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No.22
コンヒュージョン・カーニバル

【シナリオデモ1開始】
大空魔竜/通路
ミスト「シェルディア…」
シェルディア「ねえ、どうしてあの子があいつらの仲間なの? こんなのあり得ないよ!」
ミスト「俺にもわけがわからない…。でも、さっきのレムの態度は明らかにおかしかった」「ムウさんみたいに記憶を変えられてるのかもしれない…」「とにかく敵に操られているんだよ!」
シェルディア「…助けに行かなきゃ! このままにしておけないよ!」
ミスト「気持ちはわかるけど、どこにいるかもわからないんだ。今すぐ助けるのは無理だよ…」
シェルディア「そんな! あの子がかわいそうだと思わないの!?」
ミスト「思うさ! 俺だってすぐに助けたい。でも、今は何の手がかりもないんだ」「もう一度連絡して来るとか、俺達の前に現れるのを待つしかないよ」
シェルディア「そんな悠長な事言ってらんないよ! ボク、探しに行く!」
ミスト「落ち着け、シェルディア。どこを探すって言うんだ?」
シェルディア「それは…わかんないけど…」
ミスト「だろ? …認めたくはないけど、今のレムは敵だ」「待っていれば、きっと向こうから俺達の前に現れるはずだ。その時に助ける方法を考えよう!」
シェルディア「…そうだね。わかった。そうする…」
ミスト「今はレムが生きててよかったって前向きに考えようよ。ね?」
シェルディア「うん…」
ミスト(どうしてこんな事になってしまったんだ…)(これじゃシェルディアがかわいそう過ぎる!)(イディクス…いったい何を企んでるんだ!? くそっ!)

大空魔竜/ブリッジ
ローサ「アスハ代表。だんなーと通信がつながりました」
〔通信の開く音〕
霧子「アスハ代表! 今どこにいるんだい?」「ついさっき、プラントとオーブが停戦協定を結ぶと発表があったんだが、デュランダルを倒したのかい?」「情報が混乱してて、こっちにはなかなか確定情報が入ってこないんだ」
カガリ「私達は今、月から地球に戻って、ダンナーベースへ向かっている途中だ」「アークエンジェルとエターナルも一緒にな…」
甲児「デュランダルは倒しましたよ。レクイエムの脅威ももうありません」「ついでに、黒幕の幹部もやっつけちゃいましたよ!」
霧子「黒幕の幹部?」
リー「ミストの故郷を襲った連中ですよ」「予想通り、そいつらがダリウスや邪魔大王国の裏で、糸を引いてたんです」「名前は…えーっと…」
鏡「組織の名前がイディクス。やっつけた幹部の名前がイスペイルだ…」
リー「そうそう、それ!」
ピュリア「イスペイルって奴を倒しても、すぐにまた、ガズムとかいう新しい幹部が出てきちまったけどな…」
ジョシュア「しかも、そのガズムって幹部はシェルディアさんの妹さんなんですよ!」「ビックリしちゃいました~!」
霧子「シェルディアの妹が敵の幹部なのかい!?」
カガリ「その辺の事情はいろいろ複雑だから、ダンナーベースに戻ってからじっくり話す」
霧子「了解だ。あんた達を待ってる人がいるから、早く戻っておいで」
カガリ「待ってる人…?」
霧子「それは後のお楽しみさ。じゃあね」
〔通信の閉じる音〕
カガリ「いったい誰が待ってるって言うんだ? ルル、先を急ごう!」
ルル「はい。大空魔竜、ダンナーベースへ向けて全速前進!」
ロング「了解っ!」

大空魔竜/通路
ミスト「レムの件ですっかり忘れてたけど、リーさん達が敵の基地から何か持って来たって言ってたよな…」「サコン先生は、俺が喜ぶ物だって言ってたけど…とりあえず格納庫に行ってみるか」
サコン「やあ…。そろそろ来る頃じゃないかと思ってましたよ」
ミスト「サコン先生!」
サコン「例の物を見に来たんですね? さあ、どうぞこちらへ…」
ミスト「あ、はい…」
〔自動扉の開閉音〕

大空魔竜/格納庫
ミスト「こっ、これは…!」
サコン「やはり知っていましたか。敵の基地でこれを発見した時…」「セリウスに設計思想がよく似ているので…」「もしかしたらアトリームのロボットではないかと思いましてね」
ミスト「そうです! これはアトリームの防衛隊で復元途中だった…」「レヴリアスと一緒にデータが発見されたロボットです! 確か、名前は…」
〈名前変更〉

大空魔竜/格納庫
サコン「なるほど、話は聞いていましたが道理で似ているわけだ…」
ミスト「だけど、どうしてセルケリウスが敵の基地なんかに…!?」
サコン「考えられるのは、この機体がクリスタル・ハートと関連性があるんじゃないかという事です」
ミスト「そういえば、イスペイルはずいぶんとクリスタル・ハートに固執していましたね」「でも、こいつとクリスタル・ハート…何の関係があるっていうんだ…?」
サコン「調べたところ、ジェネレーターが搭載されるべき箇所が空いているようですが…」「どうやら、本来の動力源はクリスタル・ハートのようですね」
ミスト「俺達の機体は、こいつにクリスタル・ハートを搭載するためのテスト機だったって事ですか?」
サコン「断言はできませんが…」
ミスト「………」
サコン「それと、基地のコンピュータにはクリスタル・ハートに関する資料がいっぱいありましたから…」「これで少しは研究がはかどると思いますよ。ちょうど、ゲートの解析もひと段落しましたしね」「前回の戦いからわかったのは、『怒り』の感情は…」「クリスタル・ハートの出力アップの起動キーのように見えて、違うという事です」「今のミスト君なら普通に戦っているだけであの機能が発動すると思いますよ」
ミスト「えっ? じゃあ、起動キーになる感情がわかったんですか?」
サコン「…それなんですが、ちょっとまだ絞りきれていません。追って調査は進めますが…」
ミスト「わかりました。それにしても、イスペイルには使えなくて俺達に使えるっていうのは…」
サコン「まあ、後は私に任せて下さい。資料もいっぱいありますし、何かわかったら報告しますから」
ミスト「はいっ! よろしくお願いします」
サコン「それと、この機体なんですが、アンジェリカ君の新しい機体に使えませんか?」
ミスト「ああっ! そ、そうですね! アンジェリカがこれに乗ればいいんだ!」「ありがとうございます! サコン先生!」「アンジェリカが喜ぶってのはこういう事だったんですね!」
サコン「それじゃあ、マードックさんに頼んで出撃できるようにしてもらいましょう」「予想が正しければ、大破したセリウスのクリスタル・ハートを…」「セルケリウスに移植すれば、後は微調整だけで動くはずですから」
ミスト「はい! アンジェリカにも伝えてきます!」(これでまたアンジェリカも戦えるぞ!)

???
〔通信のコール音〕
ヴェリニー兵「本部より通信です!」
ヴェリニー「待っていたわ。…つないで」
〔モニターの開く音〕
ガズム「ヴェリニー…」
ヴェリニー「ガズム…? あなた、ガズムなの?」
ガズム「ああ、そうだ」
ヴェリニー「ずいぶん見違えたわね…。…って、そんな事はどうでもいいのよ!」「大変よ、ガズム! イスペイルがやられたわ!」
ガズム「ああ、俺も報告を聞いて驚いている…」
ヴェリニー「イスペイルが『欠片』探しをさぼって、地球人相手に遊び半分で戦っていたのは知ってたけど…」「まさかやられてしまうなんて…!」
ガズム「お前達からの報告を見る限り、地球の戦力があなどれないのは事実だが…」「イスペイルを倒せるほどの実力があるとも思えん…」
ヴェリニー「…その事なんだけど…」
ガズム「何か知っているのか?」
ヴェリニー「ついさっき、イスペイルの部下がゲート発生装置と一緒に、この基地へ避難してきたのよ…」「そいつの話によれば、イスペイルはレヴリアスとかいう敵のロボットのパイロットを…」「生け捕りにしようとして、敵の部隊を基地の中におびき寄せて…」「そのレヴリアスに倒されたそうなのよ」
ガズム「レヴリアス? 何だそれは?」
ヴェリニー「さあ…?」
ガズム「数日前、奴と直接話した時は、そんな事はひと言も言っていなかった…」「ル=コボル様のために、地球をとりまくマイナスエネルギーを集めているとは言っていたが…」
ヴェリニー「あなたにも隠してたって事は、そのレヴリアスって…」「何かすごい秘密があるロボットなのかもね…」
ガズム「あのイスペイルが破れたんだ。相当、強力なロボットなんだろう…」(調べてみる価値はありそうだな…)
ヴェリニー「それで、これからどうするの?」
ガズム「イスペイルの後を引き継がねばならん。俺は地球へ行かねばならんだろうな」
ヴェリニー「で、体の具合はどうなの? いつ頃そこから出られそう?」
ガズム「わからん…。我らの意識に目覚めていなかったのがおかしなくらい、強い『欠片』の持ち主だったぞ」
ヴェリニー「それはよかったじゃない! ル=コボル様にけっこう近づけたって事でしょ!?」
ガズム「全ては人格を溶かしきって『欠片』の融合を完了させてからだ。喜ぶのは早いぞ」「さて…俺も憑代を戦闘用に安定させなければならんのでな。終わり次第、そちらへ向かう」
ヴェリニー「わかったわ」
ガズム「お前の方はどうなんだ。何か成果はあったのか?」
ヴェリニー「残念ながら、この星に『欠片』はなさそうよ…」「その代わり、ル=コボル様のためになりそうな技術を発見したわ」
ガズム「イスペイルと同じような事を言うな…。お前の使命は『欠片』を探す事だ。余計な事を考える必要はない」「余計な事に手を出すと、お前も奴のように墓穴を掘るぞ?」
ヴェリニー「心配しないで。私はイスペイルのようなドジじゃないわ」
ガズム「だといいがな…。勝手な行動はほどほどにしろよ」「…ところで、ゲート発生装置に関してなのだが、今日からリミッターを解除しようと思う」
ヴェリニー「リミッターを!? そんな事をしたら、空間の構造にダメージが…!」
ガズム「間もなくル=コボル様が眠りからお目覚めになる…」「それまでに新たな『欠片』を見つけ出さねばならん…!」「プラネット・クライシスがおいそれと使えない今、迅速な計画の進行には必要な措置だ」
ヴェリニー「それはそうだけど…空間のひずみのせいで事故が起これば、私の計画に支障が生じる危険も…」
ガズム「…俺の考えに異を唱えるのか?」
ヴェリニー「…い、いえ。危険がある事を指摘しただけよ…」
ガズム「それならいい。ル=コボル様がいない間は俺がリーダーだという事を忘れるな」
ヴェリニー「承知してるわ…。それじゃ、リミッターを解除するわ」
ガズム「それから…お前の報告を読んで、面白い計画を考えた」
ヴェリニー「面白い計画…?」
ガズム「我々に抵抗する地球人どもを少しいたぶってやろうと思ってな…」
ヴェリニー「いたぶる? そんな必要があるのかしら?」「いつものようにゲートを使って宇宙の果てに飛ばしてやれば、簡単にケリがつく事じゃない?」
ガズム「確かにそれならすぐに終わるが…」「俺は『欠片』を賜ってから憑代になじむまでずっと眠っていたんだ」「ちょっとくらい楽しませてくれてもいいだろう?」
ヴェリニー「そんなふざけた理由なの? ま、そこがあなたらしい所だけど…」
ガズム「ただ単に楽しむわけではないぞ。この計画には、重要な意味もあるのだ!」
ヴェリニー「意味があるって言われても、嘘にしか聞こえないわね…」「ともかく、面白い計画ってのを聞かせてもらおうかしら…」
ガズム「わかった。俺が興味を持ったのは、オーバーマンが持っているオーバースキルという能力だ…」「特にメックスブルートとかいう
 オーバーマンの…」

ダンナーベース/司令室
霧子「なるほど、だいたい状況はわかったよ。さっきの帽子をかぶった変な奴はハッター軍曹っていうんだね」
光司「変な奴なんて言ったら軍曹が怒りますよ、博士」
霧子「おっと、失礼…。それで、ハッターさん達はどこにいるんだい?」
ダイヤ「ハッター軍曹達、この前もそうだったんだけど、いくら言ってもコクピットから出てこないんだよね…」
杏奈「どうして降りて来ないのかしら?」
アスラン「もしかしたら、バーチャロイドに組み込まれたAIなのかもしれないな」
ゴオ「彼らにもいろいろ事情があるんだろう。あまり詮索しない方がいい」
霧子「…ゴオ、あんた…身だしなみに気を使うのを忘れてないかい?」
ゴオ「えっ? いや、最低限は気を使っているつもりですが…」
霧子「それじゃあ、その頭はオシャレのつもりかい?」
ゴオ「そういや、最近髪を切る暇もなかったな…」
杏奈「私はこの方が若く見えるから好きなんだけどな」
霧子「…なるほど。杏奈の監督不行き届きってわけじゃないんだね」「それならいい」
ゴオ「はあ…」
ルル「…ところで、葵博士。私達を待っているというのは…?」
霧子「彼らだよ。入っておいで!」
〔ドアの開閉音〕
総士「お久しぶりです、皆さん」
ゴオ「総士君! それに、竜宮島のみんな…!」
一騎「父さん…じゃなくて、真壁司令の命令で、皆さんに同行する事になりました」
総士「今の地球の状況を考えると、フェストゥムだけ相手にしていればいいというわけにはいかないようです」「僕達も皆さんと一緒に侵略者と戦った方が人類全体の安全につながります」
霧子「移動式のジークフリード・システムが完成してね…」「大空魔竜やアークエンジェルの艦内からでもファフナーをコントロールできるようになったんだ」
総士「葵博士や弓教授、司馬博士の協力がなければ完成しませんでした。ありがとうございます」
霧子「地球に平和を取り戻すためさ。当然の事だよ」
ダイヤ「これでさらに戦力アップだぜ!」
真矢「実戦経験の乏しいパイロットばかりですけど、よろしくお願いします!」
咲良「ここには歴戦の勇士が揃っているとお聞きしてます…」「いろいろテクニックを盗ませていただきたいと思います!」(1日も早く一人前のパイロットになって父さんの仇を取ってみせる…!)
剣司「み、皆さんの足を引っ張らないように頑張ります!」
衛「よろしくお願いします」
甲児「こっちこそよろしく頼むぜ!」
カノン「…………」
道生「どうした、カノン。お前も挨拶しないか」
カノン「…よ、よろしく頼む」
道生「すまんな、みんな。カノンは他人と接触するのが苦手なもんでね…」「これでも、前よりはずいぶん愛想がよくなったんだけど…」
カノン「よ、余計な事を言うな! お前こそ、皆にあいさつしなくてもいいのか?」
道生「おっと、そうだったな。俺とカノンは連合軍のパイロットとしてみんなと戦った事もあるが…」「その事はスッパリ忘れてくれ。これからは全力で地球のために戦うから仲間として、よろしく頼むぜ!」
静流「一気に8人も増えるのね。戦力アップはもちろんだけど、今よりもっとにぎやかになるわね」
総士「実は、この8人だけじゃないんです…」
静流「えっ?」
〔ドアの開閉音〕
千鶴「遅くなって申し訳ありません」
乙姫「私が悪いの。ちょっと頭痛がするから医務室に寄ってもらったの」
つばき「乙姫ちゃん!」
総士「頭痛って…大丈夫なのか、乙姫?」
乙姫「うん。大丈夫…。お薬を飲んだらよくなったよ」
総士「遠見先生。やはり乙姫を島の外に連れ出すのは無理があったんじゃありませんか?」「今すぐ竜宮島へ帰しましょう!」
乙姫「やめて、総士。私なら大丈夫だから心配しないで」
総士「しかし…!」
つばき「乙姫ちゃん、具合が悪いなら無理しない方が…」
乙姫「全然平気だよ。総士ったら心配性なんだから…」
杏奈「でも、パイロットじゃない乙姫ちゃんがどうしてここに?」
乙姫「私が無理を言ってついて来たの。みんなの戦いをこの目で見届けたかったから…」「私のワガママのせいで千鶴に迷惑をかけちゃったけど…」
千鶴「迷惑なんかじゃないわ。私は当然の事をしてるだけよ」
カガリ「戦いを見届けるって…どういう事だ?」
乙姫「この戦いが持つ意味を…ミールに教えてあげないといけないから…」
つばき「えっ…?」
ナオト「ダイヤ君…」
ダイヤ「ナオト! お前、どうして!?」
ナオト「どうしてもダイヤ君に会いたかったんだ」「地球と宇宙の戦争が終わって、それでもダイヤ君は戦い続けてるって支援組織の人から聞いて…」「僕が何か役立てる事がないかって聞いたら、ここに行くように言われたんだ」
ダイヤ「確かに、俺はうれしいけど…。…そうだ、母さんは大丈夫なのか?」
ナオト「うん。ダイヤ君のお母さんは大空魔竜の支援組織の人が責任をもってケアしてる」
ディック「………」
ピュリア「それで、大空魔竜に乗せて下さいってか?」
ナオト「えっ? そういうわけじゃないですけど、それで僕が役に立てるんだったら…」
ピュリア「お断りだな!」
ダイヤ「ピュリア…!」
ピュリア「…って言おうと思ったけどナヨナヨしてるだけのヤツじゃねえってのは、目を見りゃわかる」「何をするかしらねえが、ダイヤのサポートはしっかり頼むぜ」
ナオト「は、はい!」
ルル「…コホン。そういう話は、私に無断で進めないで下さいね」
ピュリア「あ、すまねえ…。つい…」
ルル「では、ナオト君。大空魔竜への乗船を許可します」
ナオト「ありがとうございます!」
ゲイナー「あれが、前にダイヤ君が言ってた子か…」
ダイヤ「ああ、そうだよ」
ゲイナー「今は戦いばかりでゲームどころじゃないけど、いつか時間ができたら対戦してみたいな」
ダイヤ「わかった。ナオトにも伝えておくよ」
〔通信のコール音〕
〔モニターの開く音〕

サコン「皆さん、お待たせしました。もう一つの地球の座標が判明したので大空魔竜に来ていただけますか?」
ヴァン「わかったのか! でかしたぞ、メガネ!」
サラ「長かったわね…。でも、これでみんなとお別れだと思うと…」
ルージ「悲しそうな顔しないで下さいよ、サラさん。ゲートがあれば俺達はいつでもこっちの地球に来れるんですから!」「…そうだ! 時間さえかければ、いろんな待ちをゲートで結べるかもしれないんだ!」
ゲイナー「ジェネレーターを直せる職人探しが楽になるかもしれないんだね」「そうだ、ついでにシベ鉄も商売上がったりになるぞ!」
コトナ「よかったわね、ルージ君、ゲイナー君」
イザーク「もしかして、俺達ももう一つの地球に行く事になるのか?」
ディアッカ「ま、そういう事になるんじゃないの? 今さらだぜ、イザーク」
カルメン99「とにかく大空魔竜へ行きましょう!」
レ・ミィ「うん!」
剣司「な、何かよくわかんねえけど…もう一つの地球って…?」
真矢「近藤君、この前の皆城君の説明聞いてなかったの?」
総士「その話なら後にしろ。僕達も大空魔竜に向かった方がいい」

大空魔竜/ブリッジ
サコン「皆さん。お待ちしていました。月面基地でハッキングしたデータの中から…」「もう一つの地球の座標をついに見つけ出しましたよ」
カルメン99「さすがはサコン先生。約束通りね」
サコン「皆さんの協力で、予定よりもずいぶんはかどりました。ありがとうございます」
キラ「いえ、僕は少しお手伝いしただけですから…」
ジョシュア「いやあ、お礼を言われるほどの事は…」
ヴァン「そんな話はいい。さっさと俺を元の世界に戻してもらうぜ」
サコン「わかりました」「これから行く先は、ミロード村からハラヤードへ向かう途中でダリウス界へ飛ばされた時の座標です」
サラ「…と言う事は、エリアZi?」
サコン「ええ、そうです」
カルメン99「カギ爪はエリアZiのどこかにいるはずだから、私達もその方が助かるわ」「それに、ハラヤードで職人探しを手伝うって約束だったものね」
アナ「私達は、ヤーパンの天井まで送り届けていただけるのですか?」
サコン「その点ならご心配なく。もう一つの地球に到着すれば…」「惑星全体の座標が計算できるはずですから、どこへでもひとっ飛びですよ」
ヴァン「どこへでも行けるのか? だったら俺をカギ爪のいる場所まで飛ばしてくれ!」
サコン「ええ。構いませんよ。カギ爪という方はどこにいるんです?」
ヴァン「そんな事知るか! 知ってたら苦労はしない!」
サコン「だったら無理ですよ。ゲート発生装置には、人探しの機能まではついていませんからね」
ヴァン「チッ…」
カルメン99「あんたも馬鹿ね。それくらいの事、ジョシュアでもわかりそうなもんよ?」
ヴァン「…うるせえ」
ジョシュア「僕がどうかしたんですか?」
カルメン99「何でもないわよ。それじゃ、サコン先生。お願いします」
サコン「わかりました。では、元の世界に戻るのを希望する皆さんは…」
〔大空魔竜の警報〕
ゴオ「どうした? 何の警報だ!?」
〔通信のコール音〕
〔モニターの開く音〕

霧子「大変だ!この近くに巨大な空間のひずみが発生したよ!」
甲児「何だって!?」
静流「空間のひずみって事は…もしかして…ゲート!?」
小波「博士! ひずみの中から、何か巨大な物が出現します!」
霧子「映像は出せるかい!?」
小波「はい! モニター、切り替えます!」
〔通信機の起動音〕
〔画面、黄色に発光〕
〔転移音〕

ゲイナー「ああっ! あれは…!」
サラ「ヤ、ヤーパンの天井!?」
リュボフ「ひ、姫様! ヤヤヤ…ヤーパンの天井です!」「ヤーパンの天井が空から飛び出しましたよ!」
アナ「落ち着きなさい、リュボフ。サコン先生。これはいったいどうなっているのです?」
サコン「…ゲートでもう一つの地球から飛ばされて来たようですが…」「いったいどうしてなのか…私にもわかりません…!」
アンジェリカ「あいつらの目的は地球侵略のはず。ヤーパンの天井を転移させたって、何にもならないと思うけど…」
サラ「とにかく行ってみましょう! みんな無事かどうか確かめたいわ!」
アナ「そうですね。行ってみましょう!」
甲児「俺達も行こうぜ!」
ボス「おうっ!」
ヴァン「おい! 元の世界に戻してくれるんじゃないのか!?」
カルメン99「そんなのは後よ! どう考えたって、あっちの方が一大事でしょ!」
ヴァン「くそっ! いったいどうなってやがるんだ!」

ヤーパンの天井
サラ「見て、ゲイナー君! あそこ! ゲインさんよ! ガウリ隊長もいるわ!」
ゲイナー「ほんとだ! ゲインさーん! ガウリ隊長ー!」
ゲイン「ゲイナー? サラ!? それにアナ姫様も!」
ガウリ「…という事は、ここはエリアZiなのか?」
ゲイナー「いえ、違います。ここはもう一つの地球です」
ゲイン「なにっ?」
ガウリ「我々をからかっているのか、ゲイナー」
アナ「いえ、からかってなどいません。本当の話です!」
ゲイン「どういう事だ!?」
ローサ「あなた方が暮らしている地球の他に、もう一つ…私達が暮らしている地球がある…」「初めてお会いした時、そんなお話をしたのを覚えていらっしゃいませんか?」
ゲイン「ローサさん! お久しぶりです! …確かに、そんな話をしたような記憶はありますが…まさか、事実だったとは…」
サラ「驚くのはまだ早いわよ、ゲインさん。私達、宇宙や月にも行ったんですからね!」
ゲイン「いや、いくら何でもそれは嘘だろう。調子に乗りすぎだ」
アナ「それが嘘ではないのです。本当に月まで行ったのですよ」
ゲイン「ア、アナ姫様までそのような事を…。大人をからかわないでいただきたい…」
アナ「私の言う事を信じてくれないの!?」「そのようにおっしゃるのでしたら、サコン先生に頼んで、あなたもゲートで月に飛ばしてもらいますよ!」
サコン「わかりました。後で準備しておきましょう」
ゲイン「おいおい、物騒な相談はやめてくれ…」
ベロー「ゲインさん! 見回ってきましたよ…。激突の衝撃で、重軽傷者がたくさん出てます」
コナ「シルエットマンモス、都市ユニットともにかなりのダメージですねえ…」
ベロー「それと、天井のあちこちで、ピンクのカバを見たって人がいっぱい…」
ゲイナー「ベロー! コナ!」
ベロー「ゲイナーじゃないか! お前、生きてたのか!?」
コナ「エリアZiに行ったまま全然帰ってこないから、死んだもんだとばっかり…」
ゲイナー「勝手に殺さないでくれよ。サラもアナ姫様も、リュボフさんも無事さ」
サラ「ベロー、コナ、元気だった?」
ベロー「サラ! そうか、生きててくれたか! そりゃよかった! くうーっ!」
ガウリ「…それにしても、我らはなぜこのような所に…?」
サコン「それに関しては何とも言えませんが…。いったい皆さんは、どのようないきさつでここへ飛ばされたのです?」
ベロー「いきさつも何も…ヤーパン目指して進んでいたら、いきなり目の前に白い光が現れて…」「気がついたらここにいたんだ!」
サラ「これまで私達が何度も飛ばされたのと同じパターンね」
ゴオ「俺達も、どうしてダリウス界や月に飛ばされたのか、理由が全然わかってないからな…」
ローサ「相手は侵略者だから、きっと何か意図があると思うけど…」
ゲイン「…それはそうと、このあたりはほとんど焼け野原じゃないか…。戦争でもあったのか?」
ローサ「…私達の地球は今、侵略者の攻撃を受けているのです」
光司「擬態獣にダリウス軍邪魔大王国にフェストゥム…いろんな連中が地球をねらってるんすよ」
ダイヤ「そいつらのおかげで、この日本もメチャメチャになって…」
ガウリ「君っ! 今、日本と言ったか!?」
ダイヤ「ええ、言いました。ここは日本ですから…」
ガウリ「日本…つまり、ヤーパン!」
ゲイン「こいつは驚いた! 俺達はヤーパンに飛ばされたのか!」
ベロー「へえ! ここってヤーパンなのか! 聞いたか、コナ!?」
コナ「うん!」
サラ「がれきの山ばかりで、私達の目指してるヤーパンとは大違いだけどね…」
ベロー「見た目なんか問題じゃない! 俺達の手でこれからここを理想の世界に変えればいい!」「俺達はヤーパンに着いたんだ! ヒッポーッ!」
コナ「みんなに知らせなきゃ! ヒポポーッ!」
ゲイナー「どうしたんだ、ふたりとも? 急にハイテンションになって…」
サラ「ベローはともかく、コナもなんて…。あのふたり、熱でもあるんですか?」
ゲイン「そんなはずないと思うが…むっ!?」
ピンクカバ「ヒポッ!」
ゲイナー「どうしました?」
ゲイン「この世界では、ピンクのカバが流行っているのか?」
サラ「何の話です?」
ゲイン「いや、何でもない。どうやら疲れているようだ。今日は休ませてくれ…」
ローサ「それがいいですわ。もしお役に立てる事があったら何でもおっしゃって下さい」「シベリアでお世話になったお礼もしたいですし…」
ゲイン「ありがとう、ローサさ…」
ピンクカバ「ヒプ~!」
ゲイン(いかん。ローサさんの周りをピンクのカバが…)
ローサ「ゲインさん…。ポッ…」
ヴァン「おい、メガネ!」
サコン「やあ、ヴァンさんじゃないですか」
ヴァン「いつまで待たせるつもりだ! 早く俺を元の世界に戻せ!」
サコン「そんな事、明日でいいんじゃないですか?」
ヴァン「な、何が明日だ! 貴様!」
サコン「ヴァンさん。暴力はやめましょう。それにピンクのカバを肩に乗せてたら、怒っても全然迫力ありませんよ?」
ヴァン「カバ? 貴様、何を言ってる…?」
サラ「ねえ、ゲイナー君?」
ゲイナー「なに、サラ?」
サラ「さっきから、ピンクのカバが見えるんだけど…」
ピンクカバ「ヒププッ!」
ゲイナー「サラも? 実は僕もなんだ…。何だかすごく愉快な気分で…ヒポポ…」
〔爆発音×2〕
剣児「何だ、あの花火は?」
〔通信のコール音〕
〔モニターの開く音〕

ベロー「みなさ~ん! 本日の夕刻より、ヤーパン到着を祝して…」「エクソダス成就記念! スーパーカーニバルを開催いたしま~す!」
ルージ「カーニバルだって?」
レ・ミィ「へえ、面白そうじゃない!」
ベロー「カーニバルのメインイベントは都市ユニット対抗駅伝大会!」「優勝チームには、超豪華な賞品をプレゼントいたします!」「体力に自信のある参加希望者は、大至急バッハクロンまでお集まり下さ~い!」
サラ「駅伝かぁ…。出場してみようかしら? 超豪華な賞品って、何だろう…?」
ゲイナー「出場って…。サラ、走れるの?」
サラ「あら、こう見えて、走りには自身があるのよ」
ゲイナー「僕は体力を使う競技はダメだ。ゲーム大会なら参加するのに…」
ピンクカバ「ヒポ!」
ダイヤ「駅伝かぁ…。ヤーパンの天井に住んでなくても参加できるのかな?」
剣児「だったら、チーム大空魔竜として出場しようぜ!」
ダイヤ「それは名案だ! さっそく申し込みに行こうよ!」
ベロー「さらに! メインイベントを超えるビッグイベントとして、ヤーパンアイドルコンテストを開催!」「ヤーパンで一番かわいいアイドルを決定しちゃいま~す!」「自薦他薦は問いません! 女の子はどしどし参加して下さ~いっ!」
ピンクカバ「ヒポ! ヒププッ!」
キャサリン「水着審査用の水着の事なら、ミズーギィの女王であるこのわたくしにお任せあれ!」「セクシーな水着から超セクシーな水具まで、取りそろえて差し上げますわ!」
マンソン「いや、それよりも君自身がアイドルとして参加すべきだ! キャサリン!」
キャサリン「ああ、うれしいわ。マンソン! 私、ナンバーワンになってみせる!」
ローサ「アイドル…。これは出場するしかないわ!」
ピュリア「おばさんにアイドルは似合わねえぜ。やっぱり若くないとな!」
ローサ「何ですってぇ…?」
ルル「…ちょ、ちょっと、ローサ副長、ピュリア…?」
ディック「ルルも参加しろよ! 立候補が恥ずかしいなら、俺が応募して来てやるぜ!」
ルル「ディック!? みんな、いつもと様子が違うわ…!」
ベロー「その他にも、大食い大会、腕相撲大会、カラオケ大会などなど!」「たくさんのイベントを同時開催します! 皆さん、ふるって都市ユニットにお集まり下さい!!」
〔爆発音×2〕
さやか「さあ、みんな! カーニバルに行きましょう!」
ピンクカバ「ヒッポー!」
ゴオ「何だか、ものすごく気分がいいぞ! ヒッポーッ!」
杏奈「ねえ、ゴオちん! 私もアイドルコンテストに出ていい?」
ミラ「杏奈ちゃんが出るなら、私も出るわ!」
杏奈「何よ! こんな事まで張り合わないでよ!」
ミラ「あら、私に勝つ自信がないから出て欲しくないのかしら?」
杏奈「そんな事ないわよ! いいわ! だったら勝負しましょう! 絶対負けないんだから!」
ミラ「望むところよ!」
ゴオ「よせ! ふたりとも!」
杏奈「ゴオちん!」
ミラ「どうして止めるの!?」
ゴオ「ふたりは俺のアイドルだ! 誰にも渡さんっ!」
杏奈「も~、ゴオちんってば! 恥ずかしいっ! でもうれしいっ!」
ミラ「ゴオ…大好きっ!」
甲児「いよっ、猿渡さん! 両手に花で、うれやましいねえ!」
ゴオ「ひがむな、ひがむな! あっはっは…!」
ヴァン「…何なんだ、こいつら! どいつもこいつも浮かれやがって!」
ジョシュア「ヴァンさ~ん! せっかく馬鹿になれるんですから踊らなきゃ損ですよ~!」
ウェンディ「そうよ、ヴァン。私、こんなに楽しのって、久しぶり~!」
ヴァン「ジョシュアはともかく、ウェンディまで…! いったいどうなっちまってるんだ?」

アンジェリカ「これって、どういう事なの? 急にみんな浮かれ出して…」
ルル「アンジェリカさん! あなたは平気なんですか?」
アンジェリカ「何が起きてるのかわかんないけど…私は大丈夫だと思うわ」
パイ「おい、この騒ぎはいったい何なんだ?」
ランバ「いつもおとなしいミアが、突然、アイドルになるんだって、走って行っちゃったよ?」「ロールがあわてて追いかけてったけど…」
ルル「ミアさんが?」
アンジェリカ「あなた達は大丈夫なの?」
パイ「ああ、何の問題もないぜ?」
一騎「…この前会った時は、みんな、こんな大騒ぎをする人達には見えなかったのに…」
衛「みんな、ずーっと戦い続けてるから、思いっきりはしゃいで息抜きしてるんじゃないのかな…?」
総士「だとしても、これは限度を超えたはしゃぎ方だと思うがな…」
真矢「そうだよ。いきぬきにしてはみんな心から楽しんでる!」
宙「ミッチーもカーニバルに行っちまったなんて…どうなってるんだ!?」
アンジェリカ「これは調べてもらう必要がありそうね…」「こちらアンジェリカ! ダンナーベース、応答願います!」
〔モニターの開く音〕
霧子「どうしたんだい、アンジェリカ?」
アンジェリカ「ヤーパンの天井を見に来たみんなの様子がおかしいんです。急にテンションが上がって、お祭り騒ぎになって…」
ルル「みんな、ピンクのカバが見えるって言ってました」
霧子「ピンクのカバ? 何だい、そりゃ…?」
キラ「おそらく幻覚だと思います」
霧子「幻覚!?」
キラ「そして、それを見た人はみんな陽気になってお祭り騒ぎを始めてしまう…」
ルル「ローサ副長とディックまで様子がおかしいんです!」「あの副長がアイドルコンテストに出場するって言い出して…!」
霧子「何だって!? ローサ副長がアイドルコンテストに?」「そいつは確かに幻覚でも見てなきゃあり得ない話だね…」「ところで、キラ君は大丈夫なのかい?」
キラ「はい。僕とキャプテン・ルル。それに竜宮島のみんな…」
アンジェリカ「私とヴァンさん、パイさんとランバさんも無事です」
鏡「俺と宙さんも平気です」
キラ「博士。ダンナーベースの人達に異常はありませんか?」
霧子「ああ。今の所、ピンクのカバを見たって奴はいないよ」
キラ「じゃあ、ダンナーベースや艦に残ってる人達をヤーパンの天井に来させないで下さい」「そっちに影響がないと言う事は、幻覚の効果範囲はこの周辺だけのようですから…」
霧子「わかった。…ところで、原因は何なんだい?」
鏡「わかりません。ただ、ヤーパンの天井に何か手がかりがあるんじゃないかと…」
ラクス「話は聞きました…」
キラ「ラクス!」
ラクス「キラ。幻覚の原因を突き止めて、皆さんを救って差し上げて下さい」
キラ「わかってる。僕もそのつもりだ。無事なメンバーがこれだけいれば、何かきっと手がかりが掴めるはずだ」
総士「そうですね。僕達で幻覚の原因を突き止めるしかないでしょう」
咲良「ピンクのカバとかいう奴をやっつければいいの?」
キラ「それも含めてこらから調べるんだ。君達も頼りにしてるよ」
剣司「は、はいっ!」
ラクス「頼みましたよ、キラ」
キラ「うん!」
霧子「こっちでも、ヤーパンの天井周辺の状態を調べて、異常がないかチェックしてみるよ」
ルル「サコン先生がいてくれれば、何かわかるかもしれないけど…」
ヴァン「ダメだ。あのメガネもカバが見えるって言ってやがった」
キラ「とにかく僕達だけで、できる限りの事をしてみよう」「原因となる物がヤーパンの天井にある事は間違いないんだ」
霧子「何かわかったらすぐに連絡をおくれ。頼むよ!」
〔通信の閉じる音〕
アンジェリカ「あいつらがヤーパンの天井をこっちに飛ばしたのは…」「私達に幻覚を見せて、混乱させるのが目的だったのね」
総士「それにしては、幻覚の影響が限定されすぎています」「地球侵略のためなら、もっと広範囲に影響を及ぼした方が効果的です。たとえば、日本全体を覆うとか…」「それに、幻覚のきっかけがあまりにもわかりやすい…。ミスリードを誘っているのかもしれませんが…」
アンジェリカ「それもそうね…」
鏡「これで実験をして、成功したら大規模な作戦に移るつもりなのかもしれないな…」
真矢「私達はモルモットってわけですか…?」
咲良「ふざけやがって…!」
剣司「だけどさ、どうして俺達は影響が出ないんだ?」
アンジェリカ「私やパイさん達は、異星人だから影響を受けなかったんじゃないかしら?」
衛「ええっ!? お姉さんって、異星人なんですか!」
アンジェリカ「そうよ。知らなかった?」
衛「うわあ~、異星人か! かっこいい! 今度サインして…」
〔殴打音〕
〔画面、振動〕

咲良「関係ない事言ってんじゃないよ!」
衛「ご、ごめんなさい…。続きをどうぞ…」
ルル「私は、父がダリウス人だから大丈夫だったのかも…」
キラ「僕はコーディネィターだからかな…」
総士「僕達は、ファフナーに適応するための特殊な薬品を投与されていますから、おそらくそのせいで…」(本当は、体内に組み込まれたフェストゥム因子のせいだと思うがその事はみんな知らないからな…)
ヴァン「要するに、普通じゃない人間は大丈夫って事か…」「俺もダンに乗るためにエレナに改造されたからな…」
宙「俺もジーグになるためにちょっとばかり体に細工をしてあるもんでね…」
ランバ「じゃあ、鏡さんは? 鏡さんは普通の地球人じゃないの?」
鏡「お、俺は…その…」
宙「鏡は親父が作った寿命が延びる薬を飲んでるんだ。だから大丈夫なんだよ」「ほら、俺の親父を知ってるだろ? もう100歳だってのにピンピンしてるじゃないか」「あれは薬のおかげなんだ。そうだよな、鏡?」
鏡「え、ええ…」
一騎「鏡さんって、まだ高校生ですよね? 寿命を延ばす薬なんて、飲む必要ないんじゃないですか?」
鏡「じ、実験中に間違って飲んでしまったんだ」「…そんな事より、これからどうするかを考えようじゃないか」
咲良(あの態度…なーんか、隠してるっぽいわね。ま、いいけどさ…)
キラ(純粋なナチュラルだけ効くならまだ分かるけど…)(もう一つの地球のみんなにも効果があるだなんて…)
k評(剣児とつばきは何をやっている…?)

???
ヴェリニー「へえ…。メックスブルートのオーバースキルってこういう風にも使えるんだ…」「こんな応用方法があったなんてね。やるわね、ガズム」
ガズム「それにしても、カーニバルとは…想像以上に陽気な連中だな」
ヴェリニー「だけど、これって地球人をいたぶってる事になるのかしら? むしろ楽しそうなんだけど…」
ガズム「そう…楽しませてやっているんだ、はしゃぎ、浮かれているその絶頂で、血に飢えた敵が襲ってくる…!」「満面の笑顔が凍りつき、みるみるうちに泣き顔になり…」「歓喜の歌声がピタリと止んで、絶望の悲鳴が響き渡る…」「天国から地獄への急転直下…これこそ最高のいたぶり方ではないか?」
ヴェリニー「相変わらず悪趣味ね…。私も好き…ううん、大っ好きだけど」
ガズム「お膳立ては終わった。仕上げはお前に任せるぞ、ヴェリニー」
ヴェリニー「了解したわ。最高のショーにしてあげる」「…ところで、どうしてもっと大規模な攻撃を仕掛けなかったの?」「地球を丸ごとオーバースキルで包み込む事だってできたと思うけど…?」
ガズム「そんな事をすれば、基地に集積しているエネルギーの大半を使うはめになるだけでなく…」「地球全体を取り巻いているらしい、マイナスエネルギーが拡散するかもしれん」
ヴェリニー「あら、イスペイルの作戦までちゃんと引き継ぐつもりなの? これは意外だわ…」
ガズム「今のところは、な」「俺がこの目で確かめてみて、役に立つようであれば、このまま利用させてもらう予定だ」
ヴェリニー「あ、そうそう。あなたも言った、基地のエネルギーの問題だけど…」「私の方で進めてる計画が上手くいったら、解消されるかもしれないわ」
ガズム「この前言っていた、ル=コボル様のためになりそうな技術というやつか…」「確かに、エネルギー問題が解決すれば、大規模なゲートやプラネット・クライシス…」「全てが格段に使いやすくなる」
ヴェリニー「これからは、本当に部下が欲しい時だけしかプラネット・クライシスを使わなくてもいいようになるわよ」「お楽しみにね」
ガズム「やけに楽しそうじゃないか?」
ヴェリニー「そりゃ、ル=コボル様のためだもの」「あの方のためなら、私はどんな事でもできる…」
ガズム「………」「…では、後は頼むぞ。俺は地球へ向かう準備にかかる…」
〔通信の閉じる音〕
ヴェリニー「さて、今回のガズムの作戦…」「遊び半分でやってるように見えて、腹の中では、とんでもなく残酷な事を考えてる…。結果が楽しみね…」
〔通信のコール音〕
ヴェリニー兵「ヴェリニー様! ディガルド武国のジーン大将と通信がつながりました!」
ヴェリニー「やっと連絡が取れたの? いつまで待たせるのよ…。スクリーンにつないで!」「久しぶりね、ジーン大将」
〔モニターの開く音〕
ジーン「これはヴェリニー様。ご機嫌麗しく…」
ヴェリニー「つまらないあいさつは必要ないわ。最近はシベリアにも手を伸ばして…ずいぶんと忙しそうじゃない?」
ジーン「おかげさまで…」「ソラシティの技術によって、死の山の磁気嵐を乗り越える事ができるようになりましたから…」
ヴェリニー「ソラシティの連中を丸め込むあんたの口八丁には感心するわ…」
ジーン「フッ…。交渉術と言っていただきたいですな…」「ところで、ヴェリニー様。今日はどんなご用でしょう?」
ヴェリニー「ねえ、ジーン大将。シベリアエリアの占領もいいけど…」「あなたは、こんな小さな星の王者で終わる器じゃないでしょう…?」
ジーン「は…?」
ヴェリニー「星を一つ、あなたにプレゼントしようと思って…」

ヤーパンの天井
一騎「これからどうするんですか?」
キラ「原因を突き止めるために、ヤーパンの天井へ行こうと思う」「今は全く手がかりがないからね。どんな小さなヒントでもいいから手に入れなくちゃ」
パイ「あたし達は厳格にかからないようだしカーニバル見物を兼ねて調べに行こうぜ!」
ランバ「ミアとロールの事も心配だしね」
剣司「俺達も行きます! このままじゃヤバいですよ!」
ルル「私も行きます。せめてサコン先生が正気に戻ってくれれば…」
ヴァン「団体行動は苦手だが、今日のところは仕方ねえ。付き合ってやるぜ…」
鏡「よし、ヤーパンの天井へ向かおう」

アークエンジェル/ブリッジ
ミスト「ええっ! ピンクのカバですって?」
マリュー「みんな浮かれて、カーニバルを始めてしまったわ…」
〔モニターの開く音〕
フランクリン「極度の緊張状態が原因となるリミテーションシンドロームと言う集団幻覚症状によく似ているが…」「あんなに浮かれる気分になる事はないな」
ディアッカ「敵さんもずいぶんおかしな事をするねえ…」
イザーク「大方、俺達を馬鹿にしているんだろう!」
ディアッカ「おいおい、そう熱くなるなって…」
ハイネ「そうそう。少しは落ち着いたほうがいいぜ?」
アスラン「馬鹿にしているかどうかはともかく、幻覚のせいで多くのパイロットがまともに戦えなくなってしまった…」「今、攻撃を受けたらかなり不利な状態での戦闘になる」
ムウ「効率的かどうかはともかく、俺達が敵の作戦にやられてる事は事実だもんな…」
ラクス「おそらく敵は、この混乱に乗じて我々に攻撃を仕掛けてくるはずです」
バルトフェルド「一刻も早く解決策を講じないと、ヤバい事になるだろううな」
カガリ「でも、どうやって…?」
ラクス「今、キラが調べてくれていますが、ヤーパンの天井周辺に異常がないか皆さんにも調査をお願いします」「ただ、ナチュラルの方は幻覚を見てしまうようなんです…」「決してヤーパンの天井には近づかないで下さい」
カガリ「わかった、こっちでも注意して調べてみる」
〔通信の閉じる音〕
シェルディア「カーニバルか…なんだか楽しそう…」「あ、非常事態なのにこんな事言ったら不謹慎だね…」
ミスト(…………)「なあ、シェルディア。俺達もカーニバルに行かないか?」「気分転換も必要だと思うんだ。人間同士の戦争も終わったんだし…」
シェルディア「えっ?」
カガリ「おい、何を言い出すんだ? お前達も幻覚にやられるぞ!?」
ミスト「カーニバルに行けば、シェルディアの気が晴れるんじゃないかと思って…」「それに、異星人は幻覚を見る可能性が今のところゼロなようですし…」
シェルディア「ミスト…」
カガリ「ダメだ、ダメだ! お前の気持ちもわかるが、許可するわけにいかない!」
ミスト「そんな…お願いします!」
シェルディア「やめて、ミスト。ボクのために、みんなに迷惑をかけたくないよ」
ミスト「でも、そんなに落ち込んでるお前を放っておけない!」
シェルディア「その気持ちだけで十分うれしいよ。ありがとう。…ボク、もう落ち込んだりしない」「レムの事は心配だけど、いつかまたきっと会える。その時、助ければいいんだよ!」
ミスト「シェルディア…」
マリュー「妹さんの事、私達もできる限り協力するわ。シェルディアさん」
シェルディア「ありがとうございます」
カガリ「私達は仲間だから、それくらい当然さ。ミストも、私達を信じろ」「シェルディアの事だからって、自分ひとりでどうにかしようなんて考えるな」
ミスト「アスハ代表…」

ヤーパンの天井/市街地
真矢「すごい人がいっぱい…。ヤーパンの天井ってこんなに人がいるのね」
アンジェリカ「都市ユニットを使った駅伝大会をやってるようね…」
ルル「見て下さい! サラさんですよ!」
衛「誰かと口げんかしてる…」
剣司「うはっ、すげえ金髪美人!」
咲良「剣司! 鼻の下が伸びてる!」
サラ「あんたみたいなおばさんが、若くて健康的な私に勝てると思ってるの?」
アデット「馬鹿にするんじゃない! こう見えても、あたしは脚力には自信があるんだよ!」
サラ「そもそも前から言いたかったんだけど、どうしてあんなみたいなガサツな女が教師なんか続けられるのよ!」
アデット「あいにくだったね! アデット先生は自習が多くていい先生だって、生徒達に大人気なんだよ!」
サラ「まあ、あきれた…!」
ゲイナー「サラ! 前の走者が来たぞ!」
さやか「はぁはぁ…サラさん! タスキよ! アンカーは任せたわ!」
サラ「オッケー! 優勝はチーム大空魔竜がいただきよ!」
ゲイン「コナ! ラストスパートだ! 頑張れ!」
コナ「ひいひい…アデット先生! タスキを受け取って!」
アデット「よし! さあ、サラ、勝負だよ!」
ヤッサバ「アデット! あんな小娘に負けるなよ!」
アデット「任せときな、あんた!」
ルル「あのふたり、すっごいデッドヒートだわ…」
真矢「でも、駅伝と言うより、走りながらケンカしてる感じですね…」
総士「見るにたえないな…」
アンジェリカ「…次の会場に行ってみましょう」

キラ「ここは、腕相撲大会か…」
パイ「もしも幻覚を見てたらあたしも参加してただろうな…」
一騎「決勝戦が始まるみたいだよ」
ルル「シズカさんと早乙女さんの対決だわ」
ランバ「順当な組み合わせだね」
シズカ「アイドルコンテストを諦めて、わざわざこっちに参加したんだ。あんたに優勝させるわけにはいかないよ」
早乙女「奇遇だね。私もアイドルコンテストを諦めたんだよ」
シズカ「優勝候補がふたりも出なかったんじゃ、アイドルコンテストはさぞかしつまらないだろうねぇ…」
早乙女「シズカさん、あんたとはいつか決着をつけたかったんだ。手加減なしでいかせてもらうよ!」
シズカ「望むところさ。かかっておいで!」
衛「ガッチリ組み合ったぞ!」
剣司「ふたりとも、ピクリとも動かない…!」
一騎「全くの互角って事か…」
ルル「当分、決着はつきそうもないから、他の所に行きましょう」

真矢「ここがメイン会場のアイドルコンテストね」
一騎「遠見も出ればいいトコまでいったんじゃないか?」
真矢「やだ…。からかわないでよ、一騎君ってば…」
総士(僕も一騎の意見に賛成だ…)
パイ「おい、あそこにいるのはミアとロールじゃねえか?」
ランバ「ほんとだ! どうして観客席にいるんだろ…」
パイ「おい、ミア! ロール! どうしてこんな所にいるんだ?」
ミア「あ…!」
ロール「ふたりとも来てたのか」
ランバ「アイドルコンテストに出るんじゃなかったのか?」
ミア「出ようとしたわよ! でも…」
ロール「1次審査で落ちたんだ」
ランバ「どうして!? こんなかわいいのに!」
ロール「超能力で審査員をふっ飛ばしちゃったんだよ」
ランバ「ええっ!? どうしてそんな事…」
ミラ「セクハラっぽい質問されたからつい怒っちゃって…」
パイ「ったく、お前は潔癖すぎるんだよ…」
ミア「あーん、悔しいっ! こんなコンテスト、全部まとめて吹き飛ばしちゃいたいっ!」
ロール「お、おい…。そんな過激な…」
ルル「ミアさん、やっぱり様子が変ですね…」
パイ「ミアは地球人だからな。ピンクのカバを見ちまったのさ」
ヴァン「おい…。ステージで歌ってる奴…ありゃ、カルメンか?」
キラ「カルメンさん、歌はあまり得意ではないようですね…」
ベロー「水着審査では圧倒的な強さを見せたカルメン99さんでしたが…」「歌唱力審査では、今一歩の結果だったようです!」
カルメン99「きーっ!! 悔しいっ!」
ベロー「続いてはローサ・ベルニコフさんです! どうぞっ!」
ルル「ロ、ローサ副長!?」
剣司「着物を着てるぜ?」
衛「前に見た時と全然雰囲気が違うね…」
ローサ「皆さん、私の心の歌を聞いて下さいっ!」
一騎「こ、これは…!」
ルル「演歌だわ! コテコテでドロドロで…女の情念を切々と歌い上げた…」
キラ「すごい…。想いが力になってるみたいだ…」
真矢「きっと、本当に副長さんの心を歌い上げてるんだわ…」
ローサ「ありがとうございました…!」
ベロー「いやー、涙なしには聞けない大熱唱でした! 続いてはいよいよ最後のエントリー!」「…っと、その前に! 都市ユニット縦断駅伝大会の結果を発表したいと思います!」「優勝は…! 飛び入り参加のチーム大空魔竜ですっ!」
アンジェリカ「さっきの勝負、サラさんが勝ったみたいね」「あっ! 見て! サラさん達が舞台上に出て来たわ!」
ベロー「それではこれより、表彰式を行いたいと思います!」「表彰状! チーム大空魔竜殿! あなた達は、都市ユニット縦断駅伝大会において…」
ゲイナー「ベロー! マイクを貸せっ!」
ベロー「こら! ゲイナー! 何するんだ!」
ゲイナ「皆さん! チーム大空魔竜の代表、ゲイナー・サンガです!」
サラ「ちょっと、いつあなたが代表になったのよ!」
ゲイナー「皆さん! 僕は優勝を記念して、今ここに宣言します!」「サラ! 好きだあーっ!」
サラ「ええっ!?」
ゲイナー「サラ! 愛しているんだ! エクソダスをする前から好きだったんだ!」「好きなんてもんじゃない! サラの事はもっと知りたいんだ! サラの事はみんな、ぜーんぶ知っておきたい!」「サラを抱き締めたいんだ! 潰しちゃうくらい抱き締めたいッ!」
サラ「な、何言ってるのよ! もうやめて、ゲイナー君!」
ベロー「そいつを取り押さえろーっ!」
ゲイナー「は、放せっ! サラッ! 僕は君を僕の物にしたいんだ! その美しい心と美しい全てを…!」
ベロー「そいつを舞台の上から放り出せ!」
ゲイナー「サラーッ! 君がツンドラの中に素っ裸で出ろというのなら…」
サラ「ばかーっ!! ゲイナー君のばかーっ!!」(………)(…何よ、シンシアって子の事だけじゃなくて、私の事もちゃんと考えてたんじゃない…!)
ベロー「とんだハプニングでお騒がせしました! 申し訳ありません!」「では、気を取り直して…! アイドルコンテストのファイナルエントリー!」「レ・ミィさんとコトナ・エレガンスさんのデュエットで、『ありのままでLovin’U』です!」
[BGM「ありのままでLovin’U」]
レ・ミィ「みなさ~ん! 私達の歌、楽しんで下さいね~」
コトナ「ナンバーワンアイドルの投票は私達に入れて下さいね~」
レ・ミィ「入れないと丸焼きにしちゃうわよっ!」
パイ「あのふたりがこんなにいいコンビネーションだったとはな…!」
一騎「これって普通にいいよな、総士…」
総士「ああ…。これは認めざるを得まい…」
衛「ミィちゃーん!」
剣司「コトナさ~ん!」
咲良「…バッカみたい…」
キラ「ヤーパンの天井を見て回れば手がかりが得られるかと思ったけど、何も見つからないな…」「いったいどうすればいいんだ…」

アークエンジェル/ブリッジ
〔レーダー反応〕
ミリアリア「艦長! アスハ代表! センサーに反応がありました!」
カガリ「本当か!?」
ミリアリア「ヤーパンの天井とその周囲を取り巻くように…」「微弱なマイクロウェーブが照射されています!」
カガリ「マイクロウェーブだと?」
ミリアリア「はい。我々はもちろん、この周辺では使っていない特殊な電波です」
マリュー「その発信源はわかる?」
ミリアリア「計算によれば、天井の内部から発せられているという結果が…」
カガリ「断定はできないが、そいつが怪しいな…。キラに言って調べさせよう!」

ヤーパンの天井/市街地
キラ「マイクロウェーブ? 本当なの、カガリ」
カガリ「ああ。今、場所を教えるから調べに行ってくれ!」
キラ「わかった! 行こう、みんな!」
衛「ええっ? もうすぐアイドルコンテストの結果発表なのに…!」
咲良「そんなのはどうでもいいんだよ! みんなを幻覚から救うのが先!」
衛「はいはい…」

アークエンジェル/ブリッジ
〔レーダー反応〕
ミリアリア「艦長! ヤーパンの天井のすぐ近くに空間のひずみを感知しました!」「これは…ゲートです!」
マリュー「何ですって!」
カガリ「今度は何が出て来るんだ!?」
【シナリオデモ1終了】


サブタイトル
「コンヒュージョン・カーニバル」


【戦闘マップ1開始】
〔敵ユニット出現〕
ゲオルグ「何だ、ここは? 辺り一面、焼け野原ではないか…!」「むっ! あれは以前遭遇した事のある移民団…確か、ヤーパンの天井とか言ったな…」
〔通信のコール音〕
〔モニターの開く音〕

ヴェリニー「…ゲオルグ少将、聞こえる?」
ゲオルグ「むっ? お前は何者だ?」
ヴェリニー「私はヴェリニー。ジーン大将に言って、あんた達をその星に派遣させたのは私よ」
ゲオルグ「ヴェリニー!? お、お前が…!?」(この女がヴェリニーだと…? 頭から耳など生やして…ふざけているのか?)
ヴェリニー「そんなにジロジロ見ないで。失礼でしょ!」
ゲオルグ「うっ…」
ヴェリニー「まあいいわ…。ゲオルグ少将、目の前にシベリアの都市ユニットがあるでしょう?」
ゲオルグ「ああ…」
ヴェリニー「そいつをメチャメチャにブッ壊しちゃって!」
ゲオルグ「…………」
ヴェリニー「どうしたの? 命令が聞こえなかった?」
ゲオルグ「め、命令は聞こえが…」
ヴェリニー「こっちの世界に来たら、私の…ヴェリニーの命令に従うようにジーン大将から言われてるでしょ?」
ゲオルグ「うむ…」(確かに大将からそう言われたが…まさかこんな女だとは…!)
ヴェリニー「…あ、わかった! あんた、私が女だから馬鹿にしてるんでしょ?」
ゲオルグ「…そ、そんな事は…」
ヴェリニー「気に入らないなら、あんたをディガルドに戻して他の部隊を送るようにするわよ?」「でも、そしたらあんた、命令不服従の上って事になるけど…」
ゲオルグ「わかった。直ちに攻撃を開始する!」(あんな得体の知れぬ女の命令に従うのは気に入らんが…)(ジーン大将からこの世界を攻撃せよと命令を受けて、派遣された以上、任務を遂行せねばなるまい)(それにしても、あの女はいったい…)
【戦闘マップ1開始】

【シナリオデモ2開始】

ヤーパンの天井
パイ「おい、見ろ! ありゃゾイドじゃねえか!?」
鏡「あれは…バイオゾイドだ!」
咲良「バイオゾイド…? ルージ君達の乗ってるゾイドとは違う物なの?」
鏡「ルージ達のゾイドとは異なる特殊な金属で作られたゾイドだ」「それにしても、どうして奴らがここにいるんだ?」
衛「見るからに凶暴なゾイドだけど…」
鏡「その通りだ。奴らはもう一つの地球を武力で支配しようとしているディガルド武国のゾイドだ!」
剣司「だったら、あいつらをやっつけなきゃ! ヤーパンの天井がやられちゃうよ!」
真矢「でも、幻覚の発生源を調べないと…」
宙「そっちの方は俺と鏡に任せろ! お前達は急いでダンナーベースに戻って出撃するんだ!」「俺はミッチーがいなきゃジーグになれないから、今は戦えない!」
ルル「私も行きます! 今の状態じゃ、クルーが足りなくて大空魔竜は動かせませんから…」
アンジェリカ「私も乗る機体がなくて戦えないから、宙さんと一緒に行きます!」
キラ「わかりました! マイクロウェーブの発信源の事は宙さん達にお任せします!」
宙「任せとけって! さあ、早くダンナーベースへ!」
アンジェリカ「みんな! 急ぎましょう!」
【シナリオデモ2終了】

【戦闘マップ2開始】

〔戦闘マップ1から継続〕
〔味方戦艦出現〕

真矢「エターナルだわ!」
総士「来てくれたのか…!」
ラクス「キラ! 皆さん! 早く乗って下さい!」
キラ「ありがとう、ラクス! みんな、急いで!」
剣司「はいっ!」
ゲオルグ「むっ…! 敵か!」
ヴェリニー「あら、幻覚にやられなかった連中もいたのね…」「ゲオルグ少将。あいつらも一緒に始末しなさい。いいわね?」
〔モニターの開く音〕
カガリ「どうしてエターナルだけ発進した! そこは危険だぞ!」
ラクス「キラの話ではコーディネイターや異星人は幻覚を見ないという事でしたから…」
アスラン「俺達はみんなコーディネイターだ! だからまともに戦えるはずだ」
ソル「ハッター軍曹達も出られるみたいだよ!」
セレーネ「スターゲイザーも準備できているわ!」
ミスト「俺も異星人ですから!」
シェルディア「ボクだってそうだし! それに、レムに会えるかもしれないから、戦うよ!」
カガリ「いいか、お前達! キラ達が大丈夫だっただけで…」「コーディネイターや異星人全員が平気だって確かめられたわけじゃないんだぞ!?」
ラクス「軽率なのは承知しています。ですが、このままヤーパンの天井を攻撃させるわけには参りません」「あそこには仲間が大勢いますし…キラ達が幻覚の原因を調べに行っているのでしょう?」
カガリ「そ、それはそうだが…」
ラクス「全ての責任はわたくしが取ります」
バルドフェルド「とりあえず、俺達だけで戦ってるから早く幻覚の原因を突き止めてくれ!」
カガリ「わ、わかった…!」
メイリン「ラクス様! キラさん達が到着しました!」
ラクス「わかりました。皆さん、直ちに出撃して下さい!」
〈出撃準備〉
アスラン「ヤーパンの天井は無防備だ! 絶対に敵を近づけるな!」
<戦闘開始>

<ゲオルグ撃破or2PP・敵増援1出現>

ゲオルグ「あれはバイオメガラプトル! あんな機体、私の部隊にはいなかったはずだが…」
ザイリン「そこのバイオトリケラ! 聞こえるか! 私はザイリン・ド・ザルツ少将だ!」
ゲオルグ「ザイリンだと!? 任務中に失踪したはずの男がなぜここにいる!?」
ザイリン「その声は…ゲオルグか!」
ゲオルグ「そうだ。ザイリンよ、この世界でいったい何をしている?」
ザイリン「いろいろ事情があってな…。詳しい話は後だ。加勢するぞ」
ゲオルグ「貴官ごときの力は借りん! …と言いたい所だが、今は1機でも多い方がいい。手を貸してくれ」
ザイリン「ディガー…」
〔レーダー反応〕
ミリアリア「新たな空間のひずみが発生します! 警戒して下さい!」
ムウ「なにっ!?」
〔敵ユニット出現〕
シン「敵の増援か!」
〔通信のコール音〕
〔モニターの開く音〕

ヴェリニー「苦戦してるから、私からの贈り物よ。もう少し頑張らないと、ジーン大将もガッカリするんじゃないかしら?」
ゲオルグ「言われるまでもない…!」
ヴェリニー「ところで、私の知らないバイオゾイドがいるけど、あれは何?」
ゲオルグ「あれは行方不明になっていたザイリンという同胞だ」「突然、ここに現れた。なぜここにいたのかは知らん」
ヴェリニー「お仲間って事ね。それじゃ、頑張って…」
〔通信の閉じる音〕
〔通信のコール音〕
〔モニターの開く音〕

ルル「こちらルル! マイクロウェーブの発信源と思われる装置を破壊しました!」
アンジェリカ「幻覚が解けて、みんな次々に正常に戻っています!」
宙「みんな大急ぎでダンナーベースに向かってる! 俺達もすぐに出撃するぜ!」
ラクス「いえ、大丈夫です。今回はわたくし達に任せて下さい」
ルル「でも…」
真矢「私達だけで大丈夫だから」
ヴァン「俺達の地球の厄介事みたいなものだからな。たまには進んで働かせてもらうぜ」
一騎「総士、みんな大丈夫なのか?」
総士「ああ。精神状態に問題はない。ただ…」
一騎「何かまずいのか?」
総士「戦闘が長引けば、それだけみんなが危険な状況に陥る」「初めての相手でやりにくいかもしれないが頼むぞ、一騎」
一騎「わかった!」

<敵増援1出現の次PP・味方援軍1出現>
〔味方ユニット出現〕
ゲイン「おい! ありゃあディガルド武国のバイオゾイドじゃないか!」「こんな所まで出て来るとは俺も驚くぞ!」
〔通信のコール音〕
〔モニターの開く音〕

ゲイナー「さっき出た機体に乗ってるのは…ゲインさん?」
ゲイン「ああ、そうだ。こいつはエンペランザ。俺専用のオーバーマンだ!」
ゲイナー「オーバーマン!? シベ鉄から盗んだんですか!?」
ゲイン「事情の知らずに適当な事を言うな!」「エンペランザが俺が自分の手で作り上げたオーバーマンだ」
ゲイナー「あ、言われてみれば、確かにブリュンヒルデの腕がついてる…」
サラ「それよりゲインさん、どうしてバイオゾイドの事を知ってるんです!?」
ゲイン「奴らはエリアZiから出てきて、シベリアエリアで大暴れしてるんだよ!」
ゲイナー「ええっ!?」
ゲイン「詳しい話は後でしてやる! 今はディガルドの野郎をぶっ潰すぞ!」

<ミストが戦闘>
ミスト「どんな手を使ってこようとも俺達は負けるわけにはいかないんだ!」

<シェルディアが戦闘>
シェルディア「こいつらをどんどんやっつけていけば、きっとレムが出てくるはず…。その時まで、ボクは戦い続けるぞ!」

<キラが戦闘>
キラ「僕は戦わなくちゃならない…! もう一つの地球の人達が相手でも!」

<ゲインが戦闘>
ゲイン「ディガルド王国の野郎ども…まさかお前達まで、この世界に飛ばされて来たとはな…」「エクソダスを邪魔された礼は幻覚を見せられた分と合わせてきっちり返させてもらうぞ!」

<ザイリン撃破>
〔ザイリンに爆発〕
ザイリン「ええい! 私とした事が、またしても不覚を取るとは…!」
〔通信のコール音〕
〔モニターの開く音〕

ヴェリニー「ちょっと、あんた、ゲオルグ少将の仲間なんですって?」
ザイリン「お、お前は何者だ!」
ヴェリニー「何者でもいいじゃない。とりあえず助けてあげるわ」
ザイリン「なにっ!?」
〔敵ユニット離脱〕

<ゲオルグ撃破>
〔ゲオルグに爆発〕
ゲオルグ「機体の損傷が激しい…これ以上の戦闘は無理か…」
〔モニターの開く音〕
ヴェリニー「ゲオルグ…あんたにはガッカリだわ。ここは撤退しなさい!」
〔敵ユニット離脱〕

<敵全滅・勝利条件達成>
マリュー「どうやら全ての敵を撃退できたようね」
ゴオ「幻覚で苦しめられるなんて思いもしなかったぜ…」
ラ・カン「ゲートを使ってディガルド軍をこちらの世界に送って来るとは予想もしていなかった…」
ゲイン「どこのどいつか知らないが、いつの間にかヤーパンの天井にあんな小細工しやがったんだ…!」
鏡「今回の作戦…おそらく、宣戦布告してきた新しい幹部が指揮を執っているんでしょうね」「イスペイルのそれとは戦い方が違いますから」
シェルディア「…新しい幹部って…レムの事だよね…」
ミスト「レムじゃない! ガズムとかいう奴だろ!」
シェルディア「うん…」
サコン「敵はこれまで、使いどころを見定めてゲートを使っていたように思えましたが…」「これからはゲートの使用を前提とした戦い雄挑んで来るという事でしょう…」
剣児「俺達もゲートを使えるようになったんだろ? こっちからガンガン攻めてやろうぜ!」
総士「…いったいどこを攻めると言うんですか?」
剣児「そんなの、敵の基地に決まってるだろ!」
総士「では、その基地はどこにあるんです?」
剣児「そんなの知るか! これから調べりゃいいだろ!」
つばき「剣児…言ってる事がメチャクチャよ…」
剣児「うぐっ…」
総士(こんな人と一緒に戦わなくちゃならないなんて…)(とても背中を預ける気になどなれない…!)
ムウ「でも、剣児の言う事も間違いじゃない」
ダイヤ「えっ? どこが?」
ムウ「こっちから攻めなきゃ駄目って事さ。防戦一方じゃ、勝ち目はゼロだろ?」
光司「確かに、守ってるだけじゃ負けちまいますね」
ルージ「でも、敵がどこにいるのかわからなきゃ…」
ムウ「サコン先生が敵の基地から持って来たデータがあるだろ?」「あの中に、敵がゲートを使った時の座標データが残ってるはずだ」「それを解析すれば、敵の居場所の手がかりになるかもしれない。…ま、単なる思いつきだけどな」
リー「なるほど、そいつは名案かもな!」
ヴァン「そんなまどろっこしい事をしなくても、敵をとっ捕まえて、締め上げて…白状させりゃいいだろうが」
ディック「フッ…。それも名案だな…」
コトナ「どこが名案なのよ!」
スウェン「そんなやり方じゃ情報を得られるとは思えないが…」
ルル「皆さん、とにかく一度ダンナーベースへ戻りましょう」「幻覚の後遺症がないかどうか、検査してもらいましょう」
ローサ「それがいいわ。そうしましょう!」(人前で演歌を歌うのは、もうこりごりですものね…)
鏡「…剣児。お前は幻覚を見ていたのか?」
剣児「あん? みんなが見てたってヤツか? んなもん知らねえよ」
鏡「じゃあ、どうして出撃しなかった? つばきもだ」
剣児「そ、それは…」
つばき「…剣児、こうなたら素直に言うしかないわよ」
鏡「何かあったのか?」
剣児「駅伝大会に参加した後、ちっと食いすぎちまって…」
鏡「…は?」
つばき「私は剣児を焚きつけちゃった責任があったから、カーニバルは途中で抜けて看病してたの」
鏡「…そ、そうか…」「…と、とにかく今回の事は俺の胸の中に留めておく」「みんなには幻覚を見ていた事にしておいたほうがいい」
剣児「悪りいな、鏡」
つばき「そういえば、私と剣児…なんで幻覚を見なかったんだろ…?」
剣児「馬鹿には見えねえんだよ」
つばき「何よそれ!? 馬鹿なのは剣児だけでしょ!」
鏡「………」
【戦闘マップ2終了】

【シナリオエンドデモ開始】

???
ヴェリニー「何が地球人をいたぶるよ…返り討ちにされたじゃない!」「後でガズムに文句言ってやらなきゃ…!」
〔警報〕
ヴェリニー「警報? いったい何があったの?」
ヴェリニー兵「げ、ゲートを多用した影響で、基地内に空間の亀裂が生じました!」
ヴェリニー「何ですって!?」
〔爆発音〕
〔画面、振動〕

ヴェリニー兵「亀裂の影響で、第2エネルギー集積所の制御装置が大破!」
ヴェリニー「そ、そんな…!」
ヴェリニー兵「エネルギー圧縮システムに異常発生! このままでは集めたエネルギーが暴走して基地が吹き飛ぶ危険があります!」
ヴェリニー「…なんて事…!」
ヴェリニー兵「現在、修理を急いでいますが、万一に備えて、ゲート発生装置と共にここから避難をして下さい!」
ヴェリニー「修理の成功率はどれくらい?」
ヴェリニー兵「…五分五分だと思いますが…」
ヴェリニー「…チッ! 今すぐ第2エネルギー集積所を丸ごと宇宙の果てに飛ばしなさい」
ヴェリニー兵「そ、そんな事をしたら、せっかく集めたエネルギーの半分が失われます。計画に大幅な遅延が…!」
ヴェリニー「修理に失敗して基地が吹き飛べば、全てを失う。だったら、半分くらい切り捨ててやるわ!」
ヴェリニー兵「しかし、エネルギー集積所にはまだ修理チームが…!」
ヴェリニー「黙りなさい! あんたは命令を実行すればいいの!」「飛び散った『欠片』はあんたにあげるから!」
ヴェリニー兵「わ、わかりました」
〔画面、黄色にフラッシュ〕
〔転移音〕

ヴェリニー兵「エネルギー集積所、消失しました。基地内、異常ありません」
ヴェリニー「…復旧にはどれくらいかかるの?」
ヴェリニー兵「…ゲートをフル稼働させて修理すれば、5日で復旧できます」「しかし、また事故を起こす危険を考えるとフル稼働させるのは…」
ヴェリニー「構わない。フル稼働させて。もしも事故が起こったら、またやり直せばいいだけよ」「直ちに復旧作業に取りかかって!」
ヴェリニー兵「かしこまりました!」
〔扉の開閉音〕
ヴェリニー「だからゲートのリミッターを外すのは嫌だったのよ! ガズムのせいでさんざんだわ!」

大空魔竜/ブリッジ
カガリ「みんな、検査の結果は良好だったようだな」
フランクリン「みんなすっかりよくなった。後遺症の心配もないだろう」
ローサ「フランクリン先生、本当にありがとうございました!」
フランクリン(アイドルコンテスト用の衣装を作りたかった気もするが、仕方あるまい…)
ゲイン「見知らぬ世界に飛ばされた上に幻覚にまで苦しめられるとはな…」
ベロー「ダブルでひどい目にあいましたよ…」
剣児「でも、パーッと陽気に騒いだおかげで気分がすっきりしたぜ」
つばき「カーニバルのおかげで大声で笑う事ができたし…」
レ・ミィ「私はステージで歌って、充実したひと時を過ごせたわ!」
ゴオ「戦闘続きで疲弊した心を癒すにはちょうどいいお祭り騒ぎだったかもしれないな」
真矢「私もそう思います。みんな、疲れてる感じだったもの」「今日のお祭りみたいな事が、幻覚のせいじゃなくて自分達だけでやれたら…」「楽しい思い出がもっと増えてみんな、戦いに夢中にならなくてすむのに…」
ヴァン「何言ってんだ。もう、あんな面倒なのはこりごりだ」
真矢「でも、思い出って大切だと思います。ヴァンさんだってそうでしょ?」
ヴァン「…! エレナの事、誰から聞いた? お前達はまだ新入りのはずだ…」
真矢「えっ…? エレナって誰ですか…?」
ヴァン「…ちっ、何でもねえよ」
千鶴「…思い出づくり、か…。ねえ、真矢?」
真矢「何? お母さん」
千鶴「さっきあなたが言った事、すごく大切な事よ。思い出はいっぱい作っておきなさい」
真矢「お母さん…」「…わかった。私にできる事、やってみるね」
道生「やれやれ、真矢ちゃんまで弓子みたいな事を始めるのか?」
ロール「でも、見て下さいよ。何か楽しそうですよ…」
道生「そうだな、好きにやらせてみるか。あいつが今後何を言い出すか楽しみだぜ…」
サラ「そういえば、ヤーパンの天井に見覚えのない人が何人かいたんだけど…」
ヤッサバ「お前達がいない間に、色んなところを回ってな…」「今のヤーパンの天井はシベリアエリアの見本市になっちまってるんだ」「まあ、変なのも混じってるが…」
マンソン「もういいだろう、お前の才能はさっきのカーニバルで十分世に伝わったはずだ!」
キャサリン「何を今さら! ディガルドが来なければ私の事なんて忘れていたんでしょう!」「大体、幻覚に惑わされなければ私のデザインに賛同してくれないだなんて! 自立する女への屈辱だわ!」
アデット「…あのふたりなんて、その最たる例じゃないかい?」
カガリ「人助けが悪いとは言わないが…何でまたあんなのを…」
ゲイン「ああ見えてプライベートな王国の女王ときたもんだ。さすがに無視出来できなくてな」
アデット「まあ、下着…もとい水着のセンスは悪くないし、金属繊維の研究もやってるっていうからね」「ガッハの爺さんの了承も得ての折り込ませたってわけさ」
カガリ「金属繊維…? それなら、今後役に立つ事もありそうだな…」「あのふたりには、オーブの方から研究の場を提供してやれるようにしておく」「ヤーパンの天井でケンカしているよりも有意義だろうしな」
マンソン「これが僕の誠意だぁぁぁぁっ!!!」
キャサリン「そ、そのきわどいまでに素敵なブゥゥゥゥメラン…!」「それは私がデザインしたジーメン70-5…!」「ああ…マンソン…!」
マンソン「キャサリン…!」
ピュリア「…本当に役立つ事があんのか?」
カガリ「自信がなくなってきた…」
ラクス「おふた方の情熱は誰にも真似できるものではありません」「その情熱が未来へつながるならわたくし達も応援するべきです」
アスラン「…ラクス…」
ゲイナー「と、ところでゲインさん。さっき、ディガルドがシベリアで大暴れしてるって言ってましたよね?」
ラ・カン「それは本当なのですか?」
ゲイン「ああ。ディガルド武国はエリアZiから飛び出して…」「シベリアの…いや、世界の征服に乗り出したんだ!」
ルージ「ディガルドが世界征服!?」
レ・ミィ「おじさま!」
ラ・カン「まさか、そんな事が…!」
サラ「詳しい事を教えてよ、ゲインさん!」
美和「…お待ちなさい。ここはいったんダンナーベースに戻って、葵博士も交えて話をした方がいいでしょう」
カガリ「それもそうだな…。ルル、ダンナーベースへ帰還しよう」
ルル「わかりました!」

大空魔竜/通路
一騎「…どうしたんだ、総士。さっきからイラついてないか?」
総士「…僕はここで戦っていく自信がなくなった…」
一騎「えっ?」
真矢「どういう事、皆城君? 前は上手く戦えたじゃない」
総士「確かにこの部隊の戦力は素晴らしい。今日の戦いぶりを見て、改めてそう思った」「異世界からやって来たゾイドという敵をわずかな時間で退けられたのもこの部隊の経験のたまものだろう」
衛「ゾイドって、まるで恐竜みたいですごかったよねえ!」
剣司「無邪気に喜んでるんじゃねえよ!」
一騎「それじゃあ、どうして?」
総士「パイロット達が身勝手すぎる…! 特にヴァンという人と剣児という人…」「彼らは、戦闘中に絶対に問題を起こすはずだ…。いや、既に起こしている可能性だってある…」「パイロットが命令に従わず勝手な行動をしたら、勝てる戦いも勝てなくなってしまう」「ジークフリード・システムでクロッシングする事もできないし考えている事が全く分からない…」「僕は彼らと一緒に戦う自信がない」
ジョシュア「ヴァンさんがどうかしたんですか?」
ウェンディ「ヴァンさんがまた何か迷惑をかけちゃいました?」
真矢「ジョシュア君。それに、ウェンディちゃん!」
咲良「別に迷惑なんかかけられてないさ。ただ、総士の奴がね…」
総士「迷惑をかけられてからじゃ遅いんだ! 僕はあの人をメンバーから外すようにアスハ代表に掛け合って来る!」
ジョシュア「ええっ!? ヴァンさんのダンが抜けちゃったら大幅な戦力ダウンになりますよ!」「ただでさえ何もしないのに、戦いまでしなくなっちゃったらヴァンさんだって肩身が…!」
総士「部隊が効率よく機能するためにはああいう人の存在は必要ない。いや、あってはならないんだ!」
乙姫「そういう総士の考え方も身勝手すぎるんじゃないかな」
総士「つ、乙姫…!」
ウェンディ「あなたは確か、総士さんの妹さんの…」
乙姫「乙姫よ。ウェンディ、ジョシュア。あなた達とお話するのは初めてだよね?」
ジョシュア「竜宮島で会った事はありますけど…話すのは初めてですね!」
総士「乙姫。あまり動かない方がいいのだろう? 体力を消耗するぞ?」
乙姫「私なら大丈夫。それより総士の心が乱れていたから、それが心配で…」
総士「…そうか。すまなかったな、心配させて…」
乙姫「ねえ、総士。自分の考えや価値観だけで物事を判断するのはよくない…」「ここは竜宮島じゃないんだよ。周りをもっと見て、よく考えて…」「総士の考えも正しいけど、それが全てじゃないよ…」
総士「…………」
乙姫「ヴァンは仲間達から信頼されてる。総士だってヴァンを信頼できるよ」
総士「…わかった。少し落ち着いて考えてみよう」「ダンナーベースに来て、今まで会った事のないタイプの人に一度にたくさん出会ったから…」「少し混乱しているのかもしれない」
乙姫「うん。そうしなよ」
総士「じゃあ、僕は部屋に戻る。乙姫も遠見先生の所に戻るんだ」
乙姫「うん!」
一騎「それじゃ、俺達も行くか」
剣司「おう!」
真矢「乙姫ちゃん。お母さんの所に連れてってあげようか?」
乙姫「お願い」
ウェンディ「いいわね。乙姫ちゃんはあんな優しいお兄さんがすぐ近くにいて…」「ミハエル兄さん、今ごろどうしてるかな…」
真矢「ウェンディちゃんにもお兄さんがいるの?」
ウェンディ「ええ。今はカギ爪の男と一緒に行動してるんだけど…」
乙姫「カギ爪の男って…?」
ウェンディ「カギ爪の男はね、ヴァンの奥さんやジョシュアさんのお兄さんの…」
真矢「ごめんね、ウェンディちゃん。乙姫ちゃんは体が弱いの…」「話の続きは医務室に行ってからにしてもらっていいかな?」
ウェンディ「あ、はい! ごめんなさい!」
真矢「じゃあ、行こうか、乙姫ちゃん」
乙姫「うん!」
【シナリオエンドデモ終了】


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