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No.11A
群れなす機械

【シナリオデモ1開始】
転空魔城 閃光の間
アルティス「……不服か?」
フォルカ「いや……」
アルティス「フ……昔から変わらんな、フォルカ。本心を隠しても、お前の目が全てを語っている」「やはり、『彼の者』と手を組んだことが不満のようだな」
フォルカ「兄さんも俺と同じだと思っていたが……」
アルティス「口を慎め、フォルカ。私は兄としてお前に接しているのではない」「修羅を率いる将軍……“閃光のアルティス”として命令を下しているのだ」
フォルカ「………」
アルティス「……お前の言い分もわかる。しかし、我らが望む闘争には、『彼の者』の仕掛けが必要となる」「戦士も民もなく、全ての人間を戦いという炎に包むためにはな」
フォルカ「そのために彼らの言うことを聞けと?」
アルティス「その通りだ。お前にとってはつまらぬ仕事となるが、これは修羅王のご命令でもある」
フォルカ「………」
アルティス「拒むと言うのならこの役目、フェルナンドに命じよう」
フォルカ「……俺が行く。奴の気性では、余計な騒動を生む」
アルティス「その言葉……フェルナンドが聞けば、また荒れるだろう」「奴はお前に情けをかけられたことを今でも屈辱に思っているからな」
フォルカ「………」
アルティス「だが、お前はフェルナンドの怒りを受けねばならん。それが修羅の掟を曲げた報いだ」
フォルカ「兄さん、俺は……!」
アルティス「話はここまでだ。まずは現場でアルコに会え」
フォルカ「アルコに?」
アルティス「標的は奴が調べ上げた。あれからずっとあの地に張り付いていたらしい」
フォルカ「あの地……アサクサとかいう場所か」
アルティス「失敗は許されんぞ、フォルカ。修羅界の存続のためにもな」
フォルカ「それに意味があれば俺もこの命を懸けよう……」
〔扉の開閉音〕
アルティス「修羅界の存続の意味……か……」「我が弟よ……。お前の迷い……それこそが修羅の未来なのかも知れんな……」

地球連邦軍極東方面軍 伊豆基地

伊豆基地内
カイ「何? 式典会場を変更するだと?」
ラーダ「ええ。この伊豆基地から晴海のトレードセンターに」
カイ「おいおい、開催まであと10日だぞ。この土壇場で会場を変える理由は何だ?」
ラーダ「それが……バルトールをより多くの人に見てもらいたいから、だそうです」
ラトゥーニ「え……?」
カイ「広報部が言い出したのか?」
ラーダ「いえ。マウロ・ガット准将からの指示です」「もっとも、広報部の人間はウォン重工側から申し出があったせいではないかと推測していますが」
カイ「……解せんな。晴海とえば、東京のド真ん中だ。何故、そんな所で新型のお披露目をやる?」
ラーダ「人が集まるから……ではないでしょうか?」
カイ「ここ最近、力を入れている民間へのアピールという奴か」
ラミア「ですが、晴海には機動兵器のメンテナンスが行える施設など存在しません」
ラーダ「それなんだけど……バルトールは当日、大連の工場から直接来るそうなの。飛行のデモンストレーションを兼ねて」
ラミア「馬鹿な……。つい先日、輸送中のVTX-000ミロンガが、DC残党に狙われたばかりだというのに?」
カイ「次も襲撃されたら、どうする気だ」
ラミア「……迎撃し、退ける。それだけの力がバルトールにはあるということでございましょうのことです」
カイ「それもデモンストレーションの内、か? 冗談じゃないぞ。ブツは輸送機で運ぶんだろうな?」
ラーダ「いえ……」
カイ「まさか、直接会場へ乗り込む気か?」
ラーダ「そのようです」
カイ「………」
ラミア「不自然なまでの自信……か」
カイ「……ラミア、シミュレーターの方はどうだったんだ?」
ラミア「ミロンガが抱えていた問題点はクリアされているようです」「しかし、所詮はシミュレーターです。実機に搭乗してみないことには……」
カイ「とは言え、その実機がこちらへ1機も回って来ていない」「にも関わらず、大胆な方法で一般公開を行う……。どうも腑に落ちんな」
ラーダ「こちらから一言いっておいた方がいいのでは?」
カイ「トライアルの時と同じく、握り潰されるだろうな。それに、広報部をこれ以上混乱させるわけにもいくまい」「ここは黙って従っておく。が、情報は引き続き集めておくように」
ラーダ「わかりました。それと、ラトゥーニ……」
ラトゥーニ「はい」
ラーダ「広報部からあなたに依頼があってね……当日はあの服装で会場入りして欲しいそうよ」
ラトゥーニ「えっ……? もしかして、ガーネットからもらったあれ……ですか?」
ラーダ「ええ。広報活動の一環として、ですって」
ラトゥーニ「どうして、そんな……」
エクセレン「んふふ、ラトちゃん? あなた、基地の中でもあのカッコしてたことあったでしょ?」「それがピピッとヒットしちゃった人がいたんじゃなぁい?」
ラトゥーニ「は、はあ」
エクセレン「よっ! 魔性の女!」
ラトゥーニ「ま、魔性って……」
カイ「正式な依頼なら、受けてやれ。当日はバルトールへ乗らんのだからな。どんな格好でも支障なかろう」
ラトゥーニ「わ、わかりました」
カイ「……というわけだ、キョウスケ。話の腰を折ってしまって、すまなかったな」
キョウスケ「いえ。……相変わらずお忙しいようですね、少佐」
カイ「まあな。ミロンガの件や浅草の事件など、色々とキナ臭いことが多い」
エクセレン「は~い、質問~。浅草の件は、結局わけわからずじまいなんですか?」
カイ「ああ。例の赤い特機はな、浅草辺りから出てきたとしか思えないんだが……」「調査チームの報告じゃ、それらしい施設はなかったそうだ」
ラミア「アラド達の話では、遊園地近くから姿を現したと……」
カイ「地下から遊戯施設類を出す装置はあったが、あの特機は見当たらなかったらしい」「それに、『髪の毛』は空間転移で現れた。どこから来た、何者なのか……ろくな手掛かりがない」
キョウスケ「正体不明の敵、そして意図の見えないトライアル……嫌な予感がしますが」
カイ「何にせよ、お前達にはレイオス・プラン絡みの仕事でしばらく伊豆に滞在してもらうことになる」
キョウスケ「とは言え、あのプランは……」
エクセレン「めっちゃEOT絡みのプロジェクトよねえ。『EOT滅ぶべし!』な人が作った機体に乗ってる私達の意見が、参考になるのかしら?」
カイ「ハミル博士やオオミヤ博士からの依頼でな……第三者的な立場、かつ現場で特殊な機体を運用している者の意見を聞きたいらしい」
エクセレン「特殊な機体……あ~、ラインなヴァイスちゃんとかは確かに」
カイ「手放しでのんびり出来る状況ではないが……ラミア達と会うのも久しぶりだろう。まあ、よろしくやってくれ」
エクセレン「了解~」「は~い、ラミラミ、お久しちゃん! 調子はどうなんでごわしちゃいますのですか?」
ラミア「……エクセ姉様、最近は、そないひどくないのでありまする」
カイ「お前ら、どこの国の人間だ?」

地球連邦軍南欧方面軍 アビアノ基地

アビアノ基地内
ミツコ「……詳細の変更は、ウォン社長からも聞いておりますわ。でも、大丈夫ですの?」
マウロ「当日までに帳尻は合わせるつもりだ」
ミツコ「まあ、我が社の名前が前面に出るわけではありませんから、少々の失態があっても平気ですが」
マウロ(フン、女狐めが。裏で糸を引いているのは貴様だろう)
ミツコ「……あら? 操り人形になるのが、そんなにお嫌でして?」
マウロ「い、いや」
ミツコ「そちらには、十分な見返りを渡しております。それでも不満なら、対応を一考致しますが」
マウロ「……現状で文句はない」
ミツコ「何にせよ、今回の件は私の力でも不明な点が多くて……色々と心配ですの」「今後のことを踏まえてかも知れませんが、ミロンガとバルトールは必要以上の数が作られているようですし」
マウロ「それは……私の関与する所ではない」
ミツコ「うふふ、そういうことにしておきましょう」
マウロ「………」
ミツコ「よろしいですか? 弊社にとって、ゲシュタルトのプロジェクトは本命が完成するまでの時間稼ぎ……」「それ以上の意味を持たせる必要はありませんわ」
マウロ「……わかっている」
ミツコ「その割には、陰で色々動かれているようですわね。あなたとウォン社長……」「そして、ユルゲン博士は」
マウロ(ユルゲンが……? どういうことだ? この女、どこまで知っている?)
ミツコ「ともかく、後はお任せしますわ。ですが、私を裏切るような真似をなさったら……」「最上級のお仕置きを致しますわよ?」
マウロ「覚えて……おこう」

日本 浅草地区

アズマ研究所 居間
ショウコ「……おやつは用意したし、カメラの準備も良し……っと」
コウタ「随分と浮かれてるじゃねえか。軍の新型機がそんなに楽しみなのかよ?」
ショウコ「ロボットにはそんなに興味ないけど、ゼオラ達が招待してくれたの」
コウタ「そう言えば、あいつら……あれから浅草に来てないよな」
ショウコ「忙しいみたいよ。なんとかキョードー隊って所にいるんだって」
キサブロー「特殊戦技教導隊かの?」
ショウコ「そう、それそれ。お爺ちゃん、詳しいね」
キサブロー「ん……まあ、ロボット工学に関わったことがある者なら、誰でも知っとるよ」
コウタ「………」
キサブロー「じゃが、教導隊なら新型機関連で忙しくないのか?」
ショウコ「そうなんだけど……明日の式典が終わったら、少し時間が取れるんだって」
キサブロー「そうか……。それにしても立派なもんじゃな、その子達は。コウタとそう変わらん歳だと言うのに」
コウタ「……何が言いたいんだ、爺ちゃん?」
キサブロー「わからんのなら、ええわい」
コウタ「………」
キサブロー「何を苛立っておる?」
コウタ「……関係ねえよ」
ショウコ「はいはい、ケンカはそこまで! お兄ちゃんも明日は寝坊しないでね」
コウタ「寝坊? なに言ってんだ、お前?」
ショウコ「明日のお披露目式典にはお兄ちゃんも行くのよ」
コウタ「お、俺も!? なんで!?」
ショウコ「だって、ショウコと一緒に招待されてるんだもん。あと、ジャーダさん達もね」「それに、式典ってお祭りみたいなものよ。招待だから、お金かかんないし……きっとお兄ちゃんも楽しめると思うな」
コウタ「祭り……祭りかぁ」
ショウコ「そうそう。 祭りだワッショイ! ……外伝だけにね」
コウタ「よ~し。祭りとあっちゃあ、見逃すわけにはいかねえな。俺も行って、お前のお守りをしてやるぜ」
ショウコ「む~……お兄ちゃんってば、いつまでもショウコを子供扱いするんだから」
コウタ「なに言ってやがる。まだネンネのくせに」
ショウコ「そう思ってるのは、お兄ちゃんだけだよ」
コウタ「ヘッ……お前みたいなガキ、誰が相手するってんだ?」
ショウコ「ん~とね、B組のフジサワ君に、H組のイマイズミ君。あと、G組のカンベ君とニシカワ君」
コウタ「ど、どういうこった!?」
ショウコ「みんなね、フラワーハウスとか、ディスティニー・ランドへ行こうって、ショウコを誘ってくれたの」
コウタ「何だと!? フジサワにイマイズミ、カンベとニシカワだな! 後で俺が一言……」
ショウコ「んもう、やめてよ。それに、お誘いは断ったから」
コウタ「え!?」
ショウコ「だって、ショウコはお兄ちゃんの面倒を見るので忙しいもん」
コウタ「る、るせえ。それはこっちの台詞だっつーの」
ショウコ「でも、ちょっとホッとしたでしょ~?」
コウタ「だ、誰が!」
キサブロー(……バレバレじゃのう)
ショウコ「まあいいや。とにかく、明日は寝坊しないでね」
コウタ「わかった、わかった。お前の方こそ寝過ごすんじゃねえぞ」
ショウコ「うん。それじゃ、おやすみなさい、お爺ちゃん、お兄ちゃん」
〔床の間を歩く足音〕
キサブロー「……気をつけろ、コウタ」
コウタ「何にだよ?」
キサブロー「好む好まざるに関わらず、ロアはお前を選んだ……」
コウタ「またその話か。あの野郎がどこのどいつだか知らねえが、俺は面倒事はパスだ」「この前、戦ったのはあくまでショウコを守るためにやったまで。ロアとの関係はそこまでだ」「それに、あれからあいつは出てこねえし……コンパチカイザーだって、俺が降りてから消えちまったじゃねえか」
キサブロー「カイザーはこのアズマ研究所の地下格納庫に収容されておる」
コウタ「何? あんなデカブツをどうやって?」「いや、それ以前に……あんな発進口や格納庫をいつの間に作ってたんだ? フラワーハウスの連中は何も言わなかったのか?」
キサブロー「超大型アトラクションを寄付すると言うての。作業自体はワシの古い友人が営んでおる会社に頼んだ」
コウタ「フン……フラワーハウスの連中もさぞかし驚いたろうぜ。アトラクションで飛び出してきたのが、コンパチカイザーだからな」「っていうか、軍の連中が調べに来たんじゃねえのかよ?」
キサブロー「そこら辺はうまく誤魔化してあるわい。ダミーの施設も作ってあるし……」「アトラクション用のバルーンも用意してある。……グレート雷門の、じゃが」
コウタ「形が違うっつーの」
キサブロー「何にせよ、ワシが私財をなげうってこしらえた施設じゃ」
コウタ「ショウコがこの話を聞いたら、きっとバタンキューだぜ」
キサブロー「全てはロアから託されたカイザーを守り、バトルフォース・ロボとして修復し、来るべき戦いに備えるためじゃ」
コウタ「その割にゃ、あっさりとコンパチカイザーの居場所を敵に突き止められたみてえだがよ」
キサブロー「それは、カイザーのオーバーゲート・エンジンが……」
コウタ「おっと、いけね。ついつい爺ちゃんの話に乗っちまったぜ」
キサブロー「お前はロアに選ばれた理由と、自分の役目というものをわかっておらん。そもそもファイター・ロアは……」
コウタ「俺は言ったぜ……面倒事はパスだってよ」
キサブロー「コウタ……!」
コウタ「だいたい、選ぶも何もあいつの勝手な事情に巻き込まれるのは、迷惑ってもんだぜ」「さて、俺も寝るとするか。寝坊して、ショウコにどやされたくねえからな」
キサブロー「待て、コウタ。敵はロアとコンパチカイザーの存在を知ったはずだ。奴らは必ずまた現れる」
コウタ「で、そいつらはロアと一体化した俺を狙うっていうのか?」
キサブロー「その通りだ。その時、お前は……」
コウタ「上等だぜ。仕掛けてくるってんなら、相手になってやるさ」
キサブロー「………」
コウタ「心配すンなよ。そいつらがショウコや爺ちゃん、浅草に手出ししてくるなら、俺は戦ってやる」「だが、そこまでだ。それ以上の面倒事を背負い込む気はねえ」
キサブロー「………」
コウタ「連邦軍も新型を開発したんだろ? その敵ってのが現れても、そいつが撃退するさ。んじゃ、俺は寝るぜ」
〔床の間を歩く足音〕
キサブロー「……馬鹿モンめが。何故、わからんのじゃ」「妹を、家族を、育った街を愛する心……それを世界とロアは求めておると言うのに……」

テスラ・ライヒ研究所

テスラ・ライヒ研究所内
ツグミ「……やっと見つけたわ。ジジ・ルー……EOTI機関、第4情報開発部所属。特殊OS開発担当……」「それで聞き覚えがあったのね。なら、DCにも……」
〔エラー音〕
ツグミ「該当なし……か。あの人はDCに移籍しなかった……」「あるいはデータが消されたか、改ざんされたか……。答えがどれであっても不自然ね」
〔通信のコール音〕
ダイアン「タカクラチーフ、連邦軍情報部のギリアム・イェーガー少佐から通信が入っています」
ツグミ「ありがとう、ダイアン。セキュリティレベルをトリプルAにして、こちらへ回して」
ダイアン「わかりました」
〔モニターの開く音〕
ギリアム「久しぶりだな、タカクラチーフ」
ツグミ「ご無沙汰しています、少佐」
ギリアム「突然すまない。フィリオ少佐が留守だと聞いたのでな。君を呼び出してもらった」
ツグミ「いえ、お気遣いなく。少佐の代行は、私が務めることになっていますから」
ギリアム「彼の具合は……良くないのか?」
ツグミ「……少佐には正直にお話します。フィリオ少佐の病状は思わしくなく……入院も時間の問題かと」
ギリアム「病魔はそこまで彼の身体を蝕んでいたか……」
ツグミ「今はカザハラ所長の勧めもあり、少しでも体を休めるために療養しています」
ギリアム「そうか……。カザハラ所長も、彼に同行しているのか」
ツグミ「はい……。ですが、少佐……このことは……」
ギリアム「アイビスには伏せておくのだな?」
ツグミ「はい……。それが彼の……フィリオの望みですから」
ギリアム「………」「ところで、用件についてだが……EOTI機関やDCで開発が進められていたと言うAMNシステムのデータをこちらへ回してもらいたい」
ツグミ「その理由は……ミロンガですか?」
ギリアム「気づいていたか。AMNシステムが、あの機体へ搭載されていることに」
ツグミ「ええ。アビアノでミロンガと模擬戦を行った後、ずっと調べていたんですが……」「フィリオ少佐のデータベースの中にあった関連資料を発見しました」
ギリアム「ふむ……」
ツグミ「AMNシステムは、戦闘データを迅速かつ正確に他機に伝達し、複数の機体間で共有するためのものです」「そして、その改良発展型であるODEシステムは、熟練パイロットによる無人機の同時複数遠隔操作を目指していました」
ギリアム「……レーツェルから聞いた話だが、そのODEシステムは開発が中止されたそうだな」
ツグミ「はい……。テスト中にシステム搭載機が暴走し、パイロットが全員死亡したせいで……」
ギリアム「……模擬戦のミロンガはどうだった?」
ツグミ「一時的に暴走状態へ陥ったような動きを見せましたが、制限時間を過ぎた時点で停止しました」「どうやら、制御面の問題点は改善されているようです」
ギリアム「ミロンガ……そして、その後継機であるバルトールにODEシステムが搭載されている可能性は?」
ツグミ「高いと思います。もっとも完成品であるかどうかはわかりませんが……」
ギリアム「そうか……。では、AMNシステムやODEシステムに関するデータを、可能な限り私の所へ送ってくれ」
ツグミ「わかりました」
ギリアム「では、またな」
〔通信のコール音〕
ツグミ「ギリアム少佐が動いているということは……ミロンガとバルトール……私の思っている以上に裏がありそうね」「……でも、バルトールのお披露目は明日……。全ては後手に回ってしまっている……」
〔通信のコール音〕
ダイアン「タカクラチーフ、オオミヤ博士とリューネ・ゾルダークさんから連絡が入りました。明日、こちらに到着するとのことです」
ツグミ「わかったわ、ダイアン。リューネが到着したら、ヴァルシオーネは第2格納庫へ回すように手配してね」
ダイアン「はい。それで……あの……一つお願いがあるんですが……」
ツグミ「何かしら……?」

中国 大連地区

ウォン重工業
〔銃声〕
リック「うぐっ! き、貴様!!」
ジジ「……」
リック「な、何故、私を……!?」
ジジ「これ以上、社長に動かれては困りますので。私達のバルトールのために、ね」
リック「あ、あれは何だ!? コックピット周りの仕様が報告と違っているぞ!」
ジジ「ええ。バルトールは真の完成を迎えたのです」
リック「何っ!?」
ジジ「あれがミロンガの問題点を改善した結果……そして、バルトールの本当の姿」
〔銃声〕
リック「ぐあっ! わ、私を殺せば、バルトールは……!」
ジジ「殺しはしません。あなたも、あなたの部下達も」「その代わり、あなたの知識や経験をバルトールの糧にさせてもらいます」
リック「か、糧だと!?」
ジジ「そう……ODEシステムの生体コアになっていただきます」
リック「せ、生体コア!? 何だ、それは!?」
ジジ「……社長達を封入装置へ運びなさい」
スタッフ「はっ」
リック「ま、待て! 私をどうするつもりだ!? やめろ! やめるんだ!!」
〔扉の開閉音〕
スタッフ「ルー主任、第2次生産分のセッティングが終わりました。いつでも出せます」
ジジ「地下部ジェネレーターの方は?」
スタッフ「そちらの手はずも整っています」
ジジ「では、ユルゲン博士やカイル達に報告を。社員の封入作業が終わり次第、私達もバルトールの中へ入りましょう」「まもなくショーが始まる……観客達が待っているわ」
スタッフ「はい。主任、またお会いしましょう」
ジジ「ええ……より進化した、素晴らしい形でね」
スタッフ「それでは」
〔扉の開閉音〕
ジジ(これで私の役目は終わった。後はユルゲン博士とODEシステムが私達を導いてくれる……)(そして、バルトールが地球圏の新たな守護者となるのよ……フフフフ……)
【シナリオデモ1終了】

【戦闘マップ1開始】

〔第3軍ユニット出現済み〕
クスハ「……何かトラブルかしら……? 定刻より遅れてるみたいだけど……」
アラド「クスハ少尉~!」
ゼオラ「こっちです!」
クスハ「みんな……迎えにきてくれたの?」
アラド「はい、少尉が迷わないように」
クスハ「そんな……マサキ君じゃないんだから」
アラド「いえいえ、今日になってからもプログラムに変更があったりして、色々とややこしいッスから」
クスハ「何かあったの?」
ラトゥーニ「はい……バルトールの到着が予定より遅れているんです」
クスハ「そう……」
ゼオラ「ところで、他の皆さんは?」
クスハ「伊豆で待機中なの」
アラド「ブルックリン少尉も?」
クスハ「ええ。 二人ともこっちへ来てしまうと、参式が動かせなくなっちゃうから」
アラド「じゃあ、参式ごとこっちへ来れば良かったのに」
ゼオラ「それだと、管轄を越えちゃうでしょ」
アラド「あ、そっか」
クスハ「……私がここへ来たのは、キョウスケ中尉に情報収集を頼まれたからだけじゃないの」「個人的にもバルトールのことが気になって……」
ラトゥーニ「ミロンガとの一件のせいで、ですか?」
クスハ「……ええ」
アラド「トライアルの後でやったバルトールとの模擬戦は、散々だったもんなぁ。おれなんか秒殺されたし」
ラトゥーニ「あの機体の性能は、ミロンガよりも上……特に運動性と連係戦闘には目を見張るものがあります」
アラド「量産型のヒュッケバインやガーリオンじゃなくて、ビルガーだったら何とかなったんだけどなぁ」
ラトゥーニ「……それでも、結果は同じだったかも」
アラド「へ? 何で?」
ラトゥーニ「だって、アラドは真っ先に飛び込む癖が直ってないもの」
ゼオラ「そうよ。カイ少佐から何度も注意されてるのに」
アラド「うっ……。だって、ビルガーはマ印の強襲型だもん。アルトの弟分だもん」「飛び込んで、突っ込んでナンボだもん」
ラトゥーニ「でも、バルトールで今までと同じような戦い方をするのは駄目だと思う……」
アラド「けどなぁ、慣れた機体から乗り換えるのはちょっとなぁ」
ゼオラ「しょうがないでしょ、命令なんだから」
アラド「お前はそれで納得できんのかよ?」
ゼオラ「……私だって、ファルケンのままの方がいいわよ」
アラド「だろ? ツインバルトールストライクなんて、舌噛んじまうぜ」
ラトゥーニ「でも、軍は高性能機の量産や配備を急務としている……」「それが、インスペクター事件で得た教訓だから……」
ゼオラ「そうね……」
クスハ「ところで……ラミアさんは?」
アラド「関係者席の所にいるッス。案内しますよ」
クスハ「お願いね」
ラトゥーニ「あの……クスハ少尉、どうして私服なんですか?」
クスハ「え? この方がさりげなく情報を集められるかな、と思って」
ラトゥーニ「余計に目立つと思いますけど」
アラド「ラト……お前、人のこと言えねえだろ」
〔アナウンスチャイム〕
アナウンス「ご来場の方々へ式典開始時刻の変更についてご連絡致します」「誠に申し訳ございませんが、諸事情により、式典は13時からの開始とさせていただきます」
コウタ「何だよ。せっかく早起きしたってのにあと2時間も待つってのかよ」
ジャーダ「早起きは三文の徳とはいかなかったようだな、コウタ」
ショウコ「いいんですよ、ジャーダさん。お兄ちゃん、休みの日はいつも昼過ぎまで寝てるんですから」
ガーネット「寝る子は育つって言うけど……それは赤ちゃんの話で、コウタの場合はただの寝坊助よね~」
コウタ「余計なお世話だよ。それに、俺はまだまだ成長期真っ只中だぜ」
ガーネット「まあねぇ」
コウタ「けど、ガーネットさん……そんな大きなおなかで人ごみに来て、大丈夫なのかよ?」
ガーネット「心配してくれて、ありがと。でも、せっかくラトゥーニが招待してくれたんだもの」
ジャーダ「それに、ガーネットも俺も元はパイロットだからな。新型機と聞けば、興味もわくさ」
コウタ「家計も苦しいんだし、軍に未練があるんなら戻ればいいだろ」
ジャーダ「痛い所を突いてくれるぜ。でもな、未練があるわけじゃねえんだ」
コウタ「え?」
ジャーダ「確かに、軍の仕事もやりがいはあった」「だけど、俺はもう少し身近な所で頑張ってみようと思ったのさ」
ショウコ「身近な所って?」
ジャーダ「……軍で戦って、多くの人を守るのも立派なことだ」「だけど、俺は一番大事なもの……ガーネットと生まれて来る子供をこの手で幸せにしたかった」「そして、俺の音楽を聞いてくれる人達もな」「だから、軍を辞めて新しい生活……新しい戦いを始めたってわけだ」
コウタ「ジャーダさんにとって、それが一番大事だったってのか……」
ジャーダ「そういうこった。戦いが大きいとか小さいとかは、俺にとっちゃ関係ねえな」
コウタ「戦いの大きさは関係ない……か……」
ショウコ「珍しいね。お兄ちゃんが真面目な顔で考え事するなんて」
コウタ「るせえよ。お前みたいに年がら年中、能天気じゃいられねんだよ」
ショウコ「ひっどーい! ショウコが毎日、お兄ちゃんのことで頭を悩ませているのも知らないで!」「お兄ちゃんが他人様に迷惑をかけませんように……お兄ちゃんがちゃんとした大人になりますように……」「って、毎日、観音様に願掛けしてるのに!」
コウタ「小さな親切、大きなお世話だ!」
ジャーダ「やれやれ……式典が始まるまで兄妹ケンカに付き合わされるのかよ」
ガーネット「ふふっ、いいじゃない。これはこれで、いい見ものなんだから」
【戦闘マップ1終了】

【シナリオデモ2開始】

テスラ・ライヒ研究所

テスラ・ライヒ研究所内
アイビス「ツグミお手製のチーズケーキに最高の紅茶……」「トレーニングの後には、やっぱり甘いものを食べないとね」
〔扉の開閉音〕
リューネ「あ~あ、だらしのない顔しちゃってさ。ヨダレ垂らしたワンコみたいだよ」
アイビス「リュ、リューネ!」
ロバート「そんな大きなケーキ、一人で全部食べて大丈夫なのか?」
アイビス「へ、平気です、オオミヤ博士! あたし、甘いものはどんどん入っちゃいますから!」
リューネ「それにしても、おいしそうだね。味見させてくんない?」
アイビス「あ、あげないよ! これ、あたしのとっておきなんだから!」「それにリューネって、一口だけ味見って言いながら、その一口で全部食べちゃいそうだし……」
リューネ「あんたじゃあるまいし。それに、あんたからケーキを取り上げるほど命知らずじゃないさ」
アイビス「それより、リューネ……ヒリュウに乗ってたんでしょ? 何しに来たの?」
リューネ「ヴァルシオーネのメンテだよ」
アイビス「わざわざここで?」
リューネ「ほら、あたしの機体ってパーソナルトルーパーやアーマードモジュールと違って特機に近いし……」「駆動系なんかは特殊だからね。オーバーホールは、ヒリュウやマオ社よりここでやってもらった方がいいんだ」
アイビス「ふ~ん。じゃ、オオミヤ博士は?」
ロバート「出張でしばらく前からここにいてね。レイオス・プラン絡みの打ち合わせをするために」
アイビス「そうなんですか……」
ロバート「それより、リューネ。ヴァルシオーネの外部装甲にバトルダメージがあったようだが……」
リューネ「ああ、あれ。宇宙でアインストみたいな化け物と戦ったんだ」
ロバート「化け物?」
アイビス「何、それ……?」
リューネ「でっかいおたまじゃくしみたいな奴」
アイビス「え、ええっ!?」
リューネ「どっかの研究所が作った奴みたいでね。ま、あたし達で退治したんだけどさ」
ロバート「……」
アイビス「いくら宇宙の海って言っても、そんなのとは会いたくないなあ……」
〔扉の開閉音〕
リシュウ「おう、ロバート。グルンガスト零式の組み立て作業は終わったのか?」
ロバート「ええ。今、モーション・データのバージョンアップ作業をやっている所です」
リシュウ「なら、ワシがこしらえた新しいデータも入れておいてくれ」
ロバート「先生……まさか、零式に乗るつもりじゃないでしょうね?」
リシュウ「む……そういうわけでは」
ロバート「あれはゼンガー少佐ぐらいの技量の持ち主でなければ、動かせませんよ?」
リシュウ「わかっておる、わかっておる」
〔扉の開閉音〕
ツグミ「待たせちゃったわね、リューネ」
リューネ「ううん。しばらく世話になるよ、ツグミ。……所長にも挨拶したいんだけど、今どこに?」
ツグミ「ここにはいないの。フィリオ少佐と一緒に休暇を取っているから……」
リューネ「男二人で? 怪しい……」
ツグミ「……ううん、ただの休暇よ」
リシュウ「……」
ロバート「……」
リューネ「二人して、踊りながらフェアリオンの新しいモーションを考えてたりして」
アイビス「や、やめて、リューネ。所長のそんな姿、想像したくない……!」
リューネ「ごめん、ごめん」
ツグミ「それより、リューネ……あなたに紹介したい人がいるの」
リューネ「え?」
ツグミ「ダイアン、入ってきて」
〔扉の開閉音〕
ダイアン「初めまして。ダイアン・ウッドです」
リューネ「あたしはリューネ……リューネ・ゾルダークだよ」
ダイアン「お噂はかねがね」
ツグミ「ダイアンはポールスター・システムズから来た優秀なエンジニアで、私のアシスタントを務めてもらっているの」
リューネ「ふ~ん……。で、あたしに何か用なの?」
ツグミ「彼女は後学のためにヴァルシオーネの制御系を見たいと言っていてね」
ダイアン「あの機体は、かつてのDCで造られた特別な機体だと聞いていますので……」
リューネ「まあ、確かに」
アイビス「人間の女の子の顔をした機体なんて他にないしね」
リシュウ「しかも表情まで変わるからのう」
ダイアン「お願いします、リューネさん。メンテナンスの邪魔にならないようにしますから……」
リューネ「ああ、別に構わないよ」
ダイアン「あ、ありがとうございます。じゃあ、早速見に行ってきます」
〔扉の開閉音〕
リューネ「勉強熱心だね、あの人」
ツグミ「ええ。 おかげで色々助かっているわ」
ロバート「ところで……すまないが、日本でやってる披露式典の中継映像を見せてもらっていいかな」
リューネ「披露式典?」
ロバート「そう、新主力機のね」
リューネ「ああ、バルトールって名前だっけ?」
ロバート「その通り。もう披露式典が始まる時間なんだ」
ツグミ「じゃあ、モニターをつけますね」
〔モニターの開く音〕
リシュウ「む? まだ始まっておらんのか?」
ツグミ「そうみたいですね……」
ロバート「じゃ、始まるまで待つとしよう」
アイビス(……あのミロンガの後継機バルトール……。いよいよお目見えか……)

日本 長野地区上空 移動中
ハガネ

ハガネ艦内
カーク「……ART-1はリュウセイ・ダテとマイ・コバヤシによる運用を想定して、調整を行った」
ヴィレッタ「こちらでも確認した。すぐにでも使えるようね」
カーク「ああ」
ヴィレッタ「それにしても……意外に早かったわね。SRX計画の延長線上だけに、ケネス少将がもっと難色を示すと思っていたけど」
カーク「彼はレイカー司令の功績を踏み台にするつもりなのだろう」
ヴィレッタ「そして、 レイオス・プランとRXR計画を自分の手柄にするというわけね」
カーク「ああ。バルトールはマウロ准将の功績になるからな……それへの対抗策でもあるのだろう」
ヴィレッタ「フッ……相変わらず上昇志向が強いわね、ケネス司令は」
カーク「だが、見かけによらず小心な男だ。レイカー司令の影響力を恐れて、未だに伊豆で監視下に置いているからな」
ヴィレッタ「基地内の医療施設で療養中……ということになっているけど、皆は真相に気づいているわ」
カーク「……ともかく、ART-1で各種データを集めてくれ。後々のためにな」
ヴィレッタ「了解した」

ハガネ ブリッジ
エイタ「艦長、バルトールのフライトプランが送られて来ました」
テツヤ「今頃になってようやくか。もう式典の開始時刻は過ぎているんだろう?」
エイタ「ええ」
テツヤ「バルトールは大連を発ったのか?」
エイタ「はい。プラン通りなら、もう日本上空へ入ってますね」
テツヤ(護衛もなしで、か。あの時のミロンガと同じく、実弾を装填しているのだろうな)「……エイタ、他に指示は?」
エイタ「このまま警戒任務を続行せよとのことです」
テツヤ「俺達はバルトールの露払いか……」
エイタ「と言っても、コースはクロスしませんし……この日本にノイエDCの残党は現れないでしょう」
テツヤ「油断は禁物だ。R-3パワードとR-1……いや、ART-1を出し、哨戒任務に当たらせろ」
エイタ「ART-1って……まだ来たばっかりですけど、いいんですか?」
テツヤ「早急に慣らしを終えた方がいい。……どうも嫌な予感がする」

ハガネ 格納庫
リョウト「……ART-1はR-1と同じ感覚で乗りこなせると思うけど、推力と最大速度が上がっているから気をつけて」
リュウセイ「おう」
リョウト「あと、PT時の重心が高くなっているんだ。腕にチェーン・ブレードが付いたから、R-1と同じ感覚で振り回すと……」
リュウセイ「動きが大味になるってんだろ。シミュレーターでだいたいの感覚は掴んだから、何とかなるよ」
マイ「……今度のR-1は青いのか」
リュウセイ「ああ、試作機カラーだとさ」
マイ「これはR-2やR-3と合体できるのか?」
リュウセイ「いや、合体機構はオミットされてる」
リョウト「マイ、君用のSFプログラムも来てる。リュウセイが戻って来たら、アジャストしよう」
マイ「なら、私も乗れるのか? ART-1に」
リョウト「そうだよ」
マイ「じゃあ、リュウとお揃いだ」
リュウセイ「名前と形は違うけど……どっちもR-1だから、そういうことになるな」
アヤ「……リュウ、準備は出来た?」
リュウセイ「ああ。じゃ、リョウト……式典の録画を頼むぜ」
リョウト「うん、わかった。気をつけて」
〔扉の開閉音〕
イルム「……あいつも好きだねぇ」
リョウト「気持ちはわからなくはないですが……」
イルム「俺もバルトールに興味はあるよ。別の意味だけどな」
リョウト「あのミロンガの後継機だから……ですか?」
イルム「ああ。模擬戦でも暴走しかかってたらしいぜ」
リオ「でも、ミロンガの問題点はバルトールで解決されているんじゃないでしょうか? でなければ、制式採用は……」
イルム「経緯が色々と怪しいんだよ。スペックについても伏せられてる点が多いみたいだしな」
ライ「中尉はバルトールにも何らかの問題点がある、と?」
イルム「問題点というより、秘密だな」
リョウト「確かに……こちらへ必要以上の情報を与えないようにしているみたいですね」
イルム「ああ。陰謀めいたものを感じるぜ」
ライ「………」

テスラ・ライヒ研究所

テスラ・ライヒ研究所 第2格納庫
〔プログラムの動作音〕
???(セルシア)「インストール終了……。これでヴァルシオーネは……」
〔通信のコール音〕
???「……聞こえるか、セルシア」
???(セルシア)「カイル……!」
???「首尾はどうだ?」
???(セルシア)「言われた通りにやったわ……。でも、カイル……こんなことで本当に……」
???「ああ、もちろんだ。この作戦は、ODEシステムの今後のために必要なものなんだ」
???(セルシア)「………」
???「では、次の指示を待て」
〔通信のコール音〕
???(セルシア)「………」(カイル……私達がやっていることは、本当に正しいの……?)
【シナリオデモ2終了】


サブタイトル
「群れなす機械」


【戦闘マップ2開始】
〔戦闘マップ1から継続〕
コウタ「まだかよ、新型は。もう待ちくたびれたぜ」
ショウコ「お兄ちゃん、文句を言わないの」
ジャーダ「おっ! おでましのようだぜ、今日の主役が!」
ショウコ「え! どこ? どこ!?」
ガーネット「ほら、向こうよ!」
〔敵ユニット出現〕
コウタ「やっと来やがったか」
〔カーソル、バルトールを指定〕
ショウコ「でも、何だか不気味な感じ。悪役みたい」
ガーネット「う~ん……軍の兵器だから、正義の味方も悪役もないんだけどね」
クスハ「……それにしても、大掛かりなイベントなのね」
ゼオラ「どちらかと言えば、民間人向けのものですから」「次期主力機を派手にアピールして、地球防衛に関する意識を高めることが目的だそうです」
アラド「なあ、ラト。みんなは会場に来てるのか?」
ラトゥーニ「うん。さっき、メールが来たわ」
クスハ「みんなって?」
アラド「ジャーダさんとガーネットさん、それにおれ達の友達です。ここへ招待したんスよ」
クスハ「そうなんだ。時間があったら、会いたいな……」
アラド「この後、会う約束をしてるんス。良かったら、クスハ少尉も一緒に」
クスハ「じゃあ、そうさせてもらうわ」
ラミア「全員、集中しろ。問題の機体……バルトールが、デモンストレーションを開始するぞ」
〔バルトール隊、中央会場へ接近〕
〔第3軍ユニット撃破〕

クスハ「えっ!?」
ゼオラ「ヒュッケバインが!!」
アラド「すげ~! よく出来たホログラフィだな~」
ゼオラ「バカ! なに言ってんの! 本当に爆発したのよ!!」
アラド「いっ!?」
ラミア「ちっ……! 非常事態だ! 民間人を避難させる。急げ……!」
クスハ「は、はいっ!」
ラミア(早々にトラブルとはな。……いや、これもまた仕組まれていただけか)(だが、あまりにも急すぎる。……上層部がこのことを知っていたとは考えにくいが……)
〔バルトール隊、中央会場へ接近〕
〔中央会場周辺に爆発〕

【戦闘マップ2終了】

【シナリオデモ3開始】

晴海 お披露目会場
〔爆発音〕
〔画面、振動〕

ショウコ「きゃあっ!」
コウタ「逃げるぞ、ショウコ! ここにいちゃ、あの新型の攻撃に巻き込まれる!」
ショウコ「で、でも……どこへ!? ジャーダさん達ともはぐれちゃったのよ!」
ジャーダ「こっちだ、ショウコ! 俺についてこい!」
ショウコ「ジャーダさん! 無事だったんですね!?」
コウタ「ガーネットさんは!?」
ジャーダ「知らん! とにかくまずはここから脱出するぞ!」
ショウコ「は、はい!」
コウタ「……行くな、ショウコ」
ジャーダ「何を言ってるんだ、コウタ! お前、死にたいのか!?」
コウタ「ここもヤバいが、てめえについていくよりはマシだ」
ジャーダ「何っ!?」
ショウコ「ど、どういうこと!?」
コウタ「だまされるな、ショウコ。こいつはジャーダさんじゃねえ」
ショウコ「え!?」
ジャーダ「………」
コウタ「あのジャーダさんが、ガーネットさんを見捨てて逃げるはずがねえ」「どういうカラクリかは知らねえが、とにかくこいつはニセモノだ!」
ジャーダ「クッ……ククク……」
ショウコ「!?」
ジャーダ「フン……虫ケラにも少しは知恵があるようだな……!」
〔光の放射音〕
〔画面、発光〕

コウタ「てめえは!?」
アルコ「ククク……久しぶりだな、小僧」
コウタ「てめえ……! ほおずき市の時の奴か!」
ショウコ「ど、どうなってるの……!? この人……ジャーダさんに化けてた……」
アルコ「ククク……驚け! そして、恐怖しろ! これが俺の変身能力だ!」
コウタ「変身だと!? てめえ、いったい何モンだ!?」
アルコ「我らは修羅! この世界を血と肉と炎に彩る者だ! さあ、小娘! こっちに来い!」
ショウコ「きゃあっ!」
コウタ「この野郎! ショウコに触るんじゃねえっ!!」
〔打撃音〕
コウタ「ぐっ!!」
フォルカ「……甘いな」
コウタ「こ、こいつ、俺の蹴りを!?」
フォルカ「この程度の打撃……目をつぶってでも止められる」
アルコ「小僧は俺に任せて、お前は早くこの娘を連れて行け!!」
フォルカ「それが俺の使命である以上、拒みはしない。だが、お前はどうする気だ?」
アルコ「俺はこの小僧を痛めつける! 痛めつけて、『鍵』の秘密を聞き出す!」
コウタ「そこをどけ、モノマネ野郎! 俺はショウコを助けるんだ!!」
アルコ「そうはいかん! お前の相手はこの俺、アルコ様だ!!」
フォルカ「では、俺は行く。……後は好きにしろ」
ショウコ「嫌っ! やめて!! お兄ちゃん! お兄ちゃぁぁぁん!!」
コウタ「ショウコォォォォッ!!」
アルコ「余所見をしている暇はないぞ!!」
〔打撃音〕
コウタ「ぐあっ!」
アルコ「貴様と『鍵』に関係があることはわかっているのだ!!」
〔打撃音〕
コウタ「がっ……!」
アルコ「さあ、教えろ! 『鍵』の秘密を!」
コウタ「し、知るかよ!!」
アルコ「何だ、その目は!?」
コウタ「………」
アルコ「そうだ! 初めて見た時から、その目が気に食わなかったんだ、俺は!」「絶対の意志に満ちたその目! その目で俺を見るな!!」
〔打撃音〕
コウタ「うぐっ!!」
アルコ「泣け! わめけ! 命乞いをしろォ!! ヒャーッハッハッハ!!」」
コウタ(くそっ……! 体に力が入らねえ……!)(爺ちゃん、すまねえ……! 俺はショウコを……!)
〔ロアとの共振音〕
コウタ「!」
ロア(コウタ……唱えよ……)
コウタ(またお前かよ……! どこにいやがる!?)
ロア(俺は常にお前と共にある。唱えよ、コウタ……炎の言葉を……)
アルコ「ククク……もう抵抗できんか。ならば、『鍵』の秘密を聞き出すとしよう」
コウタ「や、やってやる……! 俺はショウコを守るためなら、何だってやるって決めたんだ!」
アルコ「む!? こいつ!」
ロア(唱えよ、コウタ……)
コウタ「言われなくても! 行くぞっ!!」「バーナウ! レッジー・バトー! ファイター・ロアァァァッ!!」
〔画面、発光〕
【シナリオデモ3終了】

【戦闘マップ3開始】

〔戦闘マップ2から継続〕
〔炎の戦士顕現〕
〔味方ユニット出現〕

アルコ「小僧め、『鍵』の力を使ったか!」
コウタ「てめえ、そこを動くな!」
〔光の発射音〕
〔アルコのいる地点に爆発〕

アルコ「ぬおっ!!」
〔バルトール隊、コウタへ接近〕
コウタ「チッ、あいつらまでこっちに仕掛けてくる気か!?」
ロア「落ち着け、コウタ。今、コンパチブルカイザーを呼ぶ」
コウタ「何を悠長な! 浅草からここまで、それなりの距離があるんだぞ!」
ロア「心配は要らん。『門』が開く」
コウタ「門って、何だ!? 雷門か!?」
ロア「黙って見ていろ」
〔味方ユニット出現〕
コウタ「! いきなり出て来やがった!?」
ロア(この程度の距離なら、不完全なオーバーゲート・エンジンでも跳躍は可能だ……)
コウタ「どういうこった!? テレポーテーションって奴か!?」「あ、もしかして……こないだの戦いの後、コンパチカイザーが消えたのも……」
ロア「それより、早くコンパチブルカイザーと合身しろ」
コウタ「おう! だけど、間違えるなよ、ロア!」「あのロボットはコンパチカイザーだ! 俺が操縦する以上、それは絶対だ!」
ロア「……わかった。わかったから、早く合身を」
〔コウタ、コンパチブルカイザーへ移動〕
〔コンパチブルカイザーのパイロット、無人→コウタへ変更〕

コウタ「よし! 行くぜ、コンパチカイザー!」
ロア「む? この反応は……」
〔敵ユニット出現〕
コウタ「こないだの雷神……! また俺を助けてくれるのか!?」
ロア「待て、コウタ! あのロボットの手を見ろ!」
ショウコ「離して! 離してよぉぉっ!!」
コウタ「ショ、ショウコ!!」
フォルカ「………」
コウタ「くそっ! てめえ、そこを動くんじゃねえぞ!!」
〔コウタ、フォルカへ接近〕
〔バルトール、コウタへ接近〕
コウタ「てめえら、雷神の仲間かよ!? 邪魔するんじゃねえ!!」
フォルカ「思わぬ助けが入ったな。……瞬転ポイントまで移動する」
ショウコ「嫌ぁぁぁっ! お兄ちゃぁぁぁぁん!!」
〔フォルカ、マップ端へ移動〕
〔敵ユニット離脱〕

コウタ「ショウコォォォォッ!!」
〔コウタの周囲に爆発〕
コウタ「くうっ! あいつら!!」
ロア「こちらの足を止める気か……!」
コウタ「てめえら、連邦軍なんだろ!? どういうつもりだ!?」
ロア「無駄だ、コウタ。あの機体に人は乗っていないようだ」
コウタ「チッ! なら、さっさと片付けて雷神野郎を追うぞ!!」
<戦闘開始>

<コウタが戦闘>

コウタ「そこをどきやがれ! 軍の新型だか何だか知らねえが、邪魔をする奴は叩き潰す!」
ロア(このロボット……俺達がショウコを追うのを明らかに妨害している……)(まさか……)

<バルトール撃破or1EP>
コウタ「あいつら、ちょこまかと動き回りやがって!」
ロア「見ろ、コウタ。あのロボット……逃げ遅れた人達にガスを噴霧しているぞ」
コウタ「まさか、毒ガスか!?」
ロア「いや、成分に毒性はない。これは麻酔に近いものだ」
コウタ「じゃあ、ガスを吸った人は眠っちまうってことか!?」
ロア「わからん。だが、あのロボット達は何らかの目的を持って動いている……」
クスハ「う、うう……っ」
ラミア「クスハ少尉、しっかりしろ! これは……他の者も!?」
ゼオラ「か、身体が……!」
アラド「う、動かねえ……!!」
ラミア(これは……無力化ガスか! 私はともかく、クスハ達は……)
〔カーソル、バルトールを指定〕
ラミア「くっ……こちらに気づいたか」
〔空を舞う音〕
ラミア「くっ、ワイヤーだと!? しかもこれは……対人用!?」
〔カーソル、バルトールを指定〕
ラミア「無力化ガスに対人捕獲ワイヤー……こんな物、仕様書には……!」(人間を捕えることを前提にした装備……奴らの目的は……いったい……!)
〔敵ユニット出現〕
コウタ「何だ、ありゃ!?」
ロア「コンテナか……!?」
コウタ「おい、見ろ! あのロボット、捕まえた人間をコンテナに入れてやがるぞ!」
ロア「目的は人間の誘拐か……!」
〔敵ユニット離脱〕
コウタ「コンテナが!」
ロア「コウタ、奴らを止めろ! これ以上の凶行を許すな!」
コウタ「ああ、観客席にはジャーダさん達もいる! 黙って見過ごすわけにはいかねえ!」

<敵3機撃破or4PP・味方援軍1出現>
ロア「コウタ、何かがこちらへ来るぞ」
コウタ「くっ、敵の増援かよ!?」
〔味方ユニット出現〕
カイ「バルトールが反乱を起こすとはな……!」
キョウスケ「ある意味予想通り、か。……少佐、あの赤い機体が?」
カイ「ああ、浅草に現れた奴だ」
キョウスケ「………」
エクセレン「え~と、バルトールと戦ってるわけだから……、こっちの味方ってことでOK?」
キョウスケ「敵の敵は味方……と、簡単に考えるわけにはいくまい。ブリット、クスハのPBS反応は?」
ブリット「ありません……! も、もしかして……!」
エクセレン「取り乱さないの。ラミアちゃんも一緒なんだから、きっとうまくやって……」
ブリット「だったら……だったら、反応があるはずです!」
キョウスケ「状況が不透明な時にあわてるな、ブリット。今、対処すべきはあのバルトールだ」
ブリット「は、はい」
カイ(あの赤い特機……何故、ここにいる?)
〔通信のコール音〕
カイ「そこの機体、聞こえるか? こちらはカイ・キタムラだ」
コウタ「カイ……? あんた、あの時のオッサンか!」
カイ「ぐっ! 二度ならず、三度までも……!」「いや、そんなことより! いったい何が起きた? 説明しろ!」
コウタ「説明もセンベイもあるか! あんたらがグズグスしてる間にみんな連れ去られちまったんだよ!!」
カイ「何っ!?」
コウタ「連邦軍が来たんなら、もうここにいる必要はねえ!」
〔コウタ、マップ端へ移動〕
コウタ「ロア! 本当にこっちの方角でいいんだな!?」
ロア「ああ。だが、反応がどんどん遠ざかっていく。急ぐんだ」
コウタ「わかった!」
カイ「待て、お前にはまだ聞きたいことがある! 名前は!? 所属はどこだ!?」
コウタ「俺の名前はファイター・ロア。所属は……ま、どこでもいいや」
カイ「何!?」
コウタ「それより、観客席にいる人達を頼むぜ、 オッサン!」
〔味方ユニット離脱〕
カイ「あの小僧……!」
キョウスケ「ファイター・ロア? 子供の声だったが……奴は?」
エクセレン「バリバリの赤ボディに猛烈に熱血してる感じ……まさに火の玉ボーイって奴?」
カイ「奴の話は後だ。ゴースト1より各機へ! バルトールへの攻撃を許可する!」
キョウスケ「了解……! 状況の変化が早すぎるのが気になるが……」「敵は新型だ。考えている時間を与えてはくれまい。エクセレン、ブリット!」
エクセレン「皆まで言わずともOKよ。……ラミアちゃん達のこともあるし、ここはちょいマジよ、ブリット君」
ブリット「了解!」(みんな……無事でいてくれ!)

<敵全滅・敵増援1出現>
カイ「……さっきの奴で終わりか。ブリット、会場に残っている人間がいるかどうか調べろ」
ブリット「は、はい!」
キョウスケ「………」
エクセレン「キョウスケ、気づいた? バルトールちゃんのことなんだけど」
キョウスケ「ああ……脆いな、ミロンガのデータに比べて。……それより、だ」
エクセレン「……ラミアちゃん達ね。もし見つからなかったら、さっきの坊やが言ってた通り……」
キョウスケ「連れ去られた……もしそうなら、何のために?」
〔プログラムの動作音〕
カイ「この反応……後続が来たか」「いや、違うぞ! これは!」
〔敵ユニット出現〕
ブリット「バルトールか!!」
エクセレン「わお! ハチャメチャに押し寄せてきたけど! 本格的な量産ってまだでしょ!?」
キョウスケ「……見たままだ。つまり、量産は進められていた……」
エクセレン「も~! 上は何やってんのよ!」
カイ「迎撃するぞ! フォーメーションを組みなおせ!」
〔味方全機、前進〕
ブリット「な、何であれだけの数の敵機がこんな所まで……!」
エクセレン「答えは簡単明白。味方の識別信号を出してるから……逆にそれしかないってこと」
ブリット「でも、機体数が報告書と違い過ぎますよ!」
エクセレン「はぁ、何をいまさら……。何もかもがおかしい状況よ、今は。みんな揃って騙されてたってこと」
キョウスケ「そういうことだな。……サマを見抜けなかったのはおれ達の不覚だ」
エクセレン「イカサマねえ……。んじゃ、目には目を……ってね!」
〔バルトール、前進〕
エクセレン「いきなり不意打ち! 一発逆転! ツバメ返し!」
〔バルトール、後退〕
〔バルトールがいた地点に爆発〕

エクセレン「うそぉ、それを避けちゃう!? さっきは当たったでしょうに!」
キョウスケ「どういうことだ? 動きが違う……!?」
エクセレン「それどころか、スピードアップもしてるわよ!」
ブリット「……!」
カイ「ゴースト1より各機へ! この様子じゃ、援軍は期待できん。俺達で奴らを仕留めるぞ!」
キョウスケ「了解……!」

<敵1機撃破or敵増援1出現の次PP・味方援軍2出現>
カイ「さっきのバルトールと手応えが違う。どういうことだ?」
キョウスケ(これはスピードだけの問題じゃない……こちらの手の内を読まれている……?)
ブリット「あ……!」
エクセレン「どうしたの、ブリット君?」
ブリット「同じだ……同じなんです! 模擬戦で戦ったミロンガと!」「あれも途中からこちらの動きを読み、モーションデータを更新してきました!」「しかも、全機一斉に……機体状態の差異まで瞬時に調整して!」
カイ「モーションデータのリアルタイム更新なら、既存のTC-OSでもやっているが……それ以外となるとな」
キョウスケ「次期主力機の名はダテではない……ということか。そうなると、少佐……」
カイ「ああ。あのまま能力が上がっていくとしたら、並のパイロットには太刀打ち出来んぞ」
エクセレン「並以上で、かつ色々大盛りのつもりだけど……このままじゃ、ちょいキツいかも」
ブリット「くそっ! ここで時間を取られている場合じゃないのに……!」
〔プログラムの動作音〕
カイ「! この反応は……」
〔味方戦艦出現〕
〔味方ユニット出現〕

エクセレン「わお! ハッガーネ!」
テツヤ「スティール2より各機へ! バルトールを撃破せよ!」
ヴィレッタ「了解」
リュウセイ「いきなり新型同士で対決することになるなんて……!」
イルム「嫌な予感が的中したな。もっとも、これほどわかりやすい形で行動を起こすとは思ってなかったが」
リオ「バルトールに隠された秘密って、このことだったんでしょうか?」
イルム「いや、これは発端に過ぎないさ。多分な」
ヴィレッタ「各機へ。バルトールは味方の識別信号を出している。それに惑わされないで」
リュウセイ「了解! ブリット、新型の相手はこっちに任せろ!」
ブリット「すまない、頼むぞ!」
キョウスケ「新型には気をつけろ。敵は間違いなく、こちらの動きを読んで行動している……!」
リュウセイ「よし……! じゃあ、読まれる前に短時間で勝負を決めてやるぜ!」
キョウスケ(問題はどのようにして読んでいるか、その方法だが……今は数で押し切るしかない)
リュウセイ「行くぜ、バルトール! こっちも新型だ、てめえらには負けやしねえぞ!!」
〔リュウセイ、気力上昇〕

≪敵増援1出現後≫
<キョウスケが戦闘>

キョウスケ「エクセレンの攻撃……まぐれで避けられるタイミングではなかった」「どの機体も、こちらの動きを完全に把握している……!?」

≪敵増援1出現後≫
<エクセレンが戦闘>

エクセレン「ハウリング・ランチャーをいきなりかわすなんて、新型ちゃん、凄いじゃなぁい?」「でも、こっちにもプライドってのがあるんだから、今度はそうはいかないのよね!」

<リュウセイが戦闘>

リュウセイ「雁首揃えてのお出迎えと来やがったか!」「てめえらにART-1のパワーを見せてやるぜっ!!」

<ライが戦闘>

ライ「そう簡単に俺の動きを読み切れると思うなよ!」

≪敵増援1出現後≫
<ブリットが戦闘>

ブリット「クスハ達は生きている……! 絶対に死なせはしない!」「だから、そこをどけぇぇっ!!」

≪敵増援1出現後≫
<カイが戦闘>

カイ(ラミア、ゼオラ、アラド、ラトゥーニ……死ぬんじゃないぞ)(教導隊は兵の範となるべき存在だ。どんな状況でもあきらめず、生還を第一に考えるんだぞ……!)

<敵全滅・勝利条件達成>
エイタ「バルトールの反応、消えました」
カイ「これだけのメンツが揃えば、さすがの新型も対抗できんか」
リョウト「………」
リオ「どうしたの、リョウト君?」
リョウト「バルトールの動き……まるで一人のパイロットが全機を操縦しているかのようだった」
リュウセイ「あれに乗ってたのは、ノイエDCの残党かよ?」
ライ「いや、トライアルに関わっていた軍人か……」「ミロンガやバルトールの開発に携わっていた者達と考えるのが妥当だろう」
リュウセイ「じゃあ、なんで会場を襲ったんだ?」
ライ「披露式典の阻止……いや、その線はないか」
リオ「ねえ、ブリット君。クスハは一緒じゃないの?」
マイ「それにラトゥーニ達は……?」
ブリット「そ、それは……」
〔警報〕
エイタ「艦長! 伊豆基地がバルトールの襲撃を受けているそうです!」
テツヤ「な、何だと!?」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

地球連邦軍極東方面軍 伊豆基地

伊豆基地内
マウロ「ま、待て! 私は何も知らん! まさか、バルトールがあのような……!」
???(刺客)「……依頼主から伝言がある」
マウロ「!?」
???(刺客)「これが“最上級のお仕置き”だとな」
マウロ「! い、依頼主はあの女か!?」
???(刺客)「………」
マウロ「待て! 私は本当に知らなかったんだ! 全ては奴が! ユルゲンが……!!」

伊豆基地 滑走路上
ギリアム「……伊豆基地がこの有り様とはな。ここを襲撃したバルトールは?」
情報部員「3機撃墜しましたが……残り15機はロストしました」
ギリアム「バルトールに拉致された人数は?」
情報部員「ざっと100名…… 大半がハンガーにいた整備員やパイロット達です」
ギリアム「そうか……。本部ビルの方は?」
情報部員「そちらの被害はほとんどありません。ただ、指揮系統はかなり混乱しています」
ギリアム「マウロ・ガット准将は、こちらに来ているのだな?」
情報部員「ええ。本部ビルへ行っていたはずですから、おそらく無事かと」
ギリアム「では、彼の所へ行くぞ」
情報部員「はっ」

伊豆基地内
〔扉の開閉音〕
ギリアム「むっ?」
情報部員「マウロ准将が……!」
ギリアム「一足遅かったか……」
情報部員「……死後、1時間ほど経っているようですね」
ギリアム「バルトールがここを襲う前か……。死因は?」
情報部員「毒物と思われます。自殺でしょうか?」
ギリアム「それはどうかな」(今回の件……バックにいるのは、イスルギだけではないかも知れん)(そして、現在活動中のバルトールが我々の目を欺くための囮だとしたら……)「……私はラーダ・バイラバンと共にハガネと合流し、大連へ向かう」
情報部員「では、ウォン重工業の本社へ?」
ギリアム「ああ、新たな手がかりを得るためにな。……もっとも、すでに手遅れかも知れんが」

日本 東京地区・晴海
ハガネ

ハガネ ブリーフィングルーム
リオ「……ブリット君……負傷者や避難した人達の中に、クスハやアラド達はいなかったわ」
ブリット「じゃ、じゃあ!?」
イルム「……バルトールに拉致られたか」
リオ「……おそらく……」
リュウセイ「くそっ……! バルトールに乗ってた奴は何者で、何が目的なんだ!?」
ブリット「俺達が……もっと早く晴海にたどり着いていれば……!」
キョウスケ「ブリット、起きてしまったことを後悔しても始まらん。おれ達がすべきことは……」
ブリット「わかっています。敵の目的を明らかにし、その上でさらわれた人達を救出することです」
エクセレン「わお、言うようになったじゃなぁい? これも私の蜂蜜授業のおかげね」
ブリット「……そんな甘いものではありません。自分だって軍人ですから……やるべきことは、弁えているつもりです」
〔扉の開閉音〕
ヴィレッタ「撃墜したバルトールの収容が完了したわ。今からリョウトがコックピットの中を調べるそうよ」
イルム「了解。中に乗っている奴の顔を拝むとするか」
キョウスケ「ええ」

ハガネ 格納庫
テツヤ「……妙だと?」
リョウト「ええ。機体内部から生体反応が検出されていて、中に人がいるのは確実なんですが……」「コックピット部分にハッチがないんです。いったい、どうやって乗り込んだのか……」
エクセレン「リョウト君、頭が固いわよ? パイロットが乗り込んだ後で、ハッチを溶接……これで謎は全て解決よん」
キョウスケ「無理矢理解決するな。乗り込む度に溶接される機体など、聞いたことがない」
エクセレン「ま、トイレにも行けなくなるしね」
リョウト「………」「……いえ。エクセレン少尉が仰ったことは、あながち間違いではないかも知れません」
リオ「えっ……?」
アヤ「中のパイロットと話は出来ないの?」
リョウト「何度も試みてますが、全く応答がないんです」
ブリット「じゃあ、強引に開けるしかないか」
リョウト「うん……中の状態を確認するためにもね」
テツヤ「許可する。だが、くれぐれも中のパイロットを傷つけないよう気をつけてくれ」
リョウト「了解です。では、レーザートーチを使います」
〔レーザートーチの動作音〕
リョウト「切開完了です」
〔ハッチの開く音〕
〔液体の流れる音〕

リオ「! み、水が!」
イルム「何かの溶液か!?」
リュウセイ「お、おい! 中を見ろ!!」
リオ「ひ、人が……組み込まれてる……!」
ヴィレッタ「ああ……機械の中に、な」
アヤ「ひ、ひどい……!」
イルム「パイロットじゃなく、パーツってことか。確かに、これじゃハッチは要らんわな」
リュウセイ「これ、何なんだ……!? いったい、何なんだよ!?」
〔扉の開閉音〕
ギリアム「……ODEシステムだ」
【シナリオエンドデモ終了】


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