術の話か？」
リョーコ「か～っ、またバカップルが一組増えやがった。ったく、何だってこんなに暑苦しいんだ、この部隊はよ」
ヒカル「そんなこと言って、リョーコちゃんも～」
イズミ「最近は、星占いでラブラブ研究～」
リョーコ「てっ、てめえら！ 何でその事を・・・こらっ、待ちやがれ！」
ヒカル「きゃ～～」
イズミ「いや～～ん」
マサト「あはは、相変わらずみたいですね、ここは」
甲児「・・・まあな。ま、以前とまったく同じかってえと、そういう訳でもないんだがよ」
美久「え・・・何かあったんですか？」
甲児「ああ。キラとトールがな、いなくなっちまってよ・・・」
ナデシコ／食堂
〔扉の開閉音〕
フェステニア「さあっ、お待ちかねのランチタイム！」
カティア「失礼します」
メルア「こんにちは～」
アキト「やあ、いらっしゃい。ご注文は？」
統夜「あ、アキトさん。今日も厨房ですか？」
アキト「うん、俺はこっちの方も修行中だからね。何にします？」
統夜「じゃ、日替わりランチで」
フェステニア「アタシ、カレー大盛りでコロッケ二個乗せ！ それから・・・」
カティア「テニア、お野菜も食べなさいって言ったでしょ？」
フェステニア「あ、そうだった。じゃあね、ポテトサラダも大盛りで」
統夜「・・・いつものことだけど、一体どこに入るんだ？」
ナデシコ／食堂
サイ「だから、結局オーブからの連絡待ちってことだろ？」
カズイ「それはわかってるよ。だけど、進展くらい聞かされたっていいじゃないか。それに艦長もさ・・・」
統夜「やあ、こっちで食事？」
カズイ「あ、統夜」
サイ「兵舎の食堂よりこっちの方がいいからね。アークエンジェルの艦内設備は閉鎖中だし・・・」
カズイ「あ～あ、俺、いっそこっちに移りたいなあ」
サイ「また出来もしないことを。しっかりしろよ」
メルア「・・・オブからは、まだ何も情報が無いんですか？」
カズイ「うん。それでみんな、落ち込んでてさ。特にミリィとフレイは、ほとんど顔も出さないし・・・」
サイ「・・・待つしかないってのは、つらいよな」
統夜「うん・・・そうだね」
カティア「心配ですね・・・」
カズイ「ところでさ、ナデシコは修理にいつまでかかるんだい？ アークエンジェルは、当分ダメみたいだけど」
統夜「うーん、どうなのかな。俺もそのことは・・・」
ウリバタケ「ナデシコはほとんど直ってるよ。何だったら、今すぐにでも飛べるぜ」
統夜「ウリバタケさん！」
サイ「あ、どうも」
カズイ「おじゃましてます」
ウリバタケ「よう。おーいテンカワ、こっちもラーメンライスたのむわ！」
アキト「へいまいど！」
ウリバタケ「もともと機関部がヘタってた以外は、伝送系のメンテが若干あった程度だからな。残りの時間は、ちょいと俺の趣味を満足させてもらってたわけさ。せっかくの機会だからな」
統夜「・・・ひょっとして、怪しい秘密兵器でもこっそり取り付けたんじゃないでしょうね」
ウリバタケ「そいつは開けてびっくり見てのお楽しみって奴だぜ。ふっ・・・ふっふっふ、わ～っはっはっはっはっ」
フェステニア「怪しい・・・」
メルア「こっ、怖いです・・・」
ウリバタケ「ま、それはそれとしてだ。アークエンジェルの方だが、あっちはもう一週間はかかるらしいな。相当やられてたから、無理もねえ。俺が手を貸してえのは山々なんだが、軍機の問題ってのが有りやがってよ。いやあ残念だ」
サイ「そ、そうですか」
カズイ「そ、それでいいです。僕たち別に・・・怪しい秘密兵器は・・・その、遠慮したいっていうか」
〔カーソル、ヨコスカを指定〕
ヨコスカ基地
アイリーン「それじゃあ、私はここからノヴィス・ノアに戻ります。残ったみんなは、引き続きこちらに協力のこと。よろしくね」
ナンガ「わかりました、艦長もお気をつけて」
比瑪「子供達に、いい子にしてなさいって伝えて下さい」
フリーマン「アイリーン艦長、助かりました。感謝します」
アイリーン「いえ。正直、患者のことは気がかりですけど・・・あっちを留守にし続けるわけにもいきませんしね」
ミリー「その・・・ミユキさんの具合、まだよくないんですか？」
アイリーン「ええ、残念だけど。この間の戦闘でも、だいぶ船が揺らされたし・・・本当はこの機会に病院に入った方がいいんだけど、本人がね」
比瑪「お兄さんの側を離れたくないんだ」
アイリーン「それもあるけど、入院してもし軍に嗅ぎつけられたら、また研究材料にって連中が出てくるでしょうしね。それを考えると・・・」
フリーマン「その事だが艦長。可能なら、ミユキ君を外宇宙開発機構本部に移送したいのだが」
ミリー「え、本部にですか？」
レビン「なーるほど。あそこなら連合軍にもちょっかい出されずにすむってわけね。さすがチーフ！」
ノアル「医療設備も完璧だ。Ｄボウイの奴、これで安心するんじゃないか？」
アイリーン「そうね・・・いいかもしれない。ミスターフリーマン、お願いできるかしら？」
フリーマン「承知した。私も一緒に本部に戻ろう。ラアムの件でも早急に動いておかんとな。最悪の場合、対応できるのは我々のみということも想定せねばならん。ノアル、準備を」
ノアル「ラーサ！」
ナデシコ／メディカルルーム
ミユキ「・・・お兄ちゃん」
Ｄボウイ「ミユキ、起きたのか」
ミユキ「うん。お兄ちゃん、ずっとそこにいてくれたの？」
Ｄボウイ「ああ、気にするな。そうだ、チーフが言っていたんだが、外宇宙開発機構の本部で、お前の治療をしてくれるそうだ」
ミユキ「スペースナイツ・・・お兄ちゃん達がいたところ？」
Ｄボウイ「ああ。また離ればなれになるが・・・」
ミユキ「お兄ちゃんはラダムと戦わなければいけないもの。わかったわ、私、そこで待ってる」
Ｄボウイ「・・・すまない。きっと終わらせて、迎えに行く」
ミユキ「うん。・・・ねえお兄ちゃん、アキさんっていい人ね」
Ｄボウイ「え？ ああ。アキは俺の大切な仲間だ」
ミユキ「よかった、ああいう人がお兄ちゃんのそばにいてくれて・・・ふふ、ちょっとヤキモチ焼いちゃったけど」
Ｄボウイ「お、おいミユキ・・・」
ミユキ「お兄ちゃん、また海に行きたいね。タカヤお兄ちゃんとシンヤお兄ちゃんと、三人で行った海に、今度はアキさん達と・・・」
Ｄボウイ「・・・ああ。連れて行ってやるよ」
ミユキ「今は行けないけど・・・いつかきっと」
Ｄボウイ「約束だ。かならず連れて行く」
ミユキ「うん、お兄ちゃん・・・あ、いけない。お薬飲む時間だわ」
Ｄボウイ「薬か？ そこにいろ、水を持ってくる」
ミユキ「うん、ありがとう・・・お兄ちゃん？ どうしたの？」
Ｄボウイ「う・・・な、何だ・・・」
〔ガラスの割れる音〕
ミユキ「お、お兄ちゃん！」
Ｄボウイ「な、何でもない。手をすべらせただけだ」
ミユキ「でも・・・」
〔扉の開閉音〕
アキ「今の音は何？ どうかした！？」
ミユキ「アキさん・・・お兄ちゃんが・・・」
Ｄボウイ「アキ・・・いや、どうってことはない・・・少し疲れてるらしい」
アキ「もう・・・無理もないわ。ずっと寝ないでいるんだもの。少し休みなさい」
ミユキ「お兄ちゃん、そうして。お兄ちゃんの具合まで悪くなったら・・・」
Ｄボウイ「ああ・・・少し休もう。ミユキ、心配ない。気にせず寝ていろ」
ミユキ「もう。お兄ちゃんもよ？」
Ｄボウイ「ああ、そうだな。アキ、すまないが後をたのむ」
アキ「わかったわ。ちゃんと寝るのよ？」
〔扉の開閉音〕
Ｄボウイ「なんだ、今のは・・・くそっ、目が・・・かすむ・・・こんな時に・・・！」
ナデシコ／ブリッジ
ユリカ「“北太平洋チューリップ掃討作戦”・・・ですか？」
〔モニターの開閉音〕
コウイチロウ「うむ。概要はおおかた察せられると思うが・・・」
ルリ「と言うより名前そのまんま」
ミナト「ボキャブラリーって大切よね」
コウイチロウ「う、うむ・・・まあとにかくだ。第３艦隊特務分艦隊の諸君は、艦の修復が終わり次第、本作戦に加わってもらいたい」
ムウ「・・・了解しました。しかし・・・例のラダム樹については・・・」
コウイチロウ「ううむ・・・その事か」
マリュー「まさかとは思いますが・・・上層部は黙殺なさるつもりですか？」
ユリカ「お父様！？」
コウイチロウ「・・・実は、先日も話した、対ザフト強行派だがな。奴らがこの件を潰そうとしておるらしいのだ。連中は軍内部はもとより、最近では外側からも公然と圧力をかけて来よる。どうやら思想的な面でも主導権を握りつつあるようでな・・・」
プロスペクター「青き清浄なる世界のために・・・というやつですかな」
コウイチロウ「ふむ、ネルガルも聞いたことがあるだろうな。それだ」
エリナ「青き清浄なる世界のために・・・」
ミナトこれも何だか、ボキャブラリーが貧困ねえ。センス無いっていうか」
アカツキ「軍の上層部が、こんな神がかったことを言い出すってのはねえ。そろそろやばいんじゃない、色々と？」
ナタル「アカツキ・ナガレ！ その発言は・・・」
コウイチロウ「いや、その通りだよ。元々強行派だったコルベット准将など、最近はすっかり感化されてしまいおった。ラダムの件にしても、どうにも我々は旗色が悪い」
マリュー「そんな・・・」
ユリカ「お父様！ お父様がこんなところで愚痴言ってて、どうするんですか！」
ナタル「ミスマル艦長！？」
コウイチロウ「う、ううむ・・・まことに面目ない」
ユリカ「わかりました！ そのチューリップ何とか作戦、さっさと終わらせちゃいましょう！」
マリュー「え？」
コウイチロウ「ふむ・・・と言うと？」
ユリカ「私達ナデシコが先に行きます！ ナデシコはもう、ほとんど直ってるんですから。すぐにでも出発ＯＫです！」
ナタル「しかし・・・」
ムウ「いいのかい？」
ユリカ「はい！ アークエンジェルはまだ修理に時間がかかりますよね？ 私達がチューリップを片づけちゃいますから、その後で一緒にラダムをやっつけましょう！」
マリュー「ミスマル艦長・・・」
ユリカ「いいですよね、お父様！」
コウイチロウ「・・・よろしい。では地球連合軍第３艦隊、特務分艦隊所属。戦艦ナデシコ。貴艦に、北太平洋チューリップ掃討作戦への参加を命ずる。しっかりやりなさい」
ユリカ「はいっ！ 了解です！」
ミナト「言うじゃない艦長？ 見直しちゃったわ」
エリナ「たく、また勝手な事を・・・」
ムウ「・・・すまないな、助かったよ。ここだけの話、ウチの連中はまだ少々まいっててね」
ユリカ「気にしないで下さい！ 困ってるときはお互い様です！」
マリュー「お礼を言うわ。私達軍人って、どんな命令にも従うのが絶対だから、上層部が信頼できない時って、何よりつらいの。だから今回はすごく、ほっとしたわ・・・こんな話、ナタルに聞かれると怒られるけど」
ナタル「聞こえております艦長。そのような冗談は控えていただきたい」
マリュー「ふふっ、ごめんなさい」
ナタル「ミスマル艦長。自分は命令の規律を乱す行為は、何であれ、組織にとっては好ましくないと考えます」
ユリカ「はあ・・・」
ナタル「ですが・・・我々軍人に無い強さが、貴艦とその精神にあることは、認識せざるを得ません、今回の件は、感謝いたします」
ユリカ「え・・・えーと、よくわかりませんけど、取りあえずどういたしまして」
マリュー「・・・あなたらしいわね、バジルール中尉」
ムウ「ふっ、素直じゃないところがな」
ルリ「大人って複雑でよくわかりません」
ユリカ「とにかくそういうわけで！ さっそく発進準備です、パイロットのみなさんも全員集合！」
ナデシコ／ブリッジ
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕
〔画面、振動〕
ユリカ「きゃ～！」
メグミ「ミサイル第六波、全方位より接近！ フィールドに接触！」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕
〔画面、振動〕
ユリカ「何でいきなりこうなるんですか～！？」
リョーコ「どいつもこいつも、ナデシコばっか目の敵にして撃って来やがって！」
ルリ「恨まれてますね、相当」
アカツキ「いわゆるアレだ、タコ殴りってやつ？」
メグミ「第六波来ま・・・あれ？ ええと、六はさっき言ったっけ？」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕
〔画面、振動〕
プロスペクター「やれやれ、ミサイルという物は、ずいぶんとこれで高価な物なんですけどねえ」
ヒカル「ディストーションフィールドの外からじゃ、全部無駄遣いよね～」
豹馬「なあ艦長、俺達はいつ出られるんだ？」
沙羅「中にいたままじゃ、仕事できないよ？」
ユリカ「う～ん、そうなんですけどねえ。どうしましょう」
統夜「味方艦からの援護は無いんですか？」
ユリカ「はあ。何だか仲間外れにされちゃってます」
ロアン「ミスマル提督の言っていたことは、結構深刻みたいですね」
ドモン「とにかく、ここでいつまでもこうしていても埒があかん」
ルリ「艦長、第三格納庫およびＹユニット先端にボソン反応増大」
ユリカ「え？」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕
〔画面、振動〕
ミナト「きゃあっ！」
エリナ「な、何！？」
ルリ「第三格納庫およびＹユニット先端で爆発・・・損害軽微。変ですね、爆発は大きかったのに」
ウリバタケ「どうした、今の爆発は！？ おいおい、ディストーション・ブロックがなけりゃあ、今頃オダブツだったところだぜ？」
甲児「ディストーションブロック？」
統夜「ああ・・・前に食堂で言ってたあれのことかな」
メルア「ウリバタケさん、ディストーションブロックって何のことですか？」
ウリバタケ「よくぞ聞いてくれました！ 秘密兵器その一、ディストーションブロックとは！ 艦内の各重要部をディストーションフィールドで個別にブロック、常に被害を最小限にとどめるシステムだ。ふっ、こんなこともあろうかと・・・こんなこともあろうかとお！」
十三「一度言ってみたかったんやろうなあ、あのセリフ」
ルリ「ボソン反応再び増大。艦橋真下です」
ユリカ「後退しつつ全速上昇！ 逃げますよ！」
忍「お、おい！ 逃げるったってなあ！」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕
〔画面、振動〕
ノアル「う、うわっ！ あ、あぶねえ所だったぜ！」
ユリカ「敵の攻撃がどこから来るかわからない以上、逃げるのが一番です！ 速度そのまま！」
エリナ「ちょっと、宇宙に出ちゃうわよ！？」
メグミ「敵艦隊から一隻、本艦を追尾してきます！」
亮「ふん、どうやらあいつの仕業らしいな」
ミナト「どうする、振り切っちゃう？」
ユリカ「いえ、追って来るのなら来させましょう！ 狙いがナデシコなら、これで地球から引き離します！」
アカツキ「おいおい、僕達は釣りのエサか？」
エリナ「どうなっても知らないわよ！」
〔カーソル、地球を指定〕
ナデシコ／ブリッジ
ルリ「敵母艦、本艦の後方よりなお追尾中。距離２００」
チボデー「逃げたはいいが、これからどうするんだ？ ずっと逃げ続けるわけにゃいくまい？」
鉄也「問題は、例の遠距離攻撃だ。あれを何とかしない限り、射程内にも近づけん」
サイ・サイシー「なんなのさ、あれって。フィールドの中に突然出てきたんだろ？」
アカツキ「ふむ。ま、およその見当はつくがね。おそらく・・・」
イネス「説明しましょう！」
雅人「うわっ！」
大次郎「ど、どこから出て来たでごわすか？」
イネス「こほん。あの攻撃は、木星連合軍が持っていると思われる、短距離相転移ジャンプ技術を応用していると見て間違いないわね」
ミナト「短距離相転移ジャンプって・・・距離の短いボソンジャンプってこと？」
イネス「その通り。以前、木連の人型兵器と戦った時、相転移ジャンプで攻撃してきたこと、覚えてない？」
豹馬「ああ、思い出したぜ。瞬間移動しながら襲いかかってくるやつがいたっけ」
イネス「彼らは、短い距離なら、チューリップの力を借りずにジャンプするテクノロジーを開発済みってことね。おそらく、距離と質量は反比例していると思うけど・・・今度はその技術で、爆発物を直接こっちに送り込んできたってわけ」
レビン「いやだ、いらないってのよそんな物」
ノアル「なるほどな。で、そのプレゼントをお断りする方法は、無いってことですか？」
イネス「ひとつだけあるわ。それは距離」
ユリカ「距離、ですか。あ、つまり、あんまり遠くへは送れないってことですね！？」
イネス「はい正解。オモイカネの計算によると、最初に爆発があった時点での敵戦艦との距離、今ここで攻撃してこない事実などから推定して・・・安全圏と言えるのは、このくらいかしらね」
ユリカ「・・・ボソン砲」
甲児「へ？」
イズミ「ぼそっと命名・・・ボソン砲。くっ、くくくくく・・・」
ユリカ「あ、取りあえず名前付けとこうかなって。あはははは」
アキト「お前なあ・・・」
忍「理屈はわかったぜ。とくりゃあ、そのボソン砲をぶっこわしゃあいいんだな？」
エイジ「僕たちで接近して、何とかするしかないか・・・」
宗介「それは無謀だな。敵の守備もその箇所に集中していると思われる。対して我が方は、攻撃に対して予測すら出来ない状況だ。リスクが大きすぎる」
勇「だからって、他にどんなやり方があるんだ？」
カティア「なんとか気づかれずに、近付ければいいのでしょうけど・・・」
エリナ「・・・その方法ならあるわよ」
フェステニア「え？ どんな？」
エリナ「ボソンジャンプにはボソンジャンプ。飛んでもらうのよ。アキト君・・・あなたにね」
アキト「え、ええっ！？ 俺！？」
ユリカ「ア、アキトに！？」
アキト「俺には・・・」
エリナ「ボソンジャンプで敵艦のふところに飛び込んで、ボソン砲を破壊する・・・危険かもしれないけど、これしか方法がないってこと、わかるでしょ！？」
ユリカ「アキト、嫌なら嫌って言っていいんだよ？」
エリナ「艦長は黙ってなさい！」
アカツキ「なるほど、面白いね。僕もひとつ、挑戦させてもらいたいな」
アキト「あ、あんたが？」
アカツキ「なんだい、僕だってうまくいかないとは限らないだろ？ そこの所どうですか、イネス先生？」
イネス「せっかくだけど、やめておいた方がいいわね」
アカツキ「な・・・何故！？」
イネス「テンカワ君は過去に二度の生体ボソンジャンプを成功させている。今度もうまく行く可能性は高いわ。でもあなたはこれが初めて。ジャンプに肉体が耐えられるかどうか、わからない」
アカツキ「・・・くっ・・・」
アキト「お、俺・・・やります！」
ユリカ「アキト！？」
アキト「俺が行きます！ やらせてください！」
〔カーソル、地球を指定〕
木連軍戦艦／ブリッジ
三郎太「どうやら逃げ回るしか能がないようですな。やはり地球人の戦艦は腰抜けと見える」
源八郎「ふふん、果たしてそうかな？」
三郎太「は？」
源八郎「月での奴らの戦いぶりを忘れたか、三郎太。今回も、第二波攻撃を送り込む直前に迷わず離脱した、あの判断は見事だった。現にこうして、未だに仕留められずにいるではないか」
三郎太「買いかぶりすぎではありませんか？」
源八郎「いずれわかる。だがくれぐれも侮るなよ。敵を知り己を知れば百発百中と言うからな」
三郎太「はあ・・・」
源八郎「それに、どうせやりあうなら、相手に骨があった方が面白いと思わんか」
三郎太「それは自分も同感であります。・・・ところで艦長殿、地球軍との和平が検討されていると言う話は、本当なのでありますか」
源八郎「ふむ・・・九十九の奴が、司令長官殿に進言しているらしいな」
三郎太「自分は反対であります。正義を賭けて戦っている我々木星連合が、悪の地球人と和平交渉など、もっての他です！ 白鳥殿ともあろう方が・・・」
源八郎「そう言うな。あいつにはあいつの考え方があるのだろうさ。それより今は、目の前のあいつだ。よけいなことを考えるな」
三郎太「は・・・はっ！ 申しわけ有りません！」
源八郎「さて、これからどう出るか・・・？」
ナデシコ／格納庫
宗介「母艦を囮にして敵を引き寄せる。その間に潜入した工作員が内部から破壊工作を行い、同時に一斉攻撃を加える・・・悪くない作戦だ」
マオ「教科書通りと言ってあげてもいいけどね。ボソン何とかって非常識な代物が関わってさえなきゃ」
かなめ「一年前の自分を考えると、宇宙戦艦に乗ってる事自体が十分非常識なんだけどね。今さらだけど、こういうことに慣れてく自分が怖いわ」
宗介「周りの環境に適応するのがサバイバルの基本だ、千鳥。状況に慣れるのは悪いことではない」
かなめ「あんたね・・・ここまで冷静だともはや突っ込みようもないわ。好きにして」
ウリバタケ「おう、ここにいたのか。探したぜ」
かなめ「あ、ウリバタケさん」
宗介「技術主任殿！ 自分に何か御用でありますか？」
ウリバタケ「ああ。つかぬ事聞くが、お前さん空中戦は得意か？」
宗介「空中戦、ですか？ 戦闘ヘリの操縦なら経験がありますが・・・」
ウリバタケ「宇宙空間での戦闘は？」
宗介「それは残念ながら、ありませんが・・・」
クルツ「まあ、そうだよなあ・・・」
ウリバタケ「そこでだ！ 再びこんなこともあろうかと！」
宗介「は、はあ・・・」
ウリバタケ「秘密兵器第二弾！ ミスリルとネルガル共同開発、ウリバタケ・セイヤ製作監修、アームスレイブ専用・空間戦闘装備ユニットだ！」
宗介「こ、これは・・・！」
ウリバタケ「ああ。元来、陸上局地用戦闘マシンであるＡＳに装着することによって、空中・水中はもとより、宇宙空間での活動、及び戦闘をも可能にする優れ物よ。どうだ、気に入ったか？」
宗介「で、では・・・これで、自分は・・・」
ウリバタケ「ああ、宇宙でも戦える。お前は今から宇宙の戦士だ！」
宗介「感謝いたします、技術主任殿！」
ウリバタケ「傭兵魂を見せてやれ！」
宗介「イエッサー！」
かなめ「・・・・・・」
クルツ「おいカナメちゃん、大丈夫か？」
かなめ「うん・・・ちょっとめまいがしただけ。大丈夫、すぐに慣れる・・・・と思う・・・」
アキト「ところでセイヤさん、なんすかこの槍？」
ウリバタケ「俺の作ったおもちゃさ。フィールドを一瞬だけ中和できるんだぜ」
アキト「ゲキガン斬りできるの？」
ウリバタケ「バーカ」
【シナリオデモ終了】
【戦闘マップ開始】
〔味方戦艦出現〕
〔味方ユニット出現〕
〔敵ユニット出現〕
メグミ「ＣＣ散布完了しました！」
イネス「テンカワくん、敵船艦の真下をイメージして。ボソン反応の強い箇所が射出口よ。破壊したら、無理はしないで離脱してね」
アキト「は、はい」
ユリカ「アキト・・・がんばってね。私、信じてる」
甲児「頼んだぜ、アキト！」
一平「お前さんが頼みの綱だ。よろしく頼むぜ」
アカツキ「ヒーロー役を譲ってやったんだ。しっかりやりたまえよ、テンカワ君」
アキト「・・・聞いていいか。何であの時、自分も出るって言ったんだ？」
アカツキ「・・・別に、ちょっと試してみたかっただけさ」
アキト「本当にそれだけなのか？」
アカツキ「ああ、本当にそれだけだ」
アキト「・・・俺は子供の頃、ヒーローになりたかった。でも・・・戦ってるからヒーローなんじゃない、何かを守るのがヒーローなんだって・・・あいつに教わったんだ。あんただって」
アカツキ「あいにくゲキ・ガンガーは僕の趣味に合わなくってね。ま、君は君、僕は僕さ」
アキト「・・・・・・」
イネス「始めるわよ、アキト君。集中して」
リョーコ「大丈夫だってテンカワ。お前なら楽勝さ」
アキト「・・・ああ。やってみる」
木連兵士「敵艦が速度を変えました！」
三郎太「奴め、ついに諦めて勝負する気か？」
源八郎「どうかな、罠かもしれんぞ」
三郎太「艦長殿？」
源八郎「まあいい、誘ってくるなら乗ってやろう。手並みを見せてもらうとするか」
ルリ「ボース粒子増大、ボソンフィールド、形成されます」
アキト「くっ・・・」
フェステニア「だ、大丈夫かな・・・」
統夜「アキトに任せたんだ。信じるしかない」
ルリ「フィールド圧力上昇」
アキト「くっそおおお！」
エリナ「アキト君！」
ユリカ「アキト！｝
アキト「見ててくれガイ！ 俺は・・・！」
エイジ「！」
勇「き、消える！？」
ユリカ「アキトーーッ！」
〔ボソンジャンプ〕
〔アキト、源八郎へ隣接〕
木連兵士「て、敵人型兵器、出現！ 本艦の真下です！」
三郎太「何だと！？ 虫型機を発進させろ、叩き落とせ！」
源八郎「ほう、そう来たか！」
メグイ「エステバリス捕捉、敵艦真下です！ アキトさん！」
ユリカ「アキト！」
鉄也「やったか！」
イネス「アキト君、聞こえる！？」
アキト「あ、ああ！ 大丈夫だ！」
イネス「目標は真上よ！ 攻撃して！」
ルリ「ボソン反応、増大」
ユリカ「アキト、そこよ！」
アキト「わかった！ いっけえええ！」
〔源八郎に爆発〕
三郎太「う、うおっ！」
木連兵士「ち、跳躍砲が、破壊されました！」
三郎太「何ぃっ！？」
源八郎「虎穴に入らずんば五里霧中というやつか！ 地球人め、やるではないか！」
三郎太「くそ！ 艦長殿、デンジンをお借りします！」
源八郎「おい、三郎太！？」
三郎太「悪の地球人め、貴様らには負けん！」
源八郎「・・・ふっ、我が副官殿は血の気が多くて困る。虫型機射出！ 迎撃戦用意だ！」
ユリカ「今です、みなさん発進して下さい！ アキト、みんなと合流して！」
〔アキト、後退〕
〔敵ユニット出現〕
〈出撃準備〉
＜戦闘開始＞
＜統夜vs三郎太＞
統夜「いくらでかいって言っても！ カティア、死角に回り込むんだ！」
カティア「了解！ 行きます！」
三郎太「ええい、ちょろちょろと！」
＜アキトvs三郎太＞
三郎太「単身で突貫してきた勇気は認めてやる！ だが悪は倒さねばならん！」
アキト「悪とかって言うなあっ！」
三郎太「喰らえ、正義の怒りを！」
＜アカツキvs三郎太＞
三郎太「この俺の正義の鉄槌を受けてみろ！」
アカツキ「そうはいかない、後ろがガラ空きってね！」
＜三郎太撃破＞
三郎太「うおおおっ！ む、無念だっ！」
源八郎「三郎太ァ！」
〔ボソンジャンプ〕
〔敵ユニット離脱〕
＜源八郎撃破＞
源八郎「くそっ、やりやがる。こいつはちとまずいかも知れねえな・・・」
木連兵「艦長殿、探知機に感！」
源八郎「何だと！？ どこのどいつだ！」
ルリ「熱源反応、新たに接近」
ユリカ「え、木連の増援ですか！？」
ルリ「オモイカネ検索、照合・・・テッカマンとラダム獣と思われます」
ジュン「うそ！ やだなあ、また来たの！？」
ルリ「・・・でもテッカマンエビルがいません。この前ので、怪我でもしてるんでしょうか」
※※既に三郎太撃破の場合のセリフ※※
源八郎「ちょうど旗色が悪かった所だ、ありがてえ。この隙に離脱させてもらうとしよう。おい三郎太、貴様生きとるか！？」
〔モニターの開閉音〕
三郎た「は、何とか無事であります！ ・・・できれば、回収してもらえれば、ありがたいのですが・・・」
源八郎「ふっ、すぐに拾ってやる！ 全軍、離脱！」
※※まだ三郎太健在の場合のセリフ※※
源八郎「ちょうど旗色が悪かった所だ、ありがてえ。この隙に離脱させてもらうとしよう。全軍、離脱！」
〔ボソンジャンプ〕
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
〔敵ユニット離脱〕
〔敵ユニット出現〕
豹馬「あ、あいつら！」
ちずる「クリムゾン島で見たテッカマンね！？」
アックス「ふははは、お前達がこんな所に出てくるとはな！ 悪いが、エビル様のために、全員ここで死んでもらう。来るがいい地球人、そしてタカヤ坊！ このわしが直々に相手をしてやる！」
ランス「ブレード、私と貴様どちらが優れたテッカマンか！ 決着を付けようではないか、さあ、勝負しろ！」
ノアル「くそっ、あいつら・・・！」
マサト「乗せられちゃだめだ、Ｄボウイ！」
健一「見え透いた挑発をしてくれるぜ」
ブレード「いや、望むところだ！ アックス、ランス！ 俺がここで貴様らを倒す！」
ノアル「おい、Ｄボウイ！」
ドモン「ふっ、やはりな」
甲児「か～っ、やっぱりそう来るかよ。わかった、こうなりゃ仕方ねえ！」
統夜「ああ。Ｄボウイを援護するんだ。いいな！？」
カティア「了解！」
＜統夜vsアックス＞
統夜「ラダムだか何だか知らないけど！ 好きなようにはさせない！」
アックス「ほう、悪くない動きだ。だがわしに通用するかな！？」
カティア「気を付けて、統夜。相手の技量は相当の物です」
＜ブレードvsアックス＞
アックス「来たかタカヤ坊！ お前がどれほど腕を上げたか確かめてやろう！」
ブレード「アックス、いやゴダード！ 昔の儘の俺だと思うな！」
アックス「楽しみなことだな！ さあ来い！」
＜ブレードvsランス＞
ランス「私こそが完全なるテッカマンなのだ！ エビル様が出るまでもない、私が貴様を葬ってやる！」
ブレード「黙れ！ 俺は・・・ここで倒れるわけにはいかないんだ！」
＜ノアルvsアックス＞
ノアル「Ｄボウイだけに戦わせるわけにはいかねえ！」
アックス「ふん、邪魔をするな！ どいていろ！」
＜アックス撃破＞
アックス「くっ・・・タ、タカヤ坊・・・！」
ブレード「・・・ゴダード！」
※※ブレードが撃破の場合、セリフ追加※※
アックス「ふ・・・、肉を切らせて骨を断つ・・・死線をくぐり抜けた、戦士の境地か・・・。強くなったな、タカヤ坊。この俺を、ついに越えた・・・」
ブレード「俺は強くなどなりたくなかった！ 戦うことなどしたくはなかった、本当なら！」
アックス「さらばだ、タカヤ坊！」
ブレード「ゴダードォォォッ！」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
〔敵ユニット撃破〕
※※まだランス健在の場合、セリフ追加※※
ランス「何だと！？ ちっ、アックスめ、ふがいない！」
＜ランス撃破＞
〔敵ユニット離脱〕
＜敵全滅・勝利条件達成＞
ルリ「周囲に敵の反応無し。今度こそ終わったみたい」
ユリカ「みなさん、帰還して下さい！ アキト、お疲れさま！」
メグミ「艦長、アキトさんから通信です」
ユリカ「え！？ アキトどうしたの？ もしかして怪我した？ 待ってて、すぐ看病したげる！」
アキト「バカ、違うよ。帰還する途中で、救命シャトルを拾ったんだ」
ユリカ「・・・救命シャトル？ こんなところで？」
アキト「取りあえず、ナデシコに回収しておくから。いいな？」
ユリカ「う、うん・・・」
【戦闘マップ終了】
【シナリオエンドデモ開始】
〔カーソル、地球を指定〕
ナデシコ／食堂
甲児「シャトルに乗ってたって・・・こんな子が？」
さやか「ええ。訳有りだと思うんだけど、それが・・・」
ボス「どうしたってんだよ？」
ユキナ「わ・・・わたしは誰？ どうしてここにいるの？」
豹馬「き、記憶喪失？」
さやか「みたいなのよ」
小介「何だか、似たような事が続きますね」
ミナト「でも、身分証持ってたわよ。ええっと、名前は白鳥ユキナちゃんね・・・白鳥？」
ユキナ「ああっ！ そ、それ、返して！ ・・・って・・・あ～、あなた地球女っ！」
ミナト「え？」
甲児「地球女・・・って、ミナトさんの事か？」
ユキナ「はっ、しまった！」
十三「・・・何や記憶喪失ちゅうの、怪しいんとちがうか？」
ユキナ「ぎく」
豹馬「知られたくないことを隠すのに、記憶喪失を装う。確かに、どこかで聞いた話だよな」
ユキナ（も、もしかして・・・バレバレ？）
ミナト「ちょっとあなたたち！ そんな怖い顔して取り囲んじゃかわいそうでしょ！？ 特にあなた！」
ボス「お、俺！？」
甲児「あ、ああ・・・」
豹馬「そうだな、すまねえ」
ミナト「ごめんなさいね、このお兄さん達、悪い人じゃないから。怖がることないわ」
ユキナ「・・・・・・」
ミナト「ちょっと休む？ 私の部屋のベッド貸したげるわ」
ユキナ「え・・・う、うん」
さやか「ミナトさん・・・」
ミナト「いいからいいから。艦長には、後で言っておくわ。ここはまかせて、ね？」
ナデシコ／ミナトの部屋
〔扉の開閉音〕
ミナト「散らかっててごめんなさいね」
ユキナ「あ・・・このぬいぐるみ・・・」
ミナト「ああ、ゲキ・ガンガー。知り合いに、それ好きな人がいてね」
ユキナ「・・・お兄ちゃんは好きだけど、このマンガは嫌い」
ミナト「ふふっ、やっぱり記憶喪失じゃなかったのね。お兄さんって・・・白鳥九十九さん？」
ユキナ「・・・あなた、お兄ちゃんをたぶらかして、スパイしようとしてたんでしょ」
ミナト「まっさかあ！ そんな面倒なこと、しないわよ」
ユキナ「うそ！」
ミナト「本当よお」
ユキナ「・・・じゃ、お兄ちゃんのいい所、言ってみて」
ミナト「そうねえ・・・あなたみたいな妹がいること、かな」
ユキナ「何それ、ふざけないで！」
ミナト「ふざけてないわ。だってあなた、お兄さんの役に立とうとしてこんな所まで来たんでしょ？ それって、すごいことだよ」
ユキナ「・・・・・・」
ミナト「でも、もうこんな危ないことしちゃだめよ。もしあなたに何かあったら、お兄さんがきっと悲しむわ。そうでしょ？」
ユキナ「・・・ミナト、さん・・・」
ミナト「何？」
ユキナ「お兄ちゃんと、話・・・してみる？」
ナデシコ／格納庫
Ｄボウイ「・・・・・・」
ノアル「やったなＤボウイ！ またテッカマンの一人を倒したぜ！」
Ｄボウイ「あ、ああ・・・」
レビン「お疲れさまＤボウイ！ ・・・Ｄボウイ？ ちょっと、どうかした？」
アキ「どこかやられたの！？ しっかりして、Ｄボウイ！」
Ｄボウイ「くっ・・・だ、大丈夫だ・・・やられて・・・など・・・」
レビン「Ｄボウイ！？」
ノアル「い、いかん！ アキ、メディカルルームへ運ぶぞ！」
アキ「え、ええ！ Ｄボウイ、つかまって・・・Ｄボウイ！？」
ノアル「何てこった、すげえ熱だ！ アキ、急ごう！」
アキ「ええ・・・！」
レビン「アタシ、イネス先生に知らせてくるわ！」
ノアル「・・・くそっ、こんな体で戦ってたのかよ、お前は！」
アキ「Ｄボウイ・・・」
Ｄボウイ「・・・・・・」
ナデシコ／ブリッジ
ユリカ「ユキナちゃん、この回線で、お兄さんとお話しできるの？」
ユキナ「うん。お兄ちゃんが、和平交渉用にこっそり用意してたみたい」
ルリ「回線、つなぎます」
ミナト「あ・・・」
ユキナ「お兄ちゃん！ お兄ちゃん、応答せよ！」
〔モニターの開閉音〕
九十九「こちら白鳥・・・お、お前ユキナか！？ 今どこにいるんだ、無事なのか！？」
ユキナ「・・・お兄ちゃんの手伝い。特別だからね」
九十九「おい、何を言って・・・あ、あなたは！？」
ミナト「白鳥さん・・・おひさしぶりです」
九十九「ミナト、さん・・・こ、こちらこそ！ お、元気そうで・・・こ、困ったな、何を話していいやら、はは、ははは・・・」
ミナト「まあ。ふふっ、ふふふ・・・」
カント「木星の人も、女性の前で照れたりするんですね」
比瑪「だよね。でもあれじゃ、話が進まないよ」
ユキナ「ちょっとお兄ちゃん！ 本題忘れてない！？」
九十九「あ、ああ、すまん。・・・ミナトさん、地球軍のみなさん。ユキナから既にお聞きになったかも知れませんが・・・私は、地球と木星の和平を実現したいと思っています」
アンナ「え・・・」
デビッド「おい、マジかよ？」
マサト「本当だったんだ！ 美久、聞いたか？」
美久「ええ！」
メルア「統夜さん、それじゃ木星との戦争が終わるんですか？」
統夜「ああ、交渉がうまく行けばだけど・・・希望があるって事だ」
フェステニア「本当なの？ ねえ、それってすごい話じゃない！？」
九十九「我々木星連合の中にも、徐々に和平を求める声が出始めています。残念ながら、未だ多数とは言えませんが・・・それに、グラドス軍との軍事同盟の件もあります。これらのことを、粘り強く解決しなければならんでしょう。ですが、きっと解決できると信じます。あなた方がこの剣を受け入れてくれるなら・・・」
ユリカ「受け入れましょう！！」
アキト「ユ、ユリカ！？」
ユリカ「艦長としての、私の考えを言います。私は、このユキナちゃんをナデシコで匿い、ネルガルのトップを説得して、木星との和平交渉を実現させてたいと思います。戦うだけが答えじゃないって思うし・・・この子の故郷と、戦争なんかしたくありませんから」
エリナ「ちょ、ちょっと、そんな簡単に・・・」
ユリカ「大丈夫ですよ！ それに、私達に仲間には、エイジさんもいるじゃないですか」
エイジ「え・・・？」
ユリカ「地球と木連が仲良くなれば、エイジさんと木連さんで、グラドス軍との交渉だって出来るかも知れません！」
ロアン「た、確かに・・・」
シモーヌ「そうよ！ エイジ、そうなったらすごいじゃない！」
デビッド「おい、エイジ！ 惚けてないで、何とか言えって！」
エイジ「あ、ああ・・・もし本当に・・・実現できるなら・・・」
アンナ「エイジ・・・」
エイジ「そのためなら、僕は何でもします、ミスマル艦長！」
ユリカ「それじゃあ決まりですね！」
九十九「・・・ミスマル艦長、とおっしゃいましたか」
ユリカ「はい！ ナデシコ艦長、ミスマル・ユリカです！」
九十九「あなた方と会えたのは、幸運でした・・・ユキナを頼みます」
〔カーソル、ヨコスカを指定〕
ヨコスカ基地
ユリカ「ただいま帰りました！」
マリュー「ミスマル艦長！ 無事だったの？」
ムウ「攻撃を受けて、宇宙に飛んで行っちまったと聞いてたからな・・・心配したぜ」
ユリカ「はい、全然平気です！ それに、すっごいお土産があるんですよ！」
マリュー「お土産？」
ユリカ「じゃ～ん！ この子です！」
ユキナ「こんにちわ！」
マリュー「え？ こ、こんにちは・・・！」
ムウ「・・・？」
ナデシコ／ブリッジ
マリュー「木連軍と、和平交渉！？」
ムウ「で、さっきの子が特使だってのか！？」
ユリカ「はい！ あ、でもまだ内緒ですよ？」
マリュー「それはもちろんわかってるけど・・・」
ジョルジュ「ふっ、さすがに、にわかには信じられないといった顔ですね」
レイン「私達も、直接見たのじゃなかったら、信じられなかったでしょうしね」
鉄也「まあ、あの二人は、軍人の中では、最もこういうことを受け入れやすい人間だろうからな」
ジュン「ふふっ、私達と行動を共にしていたら、自然にそうなるわよね」
ユリカ「・・・というわけで、ネルガルの本社を通じて、交渉を何とか実現させたいと思うんです。もちろん、お父様やミスリルのテッサさんや、それにオーブ政府にも協力を頼みます」
ムウ「そいつはまた・・・途方もない話を持って帰ったな」
マリュー「そうね、でも・・・実現できたら、素晴らしいことだわ。ミスマル艦長、がんばって。絶対成功させてね」
ユリカ「はい！ ラミアス艦長達も手伝って下さいますよね！」
マリュー「・・・そうね、もちろん手伝うわ。だけど、今は・・・」
ユリカ「？」
ムウ「ああ・・・実はな、俺達とアークエンジェルはは、アラスカ基地に償還を受けてる。すぐにでも出発しなきゃならん」
ユリカ「え、ええ～っ！？」
マリュー「私も、さっき知らされたの。あまり考えたくないんだけど・・・何だか私達を、合流させないようにしているみたいな・・・」
ムウ「聞いたとおりだ。突然の話だが、我々は部隊を二つに分けて、一隊はアラスカ基地の守備に当たるよう命令が来ている。アラスカにはアークエンジェルが向かう予定だ。合流するチームは、準備をしてくれ」
大次郎「せっかく和平の希望が見えたちゅうのに・・・」
めぐみ「でもそれを知ってるのは、私達だけだものね」
一平「相変わらず、命令には従わなきゃならねえってわけだ」
ロアン「先は長いですよ。焦って失敗しては元も子もない」
マリュー「今は、上層部に和平のことを知られてはまずいわ。完全に強硬派が主流になっているから」
ムウ「今回の命令もそうだが・・・どうも最近、上は俺達を煙たがってるらしいしな」
フェステニア「なんだよ、今まで無茶な事ばっかりやらせといて！ ひどいじゃない！」
ムウ「まあ、軍隊ってのは元々そういう物なんだよ。統夜はどうする？ 俺達と来るかい？」
アラスカ基地に向かう
和平交渉に向かう
※※「アラスカ基地に向かう」を選択の場合のセリフ※※
統夜「そうさせてもらえますか？ 俺で力になれるなら・・・和平交渉の事も気になりますけど、アークエンジェルが心配ですから。みんな、いいな？」
メルア「はい、もちろん！」
フェステニア「いいけど・・・ナデシコのご飯、当分食べられないの？」
※※「和平交渉に向かう」を選択の場合のセリフ※※
統夜「いえ、すみませんけど・・・和平交渉の実現のために何かしたいんです。俺に何が出来るかは、わからないですけど・・・。みんあ、いいよな？」
フェステニア「うん、アタシもそれがいいと思う」
メルア「賛成です！」
カティア「あなたの決定にしたがうだけですわ」
※※「アラスカ基地に向かう」を選択の場合のセリフ※※
ムウ「はっ、言うようになったじゃないか。頼りにしてるぜ、統夜！」
※※「和平交渉に向かう」を選択の場合のセリフ※※
ムウ「そうか、それがいいだろうな。しっかりやれ。また会おうぜ、統夜」
≪「アラスカ基地に向かう」を選択≫
〔カーソル、パプアニューギニア近海を指定〕
オーブ艦／メディカルルーム
〔扉の開閉音〕
カガリ「迎えが来たぞ」
アスラン「迎え？」
カガリ「ザフト軍だ。中立のオーブには、お前は入れられないからな」
アスラン「そうか。世話になった・・・って言うべきなのかな」
カガリ「・・・待て」
アスラン「？」
カガリ「ハウメアの守り石だ。お前、危なっかしいからな。守ってもらえ」
アスラン「・・・キラを殺した、俺にか・・・？」
カガリ「もう誰にも、死んで欲しくないからだ」
アスラン「やっぱりお前、変な奴だな・・・」
カガリ「・・・・・・」
アスラン「ありがとう」
〔カーソル、アラスカへ移動を指定〕
≪「アラスカ基地に向かう」を選択≫
アークエンジェル／ブリッジ
〔モニターの開閉音〕
連合兵「管制よりアークエンジェル、オメガ５にてオンライン、繰艦を自動操縦に切り替えよ」
マリュー「了解、自動操縦に切り替えます」
連合兵「確認しました。着艦までそのまま」
サイ「はあ・・・やっとついた」
カズイ「早く上陸したいよ」
ナタル「お前達、私語を慎め」
カズイ「は、はい・・・」
マリュー「地球連合軍第３艦隊特務分艦隊、アークエンジェル。ただいま連合軍アラスカ基地に着任いたしました」
連合兵「ご苦労様です。連合軍総司令部、コルベット准将よりの指令を承っております。伝達してよろしいか」
フェステニア（コルベットって、あれ？）
メルア（あの真空管ハゲさんですね！）
カティア（しーっ、静かに！ 聞こえるわよ！？）
マリュー「お願いします」
連合兵「連合軍総司令部より通達。“ムウ・ラ・フラガ少佐、ナタル・バジルール中尉、フレイ・アルスター二等兵。以上三名は明朝、辞令受け渡しのため人事局へ出頭のこと。マリュー・ラミアス少佐以下の乗組員は、別名あるまで現状のまま待機”以上です」
ムウ「な・・・？ 今、何て言った？」
マリュー「待って。指令って言うのはそれだけ？ 他には？」
連合兵「お伝えすることは、異常であります。それでは」
マリュー「待ちなさい、質問が」
カズイ「え、今、何て言ったの？ 上陸できないってこと？」
サイ「現状のまま待機って、そういう事だろ。それより・・・」
マリュー「フラガ少佐・・・」
ムウ「ああ、聞いてたよ。人事局まで、辞令を受け取りに来いだ・・・？ くそったれ、何考えてやがる！」
サイ「フレイ・・・フレイが、どうして？」
ナタル「わからん。だが命令だ、行くしかあるまい。アルスター二等兵には、私から言っておく」
統夜「何かされるとは思ってたけど、こんなやり方でくるなんて・・・」
マリュー「・・・・・・」
≪「アラスカ基地に向かう」を選択≫
〔カーソル、テキサス州を指定〕
スペースナイツ本部
フリーマン「それで、Ｄボウイは倒れたまま、昏睡状態なのだね？」
〔モニターの開閉音〕
ノアル「そうなんです、チーフ。この間の戦闘のあと、ぶっ倒れちまって・・・それ以来・・・」
フリーマン「もう一度聞くが、戦闘直後に倒れたといったな？ 負傷ではなく？」
ノアル「は、はい」
フリーマン「わかった。Ｄボウイを至急、本部まで移送したまえ。君達も一緒にな。連合軍には、私が手を回しておく」
ノアル「ラ、ラーサ！」
フリーマン「畏れていた事態が、とうとう現実となったか。しかしこれほど早いとはな。せめてもう少し時間があれば・・・」
〔カーソル、カーペンタリア湾へ移動〕
カーペンタリア基地／通路
アスラン「・・・・・・」
クルーゼ「もう歩いていいのかね」
アスラン「隊長・・・」
クルーゼ「そのままでいい。報告は読んだ。よくやったな、アスラン」
アスラン「ですが、俺は・・・」
クルーゼ「確かに犠牲も大きかった。それほど強敵だったということだろう、君の友人は」
アスラン「・・・はい」
クルーゼ「その相手を葬ったのだ。本国でも君の功績を高く評価している。君は国防部隊直属の特務隊に配属が決まったよ」
アスラン「え・・・特務隊？」
クルーゼ「名実ともに、君はトップガンだ。お父上の喜んでおられる。近い内に帰還命令が出るだろう、体を休めておくことだな」
≪「アラスカ基地に向かう」を選択≫
〔カーソル、カーペンタリア湾を指定〕
カーペンタリア基地／通路
アスラン「・・・・・・」
イザーク「どの面下げて戻ってきた？」
アスラン「イザーク・・・」
イザーク「特務隊入りだってな。ストライクを討ったなら当然か」
アスラン「・・・・・・」
イザーク「スピットブレイクは俺に任せてとっとと帰れ。貴様などいなくてもどうってことはない」
アスラン「・・・色々あったけど・・・世話になったな、イザーク」
チザーク「ちっ、いいか、忘れるな！ 今度は俺が貴様を部下にして使ってやる。その時まで死ぬなよ！」
アスラン「・・・ああ」
≪「アラスカ基地に向かう」を選択≫
〔カーソル、プラントを指定〕
プラント「ラクス邸／中庭
ラクス「ピンクちゃん、待ちなさい。そちらへ行ってはいけませんよ？」
ハロ「テヤンデ～イ」
キラ「・・・・・・」
ラクス「・・・あら？」
キラ「・・・こ・・・こ・・は・・・」
ラクス「おはようございます。お目覚めになられたのですね？」
≪「和平交渉に向かう」を選択≫
ナデシコ／ブリッジ
ジュン「それでユリカ、これからどうするの？」
ミナト「まずは、方針を決めないとね」
ユリカ「そうですねえ、まずはお父様に話してみるべきですよね。そういえば、ヨコスカに帰ってきたのにまだ挨拶もしてないし。メグミちゃん、通信開いてください！」
メグミ「了解！」
〔モニターの開閉音〕
コウイチロう「その必要はない」
メグミ「きゃあっ！」
ユリカ「お、お父様！？ もう、いきなり出てきてびっくりさせないでください！」
コウイチロウ「・・・・・・」
ユリカ「実はですね、お父様にお話ししたいことが・・・」
コウイチロウ「聞かなくてもわかっておる。木星から来た娘のことだな」
ユリカ「へ・・・？ 何でもうご存じなんですか？」
コウイチロウ「ユリカ、その娘は連合軍が保護することになった。今から引き取りに行く」
ユキナ「え！？」
甲児「な、何だと！？」
マサト「連合軍が・・・？ だめだ、そんなの！」
ユリカ「何故ですか、理由を聞かせて下さい！ ナデシコにこの子がいてはいけない理由が、あるんですか！？」
コウイチロウ「理由などない。上層部の決定だ」
ユキナ「・・・そ、そんな・・・」
忍「ちっ、問答無用ってわけかよ！」
鉄也「ふん、こんなに早く嗅ぎつけてきたことといい・・・さては網をはっていやがったな」
マオ「そうみたいね。ということは・・・」
コウイチロウ「諸君らはすでに囲まれておる。大人しく従ってくれたまえ」
ルリ「周囲に艦影多数。モンゴトメリー型、バーナード型、その他色々で数えられません」
ボス「おいおいおい！ そこまでしやがるかよ！」
健一「貴様ら！ それが味方に対する態度か！？」
日吉「ミスマルのおっちゃん、いい人だと思ってたのに！ 見損なったよ！」
コウイチロウ「さあユリカ、おとなしく・・・」
ユリカ「ディストーションフィールド展開！ 相転移エンジン点火、全速上昇！」
コウイチロウ「ユリカ、待ちなさい！」
ユリカ「お父様達の事情は知りませんけど、ユキナちゃんはお兄さんからお預かりしてるんです！ 知らない人にわたすなんて、そんな無責任なこと絶対できません！」
ユキナ「お姉ちゃん・・・！」
リョーコ「よっしゃ、よく言った！」
アカツキ「やれやれ、やはりこうなるか。それじゃ、悪いけど・・・」
ユリカ「ナデシコ発進！！」
ルリ「・・・え・・・相転移エンジン出力低下？」
ユリカ「あれ？ え、何？ ルリちゃん、どうしたの！？」
ルリ「フィールド消滅・・・ナデシコのシステムが、完全に停止しました・・・」
ユリカ「ええ～～っ！？ 何で？ どうして？」
アカツキ「たった今、マスターキーを抜いたからね」
アキト「な、何！？」
リョーコ「アカツキ！ てめえ！」
統夜「どういうつもりだ！？ まさか・・・あなたが情報を軍に！？」
アカツキ「ふっ、鈍いねえ君達。それより、もう観念した方がいいんじゃない？ いくら君らでも、多勢に無勢ってやつだよ、これは」
〔扉の開閉音〕
コウイチロウ「・・・・・・」
ユリカ「お父様！」
コウイチロウ「大丈夫、悪いようにはせん」
アカツキ「これは、提督直々のお出ましですか」
コウイチロウ「・・・似てきましたな、お父上に。テンカワ君のご両親とＣＣの開発に携わってきた頃を思い出します」
ユリカ「アキトのパパとママ？ じゃ、じゃあアカツキさんのご両親って・・・」
アカツキ「ああ、ネルガル重工先代会長だ。そして僕が、現会長ってわけ。だからナデシコのマスターキーを抜くことが出来たのさ、気づかなかったかい？」
ユリカ「あ・・・それで・・・」
コウイチロウ「あの火星会戦の日、テンカワ博士は、それに巻き込まれてお亡くなりになった・・・だが、実はネルガルが裏で糸を引いていたのではありませんか？」
アカツキ「・・・何がおっしゃりたいのか、わかりませんね」
≪「和平交渉に向かう」を選択≫
天井裏
マオ「マイクのコンディションは？」
クルツ「ああ、バッチリだ」
宗介「・・・回線を接続した。こちらも問題ない」
マオ「ＯＫ、それじゃオンエアといきましょうか」
≪「和平交渉に向かう」を選択≫
ナデシコ／ブリッジ
〔モニターの開閉音〕
プロスペクター「では私からお話しましょう。当時ＣＣはトップシークレットだった。だがテンカワ博士は発表にこだわった。ネルガルにとっては、さぞ都合が悪かったでしょうな」
アカツキ「何を言い出すんだ？ よけいなことを話すと、君のためにならんぞ」
ルリ「え・・・これって・・・？」
≪「和平交渉に向かう」を選択≫
ナデシコ／一室
プロスペクター「当時、私は火星司令部で司令代行をしておりました。思えば全てが、ネルガルにとって都合よくいきすぎた。そう思って、少し調べさせてもらいましてね」
アカツキ「・・・全ては火星にある古代遺跡のためだ」
フェステニア「統夜、これって・・・」
統夜「しっ！ 静かに・・・」
カティア「・・・・・・」
メルア「・・・・・・」
≪「和平交渉に向かう」を選択≫
ナデシコ／食堂
アカツキ「火星及び木星にある古代遺跡、これはすなわちボソンジャンプのコントロール装置だった。これがどういう価値を持ってるか考えるまでもないだろう？」
忍「・・・けっ！」
健一「・・・・・・」
≪「和平交渉に向かう」を選択≫
ナデシコ／通路
アカツキ「当時プラント連合との全面衝突は時間の問題だった。そんなときに公表などしてもらっては、色々と困る」
鉄也「・・・・・・」
甲児「・・・あの野郎・・・」
≪「和平交渉に向かう」を選択≫
ナデシコ／格納庫
アカツキ「父はそう考えて、ボソンジャンプの全ての秘密をネルガルが独占することを計画したのさ」
アキト「・・・じゃまだったって言うのか・・・父さんと母さんが！」
ユキナ「・・・・・・」
≪「和平交渉に向かう」を選択≫
ナデシコ／ブリッジ
プロスペクター「なるほど。で、あの白鳥ユキナという娘を
アカツキ「木連とグラドスは地球圏に侵入し、ザフト軍も攻勢を強めている。そんなときに和平の意志を公表する事は、全体の士気にかかわる」
ユリカ「まさか・・・始末するなんて言いませんよね！？」
アカツキ「ふっ、発表は無論、もっと穏やかにするがね」
ユリカ「そんな・・・！」
マオ「だ、そうよ。みんな、聞こえた！？」
コウイチロウ「！」
アカツキ「な、何ぃ！？」
マオ「ウルズ６、７！ 艦長殿を確保！」
宗介「みんな伏せていろ！」
〔爆発音〕
〔機関銃の銃声〕
クルツ「失礼するぜ！」
アカツキ「お、お前ら！ 止め・・・がっ」
〔殴打音〕
ユリカ「お、お父様！？」
コウイチロウ「しっ！ ・・・さあ、行きなさいユリカ」
ユリカ「は、はいっ！」
〔扉の開閉音〕
≪「和平交渉に向かう」を選択≫
ナデシコ／通路
連合兵「貴様ら、止まれ！」
〔機関銃の銃声〕
クルツ「ちっ！ もう来やがったかよ！」
連合兵「いたぞ、こっちだ！ 貴様ら、大人しく・・・」
ドモン「たあああっ！！」
〔爆発音〕
〔画面、フラッシュ〕
〔画面、振動〕
連合兵「うわあっ！」
ユリカ「ドモンさん！？」
ドモン「ここは引き受けた、早く行け」
サイ・サイシー「ユキナちゃん達は、ジョルジュとアルゴがいるから大丈夫さ！」
ユリカ「は、はい！」
宗介「了解した！ みんな行くぞ！」
連合兵「貴様ら、抵抗するか！」
ドモン「ふん・・・流派東方不敗に立ち向かうとは、度胸だけは誉めてやる。まとめてかかってこい！」
チボデー「久々のストリートファイトだ。ベイビー、楽しませてもらうぜ？」
クルツ「・・・同情しちゃうね」
ユリカ「みんな逃げて！ ナデシコから、逃げてくださ～い！！」
【シナリオエンドデモ終了】
● No35「慟哭の空」 へ戻る
● アラスカルート → No37Ａ「舞い降りる剣」 へ進む
和平交渉ルート → No37Ｂ「『故郷』と呼べる場所」 へ進む
◆ 「スーパーロボット大戦Ｊ」 へ戻る
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