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No.37A
舞い降りる剣


サブタイトル
「舞い降りる剣」


【シナリオデモ開始】
〔カーソル、アラスカを指定〕

アークエンジェル/ブリッジ
マリュー「入港してから、今日でもう一週間になります。半舷上陸の許可も下りないで、艦内待機のままというのはどういうことですか?」
〔モニターの開閉音〕
連合兵「司令部からは何の指示もない。アークエンジェルは現状のまま待機。以上だ」
マリュー「待って下さい! では、捕虜の処遇についてだけでも何とかして頂きたい。未だに艦内に留置している状態です」
連合兵「我々もパナマの増兵で、細かいことまで手がまわらんのだ。そちらで善処したまえ」
マリュー「そんな・・・では、司令部にお繋ぎして下さい。直接指示を仰ぎます!」
連合兵「聞こえなかったのか? コルベット准将以下、司令部は現在、多忙であられる。そのような事を言う前に、ラミアス少佐。先日辞令があった乗組員の人事異動だが、まだ報告がないのはどういうことだ?」
マリュー「・・・フラガ少佐、バジルール中尉、アルスター二等兵の三名は、本日午後を持って引継を完了、任地に向かう予定です。報告はその後に」
連合兵「シモーヌ・ルフラン嬢を下船させる件はどうした。指示があったはずだ」
シモーヌ「!」
マリュー「・・・ミス・シモーヌはあくまで軍への協力者であり、軍人ではありません。本人の意思に反した人事決定は・・・」
連合兵「ルフラン候爵家から、連合軍が直々に抗議を受けてもかね。大体、ヨーロッパ有数の名家の令嬢を戦艦に乗せておくなど、正気の沙汰では無いと思わんか」
シモーヌ「ちょっと、私は自分の・・・」
ロアン「シモーヌ、押さえて」
連合兵「上層部に苦情を言う前に、自分たちの常識をまず考えてみることだな」
マリュー「・・・・・・」
チボデー「シット! 何だってんだ、あの態度はよ!」
レイン「とりつく島なしって感じね」
ジョルジュ「連合軍が我々に冷淡なのは以前からのことですが・・・アラスカに来て以来、どうもやり方が露骨になってきたようですね」
アーサー「・・・シモーヌ・・・」
シモーヌ「私は降りないわよ」
マリュー「シモーヌさん・・・」
シモーヌ「ラミアス艦長、すいません。でも、火星からずっとエイジ達といっしょに戦ってきたのに、ここで私だけ船を降りて安全な場所に行くなんて、出来るわけありません。常識ですって? 笑っちゃうわ」
マリュー「気持ちは嬉しいわ。でも・・・」
エイジ「シモーヌ、艦長を困らせちゃいけない」
シモーヌ「エイジ!?」
デビッド「お、おいエイジ! お前、シモーヌが降りちまっても平気だってのか!?」
エイジ「平気なわけはない。でも・・・艦長にもどうにも出来ない事なんだよ。それに、どうも気になるんだ」
アンナ「気になるって・・・何のこと?」
ロアン「何故今になって・・・ということだね」
エイジ「ああ」
レイン「何故、今になって・・・?」
ロアン「そうだ。今までは、ともかくシモーヌの意志が尊重されていたはずだね。それなのに突然、軍に圧力をかけてまで、我々から引き離そうとしている。不自然だと思わないか」
アーサー「そ、それって・・・え? どういうこと?」
デビッド「シモーヌの実家が何か情報を手に入れた。それで慌てて・・・ってことか」
ロアン「確証はないが、そうだと思う」
エイジ「僕もそう考えたんだ。シモーヌ、すまないが・・・」
シモーヌ「・・・わかったわ、エイジ。ルフランで探りを入れてみる」
エイジ「ああ。頼むよ」
ジョルジュ「サンド家でも協力いたしましょう。レイモンドに命じておきます」
シモーヌ「ラミアス艦長・・・」
マリュー「ええ。シモーヌ・ルフラン、本日をもって下船を命じます。準備が済み次第、出発するように・・・ごめんなさいね、シモーヌさん」
シモーヌ「そんな、私の方こそ。艦長の立場はわかっていたはずなのに・・・すみませんでした、ラミアス艦長・・・」
マリュー「いいのよ。それより、何かわかったら知らせてちょうだいね。頼んだわよ」
シモーヌ「はい! みんなも、待っててね。絶対戻って来るから!」
アーサー「き、きっとだよ!」
シモーヌ「アンナ、エイジを頼んだわよ。無茶しないように、あなたが見張ってなさい」
アンナ「え・・・う、うん。気を付けてね、シモーヌ」

〔カーソル、プラントを指定〕
プラント/ラクス邸
キラ「・・・・・・」
ラクス「何を見ていらっしゃいますの?」
キラ「ふしぎだな、って思って」
ラクス「何がですか?」
キラ「何で僕は、ここにいるのかなって」
ラクス「あなたは戦って来られたのですね。大丈夫、ここはまだ平和ですわ」
キラ「平和、か・・・」
〔扉の開閉音〕
ハロ「マイド、マイド~」
アラン「もう起きられるのか。さすがに大した身体だな」
ラクス「まあ、黒騎士様」
キラ「あ、あなたは・・・」
アラン「また会ったな。キラ・ヤマト。もっとも、挨拶するのは初めてか」
ラクス「この方が、傷ついたあなたを、ここにお連れ下さったのですわ」
キラ「あなたが・・・僕を、助けてくれたんですか?」
アラン「そうなるな。何、礼にはおよばない」
キラ「そうだったんですか・・・それで僕・・・生きて・・・」
ラクス「・・・キラ?」
アラン「生き残ったのはいいが、この先、どこで何をやったらいいかわからない・・・そんな顔だな」
キラ「え・・・」
アラン「自分の行く道は、いずれ見えてくるさ。一度拾った命だ、大事に使え。テスタロッサ大佐の言うには、お前さんは“種”を持つ者なんだそうだ」
ラクス「・・・ですって。ふふふ」
キラ「“種”?」
アラン「ああ。何の事やら俺にはさっぱりわからんが、な」
ハロ「ミトメタクナ~イ」

〔カーソル、アラスカを指定〕

アークエンジェル/食堂
〔扉の開閉音〕
ナタル「アルスター二等兵はいないか?」
カズイ「え・・・フレイですか?」
比瑪「フレイさんなら、頭痛がするからメディカルルームに行くって言ってましたけど・・・」
ナタル「・・・しょうがないやつだ。午後には退艦せねばならんというのに、まだそんなことを」
サイ「・・・行きたくないって、ずっと言ってますからね」
ナタル「そんな甘えが通用しないことぐらい、いいかげんわかりそうな物だ。時間までに準備を済ませておくよう、伝えておけ」
カズイ「は、はい」
比瑪「フレイさんって、ここを降りた後、どこに行くのかな?」
サイ「詳しくは知らないけど、後方勤務だって。宣伝部に配属されるって聞いたよ」
カナン「宣伝部?」
ラッセ「なるほど、悲劇のヒロイン役を振られるってわけか。あざといね」
勇「命の危険はなくなるさ。地球が持てばだけど」
ナンガ「まあな。どっちにしても、寒い話だぜ」
サイ「・・・命の危険は無くなる、か。そうだな・・・」

アークエンジェル/通路
ミリアリア「・・・・・・」
メルア「あ、ミリアリアさん・・・」
ミリアリア「あ・・・」
カティア「ミリアリアさん、大丈夫ですか? 顔色がひどく悪いですよ」
フェステニア「・・・また、ごはん食べてないの?」
ミリアリア「う、うん・・・」
統夜「気持ちはわかるけど・・・栄養とらないと、倒れちゃうよ。食欲がないなら、メディカルルームで薬もらったら? ついでに少し休んでくるといいよ」
ミリアリア「そうね・・・そうする。ありがとう」
メルア「ミリアさん、前はすごく元気な人だったのに・・・」
フェステニア「ほとんどしゃべらなくなっちゃったね。トールとキラがMIAになってから」
統夜「ああ・・・」
カティア「心配ですね。後で、様子を見に行った方がいいかもしれません」

アークエンジェル/メディカルルーム
〔扉の開閉音〕
ディアッカ「いつまで待たせるんだ? 捕虜を一人にしとくなんざ・・・」
ミリアリア「!!」
ディアッカ「え!? ・・・お、お前・・・!」
ミリアリア「あなた・・・あの時の・・・」
ディアッカ「・・・殺さないのか?」
ミリアリア「え・・・?」
ディアッカ「俺を殺さないのか? お前の・・・彼氏、俺が殺しちまったかも知れないんだろ」
ミリアリア「・・・あなたを殺したって・・・」
ディアッカ「・・・え?」
〔扉の開閉音〕
フレイ「あっ・・・!」
ミリアリア「フレイ?」
ディアッカ「な、何だ?」
フレイ「あなた・・・コーディネイター!」
ディアッカ「!?」
ミリアリア「フレイ!」
〔銃声〕
ディアッカ「うあっ!」
フレイ「離して! こいつがキラを殺したのよ!」
ミリアリア「やめて、フレイ!」
フレイ「何で邪魔するのよ! パパやキラを殺したコーディネイターなのよ!? あんただって!」
ディアッカ「・・・・・・」
フレイ「あんただって同じじゃない!」
ミリアリア「違う、私は・・・!」
フレイ「コーディネイターなんてみんな死んじゃえばいいのよ!」
ディアッカ「・・・・・・」
ミリアリア「フレイ、もうやめて!」
フレイ「う、ううっ・・・あああああ!」
〔扉の開閉音〕
統夜「ど、どうした!?」
フェステニア「ミリアリア、フレイ!? ちょっと・・・何があったの? 大丈夫?」
カティア「メルア、ブリッジに知らせて」
メルア「は、はい!」
フレイ「う、ううっ・・・うっ・・・」
統夜「フレイさん、拳銃を渡して・・・危険だから」
ミリアリア「フレイ・・・」
ディアッカ「・・・・・・」

〔カーソル、プラントを指定〕
プラント/司令室
〔モニターの開閉音〕
クルーゼ「スピットブレイク、全軍の配置を完了いたしました。後はご命令いただくだけです」
パトリック「うむ・・・諸君!」
クルーゼ「・・・・・・」
イザーク「・・・・・・」
パトリック「この作戦において、戦争が早期に終結せんことを切に願う。真の正義が示されん事を! オペレーション・スピットブレイク、発動! 目標、アラスカ!」

〔カーソル、アラスカ近海を指定〕
ザフト潜水母艦
イザーク「アラスカ!? パナマじゃないのか?」
ザフト兵「は、はい。確かに、攻撃目標地点はアラスカだと・・・」
クルーゼ「ふっ、頭を潰しておいた方が、戦争はやりやすかろう」
ザフト兵「え?」
イザーク「隊長? ・・・なるほど、そういうことですか。さすがザラ新議長、やってくれますね」
クルーゼ「連合軍は今、目標はパナマと信じて戦力を集中している。アラスカを叩くなら、今が最大の好機だ」
ザフト兵「な、なるほど・・・」
イザーク「勝ちはもらったようなものだ。終わりだな、ナチュラル共もさ」
〔カーソル、アラスカへ移動〕

アークエンジェル/ブリッジ
ナタル「本来なら、間違いなく営巣入りの所ですが・・・任地への移動を最優先させよとの上層部の指示で、処分は保留です。しかし艦長・・・」
マリュー「・・・ええ。私の責任だわ」
フレイ「・・・・・・」
ナタル「捕虜をメディカルルームに入れ、しかも短時間とはいえ監視の目を離すなど、あってはならないことです。拳銃の管理も、もっと徹底しなければ」
マリュー「そうね、あなたの言う通りよ・・・結局、あなたには最後まで、しかられてばかりね」
ナタル「艦長、私は何も個人的な感情で非難しているのではありません」
マリュー「わかっているわ。色々あったけど、あなたには感謝してる。きっと、私よりずっといい艦長になれると思うわ・・・元気でね、ナタル」
ナタル「艦長・・・」
豹馬「・・・ちっ。どうもこういうのは苦手だぜ」
大作「正直、中尉さんも苦手やっとが、いなくなると寂しかのう」
十三「せやな。文句言うて、命令取り消させることって、できんのかいな」
フレイ「艦長、私・・・」
マリュー「ごめんなさい。一応、不服な者は申請できることに、なってはいるんだけど・・・」
勇「それが通るなら誰も苦労はしない・・・でしょうね」
マリュー「そうね。残念だけど」
フレイ「そんな・・・」
ドモン「しかし、惜しくはないか。あんた程のパイロットが・・・」
ムウ「言ってくれるなよ。ったく、こんな時にカリフォルニア訓練所で教官やれときた」
レイン「フラガ少佐が教官をやれば、きっと新人パイロットの生存率が高くなりますよ」
ムウ「だといいがな。そうそう、統夜」
統夜「は、はい」
ムウ「お前さんも死ぬなよ。正直、最初はかなり危なっかしかったがな。今のお前になら安心して後を任せられる。みんなを頼んだぜ」
統夜「フラガ少佐・・・」
ムウ「お前らもな。しっかりやれ」
カズイ「は、はい」
サイ「はい。あ、それと少佐・・・フレイの事・・・お願いします」
フレイ「・・・サイ・・・」
マリュー「さ、少佐。もう行かないと・・・遅れますわよ」
小介(辛そうですね、ラミアス艦長)
ちずる(うん。無理もないわ)
ムウ「ああ。じゃあな、艦長。世話になった」
マリュー「はい・・・少佐も、どうかお元気で」

〔カーソル、プラントを指定〕
プラント/ラクス邸
〔モニターの開閉音〕
ダゴスタ「アラン・イゴール、そちらにおられますか!?」
ラクス「あら?」
アラン「私だ。どうかしたか?」
ダゴスタ「ザラ議長にしてやられました。スピットブレイクの目標は、パナマではなくアラスカです!」
アラン「アラスカだと!?」
ダゴスタ「ザラ議長は評議会にも無断で、一気に地球を攻め落とす気でいます。我々は・・・」
アラン「裏をかかれたな。今の戦力では到底持つまい。おまけにアラスカ基地にはアークエンジェルがいる・・・くそっ、まずいことになった」
キラ「・・・え!?」
ラクス「・・・・・・」
アラン「俺はすぐ地球に戻る。君達は“彼”の指示に従って情報を収集してくれ」
ダゴスタ「は、了解です!」
キラ「アークエンジェルが・・・?」
アラン「聞いたとおりだ、これで失礼する。ラクス・クライン、あなたもどうか気を付けて。キラ、君もな」
キラ「・・・・・・」
ラクス「あなたこそ、どうかご無事で。それから・・・地球のみなさんに、お伝え下さい。ラクス・クラインは、平和の歌を歌います、と」
ハロ「ハロゲンキ! オマエゲンキカ?」
キラ「僕は・・・」
ラクス「キラ・・・」
キラ「僕は、地球に戻らなくちゃ」
ラクス「・・・何故、行くのですか? あなたが一人戻っても、戦争の行方は変わらないかもしれませんよ?」
キラ「それでも、ここで見ているだけなんて僕にはできない。何もできないからって、何もしないでいると・・・もっと何もできなくなるって思うから」
ラクス「また戦いに行くのですか? ザフト軍と?」
キラ「いや」
ラクス「では、木星連合や、ボアザンや、リクレイマーと? それとも・・・連合軍と?」
キラ「いや・・・どれでもない。僕達は・・・何と戦わなくちゃいけないか、少しわかった気がするから・・・」
ラクス「キラ・・・」
キラ「それに・・・仲間がいるんだ。だから僕は地球に戻る」
ラクス「わかりました。では・・・私についてきて下さい。あなたに見せたい物があります」
キラ「え、見せたい物・・・?」

〔カーソル、アラスカを指定〕
アラスカ基地/格納庫
ナタル「自分はあちらの艦です。少佐は?」
ムウ「俺か? 俺は、このお嬢ちゃんと一緒の船だな。中尉とはここでお別れか」
ナタル「そうですか・・・」
ムウ「元気でな、中尉。世話になった」
ナタル「は、はい。そちらもお元気で・・・」

〔カーソル、アラスカを指定〕
アラスカ基地/格納庫
ムウ「さ、俺達はこっちの列だ。並ぼうか」
フレイ「は、はい」
シモーヌ「フラガ少佐、フレイさん!」
ムウ「ん? よう、シモーヌじゃないか。そうか、お前さんも降りるんだったな。この船で行くのかい?」
シモーヌ「ええ。ご一緒できるんですか? 嬉しいですわ」
ムウ「ああ、そりゃこっちのセリフだ。両手に花とは気が利いてる」
シモーヌ「まあ」
フレイ「・・・・・・」
ムウ「エイジ達とは、別れを済ませてきたかい?」
シモーヌ「はい。もっとも、すぐに戻ってくるつもりですけど。ルフラン家がどんな情報を掴んだのか、それさえ確かめれば」
ムウ「ルフラン家の情報?」
シモーヌ「あ、お話してませんでしたね。実は・・・」

〔カーソル、アラスカを指定〕
アラスカ基地/格納庫
ムウ「なるほどな、君を急にここから引き離しにかかった、その理由・・・」
シモーヌ「まだ何も予測はできないんですけど・・・フラガ少佐? どうかしましたか?」
ムウ「ああ。実はこっちも、さっきから気になっていた事があってな」
シモーヌ「・・・それは?」
ムウ「この基地の兵力さ。今まで艦内に閉じこめられていたから、わからなかったが・・・どう思う?」
シモーヌ「・・・そう言えば、新鋭艦と呼べるのはアークエンジェルだけですね。機動戦力も」
ムウ「そうなんだ。以前モルゲンレーテで聞いた話じゃ、連合軍はすでに、モビルスーツの量産にかかっているはずだ。OSの問題も解決してな」
シモーヌ「でも、ここには一機も見えない・・・」
ムウ「それどころか、戦闘車両も航空機も戦艦も、一世代前の旧型がほとんどだ。いくらパナマに増派中と言っても、ここには連合司令部があるんだぜ?」
シモーヌ「フラガ少佐、まさか・・・この基地が、囮?」
ムウ「・・・君が実家に帰って調べてる時間は、無いかもしれん」
シモーヌ「行きましょう、少佐。確かめないと」
ムウ「ああ。フレイ、君はここに並んでいるんだ。自分の番が来たら、このチケットを渡す。わかったね」
フレイ「え? あ・・・あの・・・!」
ムウ「心配ない。じゃあな!」
フレイ「あ・・・少佐・・・!」

アークエンジェル/ブリッジ
フェステニア「何だか、ブリッジも人が減って寂しくなっちゃったね」
統夜「そうだね・・・」
メルア「キラさん、トールさん、フラガ少佐、バジルール中尉、フレイさん・・・五人もいなくなっちゃったんですね。ヘリオポリスから、ずっと一緒だったのに」
フェステニア「艦長も元気ないみたい」
カティア「ええ。無理もないけれど・・・」
サイ「え・・・あれ?」
ミリアリア「どうしたの?」
サイ「艦長、レーダーに敵機反応です!」
マリュー「え? 確認して。どういうこと?」
サイ「南方六時から部隊接近・・・こ、これは!? 艦長、敵襲です!」
カズイ「え、敵襲!?」
マリュー「規模は?」
サイ「そ、それが・・・反応があるだけで、100機以上が・・・」
統夜「何だって!?」
フェステニア「間違いじゃないの!?」
サイ「ほ、本当です!」
マリュー「バカな! なぜ基地の警報が鳴らない!?」
サイ「敵反応、増加してます! 150、いや200・・・う、うそだろ・・・?」
マリュー「エンジン点火、各員第一級戦闘配備! 司令部を呼び出せ!」
ミリアリア「艦長!」
マリュー「何!?」
ミリアリア「そ、その司令部から通信です」
マリュー「スクリーンに回して! ・・・長官!」
〔モニターの開閉音〕
コルベット「ラミアス少佐、まずいことになった」
マリュー「長官、あの敵部隊は? 何故、接近を許したのですか!?」
コルベット「どうやら、ザフトの連中にはめられたようだな。奴らの目標がパナマだという情報に、軍全体が踊らされておった。こそくな手を使いおる」
マリュー「そんな・・・だからと言って、あのような大部隊を見逃すなど・・・」
コルベット「過ぎたことを悔やんでもはじまらん。ラミアス少佐、第3艦隊特務分艦隊アークエンジェルは、このままアラスカ基地防衛に当たりたまえ。各守備隊と連携し、敵の侵攻を阻止するように」
マリュー「敵の侵攻を、阻止・・・」
コルベット「頼んだぞ」
カズイ「む、無茶苦茶ですよ! キラもフラガ少佐もいないのに、あんな大部隊を阻止しろなんて!」
サイ「艦長!」
マリュー「・・・確かに、この戦力で戦うって言うのは酷な話だけど・・・やるしかないわ。イーゲルシュテルン、バリアント、スタンバイ! 各機搭乗員はただちに発進準備!」
カティア「私達も行きましょう、統夜」
フェステニア「大丈夫かな? いくらなんでも敵が多すぎるよ」
統夜「うん・・・でもやれるだけやるしかない。少なくとも、アークエンジェルだけは守らないと!」

〔カーソル、プラントを指定〕
プラント/格納庫
ラクス「どうぞ、中へ。見せたい物はこれですわ」
キラ「こ、これは・・・ガンダム!?」
ラクス「ちょっと違いますわ。これは、ZGMF-X10A、フリーダムです。でも・・・ガンダムの方が、強そうでいいですわね、ふふっ」
キラ「フリーダム・・・これを、何故僕に・・・?」
ラクス「今のあなたには、必要な力と思いましたので」
キラ「今の僕に、必要な力・・・」
ラクス「想いだけでも、力だけでも、だめなのです。あなたのやろうとしている事、行こうとしている場所に、この力は不要ですか?」
キラ「君は・・・誰?」
ラクス「わたくしは、ラクス・クラインです、キラ・ヤマト」
キラ「ラクス・・・ありがとう」
ラクス「さあ、行ってらっしゃいませ。わたくしの、力と共に」
キラ「・・・うん」
【シナリオデモ終了】

【戦闘マップ開始】

〔敵ユニット出現〕
ムウ「そっちはどうだった!?」
シモーヌ「同じです。中心部には、もう誰も・・・」
ムウ「くそっ、どうやらビンゴだったらしいな」
シモーヌ「ええ。少佐、みんなに知らせないと」
ムウ「いや・・・まだ気になることがある。俺は今から地下を見てくる」
シモーヌ「少佐!? 待ってください、一人じゃ危険だわ! 私も行きます!」
ムウ(この感じ・・・まさか奴がここにいるのか? だとしたら、この基地は単なる囮じゃないってことだ。ったく、ヒーローは他の連中に任せておきたいってのに!)
クルーゼ「ふん・・・アズラエルのよこした情報は確かだったようだ。それにしてもフューリーか・・・馬鹿馬鹿しいと思ったが、まさかな」
フレイ「アークエンジェル・・・アークエンジェルは・・・こ、ここってどこなのよ・・・」
クルーゼ「誰だ!?」
フレイ「きゃあっ!」
クルーゼ「ん・・・? ほほう、これはこれは」
フレイ「あ・・・あ・・・」
クルーゼ「君のような兵士までもが人柱とはな。連合軍も無慈悲なものだ。ふふ・・・」
〔味方戦艦出現〕
〔味方ユニット出現〕

〈出撃準備〉
マリュー「みんな、敵は基地への侵入を狙ってくるわ! ゲートを重点的に防衛、残りの部隊は敵の数を一機でも減らして!」
豹馬「軽く言ってくれるぜ」
ちずる「豹馬、ぼやかないの!」
マリュー「頼んだわよ!」
〔カーソル、ゲートエリアを指定〕
<戦闘開始>

<敵8機以下・敵増援1出現>

〔敵ユニット出現〕
サイ「敵機、さらに侵入! 戦闘ラインに到達します!」
カズイ「きりがないよ! やっぱりだめだ!」
マリュー「落ち着け、諦めるな! 火線を集中しろ!」
〔敵ユニット出現〕
クルーゼ「生け贄に供されたのは、残存部隊と、例の彼らというわけか。ふっ、面白い構図だな。せいぜいがんばってくれよ」
統夜「あ、あいつは!」
クルーゼ「ここでいつまでも諸君の相手はできないのでね」
統夜「離脱する気か!? そうはさせない!」
〔敵ユニット離脱〕
カティア「待って、統夜!」
統夜「どうしたカティア!? あと一息であいつを・・・」
カティア「わかってます。でも・・・彼らが来ます!」
統夜「彼らって・・・フューリーか!? こんな所で!」
カティア「はい。それも・・・今までにないプレッシャーです。気を付けて、統夜」

<敵8機以下・第3軍増援1出現>
〔オルゴン・クラウド発動〕
〔第3軍ユニット出現〕

サイ「あ、あの機体は・・・」
カズイ「いつかの・・・フューリーって奴の同型機?」
マリュー「何ですって!? 各機、注意して! △△△△△△が狙われるわ!」
フー=ルー「あらあら、△△△△△△がここにいるなんて、聞いていませんでしたわよ。ちょっと保険をかけておいただけなのに、こんなに事を大きくするなんて。あのアズラエルって坊やといい、先ほどのクルーゼといい・・・地球人はよほど滅亡したがってるのかしら」
統夜「初めてみる機体だ・・・あんたもフューリーか?」
フー=ルー、「初めまして、統夜。私は騎士、フー=ルー・ムールーと申します。・・・ふうん、そう言えば面影があるかしら」
統夜「何のことだ・・・あんたも俺のことを知ってるのか!? だったら言え、フューリーって何だ!? 俺に何の関わりがある!?」
フー=ルー「ジュア=ムが余計なことを言ったみたいね。知ってもしょうがないですわ、どうせあなたには何もできないのだから」
統夜「・・・そうか、だったら何も話さなくていいよ。あんたを討って、無理にでも聞き出してやる!」
フー=ルー「しょうがない坊やね。そんなこと言っている時じゃないんですけど・・・いいわ、それじゃ私が殺して差し上げます。それも一興」

<統夜vsフー=ルー>
フー=ルー「惜しい事ね、さぞ凛々しい騎士になれたでしょうに。でも、ここで屠られるのも決められた運命よ、覚悟はよくて?」
統夜「そんな運命、だれが決めた!」
フー=ルー「あなた達、地球人よ。ある意味ではね」
統夜「訳の分からない事を!」
カティア「統夜、動きを押さえて! 駆動系が付いて・・・」
統夜「来させるんだ!」

<フー=ルー撃破orHP10%以下・味方援軍1&敵増援2出現>
フー=ルー「やりますわね。アル=ヴァン殿がこだわるのも、個人的な事情ばかりでは無かったって事かしら。だとしたら、少し安心しましたわ」
統夜「待て! 逃げる気か!?」
フー=ルー「騎士にとってその言葉は屈辱ね。でも、そうも言っていられないのよ。時間がないの。悪いけど、引かせてもらうわ」
統夜「くそっ、勝手なこと言うな! 逃がさない!」
フー=ルー「生きていたらまた会いましょう、坊や」
〔オルゴン・クラウド発動〕
〔第3軍ユニット離脱〕

統夜「待て、フー=ルー! ・・・くそっ、結局今度も、何もわからずじまいか!?」
カティア「統夜・・・」
ミリアリア「フューリー機、撤退します!」
マリュー「・・・あっちは何とか無事だったみたいね」
カズイ「で、でもこっちは全然無事じゃありませんよ!」
〔敵ユニット出現〕
イザーク「足付きか!? こんな所で会えるとはな!」
〔モニターの開閉音〕
クルーゼ「無理をするなよイザーク。ストライクを欠いた足付きは、どうせ長くは持たん。いずれ時間の問題だ」
イザーク「いえ、俺に任せて下さい隊長! 引導を渡してやります!」
クルーゼ「ふっ、しょうがないな。好きにしたまえ」
イザーク「はいっ!」
クルーゼ(時間の問題、なのだがな。ふふ・・・。しかし、先ほどの機体・・・あれがフューリーか。目にすることが出来ただけでも、この茶番の意味はあったな)
サイ「モビルスーツ隊、接近!」
〔マリューに爆発〕
マリュー「くっ!」
サイ「艦の推進力低下、40パーセント・・・艦長、このままじゃ!」
ミリアリア「発着カタパルト、被弾!」
マリュー「作業員を退避させて!」
〔味方ユニット出現〕
ムウ「アークエンジェル、聞こえるか!?」
サイ「え・・・フ、フラガ少佐!?」
マリュー「少佐!? なぜこんな所に!?」
ムウ「そんなことはどうだっていい、すぐにこの領域から離脱しろ!」
シモーヌ「エイジ達も! みんな、早く逃げるのよ!」
アンナ「シモーヌ!?」
マリュー「どういうことです、少佐!」
ムウ「いいか、この基地の地下にサイクロプスが仕掛けられてる! 作動すれば、ここから半径10キロ以内は巨大な溶鉱炉だ!」
マリュー「え・・・!?」
ムウ「司令部はすでにもぬけの空だ。おそらく、後4分以内に作動する」
シモーヌ「この基地が囮だったの! 上層部は、ザフトの目標がアラスカだって気付いてた・・・父が知った情報って、この事だったのよ!」
アーサー「そ、そんな・・・た、大変だ!」
ミリアリア「・・・こんなのが・・・作戦なんですか?」
サイ「ミリィ?」
ミリアリア「上の人が死ねって言ったら、だまって死ななきゃいけないんですか? 私達軍人だから!?」
アンナ「そんなことない!」
ミリアリア「・・・アンナさん・・・」
アンナ「戦争だからって・・・そんなやり方で、味方を犠牲にするなんて! そんなの、軍隊でも何でもありません!」
シモーヌ「アンナ・・・」
アンナ「違いますか、ラミアス艦長?」
マリュー「・・・全部隊に通達! 本艦はこれより当基地の防衛を放棄、戦闘領域より離脱します!」
ミリアリア「艦長・・・!」
マリュー「残った全ての僚艦に伝えて! “我に続け!”」
ムウ「いいか!? おそらくタイムリミットは4分だ。敵さんには一切かまうな、どこからでもいいから離脱しろ! わかったな!」
豹馬「くそっ、聞いたかよ!? ひでえにも程があらあ」
ドモン「おのれ、汚い真似を!」
十三「こんなんで死んだら、何ぼなんでも浮かばれへんで」
アルゴ「・・・ああ、死ぬわけにはいかんな」
サイ・サイシー「生きて帰って、落とし前つけてやらなくっちゃね!」
比瑪「みんな、急いで逃げて!」
統夜「あいつ、時間がないって言ってたのは、この事を知ってたって事か・・・? いや、そんなことは後回しだ。全速で離脱するぞ!」
カティア「統夜、アークエンジェルにモビルスーツが!」
統夜「な、何!?」
〔イザーク、マリューへ接近〕
イザーク「終わりだ、足付き!」
〔マリューに爆発〕
サイ「こ、後方にデュエル!」
マリュー「こんな時に!」
イザーク「落ちろォォ!!」
サイ「あ・・・」
カズイ「う、うわ・・・」
ミリアリア「・・・・・・!」
〔味方ユニット出現〕
〔キラ、イザークへ攻撃〕

[イベント戦闘「キラvsイザーク」]
イザーク「な、何!?」
キラ「アークエンジェル、無事ですか!?」
マリュー「・・・え!?」
イザーク「な、何だあのモビルスーツは・・・う、うわああっ!」
〔キラ、イザークへ攻撃〕
[イベント戦闘「キラvsイザーク」]
〔敵ユニット離脱〕
キラ「こちらキラ・ヤマト、アークエンジェルを援護します! みんな、今のうちに!」
ミリアリア「・・・キラ?」
サイ「キラ・・・キラなのか!? 本当に?」
ムウ「おい、キラだと!? あの野郎!」
マリュー「キ・・・キラ君!?」
カティア「統夜、キラさんです! あの人、生きていたんですね!」
統夜「・・・ああ!」
キラ「マリューさん、退艦してください!」
マリュー「・・・キラ君、聞いて。急いでこの領域を離脱しないといけないの」
キラ「え?」
マリュー「地下にサイクロプスが仕掛けられて・・・この基地は囮なのよ。そういう作戦だって、私達も知らされてなかったの!」
キラ「わかりました!」
〔キラ、マリューへ隣接〕
ムウ「お、おいキラ!?」
キラ「ザフト、連合、両軍に伝えます! この領域でまもなくサイクロプスが作動します!」
エイジ「キラ君・・・」
豹馬「あ、あいつ・・・」
キラ「両軍ともただちに戦闘を中止し、撤退してください!」
統夜「キラ・・・」
カティア「統夜、急ぎませんと!」
統夜「ああ、わかってる。残り時間は!?」
カティア「・・・残り約4分!」
キラ「連合、ザフト両軍とも、ただちに戦闘を中止し、撤退してください!」
〔カーソル、離脱エリアを指定〕

<味方援軍1出現の次PP>
サイ「あと3分しかない!? もう時間がないぞ!」

<味方援軍1出現の2ターン後PP>
マリュー「あと2分よ、間に合って!」

<味方援軍1出現の3ターン後PP>
ミリアリア「1分しかないわ! もう少しで撤退エリアに入ります」

<敵全滅orマリューが離脱エリアへ到達・勝利条件達成>
※※敵全滅の場合、セリフ追加※※
〔マリュー、離脱エリアへ移動〕
※※※※※※※※※※※※※※※※※

マリュー「よし、機関全開! 両舷全速で離脱!」
ミリアリア「サイクロプス、作動します! 後方に電磁波拡大・・・!」
マリュー「振り切って!」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

〔カーソル、アラスカ近海を指定〕
小島
〔電磁波音〕
〔画面、赤く発光〕

カズイ「い、生きてる・・・かな?」
サイ「ど、どうにかね」
マリュー「みんな、大丈夫!? 逃げ遅れた者は・・・」
ムウ「いや・・・信号にロストはない。どうやら、みんな助かったみたいだな。やれやれだ」
アーサー「た・・・助かった! よ、よかったあ!」
アンナ「エイジも、シモーヌも無事だったのね!」
シモーヌ「ええ、もちろん!」
エイジ「大丈夫だったさ、アンナ」
マリュー「フラガ少佐・・・」
ムウ「ああ、命拾いしたな、お互い」
マリュー「ええ・・・」
ムウ「ところで、坊主は?」
マリュー「え?」
ミリアリア「そうだ、キラよ! 助けに来てくれた!」
エイジ「キラ君なら・・・ほら」
カズイ「あ・・・」
ミリアリア「キ、キラ!」
キラ「・・・・・・」
サイ「キラ!」
マードック「おい、坊主! 本物か!?」
勇「よく生きてたな、キラ!」
豹馬「ユーレイじゃないだろうな?」
デビッド「このやろう、今まで何してた!?」
キラ「みんな・・・間に合って、よかった」
マリュー「キラ君・・・本当に、キラ君なの?」
キラ「お話しなきゃいけないことが、たくさんありますね・・・僕も、お聞きしたいことが、たくさんあります」
マリュー「ええ・・・そうね。本当に」
ムウ「・・・ザフトにいたのか?」
サイ「え・・・?」
カズイ「・・・・・・」
キラ「はい。でも、僕はザフト軍じゃありません。それに多分、もう連合軍でも」
エイジ「ザフトでも、連合軍でもない・・・」
キラ「ええ。こんな戦い、もう終わらせなきゃいけない」
デビッド「キラ、お前・・・」
キラ「終わらせるためには、何と戦わなきゃいけないのか。僕は、それと戦いたいと思うんです。エイジさん、あなたもきっと・・・」
エイジ「・・・そうだね、よくわかるよ。地球とグラドスも、同じだ」
キラ「はい」
〔カーソル、カーペンタリア湾へ移動〕
カーペンタリア基地
クルーゼ「・・・痛恨の極みです。まさか、アラスカ侵攻の情報が漏れていたなどとは・・・」
〔モニターの開閉音〕
パトリック「今さらそんなことを言っても始まらん! 問題は、どこから漏洩したかということだ!」
クルーゼ「内通者がいたとしか、考えられませんな」
パトリック「裏切り者か。くそ・・・」
クルーゼ「お心当たりは、やはり?」
パトリック「クラインの他に考えられるか!? しかしナチュラルめ・・・ここまで非道な手を使いおるとはな!」
クルーゼ「同感ですな。敵味方かまわず皆殺しとは、もはや一片の人間らしさも無くしたと見えます」
パトリック「ナチュラル共! 見ておれ、皆殺しにせずにはおかん! とにかく、必要なのは正確な情報だ。引き続き収集に当たれ!」
クルーゼ「はっ」

〔カーソル、カーペンタリア湾を指定〕
クルーゼ「ふっ、裏切り者、か。相変わらず単純なことだ」
〔扉の開閉音〕
ザフト兵「失礼いたします!」
クルーゼ「何か」
ザフト兵「はっ。捕虜が目を覚ましたそうでありますが・・・」
クルーゼ「ほう、気が付いたか。わかった、尋問は後でいい。さがりたまえ」
ザフト兵「は、失礼します!」
〔扉の開閉音〕
クルーゼ「ふふ・・・さて、あのお嬢さんはどう使うかな?」

〔カーソル、プラントを指定〕
プラント
アスラン「ザラ議長閣下は、おられるか」
ザフト兵「は、はい。おられますが・・・その・・・」
アスラン「どうしたんだ? どうも着いたときから、議長府の様子がおかしいな。何があった?」
ザフト兵「は、まだ未確認情報でありますが・・・スピットブレイクが、失敗したと」
アスラン「何だって!? そ、それじゃ・・・地上部隊は、どうなったんだ!?」
ザフト兵「確認がとれておりません。ですが・・・かなりの損害率で、全滅に近い、との噂も・・・」
アスラン「全滅? そ、そんなバカな・・・」
ザフト兵「自分も、詳しいことは・・・中で、直接お聞きになるのが、よろしいかと」

〔カーソル、プラントを指定〕
プラント/議長室
パトリック「入れ」
〔扉の開閉音〕
アスラン「父上!」
パトリック「・・・何だそれは」
アスラン「・・・! し、失礼しました、ザラ議長閣下!」
パトリック「うむ。話は聞いたな?」
アスラン「はい。で、では・・・スピットブレイクが失敗したと言うのは・・・」
パトリック「事実だ。それだけではない。我が軍の最新鋭モビルスーツ、ZGMF-X10Aが何者かによって略取された。それもこれも、裏切り者の手引きによってな」
アスラン「何ですって!? そ、その裏切り者というのは誰ですか!?」
パトリック「・・・ラクス・クラインだ」
アスラン「ラ、ラクス!? そんなバカな! 何かの間違いです!」
パトリック「間違いだと!? 監視カメラが奴の映像を記録している! 現に情報漏れからスピットブレイクが失敗に終わり、奪取されたモビルスーツがアラスカで目撃された。これでどう言い逃れができる!?」
アスラン「まさか、そんな・・・」
パトリック「アスラン、お前に任務を与える。ZGMF-X10Aの在処を突き止め、奪還もしくは破壊せよ。併せて、第一級国家反逆者ラクス・クラインはじめ、クライン派にかかわった組織、人物の口を全てふさげ。以上だ」
アスラン「第一級国家反逆者・・・ラクスが・・・。し、しかし議長! 関わった組織と人物の全てというのは・・・」
パトリック「必要だからだ。ZGMF-X10Aには、Nジャマーキャンセラーが搭載してある」
アスラン「Nジャマーキャンセラー!? 父上、ザフトが核を所持するのですか!? それは・・・!」
パトリック「勝つためだ。わからんのか?」
アスラン「・・・・・・」
パトリック「行け。成功を期待しているぞ」

〔カーソル、アラスカ近海を指定〕

アークエンジェル/食堂
統夜「・・・・・・」
フェステニア「統夜・・・、ご飯、食べないの?」
統夜「え?」
メルア「どうしたんですか? さっきから、ずっと黙って」
カティア「もしかして・・・あのフー=ルーという人の事、考えてました?」
統夜「うん、そうなんだ。結局今回も、何もわからなかったなって」
メルア「統夜さん・・・」
カティア「統夜、焦っても仕方ありません。いずれは」
統夜「いずれは、わかる時が来るか。そうだな、連中は俺達と△△△△△△を狙ってるんだから」
カティア「それは・・・」
統夜「心配するなって、カティア。自棄になってるわけじゃないよ。逃げてたって向こうから追いかけて来るのなら、戦ってやるさ。そうしたら、何がおこったって納得できるからね」
カティア「統夜・・・」
統夜「そういうわけだから、テニア、これは俺の分だ。やらないぞ」
フェステニア「も、もう! そんなこと言ってない!」
統夜「目がそう言ってたな」
フェステニア「言ってない!」
メルア「あははは。あ、キラさん? だれか探してるんですか?」
キラ「え・・・うん。フレイは、どこかなって」
メルア「あ、フレイさん、ですか・・・」
カティア「・・・フレイさんなら、一足先にアークエンジェルを降りました」
キラ「降りた?」
カティア「ええ、アラスカで・・・でも、無事でいると思いますよ。攻撃が来るよりずいぶん前に、基地を離れましたから」
キラ「そう・・・そうなんだ」
フェステニア「本当に心配ないと思うよ?」
キラ「うん・・・ありがとう」

アークエンジェル/ブリッジ
レイン「機体の応急整備は終わりました、艦長。艦の方ですが、後数時間あれば完了するって、マードックさんが」
マリュー「そう、おつかれさま」
ドモン「艦が直ったとして、目的地はどうするつもりだ?」
ラッセ「自力で補給して、パナマに行って・・・軍法会議か?」
マリュー「アークエンジェルは、いまや敵前逃亡した逃亡艦ですものね・・・」
ナンガ「そいつは御免だな。そこまで義理堅くはなれん」
サイ・サイシー「じゃ、逃げちゃえばいいじゃん。軍なんてオイラもうごめんだね」
ジョルジュ「同感ですね。ですが、寄港地は必要でしょう」
チボデー「当てもなく、自由な旗の基で航海、ってのも悪くはないがな」
アルゴ「・・・ふん」
ムウ「考えたんだがな。取りあえず、オーブを頼ってみようかと思うんだ」
マリュー「・・・そうね。受け入れてくれればだけど」
比瑪「オーブか、いいんじゃないかな? あそこにはカガリさんがいるし、きっと力になってくれるよ」
勇「ああ。ブレン達も、あそこは好きみたいだしな」
カント「ノヴィス・ノアやナデシコとも、連絡が付けやすいですしね」
カズイ「ナデシコ・・・今頃何してるかなあ?」
ミリアリア「私達の情報、聞いてるかな。きっと心配してるだろうね」
ナッキィ「和平のことも、どうなるやら。連合軍がこのザマじゃね」
マリュー「・・・今は、自分たちのことを考えましょう。それじゃ、目的地はオーブに。みんな、それでいいわね」
ムウ「実際、他に行く宛もないしな。決まりだ、修理が終わったら出発しよう」
【シナリオエンドデモ終了】


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