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No.18A
存在~なかま

【シナリオデモ1開始】
???
〔コンピュータの動作音〕
イスペイル「…やはり起動しない…」「なぜだ…!? 精神エネルギーによってこいつは起動するはずだ…」「私の『欠片』の精神力では足りないというのか…!?」
〔扉の開閉音〕
ギル・バーグ「ずっと研究室に閉じこもって、何をやっているのだ、イスペイル?」
イスペイル「…ギル・バーグか。焦らせるな…」「クリスタル・ハートの研究だ。これがなかなか大変でな…」
ギル・バーグ「クリスタル・ハートだと? 何だ、それは?」
イスペイル「恐るべき出力を秘めたエンジンだ」「惑星アトリームを攻撃した時に目をつけ、密かに手に入れた物だ」
ギル・バーグ「エンジンだと? そんな物、どうして貴様が直接研究する必要がある?」「研究など専門家に任せておけばいいではないか」
イスペイル「そうはいかん。クリスタル・ハートは私だけの物だ」
ギル・バーグ「何だと?」
イスペイル「アトリームを攻撃した時、私はクリスタル・ハートの素晴らしい力を見て愕然とした…」「そして、どうしても自分の物にしたくなった」「そして、アトリームのロボットを捕獲して、クリスタル・ハートを手に入れたのさ」
ギル・バーグ「いくら恐るべきエネルギーを秘めているといってもたかがエンジンだろう?」「何がそんなに素晴らしいんだ?」
イスペイル「それはまだ言えん。クリスタル・ハートが動いたら、デモンストレーションしてやるさ」
ギル・バーグ「動いたら…? 動かせていないのか」
イスペイル「なに、すぐにでも動かしてみせるさ」
ギル・バーグ「よく大口を叩けたものだ。アトリームを攻撃してからどれほどの時間が経っている?」「地球時間で言えば1年程度…違うか?」
イスペイル「フン…。今まで時間がかかっていたのはサンプルが一つしかなく、十分な実験が行えていなかったからだ」「大空魔竜と一緒にいるレヴリアスのパイロット…」「奴が今、レヴリアスに搭載されているクリスタル・ハートを起動させている」「万が一の場合は、奴と共にレヴリアスを捕獲すればいいだけの話だ」
ギル・バーグ「レヴリアスだと?」
イスペイル「そうだ。なぜかは知らんが、アトリームの機体が大空魔竜にいるのだ…」「しかも、おあつらえ向きにクリスタル・ハートを搭載している」「そいつを捕獲すれば、俺の手に完全な状態のクリスタル・ハートが手に入るという寸法だ」
ギル・バーグ「そうか…。ま、せいぜい頑張るんだな…」
〔扉の開閉音〕
イスペイル「フン…。あのエンジンの凄さは対峙した者でないとわからん…」「一度は私を圧倒し、あの方をも怯ませた力、何としてもこの手に…!」

アルヴィス/医務室
マリュー「では、春日井甲洋君をお引き渡しします」
真壁「どうもありがとうございました…」
咲良「遠見先生、甲洋は…甲洋はどうなるの?」
千鶴「詳しく診察しないとわからないけど、おそらくこのままの状態で生き続ける事になるでしょうね…」
咲良「そ、そんな…!」
総士「一騎、咲良…よく見ておけ。勝手な行動をすれば、お前達もこういう事になる…」
一騎「お前、まだそんな事を…!」
マリュー「あの…彼の親御さんはお見えにならないのですか…?」
真壁「…ええ」
カガリ「どうしてだ? 子供の事が心配じゃないのか?」
咲良「甲洋がパイロットになれたって大喜びしてたから、相当ショックを受けてるんじゃないかな…」
杏奈「どんなにショックを受けたって、自分の子供の様子を見に来ないっておかしくない?」
真壁「…遠見先生。一騎と要君に検査を受けさせてもらえませんか?」
千鶴「…えっ? そ、そうですね。一騎君、咲良さん、診察室へ行きましょう」
一騎「え? そんないきなり…」
咲良「総士はいいの?」
千鶴「いいから、早く来なさい」
〔扉の開閉音〕
真壁「すみません。子供達には聞かせたくない話なので…」
カガリ「どういう事だ?」
真壁「実は、春日井甲洋の両親をついさっき、この島から追放しました」
杏奈「ええっ?」
ゴオ「追放って…」
真壁「春日井夫婦は連合軍のスパイでした。竜宮島の動向やファフナーに関する情報を連合軍に流していたのです」
総士「あの夫婦が甲洋を育てたのも、ファフナーのパイロットを育成した実績をアルベリヒド機関に認めさせ…」「自分達の生活レベルを向上させるための手段にすぎなかった…」
ゴオ「連合軍は、スパイを送り込んでまでファフナーの技術を盗もうとしてるのか」
静流「ところで、何なんです? そのアルベリヒド機関というのは…?」
総士「ファフナーのパイロットになる子供を創り出す機関です」
杏奈「子供を創り出すって…どういう事?」
総士「人工子宮によって子供を創るという事ですよ…」「竜宮島の大人達は、フェストゥムのせいで受胎能力を失ってしまいましたから…」
キラ「じ、人工子宮…!」
総士「キラさんのようなコーディネイターと同じく、この島の子供達は遺伝子操作wされているんです」「ファフナーのパイロットとなるために…」
ゴオ「じゃあ、この島の親子は、実はみんな他人同士って事なのか…?」
真壁「そんな事はありません。私と一騎、遠見先生と弓子君、真矢君のように、人工子宮から生まれただけで…」「遺伝子的には間違いない親子もいる。いや、むしろその方が多い」
キラ「でも、自分が人工子宮から生まれて来た事を知らないんですよね、彼らは…」
真壁「…ええ」(…今はまだ全てを語る時ではない…。混乱を招かないためにも…)
杏奈「いろいろ秘密が多いのね、この島って…」

アークエンジェル/食堂
ミスト「甲洋君、ひどかったな…」
アンジェリカ「治るのかしら、彼…?」
鏡「…元に戻すのは無理だろうな…。彼の心はフェストゥムに持っていかれてしまった」
剣児「持ってかれたんなら取り戻しゃいいじゃねえか」
鏡「プールの中にジュースをこぼしたとして、ジュースだけ取り戻せるか?」
剣児「そんなの無理に決まってんだろ!」
鏡「つまり、そういう事だ…」
剣児「つまりって、お前…」
甲児「フェストゥムはどうして人類を同化しようとするんだろう?」
鏡「わかりません。奴らが何を考えているかなんて見当もつきませんよ」
剣児「ところで、これからどうすんだ? 妃魅禍達を追っかけなくていいのかよ?」
鏡「大空魔竜が戻るまでは、地上の防衛が我々の務めだ。妃魅禍だけを相手にするわけにはいかない」
つばき「でも、妃魅禍の力は、以前よりも強大になっているわ。このまま放っておけば、きっと恐ろしい事になる…」
アンジェリカ「50年間消える事のなかったゾーンを一瞬で消しちゃったんですもんね…」
鏡「その点なら心配ない。俺達だって銅鐸を二つ手に入れたんだ。妃魅禍など、恐るるに足りないさ」
つばき「…だといいんだけど、何だか不吉な予感がするわ…」

竜宮島/堤防
総士「何だ、一騎。いきなり呼び出して…」
一騎「お前に聞いておきたい事がある」
総士「何だ?」
一騎「翔子が犠牲になって、甲洋があんな風になったのにお前は嘆きもしない…」「それどころか、翔子達がファフナーを壊したと責めている…」
総士「…言いたい事があるなら単刀直入に言ってくれ」
一騎「…わかった。じゃあ聞く。ファフナーと俺達、お前にとってどっちが大切なんだ?」
総士「…そんな質問に答えてどうなる」
一騎「どうしても聞いておきたいんだ。どっちが大切なんだ!」
総士「…どんな返事を期待しているんだ?」
一騎「…………」
総士「…ファフナーだ」
一騎「!!」「…変わったよ、お前…」
総士「変わろうとしていないのは、お前だけだ」
一騎「えっ…」
総士「あなたは、そこにいますか?」
一騎「!!」
総士「戦いに疑問を抱けば、次の犠牲者はお前だぞ…」「…羽佐間と甲洋の事は忘れろ」
一騎「お前、本気で言ってるのか!?」
総士「僕に必要なのは、この左目の代わりになるものだけだ…。他に用がなければ僕は帰る…」
一騎「そ、総士…」(翔子と甲洋の事は忘れろだって…? そんな事できるわけないだろう!)(仲間の命よりファフナーの方が大事って…正気なのか…?)(総士…お前がそんな考えなら俺はもう…)
由紀恵「今の話、聞かせてもらったわ…」
一騎「か、狩谷先生!」
由紀恵「皆城君の左目って…」
一騎「…俺がやったんです。子供の頃、あいつの左目を奪ったんです」「何でそんな事になったのか覚えてないですけど、きがついたときには俺が…」「それで、せめてあいつの目の代わりになろうと思って…」「でも…」
由紀恵「彼について行けなくなったのかしら?」「…無理ないわ。彼は外の世界を知ってるもの」
一騎「外の世界って…この前に戦った九州のような…?」
由紀恵「九州や、彼らが言ってたダリウス界も確かに竜宮島の外の世界だけど…」「それよりももっと身近な所にもこことは別の世界…楽園があるのよ」
一騎「楽園…?」
由紀恵「そうよ。あなたを楽園に連れて行ってあげるわ…」
一騎「!!」

アークエンジェル/格納庫
マードック「ビッグシューターが着艦を求めてるだと?」
〔モニターの開く音〕
チャンドラ「はい、そうです」
マードック「ビッグシューターなら俺の目の前にあるぞ。聞き違いじゃねえのか?」
チャンドラ「接近してきました。カメラの映像を回します」
〔通信機の起動音〕
マードック「おう! …ん? この機体は…?」
柳生「ビッグシューターだわ!」
マードック「なにっ?」
早乙女「あれは50年前、玉城司令官が乗っていた旧型じゃないか!」
身堂「誰があんな古い機体に乗ってるんだ…?」
マードック「本当にビッグシューターなら、着艦を許可するしかねえな…。よっしゃ、フライト・デッキの準備だ!」
〔滑空音〕
〔機体の着地音〕
〔コクピットの開く音〕
〔画面、振動〕

宙「おい、みんな。俺を置いて行くなよ。せっかく復活したってのに…」
早乙女「宙さん! 体の方は大丈夫なんですか?」
宙「当たり前だ。俺の体はデキが違うからな」
美和「精密検査が終わるまではおとなしくしてなさいって言ったのに…まったく宙さんは無茶なんだから…」
身堂「た、玉城司令!」
柳生「それじゃ、ビッグシューターは司令が操縦なさってたんですか?」
美和「ええ。これは私の手足のような機体ですからね。まだまだ現役で操縦できますよ」「…それに、宙さんのパートナーが務まるのは私だけですから…」
宙「無理すんなよ、ミッチー」
美和「大丈夫よ、宙さん…」
宙「…というわけで、今日から俺達も一緒に戦うからな。よろしく頼むぜ!」
早乙女「こ、こちらこそ…」
身堂「よろしくお願いします…」

アルヴィス/ファフナーブルク
由紀恵「準備はできた?」
一騎「…はい」
由紀恵「まだ、やめる事もできるわよ?」
一騎「…いえ、もう決めた事ですから…」
由紀恵「この島はあなたがいるべき場所じゃない。私はあなたにこの島を守るんじゃなくて、世界を守ってほしいと思ってるの」
一騎「世界を…俺が?」
由紀恵「あなたほどのファフナーパイロットなら当然よ」
一騎「…………」
由紀恵「さあ行きましょう。外の世界へ…!」
一騎「…はい」(これでいいんだ…これで…!)

アルヴィス/パーシバル・ルーム
〔警報〕
真壁「どうした!」
総士「マークエルフが島を離脱しました」
真壁「ないっ? 発進命令、君が出したのか!?」
総士「まさか…。出すわけがありません」
真壁「何だと? どこへ行くつもりなんだ…?」
総士「島から出ていく者に興味はありませんよ…」(一騎なら…僕の事をわかってくれると思ったのに…)
【シナリオデモ1終了】


サブタイトル
「存在~なかま」


【戦闘マップ1開始】
〔味方ユニット出現〕
一騎「狩谷先生、ここはどこなんですか?」
由紀恵「もうすぐ迎えが来るわ」
一騎「迎え…?」
〔敵ユニット出現〕
一騎「フェ、フェストゥム!?」
由紀恵「ちっ。こんな時に!」
一騎「このままじゃまずいですよ! 急いで移動しないと!」
由紀恵「だめよ。ここから離れるわけにはいかないわ!」
一騎「え?」
由紀恵「戦いなさい、真壁! これは命令よ!」
一騎「は、はい…!」
〔一騎、スフィンクスA型種へ隣接〕
〔一騎、スフィンクスA型種へ攻撃〕

[イベント戦闘「一騎vsスフィンクスA型種」]
由紀恵「何やってるの! こいつを倒すのよ! 真壁!」
一騎「わかってます!」(思うように戦えない…! 総士のサポートがないからか…?)
〔第3軍ユニット出現〕
一騎「あ、あれは…! ファフナー?」
由紀恵「もういいわ、真壁。あなたは下がりなさい!」
一騎「え? は、はい…」
〔一騎、前進〕
スウェン「あのファフナーか…?」
道生「ああ、そうだ」
ミューディー「あんなスフィンクス型に手間取るなんてノートゥング・モデルもたいした事ないね!」
シャムス「さっさと片づけようぜ!」
道生「よし。このスフィンクス型は俺が…」
〔カノン、スフィンクスA型種へ隣接〕
道生「あっ、待て! カノン!」
フェストム「『あなたは そこにいますか?』」
カノン「前はいたが、今はもういない者…。十の角を持つ獣はその女を憎み、衣をはいで裸にしその肉を食らい…」「そして、焼き尽くす!」
〔カノン、スフィンクスA型種へ攻撃〕
[イベント戦闘「カノンvsスフィンクスA型種」]
〔ワームスフィア現象〕
〔敵ユニット撃破〕

一騎「す、すごい…! あのファフナーはいったい…!」
シャムス「何だよ、俺達の出る幕なしかよ…」
スウェン「…次はあのファフナーの捕獲だな?」
〔スウェン、一騎へ隣接〕
[イベント戦闘「一騎vsスウェン」]
一騎「こ、こいつ、味方じゃないのか!?」
スウェン「おとなしくしろ」
一騎「え?」
スウェン「俺達は地球連合軍のファントムペインだ…」
一騎「地球連合軍!?」「狩谷先生! これはどういう事です!?」
道生「そそのかされて島を出たのか知らないが、お前は騙されたんだよ」
一騎「だ、騙された…?」
ミューディー「おとなしくついてきな。逆らうともっと痛い目にあうよ?」
一騎「くっ…」
【戦闘マップ1終了】

【シナリオデモ2開始】

モルドヴァ基地/通路
〔扉の開閉音〕
由紀恵「しばらくこの部屋でおとなしくしてなさい」
一騎「よくも俺を騙したな! あんた目的は、最初からファフナーだったのか!」
由紀恵「勘違いしないで。約束通り、外の世界を見せてあげたし、楽園にも連れて来てあげたわ」
一騎「楽園? どこが楽園なんだ!」
由紀恵「ここは私にとって楽園なのよ…。ノートゥング・モデルは有意義に使わせてもらうわ」「ご苦労さま、真壁一騎…」
〔扉の開閉音〕
由紀恵「あの子もまだまだ甘いわね…」
シャムス「そう…。あんたもね」
由紀恵「えっ?」
シャムス「あんたが皆城公蔵と親しくなりすぎていた事は、調べがついているんだ」
由紀恵「!!」
ミューディー「情報を聞き出すのに、女の武器を使うのは結構だけど、親しくなりすぎちゃマズイわよね…」
道生「み~んな疑ってるぜ。ダブルスパイじゃねえかってな」
由紀恵「そ、そんな事…!」
カノン「お前の身柄も拘束する。来い」
由紀恵「やめて! 放しなさい!」
道生「5年ぶりの再会がこんな形になるとはね。残念だよ、ユキッペ…」
由紀恵「えっ!? …もしかして、あなた道生?」
道生「ひでえなあ。今ごろ気がついたのかよ…」
由紀恵「あの人に会わせなさい! あの人に私の事を話せば、こんな扱い考え直すはずよ! 道生!」
カノン「この女、少しうるさい…」
道生「俺が島にいた頃と変わってねえ…。黙らないようなら、猿ぐつわでもかませとけ。連れて行け…」
カノン「わかった…」
シャムス「ところで、さっき運んだノートゥング・モデルってのはどうなるんだ?」
道生「聞いた話じゃ、新型ファフナーの研究に利用されるらしい」「ノートゥング・モデルのコアがあれば、ザルヴァートル・モデルとかいう新型が完成するって、親父が言ってたよ」
ミューディー「パイロットの坊やは?」
道生「お偉いさんのモルモットだろうな…」
ミューディー「モルモット?」
道生「ノートゥング・モデルのパイロットがどんんあ遺伝子操作されてるか、徹底的に調べられるのさ…」(かわいそうに、一騎の奴…)

モルドヴァ基地/会議室
ヘスター「やっとノートゥング・モデルが手に入ったわね…」「全世界を代表して感謝します、ドクター・バートランド」
ミツヒロ「これでカーディアン・プロジェクトも少しは人類に貢献できるでしょう」
〔モニターの開く音〕
ジブリール「一日も早くノートゥング・モデルを大量生産して、コーディネイターどもを皆殺しにするのだ!」
ミツヒロ「…フェストゥムの方はよろしいのですか?」
ジブリール「そんな物は後でいい! フェストゥムもその他の侵略者も…」「この地球を、我々ナチュラルの手に取り戻してから倒せばいい!」
ミツヒロ「わかりました…」
ジブリール「ところでドクター・バートランド。ファフナーに関して、聞き捨てならない話を聞いたのだが…?」
ミツヒロ「何でしょうか?」
ジブリール「ノートゥング・モデルのパイロットは遺伝子操作され、人工子宮から生まれてきたというのは事実かね?」
ミツヒロ「はい。アルヴィスの子供達は、人工子宮内でコアの毒素の対する免疫と受け付けられた…」「いわば、フェストゥムの天敵となりうす存在なのです」
ジブリール「つまり、コーディネイターという事か?」
ミツヒロ「ジョージ・グレンが開発した技術を応用しているのは事実ですが…」「厳密にいえば、コーディネイターとは違います。彼らはファフナーのパイロットになる事だけを…」
ジブリール「コーディネイターでなければいい。我々の目的を達成するのに、奴らの手を借りるわけにはいかんからな…」「ファフナーのパイロットに関しては後で報告書を提出したまえ」「エクステンデッドの強化に利用できる技術があるかもしれんからな」
ミツヒロ「わかりました…」
ジブリール「では引き続き、新型ファフナーの研究を頼んだぞ」
〔通信の閉じる音〕
ヘスター「ロード・ジブリール…フェストゥムの危険性を認識しながらコーディネイター撃退を優先するとは…」「確かに、コーディネイターは憎むべき存在ですが…」
ミツヒロ「しかし、ロゴスの後ろ盾無くしてフェストゥムは滅ぼせません」「残っている資金を優先的に回してもらうためにも、尻尾を振り続けざるを得ないでしょう」
ヘスター「それはわかっていますが…」「ところで、ノートゥング・モデルのコアをザルヴァートル・モデルへ移植する作業は進んでいるのですか?」
ミツヒロ「ドクター日野が作業を進めています。明日にはザルヴァートル・モデルの起動テストをご覧いただけるかと…」
ヘスター「期待していますよ、ドクター・バートランド」
ミツヒロ「はい…」

モルドヴァ基地/営倉
〔扉の開閉音〕
道生「よお、久しぶりだな、真壁一騎! 狭い部屋で悪いな…」
一騎「…み、道生さん!? どうしてここに…?」
道生「5年前、親父に連れてこられて島を出て以来、俺は連合軍のパイロットとして…」「あっちこっちでこき使われているのさ…」
一騎「道生さん! ここはどこなんです? 俺はいったいどうなるんです?」
道生「ここは地球連合軍のモルドヴァ基地だ。地下400メートウあって、分厚い地表がフェストゥムの読心能力を防いでくれる」
一騎「モルドヴァ…」
道生「お前の処遇については何も知らない。一介のパイロットに、そんな事がわかるわけないだろ?」
一騎「はあ…」
道生「大丈夫、殺されるような事はないさ」
一騎「殺されたら困ります…」
道生「そりゃそうだ…」「…ところで一騎、聞かせてくれねえか? 竜宮島の事を…」
一騎「島の事ですか…?」
道生「そうだ。俺が島を出てからの事を聞かせてくれよ!」
一騎「は、はい…」

アルヴィス/パーシバル・ルーム
〔通信のコール音〕
弓子「アークエンジェルから通信です」
真壁「つないでくれ」
〔モニターの開く音〕
マリュー「真壁司令、息子さんが島を脱走したといううのは本当ですか?」
真壁「…残念ながら事実です。マークエルフに乗って、脱走しました」
弓子「でも、一騎君は、狩谷先生にそそのかされて…!」
真壁「狩谷君が連合軍のスパイだという事はわかっていて泳がせていたのだが…」「まさかこんな事になるとは…。私の考えが甘かった」
マリュー「我々に何かお手伝いできる事はありませんか?」「先日の戦闘でファフナーを1機失い、さらに1機が島から離れてしまったら…」「竜宮島を守るファフナーは1機しか残っていないのでは…?」
真壁「その点ならご心配におよびません」
マリュー「…と、おっしゃいますと?」
真壁「現在、新たなファフナーとパイロットを補充する準備を進めております」「予定通りにいけば、3機のファフナーが補充されます」
マリュー「それならよいのですが…」
真壁「ラミアス艦長のお心遣いに感謝します。ありがとうございます」
マリュー「では、我々はビルドベースへ戻る準備を進めますので…。通信を終わります」
〔通信を閉じる音〕
真壁(うちの馬鹿息子は、今ごろ連合軍の捕虜にでもされているんだろう…)(ファフナーで戦うよりその方がいいと思う俺は、司令官失格なのかもしれんな…)

アルヴィス/ファフナーブルク
剣児「それにしても、いきなり俺達もファフナーに乗る事になるなんてなぁ」
衛「パイロットが足りないんだよ。甲洋があんな事になっちゃったし、一騎だって…」
真矢「!!」
剣児「一騎がどうかしたのか?」
衛「え? 知らないの? 一騎の奴、狩谷先生と一緒に島を脱走したんだぜ?」
剣児「嘘だろ! そんな関係だったのか、あのふたり!」「許されぬ恋…! 年の離れたふたりの選択した道はか・け・お・ち! すげえ! すげえーっ!」
咲良「うるさいっ!」
〔殴打音〕
〔画面、振動〕

剣児「いてえっ!」
咲良「そんなしゃれたモンじゃないわよ! 一騎は怖くなって逃げただけだ。敵前逃亡よ!」
真矢「そんなんじゃない…」
咲良「え?」
真矢「一騎君は戦いが怖くなって逃げたんじゃない。戦いで自分が変わってしまうのが嫌だったから…」「ファフナーに乗る前の自分を誰かに覚えてて欲しくて島を出たのよ!」「どうしてそれをわかってあげられないの? 私達、一騎君の友達でしょ!?」
剣児「と、遠見…」
咲良「…………」

モルドヴァ基地/営倉
〔扉の開閉音〕
洋治「久しぶりだな、真壁一騎君」
一騎「え?」
洋治「5年前島にいた日野だよ。覚えているかい?」
一騎「日野のおじさん。さっき、道生さんにも会いましたよ」
洋治「そうか。あいつもここに来たのか…」
一騎「日野さんも地球連合軍に…?」
洋治「私はここで、ノートゥング・モデルを超える新たなファフナーを開発している」
一騎「新たなファフナー…?」
洋治「1体でも多くの敵を倒すのではなく、ひとりでも多く兵士が生き残れるためのファフナーだ」
一騎「そんなファフナーが…」
洋治「君こそ、どうして島を出たんだね?」
一騎「何のために戦えばいいのか知りたくて…。自分がどこにもいないような気がしたから…」
洋治「そうか。史彦は、君を誇りにするべきだな…」「…ところで一騎君。私の所に来ないかね?」
一騎「俺、捕虜ですよ? そんな事、できるんですか?」
洋治「私は連合軍の参謀本部員だ。融通は利く…」「私の元に来れば、戦う事以外の道を見せてやれるかもしれない」
一騎「戦う以外の道…」
洋治「ゆっくり考えてみてくれ」
〔扉の開閉音〕

モルドヴァ基地/格納庫
イドゥン「これは我々ではない…」
ミョルニア「我々でない物が我々の前にある」
イドゥン「我々はここで分岐する。我々は私を行動させる…」
ミョルニア「では我々は、私をも行動させる…」
〔扉の開閉音〕
洋治「やはりマークエルフのコアに気づいたか、紅音…」
ミョルニア「これは我々ではない物だ…」
洋治「そう。そのコアはかつて九州で発動したミールの一部…」「人類を絶望させる存在だが、今はただ一つの希望だ」
ミョルニア「我々は、私をお前の考えに同調させる」
洋治「それは相手を理解した事にはならん。お前達フェストゥムが、人間を理解したくてここにいるという一大事を…」「なぜ私がミツヒロにも知らせないかわかるかね?」
ミョルニア「片方は知る。片方は知らない…。可能性の分岐が人間の個性だ」
洋治「その逆もまたしかりだ。私の個性がミツヒロともアーカディアン・プロジェクトとも違う道を選んだ」
ミョルニア「お前達は、お前自身を私に同調させる」
洋治「違うな。かつてお前と同化した真壁紅音という人間の意志に従うのだ」
ミョルニア「真壁紅音はもういない」
洋治「それを確かめるためにも真壁一騎を君に会わせたい。新たな分岐が始まるかもしれんぞ?」「人類とフェストゥム、両方が体験した事のない分岐がな…」
ミョルニア「我々は、私を我々以外のミールに接触させない」
洋治「な、なぜだ!」
〔警報〕
洋治「な、何だ! 何が起こった!?」
ミョルニア「私ではない我々が行動をはじめた…」
洋治「ばかな! お前以外のフェストゥムが基地内にいると言うのか!」

モルドヴァ基地/会議室
ヘスター「いったい何事ですか!」
〔モニターの開く音〕
人類軍「多数のアルヘノテルス型を確認! 高速でモルドヴァ基地へ向かって来ます!」
ミツヒロ「…我々の思考が読まれてるんでしょう。地下基地内にフェストゥムが紛れ込んでいる可能性があります!」
ヘスター「すぐに脱出すべきね。たとえここを失ったとしても基地はまだあります」
ミツヒロ「それが賢明でしょうな…」

モルドヴァ基地/営倉
〔警報〕
一騎「この警報はいったい何なんだ…? 外でいったい何が…?」
〔扉の開閉音〕
洋治「一騎君!」
一騎「日野さん!」
洋治「ここから出るんだ。フェストゥムが上陸した!」
一騎「ええっ!」
洋治「一騎君、頼みがある。聞いてくれ」
一騎「…何ですか?」
洋治「時間を稼いでくれ」
一騎「…時間を? どういう事です?」
洋治「今、マークエルフのコアを新型のファフナーに移植する準備をしているのだが、もう少し時間が必要だ」「しばらくの間、フェストゥムを足止めしてくれ! 準備ができたら君に新型ファフナーを任せる!」
一騎「どうして俺に新型を…?」
洋治「説明している時間はない! 今すぐマークエルフで出撃するんだ! こっちへ来たまえ!」
一騎「ひ、日野さんっ!」
【シナリオデモ2終了】

【戦闘マップ2開始】

〔第3軍ユニット出現〕
〔敵ユニット出現〕

カノン「トリプルシックス。どうしてスウェン達がいない?」
道生「奴らはヘスター議長と一緒に行っちまったぜ。護衛をするんだとさ…」
カノン「護衛?」
道生「何が護衛だ。基地を見捨てて、さっさと脱出しただけじゃねえか!」
カノン「…そうか」
道生「そうか…ってよく落ち着いていられるな。俺達は見捨てられたんだぞ?」
カノン「…私は、フェストゥムを倒せという命令に従うだけだ」
〔アルヘノテルス型、メガ・セリオンモデルへ攻撃〕
[イベント戦闘「アルヘノテルス型vsメガ・セリオンモデル」]
〔ワームスフィア現象〕
〔第3軍ユニット撃破〕
〔グレンデル型、メガ・セリオンモデルへ攻撃〕
[イベント戦闘「グレンデル型vsメガ・セリオンモデル」]
〔ワームスフィア現象〕
〔第3軍ユニット撃破〕

道生「くそっ! 好き放題やりやがって…フェストゥムめ!」
〔味方ユニット出現〕
カノン「あれは…ノートゥング・モデル!」
道生「何であんなもんが出て来るんだ? 乗ってるのは一騎か?」
一騎「えっ? はい、俺です」
道生「どうしてお前がそれに乗ってる? お前、捕まってたはずじゃ…!」
一騎「日野さんが…道生さんのお父さんが乗せてくれたんです」
道生「親父が?」
一騎「新型のファフナーの準備ができるまでフェストゥムの足を止めろって…」
道生「親父の奴、こんな時までファフナーの研究してるのかよ…!」「仕方ねえ。親父の新型に賭けてみるか。一騎、一緒にフェストゥムと戦うぞ!」
一騎「え? は、はい!」
道生「カノンもいいな!」
カノン「捕虜と一緒に戦うなど、あり得ない」
道生「これは命令だ! つべこべ言うんじゃねえ!」
カノン「命令なら従う…」
道生「よし、決まりだ。フェストゥムどもを始末するぞ!」
〔道生&カノン、第3軍から味方へ〕
<戦闘開始>

<敵2機以下・敵増援1出現>

〔敵ユニット出現〕
カノン「新手だぞ!」
道生「まだいるのかよ!」

<一騎(マークエルフ搭乗)が戦闘>
一騎「…どこも戦いばかりだ…。他には何もない…」「本当に竜宮島以外に楽園はないのか!?」


<敵全滅or敵増援1出現の次PP・味方援軍1&敵増援2出現>
【戦闘マップ2終了】

【シナリオデモ3開始】

〔通信のコール音〕
弓子「え…何これ?」
真壁「どうした?」
弓子「何かの映像が通信回線に割り込んできました!」
真壁「メインモニターに映せ!」
〔通信機の起動音〕
溝口「こいつぁ…フェストゥムだらけじゃねえか!」
真壁「ここはどこだ?」
弓子「解析が出ました。場所はモルドヴァ、連合軍の基地です!」
真壁「いったい誰がこんな映像を…!?」
溝口「誰の仕業か知らねえが、こんな映像を見せられたら、世界中が戦意を喪失するぜ…」
真壁「あるいはそれが敵の狙いか…」
総士「まさか、フェストゥムがこの映像を…?」
真壁「かつてない事だが、奴らなりの情報せんかもしれん」
溝口「馬鹿な! 奴らが俺達の感情を理解してるってのか!?」「…おい、見ろ! ありゃマークエルフじゃねえか!」
真壁「なにっ?」
総士「か、一騎!」
溝口「一騎め、あんな所にいやがったか!」
〔通信のコール音〕
弓子「アークエンジェルより入電です!」
真壁「つないでくれ」
〔モニターの開く音〕
マリュー「真壁司令。モルドヴァ基地の映像、ご覧になっていますか?」
真壁「ええ、今見ています」
マリュー「あそこに映っているのはマークエルフ…息子さんの機体ですね?」
真壁「…そうです」
ゴオ「すぐに救出に向かいましょう! このままじゃ一騎君が危ない!」
真壁「…それはできない」
ゴオ「えっ?」
真壁「あれは確かにマークエルフだが、乗っているのが一騎だという保証はない」
剣児「はあ? 何言ってんだよ、おっさん!」
真壁「それに、もし一騎だったとして、あいつひとりのために皆さんを危機にさらすわけにはいかない」
カガリ「真壁司令! あなたの立場もわかるが、子供の命は何よりも大切なはずだ! 一騎を救出に行こう!」
真壁「それはできません、アスハ代表。一騎はファフナーを盗んで島を脱出した、いわば反逆者ですから…」
カガリ「どうしてあなたはそんなに融通が利かないんだ!」「…もういい! 艦長、私達だけで行こう! 一騎を見殺しにするわけにはいかない!」
静流「いいんですか? モルドヴァは連合軍の基地。私達にとっては敵ですけど…」
カガリ「これはフェストゥムとの戦いだ! オーブも連合もない!」
マリュー「…カガリさんの言う通りね。一騎君の救出に行きましょう。よろしいですね。真壁司令」
真壁「…………」
カガリ「事態は一刻を争うんだ。行こう、艦長!」
マリュー「はい」「アークエンジェル、緊急発進!」
〔通信の閉じる音〕
溝口「おい、真壁。いいのか?」
真壁「…………」
総士(真壁司令…)

???
イスペイル「ええい! どうして動かん! データでは私の精神力で動くはずだぞ!」「壊れているのか、このクリスタル・ハートは!?」
〔扉の開閉音〕
イスペイル兵「イスペイル様、失礼いたします!」
イスペイル「どうした?」
イスペイル兵「発信者不明の映像をキャッチしました!」
イスペイル「映像だと? モニターに出せ」
イスペイル兵「はっ!」
〔通信機の起動音〕
イスペイル「この映像は…フェストゥムではないか! 戦っているのは連合軍か…?」
イスペイル兵「はっ! 地球連合軍、モルドヴァ基地での戦闘の映像だそうです!」「衛星回線を使って、地球全土に向けて発信されています!」
イスペイル「地球全土だと? いったい何のためにだ」
イスペイル兵「理由は不明です!」
イスペイル「どんなに地球人が愚かでも、自分達がフェストゥムにやられる様子をわざわざ放送するとは思えんな…」「…という事は、これはフェストゥムが流しているプロパガンダ放送か…?」
イスペイル兵「そんなはずはありません! フェストゥムは、生命体をただひたすら融合するだけのシリコン生命体…」「奴らにそのような知性があるとは考えられません」
イスペイル「よく考えろ、愚か者め。フェストゥムが変化…いや、進化したとしたらどうだ?」「フェストゥムの事は我々もよくわかっていないが、奴らの同化とやらが我々の融合と同じだとして…」「フェストゥムに影響を与えるような生命体を同化したとしたら、奴らに変化が起こってもおかしくない」「そう…進化と呼べるほどのな」
イスペイル兵「な、なるほど…」
イスペイル「貴様も私を進化させてみるか? この姿にもそろそろ飽きてきたのでな」「貴様の『欠片』であれば、融合するのに休眠期間も要らん」「貴様はプラネット・クライシスによって生まれた、いわば純粋な『欠片』からなる雑兵なのだからな」
イスペイル兵「お、お戯れを…。私ひとり程度では、イスペイル様を進化させる事などできません!」
イスペイル「ふん、そう怯えるな…。我々はいずれ消え行く存在なのだ」(私はその運命に抗ってみせるがな)「無駄話はこの程度にして、人間どもが無様にやられる姿をしばらく見物するとするか…」

アルヴィス/パーシバル・ルーム
溝口「真壁、意地を張るのはよせ。どうして一騎を助けに行かん!?」
真壁「意地など張っていない。指揮官として当然の判断をしたまでだ」
溝口「お前が行かないってんなら、俺ひとりで行かせてもらうぜ?」
真壁「…そんな許可を出すと思ってるのか?」
溝口「俺はお前の上官だった人から、お前と一騎の事を頼むと命令を受けてるんだぜ?」
真壁「上官だと?」
溝口「真壁紅音っていう、地球連合軍第2混成団特化大隊のエースパイロット様、直々の命令なんだ…」
真壁「!!」「溝口、お前…」
〔警報〕
弓子「ファフナー・マークアハト、マークフュンフ、マークドライ、マークジーベン…」「ファフナーブルクより発進しました!」
真壁「馬鹿な! 誰が許可した!」
〔通信のコール音〕
〔モニターの開く音〕

保「すまん、真壁! 俺の責任だ! 俺がちょっと目を離したスキに…」
容子「いいえ、私がいけないんです! あの子達を説得できなかったから…!」
真壁「…………」
溝口「フッ…」
総士「4機も発進させるなんて、いったい何をやっていたんです!」
保「だからまあ、何と言うか…」
溝口「ま、発進しちまったもんはしょうがねえ。好きなようにさせてやろうぜ」
総士「そんな事、許されるわけがない! 今すぐに帰還命令を…!」
〔扉の開閉音〕
乙姫「…行かせてあげなよ、総士」
総士「つ、乙姫…!」
乙姫「本当は、総士も一騎の事を助けたいんでしょう?」
総士「そ、そんな事は…!」
乙姫「もっと自分に素直になりなよ、総士…」
総士「し、しかし、助けに行くと言っても、遠見達は訓練を始めて間もない半人前のパイロットだ」「彼らに一騎の空出ができるとは…」
溝口「それを何とかするのがジークフリード・システムじゃねえのか?」
総士「!!」
真壁「総士君。彼らのフォローを頼めるか。今回の責任は、全て私が取る…」
総士「…わかりました。ジークフリード・システムに入ります」
真壁「頼む」
総士(…一騎。お前が出て行ったせいでこんな事になってしまった。僕はお前に強い怒りを感じている…)(…だが、本当の事を言えば、僕もお前を助けたい…。待っていろ。一騎…!)
溝口「悪ガキどもに礼を言わなきゃいかんな、真壁」
真壁「…あの4人、帰ってきたら営倉行きだ」
溝口「それじゃ俺が、うまいもんでも差し入れてやるか…」

竜宮島/上空
剣司「なあ、こんな勝手な事しちゃってよかったのかな? やっぱりまずいよ、帰ろうよ…!」
真矢「私達は間違ってない。一騎君とマークエルフを助けるの…」「一騎君のためだけじゃない。それが竜宮島のためにもなるわ」
衛「いや違う! 俺達が一騎を助けるのは友情のためだ!」「友情のために命をかける! それが機動侍!」
咲良「翔子や甲洋の時もそうだったけど…総士は冷たすぎるのよ! 仲間を何だと思ってるの…?」「だけど、一騎も一騎よ! ひとりで島から逃げるなんて…!」「助けた後で、根性を叩き直してやるわ!」(…それに、フェストゥムと戦えるなら…父さんの仇を取れるなら…何だってしてやるわ!)
総士「お前達。勝手な行動はそこまでだ!」
咲良「総士!」
真矢「皆城君…」
剣司「もうダメだ! 俺達、怒られるんだ…!」
咲良「私は帰らないわよ、総士」
総士「お前達がモルドヴァへ行くのは止めない。だが、ここから先は僕の命令に従ってもらう。いいな」
衛「総士!」
総士「どうした、マークフュンフ」
衛「俺のコードネームはゴウバインだ!」
総士「…………」「全機、モルドヴァへ向けて急げ。一騎が心配だ」
真矢「了解…」
【シナリオデモ3終了】

【戦闘マップ3開始】

〔戦闘マップ2から継続〕
道生「はあ、はあ……カノン、お客さんは後何人だ…?」
カノン「…さあな。ゆっくり数を数える暇はない事だけは確かだ…」
道生「フッ、そいつは大忙しだな…」(戦闘開始からどれくらい経った…? メシ時の人気店だって、こんあひっきりなしに客はこないぜ…!)
〔敵ユニット出現〕
道生「おいおい…。こっちはたった3人なのに…どれだけ出て来るんだよ…!」
〔通信のコール音〕
〔モニターの開く音〕

洋治「一騎君。コアを移植する準備ができた。格納庫に戻ってくれ」
一騎「日野さん! 今、俺が抜けたら道生さん達が…」
洋治「あいつなら大丈夫だ。それに君がマークザインに乗れば戦いはすぐ終わる。早く戻るんだ!」
一騎「マークザイン? …わかりました。戻ります」
〔通信の閉じる音〕
一騎「道生さん! 日野さんの所に行ってきます!」
道生「ああ、話は聞いたさっさと行って、さっさと戻って来い!」
一騎「はい!
〔味方ユニット離脱〕
道生「さてと…ふたりだけになっちまったな、カノン」
カノン「…よくある事だ」
道生「そりゃそうだ…」
〔味方戦艦出現〕
カノン「あれは…アークエンジェル!」
道生「ここは連合軍の基地だぞ? 何しに来たんだ!?」
カガリ「マークエルフはどこだ? 一騎は無事なのか!?」
ミリアリア「ついさっきまで、マークエルフの認識コードを受信していたんですが、突然消えてしまいました…!」
カガリ「何だって!?」
ゴオ「とにかく先にフェストゥムを片づけよう! フェストゥムがいたんじゃ、一騎を助けられない!」
マリュー「総員、直ちに発進!」
〔味方ユニット出現〕
〈出撃準備〉
道生「アークエンジェル! これはどういう事だ! 俺達を助けるって言うのか!?」
マリュー「連合軍を助けに来たのではありません。アルヴィスのファフナーとパイロットの救出に来たんです」
道生「一騎を?」
マリュー「一騎くんを知っているの?」
カガリ「あいつは無事なのか!?」
道生「ああ、無事だ。今、新型のファフナーを取りに行ってる」
カガリ「新型のファフナー? それはいったい…」
マリュー「カガリさん。その話は後で…。連合軍のパイロット。あなた達も一緒にフェストゥムと戦ってくれますか?」
道生「敵と手を組むのは気が進まないが…仕方ない、ここはひとまず休戦だ。協力してフェストゥムを片づけよう!」「…カノンもいいな!」
カノン「…それは命令か?」
道生「ああ、そうだ!」
カノン「それなら了解だ…!」

<敵4機以下・敵増援3出現>
〔敵ユニット出現〕
カガリ「また増援か!」
甲児「この基地はフェストゥムの巣なのかよ!」
柳生「文句を言っても始まらないわ。一騎君が戻ってくるまで耐え抜くのよ!」
ヴァン「ったく、何をしてるんだか知らないが、早く戻って来いよ…」「俺達だってずっと戦えるわけじゃねえんだぞ…!」
ミスト「まだなのか、一騎君…!」

<敵増援3出現の次PP・味方援軍2出現>
【戦闘マップ3終了】

【シナリオデモ4開始】

モルドヴァ基地/格納庫
洋治「…マークザインへのコアの移植が完了した…」「さあ、かつて真壁紅音だった者よ。この機体とデータディスクを、ぜひ君からアルヴィスの子供に渡してやってくれ」
ミョルニア「我々は、私を真壁一騎に会わせようとしない」
洋治「なぜだ。お前達のミールは我々の側のミールを否定するのか?」
ミョルニア「我々に否定や肯定という概念はない。なぜなら我々は宇宙を無に還す事でより高い次元へ移行させるからだ」「我々は単に私にこれ以上の分岐を与えない」
洋治「そうか。では最後にふたりであのコアの発展を見よう」
ミョルニア「我々に発展という概念はない」
洋治「私がこれから教えよう。それが、真壁紅音が目指した道への最初の扉となるだろう」
ミョルニア「真壁紅音…真壁一騎の母親…」
洋治「そうだ。今なお失われぬ意志を受け継がせるため、これを彼に渡すのだ」
ミョルニア「…………」
洋治「私はこの施設の後始末があるので行かねばならん。…後は君に任せる」

???
イスペイル「むっ…? これは…レヴリアス!」「どうしてこいつは動けるのだ? 私の持つクリスタル・ハートはやはり壊れているというのか…?」「ならば、奴を捕らえて確かめるしかあるまい…」「おい、出撃するぞ! 直ちに私の機体をスタンバイしろ!」
イスペイル兵「はっ!」
イスペイル(何としてもクリスタル・ハートを動かさなくては…。そして私は…!)

モルドヴァ基地/格納庫
〔自動扉の開閉音〕
一騎「日野さん! どこに行ったんですか、日野さん!」
ミョルニア「真壁一騎…」
一騎「えっ? そんな…まさか…! か、母さんなの?」
ミョルニア「私は、日野洋治によってこのマークザインとデータディスクをお前に渡す」
一騎「マークザイン、これが…」
ミョルニア「…我々は、私にこれ以上の分岐を許さない」
一騎「な、何を言ってるんだ? 母さん! 母さんなんだろ!」
ミョルニア「真壁紅音はもういない。私はお前達がフェストゥムと呼ぶ存在だ」
一騎「なっ!」
ミョルニア「私はお前というアルヴィスの子にミールの器を渡す…。乗れ。…私はいなくなる」
一騎「待って! 母さん! 母さんっ!」(母さんがフェストゥム? 嘘だ、そんな…)
〔爆発音〕
〔画面、振動〕

一騎「…今は戦わなきゃ…。フェストゥムを倒さなきゃ…!」
【シナリオデモ4終了】

【戦闘マップ4開始】

〔戦闘マップ3から継続〕
〔味方ユニット出現〕

一騎「これがマークザイン! 体の感覚が全然違う! これなら…!」
ミスト「何だ、あのファフナーは!」
道生「あれがマークザイン…。親父が研究していたザルヴァートル・モデルか…!」
一騎「これがマークザインの力…」
ゴオ「あれが一騎が取りに行ったという新型ファフナーか!」
一騎「えっ? …あっ、アークエンジェルの皆さん! どうしてここに?」
剣児「お前が島から逃げたって言うから捕まえに来たんだよ!」
一騎「えっ?」
つばき「もう、やめなさいよ、剣児ったら! あなたを助けに来たの。竜宮島のみんなが心配してるわよ!」
一騎「島のみんなが? でも俺はみんなを裏切って…」
磁偉倶「そんな話は後にしろ! 今はフェストゥムの大掃除が先だ!」
一騎「わかりました」(母さんの事、マークザインの事…わからない事だらけだけど、今は戦うしかないんだ…!)

<敵全滅・敵増援4出現>
イドゥン「…我々にとってあの機体は危険…。我々はあの機体を消去する…」
〔敵ユニット出現〕
剣児「まだいるのかよ!」
カノン「フェストゥムにやられた連合軍の機体が復活した!」
道生「あいつら、同化されてやがる!」
磁偉倶「どういう事だ?」
道生「あいつらはフェストゥムの操り人形って事だ!」
光司「…って事は、敵なのか!?」
アンジェリカ「でも、乗っているのは連合軍のパイロットなんでしょう?」
道生「あいつらにもう人間の意識はねえ。楽にしてやってくれ…」
ゴオ「…わかった。みんな、行くぞ!」

<敵増援4出現の次PP・味方援軍3出現>
〔味方ユニット出現〕
ミスト「あれは…ファフナーじゃないか!」
カガリ「あいつら…やっぱり来たか!」
衛「ゴウバイン見参!」
真矢「一騎君。助けに来たわ…」
剣司「もうやだ。母ちゃん、帰りたいよお…!」
咲良「フェストゥムめ…!」
一騎「…みんな、来てくれたのか…!」
〔モニターの開く音〕
千鶴「やはり、シナジェティック・コードの影響でパイロットの精神状態が大きく変化していますね…」
真壁「総士君。パイロットの精神に十分注意してくれ」
総士「わかっています」(一騎なら、こんな問題は起きないのに…)
衛「総士、聞いてくれ。俺に考えがある!」
総士「どうした、マークフュンフ!」
衛「俺は…ゴウバインだ!」
総士「…………」
衛「俺が敵にわざと撃たれる。その隙に咲良と剣司と真矢が敵を倒す! いいな!」
剣司「本当にできるのかな、そんな事…」
真矢「大丈夫。私が一撃でしとめてみせるわ」
咲良「敵を倒せるなら何だっていい! 早く戦わせて!」
総士「やめろ、マークフュンフ! そんな安易な作戦で勝てるわけがないだろう!」
衛「たとえ勝てる見込みが0%でも明日の朝日を信じて戦う。それが機動侍!」
総士「メチャクチャだ…。勝手な事をするな。全員コクピットから叩き出すぞ!」
真壁「落ち着け、総士君。君がいら立ってどうする。パイロット達を信じろ!」
総士「…わかりました」
〔敵ユニット出現〕
衛「おあつらえ向きに敵が出て来たぜ! 行くぞ、ゴウバイン!」
総士「待て! 僕はまだ何も…」
〔衛、アルヘノテルス型へ隣接〕
〔アルヘノテルス型、衛へ攻撃〕

[イベント戦闘「衛vsアルヘノテルス型」]
〔咲良、護へ隣接〕
〔咲良、アルヘノテルス型へ攻撃〕

[イベント戦闘「咲良vsアルヘノテルス型」]
〔剣司、アルヘノテルス型へ攻撃〕
[イベント戦闘「剣司vsアルヘノテルス型」]
〔ワームスフィア現象〕
〔敵ユニット撃破〕

衛「見たか! ゴウバインの強さ!」
静流「へえ。新人パイロットにしてはけっこうやるもんね…」
杏奈「あの子達、中学生なのよね…。私も負けてられないわ!」
一騎「みんな、いつの間にあんな…」
〔モニターの開く音〕
総士「一騎…」
一騎「そ、総士…!」
総士「この機体は何だ?」
一騎「こ、これはその…新型のファフナーで…」
総士「…まあいい。その話は後で聞く。とりあえず無事で何よりだ」
一騎「あ、ああ…」
総士「フェストゥムを倒して竜宮島へ戻って来るんだ。島のみんながお前の事を心配している」
一騎「…………」
総士「僕は遠見達のフォローをしなくちゃならない。ひとりで戦えるか?」
一騎「ああ、大丈夫だ」
総士「そうか」
一騎「総士…!」
総士「何だ?」
一騎「…来てくれて、ありがとう…」
総士「礼なら遠見達に言え…」「正面、敵が来るぞ!」
一騎「わかった…!」

<一騎(マークザイン搭乗)が戦闘>
一騎「なぜフェストゥムが母さんの姿を…? 答えろ、フェストゥム! 母さんはどこだ! どこに行ったんだ!」

<真矢が戦闘>
真矢「一騎君。これからは私も一緒に戦うよ。翔子の想いは私が引き継ぐわ…!」

<咲良が戦闘>
咲良「さあ、かかっておいで、フェストゥム! 私は負けない! 私は強いんだ!」

<剣司が戦闘>
剣司「母ちゃん、怖いよ…。俺も甲洋みたいになったらどうしよう…。母ちゃん、助けて!」

<衛が戦闘>
衛「俺は機動侍ゴウバイン! フェストゥムども! ゴウバインの力、思い知るがいい!」

<道生が戦闘>
道生「フェストゥムめ。性懲りもなく出てきやがって…。おかげでまた撃墜数が増えちまうぜ!」

<カノンが戦闘>
カノン「私は命令を実行するだけ…。たとえ死んでもフェストゥムと戦い抜いてみせる…!」

<敵全滅・勝利条件達成>
〔敵ユニット出現〕
キラ「また復活した!?」
磁偉倶「いくら倒しても、これはキリがないぜ!」
美和「でも、このまま放っておくわけには…!」
光司「闘い続けるしかねえのかよ!」
〔通信のコール音〕
〔モニターの開く音〕

洋治「聞こえるか、一騎君。マークザインは順調のようだな…」
一騎「日野さん! 今どこにいるんです!?」
洋治「基地の地下だ」「…これからここを爆破する。フェストゥムにこの基地のデータを渡すわけにはいかんのでな」
一騎「爆破って…!」
洋治「フェンリルが5分後に爆発する。今すぐ、この基地から離脱するんだ!」
一騎「ええっ!?」
道生「親父! 死ぬ気か!」
洋治「…道生か。お前にはいろいろつらい思いをさせた。すまなかったな…」
道生「今はそんな話どうでもいい! 親父も早く脱出しろ!」
洋治「基地の地下はフェストゥムだらけでな。脱出は不可能だ」
道生「そんな…親父!」
洋治「早くここから逃げろ、道生!」
道生「親父…!」
マリュー「みんな、聞こえた!? 今すぐこの空域から離脱するわよ!」
一騎「待って下さい! 日野さんを置いていくわけには…!」
カガリ「そうだ、艦長! 何とか助けてやろう!」
マリュー「5分で救出は不可能です。非情なようですが、地上にいるみんなの命が優先です!」「みんな、早くアークエンジェルへ! 連合軍のファフナーも一緒に来なさい!」
一騎「他に基地に人はいないんですか!? せめてその人達だけでも…!」
洋治「いらぬ心配をするな。もう、生き残っているのは私だけだ…」
キラ「そんな…!」
道生「親父…!」
〔敵ユニット出現〕
剣児「こんな時に増援かよ!」
ミスト「ああっ! あいつは!」
アンジェリカ「アトリームで私達が追いつめた機体にそっくりだわ!」
ゴオ「なにっ!?」
イスペイル「レヴリアスよ。元気そうで何よりだ…」「どうやらあの時、私を追いつめた機体の片割れのようだが…」
ミスト「ついに…ついに見つけたぞ! お前を倒して、アトリームの無念を晴らしてやる!」
イスペイル「やはり、乗っているのはあの時の小僧か…。なぜ生きているかはどうでもいい」「お前のような小僧に、どうしてレヴリアスが動かせる…?」「アトリームの人間は何か特殊な力を持っているのか?」
ミスト「何をブツブツ言ってやがる! 行くぞっ! うおおおおっ!」
イスペイル(小僧の精神エネルギーが上昇している…)(…むっ? これは…奴は出力が下がっているだと!?)
〔ミスト、イスペイルへ隣接〕
〔ミスト、イスペイルへへ攻撃〕

[イベント戦闘「ミストvsイスペイル」]
イスペイル「フッ…。これは大笑いだ。何だ、その中途半端な攻撃は…」「クリスタル・ハートの力を全く使いこなせていない…!」
ミスト「何だと!? お前は何を言っているんだ!」
イスペイル「だが、今の攻撃のおかげで興味深いデータが得られたぞ…」「なるほどな…あの時の私では歯が立たないわけだよ」
ミスト「ふざけるな! 余裕かましやがって! もう一発、今度こそ食らわせてやる!」
ゴオ「やめろ、ミスト! もうすぐフェンリルが爆発する! 今すぐここから離脱するんだ!」
ミスト「嫌です! 俺はあいつを倒さなきゃならないんです! あいつは俺の故郷を…!」
カガリ「やめろ! あいつを倒した所でお前の故郷は戻っちゃ来ないんだぞ!」
ミスト「!!」
ジョシュア「仇討ちなんて無意味なんですってば!」
光司「グズグズしてたら、爆発に巻き込まれて死んじまうぞ!」
ミスト「でも…!」
キラ「ここは退くんだ、ミスト! まだ君にはやらなきゃならない事がある!」
アンジェリカ「ミスト! 仇はあいつひとりじゃないわ!」「あいつらの組織を倒さなきゃ意味がないのよ! 冷静になりなさい!」
ミスト「…そ、そうだ。あいつひとり倒した所で何にもならないんだ!」
静流「わかったら早くこの空域から離脱しましょう。時間がないわ!」
ミスト「はい!」
〔味方ユニット離脱〕
〔味方戦艦離脱〕

イスペイル「何だ? 威勢のいい事を言っておいて、逃げるつもりか!」
イスペイル兵「イスペイル様! この基地の地下にとてつもなく大きな爆発物の反応があります!」
イスペイル「なにっ! そうか、地球人どもめ…フェストウムもろともこの基地を吹き飛ばすつもりか!」「ええい! 撤退だ! 爆発に巻き込まれるぞ!」
〔敵ユニット離脱〕
〔振動音〕
〔画面、振動〕
〔画面、爆発〕

【戦闘マップ4終了】

【シナリオエンドデモ始】

イスペイル「地球人め、島ごと吹き飛ばすとはな…。あやうく巻き込まれる所だった。しかし、直接出向いた価値はあった…」「クリスタル・ハートを動かすために必要な要素がこんなにも早くわかるとはな…」「私に動かせない理由もわかった。だが、原理さえわかってしまえば利用する方法はいくらでもある」「後は、研究が上手くいくかどうかだ…!」

アークエンジェル/ブリッジ
マリュー「あなた達ふたり、本気で地球連合軍をやめると言うのですか?」
道生「連合軍は、俺達を捨て駒としてモルドヴァに置いていったんだ…」「そんな薄情な連中に忠義立てする必要はないさ。それに、竜宮島が恋しくなってね…」
カノン「トリプルシックスが命じるなら私は従うまでだ」
マリュー「わかりました。あなた方の身柄はアークエンジェルで預かります」
道生「助かるぜ、艦長さん」
マリュー「マリュー・ラミアスです。よろしく」
道生「日野道生だ」
カノン「カノン・メンフィス…」
キラ「そういえば、竜宮島が恋しくなったって言ってましたけど…」
道生「俺は竜宮島の生まれなんだよ。5年前、親父に連れられて島を出たんだ」
マリュー「そうだったの。それじゃ、里帰りってわけね…」
道生「歓迎してもらえるとは思っちゃいませんけどね…」
キラ「心配いりませんよ。竜宮島の人達は、みんな心があったかいですから…」
道生「…………」(弓子…お前は俺を歓迎してくれるか…?)

アークエンジェル/格納庫
カガリ「ほら、お前達! このコンテナに入れ!」
咲良「何でこんな所に入らなきゃならないの?」
カガリ「営倉の代わりだ。この中でしばらく頭を冷やせ!」(こんな子供を営倉に入れるのは忍びないからな…)
剣司「どうしてだよ! 俺達、一騎を助けたじゃないか!」
カガリ「お前ら、勝手に竜宮島から発進したんだろ?」
剣司「でもそれは、一騎を助けるためで…!」
カガリ「何のためだろうと独断専行はダメだ! 真壁司令も、総士も、カンカンだったぞ!」「本当なら銃殺もんなんだぞ! わかってんのか!?」
剣司「じゅ、銃殺…!?」
カガリ(ちょっと脅かしすぎたかな…? ま、こいつらにはいい薬だ)
一騎「ごめん、みんな。俺のために…」
真矢「いいのよ、一騎君。私達は自分の意志でやったんだから…」
一騎「遠見…」
衛「お前達がだらしないからこうなるんだぞ!」
咲良「衛…?」
剣司「お前、まだそんなもんかぶってたのか?」
衛「お前達がもっとしっかり戦えば真壁司令も総士も、満足して許してくれたはずだ!」「少しは反省しろ!」
咲良「いい加減にしろ! このっ!」
〔殴打音〕
〔画面、振動〕

衛「いててて…! あれ? 何で僕達こんな所にいるの?」
剣司「衛、お前…!」
衛「どうした、そんな怖い顔して。やだなあ…
咲良「コンテナの中で、たっぷり絞ってやるからね。覚悟しな!」
衛「ひ、ひいいーっ!」
〔自動扉の開閉音〕
カガリ「やれやれ…。まだまだガキだな…」
マードック「ずいぶん成長したもんだな、お嬢ちゃん」
カガリ「なにっ?」
マードック「2年前、スカイグラスパーで勝手に出撃して、撃墜されて行方不明になったのは…」「どこのどなたでしたっけ?」
カガリ「う、うるさい! そんな昔の話をほじくり返すな!」
マードック「おお、こわ…」
〔自動扉の開閉音〕
カガリ(そういえば…あの時、アスランと初めて出会ったんだっけ…)(アスランの奴、プラントの過激派を抑えるために奔走しているとは聞くが…)(本当に上手くやっているのか…?)(早く全てを終えて戻って来てくれ、アスラン…)

アークエンジェル/食堂
ミスト「ゴオさん、アンジェリカ、それにみんな! さっきは勝手な事を言ってごめんなさい!」
ゴオ「まったく、お前はテンパると見境がなくなるからな。もっと精神を鍛えなきゃダメだ!」
アンジェリカ「隊長にもさんざん言われた事じゃない。ちっとも成長しないんだから!」
ミスト「反省してます…」「日野さんって人を助けられなくてイライラしてて、そんな時にあいつの姿を見たら、つい…」
アンジェリカ「言い訳はしないの! あなたは何度同じ失敗を繰り返すつもり!?」
ミスト「ほんっと、すいません…」
光司「罰として、俺達全員にメシをおごれよな」
ミスト「ええっ! 全員にですか!?」
つばき「当たり前じゃない。私達全員を危険にさらしたんですからね!」
ミスト「俺、そんなにお金持ってないですよ…!」
静流「だったら体で払ってもらおうかしら?」
ミスト「か、体で…? それってどういう…」
静流「私達全員のマッサージ。60分全員コースね」
甲児「そりゃいいや! 操縦席に座りっぱなしで腰が痛くてさ…」
早乙女「うれしいね! ちょうど肩が凝ってたんだ」
剣児「あいつの体は岩みてえにゴツゴツしてんだろうな…」
早乙女「お前のマッサージは私がしてやるぜ、剣児!」
〔体が痺れる音〕
剣児「ギャーッ!」
カルメン99「私は足つぼマッサージを頼むわ」
ミスト「ええっ! カルメンさんはパイロットじゃないのに!」
カルメン99「アークエンジェルに乗ってる全員が迷惑したのよ? クルー全員にご奉仕するのが当然じゃない?」
ミスト「そ、そんなぁ…。ひとり60分ずつマッサージしたら、何日かかるかわかりませんよ…!」
アンジェリカ「自業自得よ。筋力アップのトレーニングと思って頑張りなさい。 ねっ?」
ミスト「ねっ? …て言われても…。ああ、地獄だ…。」(これって、みんな俺の事を怒りながらも励ましてくれてるんだよな)(みんなの厚意を無駄にしないためにも今度こそ平常心を保って、あいつを倒してみせる!)(…でも、俺の攻撃はあいつに通用しなかった…)(あいつの機体が、前に戦った時より強くなっているとしてもさすがにおかしい…)(あいつの言っていたクリスタル・ハートの力って何なんだ…?)
アンジェリカ(ミスト…どうやら元気を取り戻したみたいね)(いろいろ悩んでたみたいだけど、さっきあいつらに出会って、闘志に火がついたのかしら…)(あいつらのおかげで元気になるなんて皮肉な話だけど、悩んで落ち込んでるよりはマシよね)(でも、また何かひとりで悩んでるみたい…。そろそろ笑顔が見たいんだけどな…)

アルヴィス/パーシバル・ルーム
真壁「今回は私の馬鹿息子のために多大なご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」「しかも新人パイロット達が皆さんの足手まといになるような真似をしでかしまして…」「本当に何とお詫びしていいやら…」
カガリ「頭を上げて下さい、真壁司令。一騎君を救出に行ったのは私達の意志ですから…」「新人君達も一騎君を助けたい一心でやった事です。彼らの友情に免じて処分は軽くしてやって下さい」「それに、ここに戻るまでの間、反省室に入れて、たっぷり絞っておきましたから…」
真壁「お気遣いに感謝します…」
総士「一騎達は今どこにいるんですか?」
カガリ「遠見先生の検査を受けているよ。一騎以外はファフナーでの実戦は慣れていないようだったし…」「一騎もザルヴァートル・モデルとかいう新型のファフナーに乗っていたから…」「精密検査が必要だと言って、遠見先生が全員連れて行った」
総士「そうですか…」
乙姫「メディカルルームに行ってあげたら? 一騎の事が心配なんでしょう?」
総士「ど、どうして僕が…」「真壁司令。僕はちょっとファフナーブルクへ行ってきます」「一騎が乗っていたというザルヴァートル・モデルというファフナーの事が気になりますので…」
真壁「わかった」
〔扉の開閉音〕
乙姫「素直じゃないんだから…」
カガリ「では、真壁司令。私達はダンナーベースに戻る準備にかかります」「何かあったらまた連絡を下さい。いつでも助けに来ますから」
真壁「ありがとうございます。我々も皆さんと一緒に戦いたいのですが…」「新人パイロットばかりの現状ではお役に立てるとは思えません。むしろ足を引っ張ってしまいます」「もうしばらく訓練をしてから必ず協力させていただきますので…」
カガリ「わかりました。その時を待っています、真壁司令…」

アルヴィス/医務室
千鶴「みんな、お疲れさま。これで検査は終わりよ」
一騎「俺達の身体に何か異常はありましたか?」
千鶴「…いいえ、大丈夫よ。でも、もし体調に異変があったらすぐに知らせて下さい」
衛(ねえねえ、体調が悪いって言ったら授業をサボれるかな?)
剣司(おっ、そいつはいい案だな!)
咲良「ちょっとあんた達! 聞こえてるわよ。つまらない事考えるんじゃないの!」
衛「ひっ!」
剣司「ほ、ほんの冗談じゃないか。そんなに怒るなよ…」
さやか「異常がなくて、ひと安心ね」
ゴオ「ジークフリード・システムってのは、意識を直接リンクさせるんだろ?」「脳や肉体にどんな負荷がかかるのか俺達には想像もつかないよな…」
剣児「考えてる事が他人に筒抜けなんて、俺には我慢できねえぜ…」
つばき「それはあんたがスケベな事ばっかり考えてるからでしょ?」
剣児「せ、戦闘中にスケベな事ばっかり考えるわけねえだろ! ほんのちょっとだけだよ!」
杏奈「ほんのちょっとは考えるんだ…」
〔扉の開閉音〕
弓子「お母さん! 道生が帰って来たってほんと…」「ああっ! 道生!」
道生「よう。久しぶりだな、弓子」
弓子「何が久しぶりだな…なのよ! あんた、よく竜宮島に戻って来られたわね!」
道生「いろいろ事情があってね…。行き場がなくなった俺とカノンをアークエンジェルが拾ってくれたんだ」「で、アークエンジェルに乗ってたら竜宮島に連れて来られたってわけさ…」「俺の顔なんか見たくないって言うならすぐにでも島から出ていくぜ…?」
弓子「そ、そんな事言ってないじゃない!」
道生「じゃあ、歓迎してくれるのか?」
弓子「か、歓迎なんかしないわよ! 島を裏切ったあんた事なんか…」「…でも、生きててくれてよかった…」
道生「…ありがとう、弓子」
ゴオ「何だ、あのふたりはワケありなのか?」
真矢「道生さんが島を出ていく前、お姉ちゃんと道生さんはつきあってたらしいんです」
さやか「なるほどね。それで…」
弓子「ちょっと真矢! プライベートな事をペラペラしゃべらないでよ!」
真矢「あ、ごめん。お姉ちゃん…」
道生「ところで、俺とカノンはこれからどうなるんだ? 捕虜として取り調べでも受けるのか?」
〔扉の開閉音〕
真壁「道生君には、新人パイロットの教育係をしてもらおうと思う」
道生「真壁のおじさん…いや、今はアルヴィスの司令官でしたね。教育係ってのはどういう事です?」
真壁「君は、連合軍では名の知れたパイロットだったそうじゃないか」
道生「いや、それほどでも…」
真壁「一騎達はつい最近、ファフナーに乗るようになったヒヨッ子ばかりだ」「君に操縦技術を教えてもらうのが、ヒヨッ子達を一人前にする早道だと思ってね」
道生「俺はつい昨日まで、連合軍のパイロットだった男ですよ? それでもいいんですか?」
真壁「私の知っている日野道生君はとても心の優しい少年だ」「竜宮島の同胞を裏切るような事はするまいと思ってな」
道生「…わかりました。お引き受けします」「モルドヴァでの戦いで、地球を狙ってるのがフェストゥムだけじゃないって事がわかりました」「一日も早く一騎達を一人前にしないと手遅れになりますからね…」
真壁「そういう事だ。よろしく頼む」
道生「俺の身の振り方はそれでいいとして、カノンはどうなるんです?」
真壁「カノン・メンフィス…彼女も捕虜として扱う気はない」「彼女の意志次第だが、できれば我々と共に地球のために戦ってもらいたいと思っている」「君同様、実戦経験豊富なパイロットの存在は重要だからな…」
道生「どうだ、カノン。ここに残って、一緒に戦うか?」
カノン「それは命令か…? 命令ならば、私はそれに従うだけだ」
道生「わかった。じゃあ俺が命令しよう。お前はこれかあ俺達と一緒に地球のために戦うんだ」
カノン「了解した…」
真壁「では今から、道生君とカノン君にはアルヴィス所属のパイロットとして戦ってもらう」「…それと、道生君は大人だからひとりでも暮らせるだろうが…カノン君はそういうわけにいくまい」「羽佐間さん。あなたにカノン君の保護者になっていただきたいのだがよろしいですか?」
容子「えっ?」
真壁「娘さんを亡くしたばかりのあなたに頼むのは酷かもしれないが、他に適任者がいないもので…」
容子「…わかりました。私でよろしければお引き受けします」「…カノンさん。羽佐間容子よ。よろしくね」
カノン「よ、よろしく…」
真壁「では、明日からさっそく訓練を始めてもらう。頼むぞ、道生君」
道生「はいっ!」
真壁「では、解散だ。みんな、今日はゆっくり休め…」
ゴオ「俺達も艦に戻ろう。出航の準備をしなくちゃいかん」
さやか「そうね、行きましょう」
剣児「一騎、剣司、衛! それに真矢ちゃんに咲良ちゃん! 訓練、頑張れよ!」
杏奈「いつかまた一緒に戦おうね1 地球の未来のために!」
咲良「お姉さんに言われなくても!」
剣司「俺、頑張るよ!」
衛「地球の未来のため…なんかやる気が出てきたぞ!」
一騎「あの事はよくわかりませんけど…俺、ここにいますから!」

竜宮島/堤防
真矢「…ねえ、一騎君」
一騎「どうした、遠見?」
真矢「訓練の合間に、翔子のお墓参り、いこ? 皆城君も、他のみんなも誘って…」
一騎「ああ、そうだな。今回の俺の行動も翔子に謝らないとな」
真矢「ううん、違うの。そうじゃなくて……やっぱり言わないといけないのかな。よくわかんなくなってきたな…」
一騎「えっ? お、俺も遠見が何を言いたいのかよくわからんないんだけど…」
真矢「…またみんなが前みたいに仲良く集まれるかなって思っただけ」「翔子の事を通じて、一騎君の想いがみんなにも伝われば、あんまりギスギスしないかなって…」
一騎「そうだな…。なんだか俺、本当にみんなに酷い事しちゃって…」「…そのさ、総士は別にみんなの事を怒ってないと思う」「俺は…嫌われたかもしれないけど…」
真矢「ううん、皆城君は一騎君の事を嫌いになってないよ」「だって顔に書いてあるもん、皆城君。いつも一騎君にお礼言ってるよ。今回はちょっと怒ってたけど」
一騎「総士が? まさか…」
真矢「いつか皆城君の口からお礼、直接聞けるといいね」「…あっ、そうだ、一騎君」
一騎「えっ?」
真矢「おかえりなさい」
一騎「た、ただいま…!」
【シナリオエンドデモ終了】


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