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No.13A
崩壊する理想

【シナリオデモ開始】
シュウ「……アーマードモジュールの量産は順調のようですね」
エルザム「ああ、生産ラインの稼働率が上がっているのでな」
シュウ「それは結構」
エルザム「ところで、グランゾンの方は?」
シュウ「単独行動テストの結果は良好……。順調ですよ、ユルゲン博士のプロジェクトとは違ってね」
エルザム「……もう耳に入っていたか」
シュウ「ええ、ビアン博士から聞きました。もっとも、コッホ博士の横槍が入らずとも結果は同じでしょうが」
エルザム「何故、そう思う?」
シュウ「現状のODEシステムには、矛盾があるからです」
エルザム「何……?」
シュウ「そして、ユルゲン博士はそれを解決することが出来ないでしょう……」「彼が良心を捨て去らない限りはね」
エルザム「………」

クロガネ 艦長室
レーツェル「………」(あの時、シラカワ博士が言った矛盾とはいったい……)(そして、ユルゲン博士が良心を捨て去れば、何が起きると言うのだ……?)

ハガネ ブリーフィングルーム
ラーダ「……先程、バルトールに封入されていた人物の身元が判明したわ」「名前はジジ・ルー……ウォン重工業のエンジニアで、ゲシュタルトの開発スタッフよ」
ブリット「じゃあ、やっぱりあの時の……」
アヤ「会ったことがあるの?」
ブリット「ええ、アビアノで」
ギリアム「……諸君らも知っての通り、ODEシステムは人間を生体コアとし、稼動している」
リュウセイ「そのODEシステムってのは、いったい何なんスか?」
ブリット「ミロンガやバルトールの異常なまでの性能は、そのシステムによるものなんですか?」
ギリアム「その通りだ。ODEシステムは、かつてEOTI機関で研究されていた機動兵器のネットワーク・システムを出発点とする」
テツヤ「EOTI機関……では、今回のテロはDCとも何らかの関係が?」
ギリアム「いや……DCでのODEシステムの開発は、計画半ばで中止されている」「この件については、レーツェルから確認を取った」
ヴィレッタ「では、DC以外の何者かが、ODEシステムを独自に完成させたのね」
ギリアム「ああ。そして、インスペクター事件後、あれをウォン重工業にもたらした者がいる」
〔モニターの開く音〕
ユルゲン「………」
エクセレン「あらん? 思ってたより人の良さそうなオジサマじゃなぁい?」
ギリアム「ヴィルヘルム・V・ユルゲン博士。かつてEOTI機関……そして、DCに所属し、ODEシステムを開発した人物だ」
ブリット「この男が全ての元凶か……!」
ギリアム「一概に決め付けは出来ない。何故なら、ODEシステム開発の初期段階では、生体コアなどという概念はなかったからな」
リュウセイ「え……?」
リョウト「ギリアム少佐、ODEシステムについて、もう少し詳しく教えていただけませんか?」
ギリアム「うむ。ODEシステム……オムニ・デンドロ・エンセンファロ・システム。その出発点は……」「AMNシステム……アーマードモジュール・ネットワーク・システムだ」「これは1機のアーマードモジュールが得た戦闘データを迅速かつ正確に他機へ伝達し、さらに複数間の機体で共有するシステムだ」「ODEシステムは、それをさらに発展させたもので、データの更新・最適化に要する時間が大幅に短縮され……」「念動力などの特殊能力者や、強化措置を施されたパイロットでなくとも無人機の同時複数遠隔操作が可能となる」
エクセレン「よく舌を噛まないものねえ、少佐。要約すると……勝手に学んで強くなるお人形ちゃんをいっぺんに操れるってこと?」
キョウスケ「なるほど、晴海で交戦した時、こちらの手の内を読まれているように感じたが……学習されていたということか」
ギリアム「しかも、入力したデータは、別の戦域で行動している機体にまでほぼリアルタイムで伝達される」
ライ「ECCMなどで、ネットワークをかく乱できそうなものですが……」
ギリアム「EAに対するEP策は、様々なパターンで用意されているらしい」
イルム「ODEシステムがそんなに優秀なら、人間を機体に乗せる必要なんてないでしょうに」
ギリアム「そう。本来のODEシステムは、最小限の人員で多数の無人機を制御するためのもの……」「つまり、人的被害を抑えるための極めて効率的、かつ人道的な見地に立ったシステムだったそうだ」
リョウト「でも、テロに使われたバルトールには……」
ギリアム「ああ、“人という部品”が組み込まれている」「コアとなった人間は生きてはいるが、思考・感情が奪われた状態にあり、自律的な生物とは言えない」
アヤ「つまり……死んでいるも同然だと……」
ギリアム「システムから解放されない限りはな。そして、いずれは消耗品として破棄、交換されるだろう」
リュウセイ「それじゃ、最初の目的とは正反対じゃないッスか!」
ギリアム「それこそが、ODEシステムの抱える矛盾だったのかも知れん」
ライ「矛盾?」
ギリアム「AMNシステム、並びにODEシステムはマン・マシン・インターフェイスの追求によりパイロットと機体のリンクを行うが……」「その際におけるパイロットの脳への負担が、最大の問題点となっていたらしい」
ラーダ「事実、DCではODEシステム搭載機の暴走事故が発生したそうよ」
テツヤ「それがプロジェクト中止の理由か」
アヤ「問題が多かったんですね……」
ギリアム「……バルトールとODEシステムのスペックについては、その全てが連邦軍側に伝えられているわけではなかった」「おそらく、次期主力機トライアルの責任者であったマウロ・ガット准将も……」「ODEシステムの最終的な仕様や、今回のバルトール襲撃に関しては、知らなかったと思われる」
ライ「我々は欺かれていたというわけですね……ユルゲンやウォン重工業に」
ギリアム「ああ。そして、ODEシステムは生体コアを導入するという矛盾に踏み込むことで、新たな段階へ進もうとしているのかも知れん」
ライ「………」
リュウセイ「だけど、人間をあんな風にしちまう量産機なんて……!」
ギリアム「生体コアは軍人……機動兵器のパイロットでなくても構わんようだ」
リュウセイ「!」
ギリアム「伊豆基地での戦闘で撃墜されたバルトールの内部にはウォン重工業の一般社員……」「つまり、民間人が封入されていた」
ブリット「そ、そんな! じゃあ、自分達が撃墜したバルトールの中にも……」
ギリアム「いや。全てのバルトールに生体コアが設置されているわけではなさそうだ」「現に、伊豆では3機のバルトールが撃墜されたが、内2機は純然たる無人機だった」
イルム「解せないね、どうも。生体コアにするんだったら、民間人より軍人の方がいいのでは?」
ギリアム「バルトールは、軍事的知識や技術のみならず、様々なデータを集めようとしているのかも知れん」
エクセレン「様々なデータねえ。……恋愛遍歴とか、スリーサイズとかも筒抜けってことかしら?」
キョウスケ「データの意味が違う」
テツヤ「無作為に人間を拉致し、使えるデータを選別するつもりなのか?」
イルム「それじゃ、効率が悪い。人間の拉致そのものが目的なら、軍事施設より民間施設を襲った方がいいのはわかりますが……」「そもそも民間人のデータを集めて、何をしようってんですかね?」
ギリアム「それは……まだ不明だ」「しかし、確実なのは……拉致された人間は、遅かれ早かれバルトールの生体コアにされる可能性が高いということだ」
ブリット「……!」
〔扉の開閉音〕
カイ「艦長、ギリアム。大阪の連邦大学がバルトールに襲撃されたぞ」
テツヤ「!」
ギリアム「また人間が拉致されたのですか?」
カイ「ああ……。バルトールは友軍の追撃を振り払い、逃亡したそうだ」
ギリアム「連邦大学と言えば、極東地区でも五指に入る優秀な大学……効率を上げにかかったか?」
カイ「他にも、バルトールの襲撃を受けた基地や民間施設がいくつかある」
アヤ「………」
リュウセイ「あいつら、いったいどこから来て、どこへ消えやがるんだ……!?」
ギリアム「可能性が高いのは、中国・大連地区にあるウォン重工業の本社……」
ブリット「では、拉致された人達……クスハ達もそこに?」
ギリアム「それを調べるためにも、手掛かりを得るためにも……艦長、ハガネを大連へ向かわせてくれ」
テツヤ「了解です。直ちにケネス少将へ上申します」「なお、パイロット各員はいつでも出撃できるようにしておいてくれ。どこでバルトールと接触するかわからんからな」
ヴィレッタ「了解」
〔扉の開閉音〕
ブリット(待っていてくれ、みんな……。俺達がすぐに行く)
リュウセイ(ラトゥーニ、アラド、ゼオラ、ラミア少尉、クスハ……無事でいてくれよ……!)

ハガネ ブリッジ
ケネス「……貴様に言われるまでもない。すでにパーソナルトルーパー隊をウォン重工業へ向かわせておるわ」
テツヤ「何か情報は?」
ケネス「まだ入ってきておらん。が、今回の首謀者達がそこにおるのは間違いない」「貴様らは直ちに大連へ向かい、バルトール及びその生産工場を破壊せよ。いいな?」
テツヤ「破壊、ですか? 制圧後、調査をした方がいいのでは……」
ケネス「口答えをするな! 黙ってワシの命令に従え!」
テツヤ「……了解です」
ケネス「それと、ギリアム・イェーガーに余計な真似をするなと伝えろ。奴の最近の行動は目に余る」
テツヤ「……では、これより本艦は大連へ急行します」
ケネス「こんな時のために貴様らがいるのだ。工場は徹底的に破壊しろ。以上だ」
〔モニターの閉じる音〕
テツヤ「………」
〔扉の開閉音〕
ギリアム「フッ……俺も随分と嫌われたものだな」
テツヤ「ギリアム少佐……」
ギリアム「気にする必要はない。俺は彼の直属の部下ではないからな」
テツヤ「わかりました。……それにしても、工場を破壊とは……」
エイタ「司令もトライアルには一枚噛んでたんでしょ。証拠隠滅って奴ですかねぇ」
ギリアム「そこまで深く関わっているわけではないようだが……」「自分の管轄下で起きた事件だ。立場的に不利になるものは消去しておきたいのだろう」(下手をすれば、マウロ准将のように自分も消されかねないからな……)
テツヤ「では、少佐。これより本艦は大連へ向かいます」
ギリアム「了解した。……それから、先程テスラ研のタカクラチーフから連絡があった」「彼女は、マサキやリューネ達と共にウォン重工業の本社へ向かっているらしい」
テツヤ「わかりました。エイタ、総員に伝えろ。第2種戦闘配置、これより本艦は大連へ急行する」
エイタ「了解!」

輸送機 コックピット内
ツグミ「みんな、準備はいい? そろそろ遼東半島に差し掛かるわよ」
アイビス「でも、本拠地を消しても、その後には極東各地で暴れているバルトールと戦わなきゃならないんだよね……」
ツグミ「その心配は要らないわ。私達の攻撃目標はODEシステムのマスターコアだから」
マサキ「マスターコア?」
ツグミ「ODEシステムを制御する中枢よ。それをマスターに全てのバルトールがコントロールされているの」
アイビス「そうか……。データを共有して、複数の機体を同時制御するのにはそういう弱点があるんだ」
マサキ「ヘッ、そいつは好都合だぜ。一点突破で勝負をつけられるってのは、俺達の性に合う」
リシュウ「しかし、油断はならん。逆に敵にとっては、その一点の守りに全てを集中すれば良いのじゃからな」
シロ「つまり、強敵が待ちかまえてるかも知れニャいってこと?」
リシュウ「うむ」
マサキ「心配するなって、爺さん。こっちには奴らにとって天敵のサイフラッシュとサイコブラスターがあるんだ」「群れて出て来やがったら、一発ドーンとブチかましてやるさ」
リシュウ「それは構わんが……使い所を間違えるでないぞ」
マサキ「ああ、わかってるよ。……ところで、ツグミ。あんたに聞きたいことがあるんだが」
ツグミ「何かしら?」

輸送機・機内
リューネ「ねえ、セルシア……本気なの?」
セルシア「はい。私もヴァルシオーネに乗せて下さい。……ご迷惑でなければ」
リューネ「あたしはいいんだけどさ……。あのカイルってのを説得するんなら、輸送機からでも出来るんじゃない?」
セルシア「いえ……それでは、私の言葉は届かないと思います」「カイルは自分の目的のために命を懸けている……ですから、私も同じ覚悟で臨まなければなりません」「だから、リューネさん……私もヴァルシオーネに乗せてください」
リューネ「わかったよ。そこまでの覚悟ができているんなら、もうあたしは止めないよ」
セルシア「ありがとうございます」
〔扉の開閉音〕
マサキ「それで自分の罪を償うつもりなのかよ? 甘いもんだぜ」
セルシア「マサキさん……」
リューネ「マサキ、セルシアは本気で自分のやったことを後悔して……」
セルシア「いいんです、リューネさん。こんなことで、自分の過ちが償えるとは思っていませんから……」
マサキ「………」
セルシア「でも、誰かに許しを請うためではなく、私は私自身のためにカイルを止めたいんです」「ユルゲン博士を信じ、ODEシステムの開発に関わった自分のためにも……」「そして……ダイアンの死に報いるためにも……」
マサキ「………」
セルシア「罰は受けます。でも、その前に私は……」
マサキ「……勝手にしろよ。ただし、リューネの荒っぽい操縦にあんたが耐えられるってんならな」
リューネ「マサキ……いい加減にしなよ」
マサキ「俺に文句を言う暇があったら、こいつをヴァルシオーネのコックピットにつけるのを手伝え」
リューネ「何これ?」
マサキ「身体を固定するためのハーネスだ。これがありゃ、少しはマシだろうさ」
リューネ「マサキ、あんた……」
セルシア「ありがとうございます、マサキさん。私のために……」
マサキ「か、勘違いすんなよ。こいつは、あんたがビビって逃げ出さないためのものだからな」
クロ「もう。マサキったら、素直じゃニャいんだから」
シロ「さっき、ツグミに聞いてそれを持ってきたのに」
マサキ「る、るせえ! 適当なこと言ってんじゃねえ!」
リューネ「はいはい。じゃあ、セルシアが逃げ出さないようにハーネスを取り付けようね」
マサキ「お、おい。リューネ。そんなにくっつくんじゃねえよ」
リューネ「いいから、いいから。今日はあたし、頑張っちゃうからね!」
〔扉の開閉音〕
セルシア(ありがとうございます、マサキさん……)(あの日……エアロゲイターが私の街を襲った時……)(死を待つばかりだった私を救ってくれたのは、ハガネの部隊と……サイバスターでした……)(夜空を照らしたサイフラッシュの光……私は死の恐怖も忘れ、それに魅入られました……)(そして、思ったのです。自分も誰かを救える存在になろうと……)(あなたやリューネさん達がくれた最後のチャンス……。私は無駄にしません……)(カイル……私はあなたを止めるわ……。それが私の戦い……)
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「崩壊する理想」


【戦闘マップ開始】
〔敵ユニット出現済み〕
所属不明兵「カイル、こちらへ急速接近中の物体群を感知した」
カイル「連邦軍か?」
所属不明兵「違うようだが、我々にとって敵であるのは確実だ。バルトールに迎撃させるか?」
カイル「いや、ここまで来させろ。その方が都合がいい」
所属不明兵「了解した」
ムラタ「フン……先程のヒュッケバイン部隊より手応えのある相手だといいがな」
カイル「まったくだ」
ムラタ「……一つ聞いておこう。お前達やユルゲンは、いずれバルトールの生体コアとなるつもりか?」
カイル「いや。全員が全員、そうなるわけにはいかん」「マスターコアに何かあった場合、対処できなくなるからな」
ムラタ「………」
所属不明兵「カイル、敵機が侵入してくるぞ」
〔味方ユニット出現〕
アイビス「すごい敵の数……!」
マサキ「やっぱり、ここが敵の本拠地か!」
リシュウ「……ムラタもおるようじゃの」
ムラタ「ほう……。老いぼれめ、ここまで来るとはな」
リューネ「大丈夫、セルシア?」
セルシア「は、はい。マサキさんが用意してくれたハーネスもありますし……」「私のことは気にせず、戦って下さい」
リューネ「わかったよ。でも、絶対にあんたを守ってみせるからね!」
〔通信のコール音〕
ツグミ「カイル・ビーン! ここにODEシステムのマスターがあることはわかっています!」「速やかに投降して、ODEシステムの全てを停止させなさい!」
カイル「エンジニア風情が居丈高と。それに執念深いな……わざわざこんな所まで来るとは」
リューネ「よく言うよ。執念深いのは、あんた達の方じゃないのさ」
カイル「地球圏を侵略者から守るためだ。そうもなるさ」
セルシア「もうやめて、カイル」
カイル「ほう……セルシア、お前まで来ていたか」
セルシア「カイル……民間人まで生体コアにするODEシステムは、間違っているわ」
カイル「フン……要はバランスの問題だ」「99人の犠牲で1人が助かれば、結果としては100人が全滅するよりマシだからな」
アイビス「そんな机の上での計算なんて意味がないよ!」「誰かの命や夢を奪うことで成り立つ平和なんて……そんなのおかしいよ!」
マサキ「やめな、アイビス。あいつらは、自分らのご大層な理想や理屈に酔ってやがる……」「だから、他人の命を部品にするような真似が出来るんだ」
カイル「ただの部品じゃない……地球圏の守護者の一部になるのさ」
マサキ「屁理屈を言ってんじゃねえ!」「セルシア! あんたはあんたの戦い方をしな! 俺は俺のやり方でやるぜ!」
セルシア「わかりました、マサキさん」
ムラタ「カイル、グルンガスト零式の相手は俺に任せてもらおう」
カイル「あの老人のデータは使える。殺すなよ」
ムラタ「…………承知した」(やはり、こやつらは……)
ツグミ「各機へ! 敵にODEシステムがある以上、長期戦はこちらに不利よ!」「相手がこちらのデータを収集する前に勝負をつけるわ!」
マサキ「要するに、速攻で向こうの頭を落とせばいいんだな?」
リューネ「頭……カイルのミロンガだね」
セルシア「………」
アイビス「やってみる……! いや、やってみせるよ!」
カイル「来るがいい。貴様らもODEシステムの生体コアにしてやる……!」
<戦闘開始>

≪味方援軍1出現前≫
<アイビスvsカイル>

アイビス「生体コアにされた人達にだって、それぞれの生き方があるのに! それを勝手に奪うなんて!」
カイル「彼らは人柱だ。平和を守るための尊い犠牲なのだ」
アイビス「そんなやり方で得た平和に何の意味があるのよ!」「あたしは認めない! 人の幸せや夢が、誰かに勝手に奪われるような世界なんて!」

≪味方援軍1出現前≫
<マサキvsカイル>

マサキ「てめえらの計画もここまでだ! 観念しやがれ!」
カイル「ここまで、だと?」「くくっ、ここまでなものか……これからなんだよ、俺達は!」

≪味方援軍1出現前≫
<リューネvsカイル>

セルシア「カイル! 今のODEシステムは間違っているわ!」
カイル「黙れ、セルシア! あと少しで我々の理想は実現される! その邪魔はさせんぞ!」
リューネ「自分を想ってくれる人の気持ちがわかんないような奴に、地球の平和が守れるもんか!」「あんたの性根、ヴァルシオーネで叩き直してやるよ!」

<4PP・味方援軍1&敵増援1出現>
カイル「フン、奴らも学習能力が高いようだな」「益々欲しくなったぞ、お前達という生体コアが」
マサキ「誰がそんなもんになるか!」
ツグミ「マサキ、ハガネが来てくれたわよ!」
〔味方戦艦出現〕
〈出撃準備〉
ツグミ「これで一気に形勢逆転ね」
テツヤ「これだけの戦力が結集しているとは……やはり、ここが敵の中枢か?」
リュウセイ「無事か、みんな!?」
マサキ「ああ。あの程度の相手にやられるかよ」
シロ「でも、ハガネが来てくれて良かったニャ。おいら達だけじゃ、危ニャかったし」
カイル「ハガネか……! テスラ研の時と言い、タイミングに恵まれていないな」
ブリット「あいつらが首謀格か!」
リオ「ラミアさんやアラド達はここにいるの……!?」
ライ「いや、彼らのPBS反応はない。それに、バルトールや施設内から生体反応が検出されていない」
リオ「じゃ、じゃあ……!」
ライ「拉致された人々は、別の所にいるようだ」
ギリアム「ここにいる連中の目的は……我々のような存在を誘き寄せることだったのかも知れんな」
テツヤ「だが、何らかの手掛かりはあるはず。各機、攻撃を開始せよ!」
カイル「……今のODEシステムでは、奴らの全てを“学習”する前にこちらがやられかねん」「ならば……!」
〔敵ユニット出現〕
アイビス「バルトール! まだこれだけの数がいたの!?」
ブリット「だが、ODEシステムが相手だろうと、俺達が力を合わせれば、勝てる!」
アヤ「私達には、共に多くの戦いをくぐり抜けた絆があるわ」
イルム「それぞれの連係によるコンビネーション攻撃はそれこそ無限だ。その全てをデータ化は出来んさ」
エクセレン「みんなやる気満々ちゃんね。私とキョウスケのコンビネーションも無限だってこと、見せるわよん?」
キョウスケ「……ランページしかないぞ。読まれるんじゃないのか?」
カイル「だが……貴様らも無事では済まんぞ」
〔緊急シグナル〕
エイタ「艦長! 工場の地下部ジェネレーターらしき物から異常熱源反応が!」
テツヤ「何っ!?」
エイタ「このままでは、ジェネレーターが爆発する恐れがあります!」
テツヤ「くっ! 証拠隠滅を図る気か!?」
ギリアム「どのみち、データ類は消されているだろうが……」「工場内に爆発物が設置されていれば、この辺り一帯が吹き飛ぶかも知れん」
テツヤ「エイタ、臨界点突破までの時間を予測しろ!」
エイタ「了解!」
セルシア「カイル、あなたは……自分の味方を巻き込んでまで……!?」
カイル「目的を果たすためなら、何だってやってやるさ」「犠牲が生じることに罪悪感はない。ユルゲン博士の計画が成就すれば……」「そんな感情など、必要なくなるのだからな」
セルシア「えっ!?」
リョウト「どういうことなんだ……!?」
ギリアム「………」
マサキ「………」
〔緊急シグナル〕
シロ「マ、マサキ! この反応!!」
マサキ「何だ!?」
シロ「グ、グ、グ……!」
〔味方ユニット出現〕
シロ「グランゾンだニャ!!」
マサキ「……!!」
カイル「ば、馬鹿な……! あの男が、何故ここに!?」
マサキ「シュウ! てめえ、何をしに来やがった!?」
シュウ「マサキ……テスラ研では上手くやったようですね」
マサキ「……ああ。てめえが言った通りだったぜ」
リューネ「どういうこと……!?」
クロ「ある日、シュウが連絡してきたニャ。地上で混乱が起きるって……」
シロ「そして、それを防ぎたかったら、テスラ研へ行けって……」
カイル「シュウ・シラカワ……何故、俺達の計画に気づいた?」
シュウ「ユルゲン博士の計画を快く思っていない人物がいましてね。私に情報を提供してくれたのですよ」「それに、あなた達のバックにいる者達は、私にとって少々厄介な存在でしてね」
カイル「貴様も、俺達を……!」
シュウ「私はただ、“矛盾点”を克服したユルゲン博士の研究成果を、この目で確かめたいだけです」「結果的に、あなたには死んでいただくことになるかも知れませんが」
カイル「………」
マサキ「シュウ、てめえは……!」
シュウ「敵は同じだと言うことですよ。……今の所はね」
マサキ「………」
エクセレン「シュウちゃんってば、ここ最近、すっかりお助けキャラが定着してきたんじゃなぁい?」「今までの行いを反省して、教会にザンゲでもしに行って……上から水でもかけられたとか?」
イルム「奴が教会に行くようなタマか」
エクセレン「ノンノン、意外と信心深かったりするのよね、ああいうタイプって」「どんな神様を信じてるのかしらん?」
シュウ「少なくとも、あなたが考えているような神ではありませんよ」
エクセレン「じゃ、ロマンスの神様とか、代打の神様じゃないってことね」
シュウ「………」
カイル「サイバスターにヴァルシオーネ、ハガネ……そして、グランゾン……」「フ、フフ……フフフ……“捨てる”時が……来たか」「ODEシステムがさらなる成長を遂げるために……!」
シュウ「では、あなた方があのシステムを本当に完成させたかどうか確認させてもらいましようか」
カイル「ふざけるな! 俺達は、あの時の失敗や屈辱を乗り越え、ここまでやって来た!」「DCや連邦軍でなく、俺達自身が地球圏の守護者となるためにな!!」「さあ、ミロンガよ! ODEシステムよ! 俺の全てを貴様にくれてやる!!」
〔画面、発光〕
〔カイル、精神コマンド「ド根性」「必中」「ひらめき」「集中」「覚醒」使用〕

カイル「う、うぐっ! うがあああ!!」
リューネ「セルシア、何が起きてんの!?」
セルシア「おそらく、システムとのリンクレベルを最大にしたのでは……!」
リューネ「そしたら、どうなるの!?」
セルシア「今のカイルは、ODEシステムの生体コアになったも同然……」「彼は、自分の命と引き換えにミロンガの性能を……」
カイル「くっ……くふ、ふふふ……! これで……奴らを……!」
セルシア「もうカイルは……」
エイタ「計算の結果が出ました! 臨界点突破まで、あと3分です!」
ギリアム「どうする、艦長?」
テツヤ「ここであのバルトールを食い止めなければ、被害がさらに広がることになる……!」「各機、あと3分で出来うる限りの敵機を落とせ!」
エクセレン「たった3分!? 限界バトルもいいとこじゃない!?」
キョウスケ「しかも、ODEシステムはフル稼働か。……厄介だな」
マサキ「聞いたな、セルシア! 俺達はカイルを倒すぞ!」
セルシア「……わかりました」
リューネ「セルシア……」
セルシア「もう言葉が届かないなら、物理的に彼を止めるしかありません……」「ODEシステムはユルゲン博士を……カイルを変えてしまった……」「お願いです、リューネさん……彼の心を救ってあげて……」
リューネ「……わかったよ、セルシア」
ムラタ「………」
リシュウ「ムラタ、お主は逃げぬのか? ODEシステムとやらの糧になるつもりか?」
ムラタ「そこまでの義理はない。だが、貴様が繰り人形となる前に……」「斬る」
リシュウ「剣は交われども、道は交わらず……か」「ならば、お主の剣を折ることがワシの折伏と知れい」
ムラタ「我が剣は未だ無明……斬って斬って斬り抜いた後に修羅の悟りがあるはず」
リシュウ「そのような悟りを開いてどうする? 闘神にでもなる気か?」
ムラタ「人機を斬り続けた先にそれがあるのならばな」
リシュウ「ならば、打と意地を以って、お主の歪んだ性根もろとも断ち斬るのみよ……!」
カイ「全機、攻撃開始! カイルのミロンガとバルトールを叩き落とせ!」

<味方援軍1出現の次PP>
エイタ「臨界点突破まで、あと2分!」
アイビス「負けられない……! 人間を部品にするODEシステムなんて、許しちゃいけないんだ!」
カイル「貴様ら……には……無理……だ!」
マサキ「黙れ! 確かに人間には出来ること、出来ないことがあるがよ……!」
リューネ「あんたみたいな人間は絶対に止めてみせる! あたし達の力でね!」

<味方援軍1出現の2ターン後PP>
エイタ「臨界点突破まで、あと1分!」
カイ「バルトールを他の地区へ行かせるわけにはいかん! 急いで撃墜しろ!」

<味方援軍1出現の3ターン後PP>
エイタ「臨界点突破! ば、爆発します!!」
テツヤ「くっ! 失敗か!!」
(→ GAME OVER

<キョウスケvsカイル>
キョウスケ「……気にいらんな」
カイル「俺のやり方が……か? 甘いな……貴様」
キョウスケ「人間を部品として使うその機械がだ。……使われているお前に興味はない」
カイル「俺が……使われているだと……!? 貴様……!」

<エクセレンvsカイル>
エクセレン「気概は認めるけど……やり方がちょっと、ね。さらったラミアちゃん達は無事?」
カイル「あの女は……ODEシステムにとって福音……使わせて……もらう……!」
エクセレン「……使う、ね。あの娘を再び人形として? そんなことは許さないから……!」

<リュウセイvsカイル>
リュウセイ「てめえ! ラトゥーニやアラド達もODEシステムのコアにする気かよ!?」
カイル「そう……だ。地球を守るために……戦いは……本懐のはず……」
リュウセイ「戦いってのは自分の意思でやるもんだ! 誰かに強制されるもんじゃねえ!」「人間を戦争の道具にするお前達みてえな連中を、俺は絶対に許さねえ!」

<マイvsカイル>
マイ「ラトゥーニやゼオラ達はどこにいる……!?」
カイル「知った所で……どうすることも出来ん……! 無理……だ……」
マイ「それを決めるのはお前じゃない……! 友達を助けるために、私は全力で戦う!」

<ブリットvsカイル>
ブリット「さらわれた人達は、クスハはどこにいる!?」
カイル「答える必要は……ない……。奴らは……守護者になる……」
ブリット「バルトールに乗せられてか! そんなことは絶対にさせない!!」

<カイvsカイル>
カイ「守るべき市民を戦いに使うとは、本末転倒もはなはだしい!」
カイル「一握りの……軍人ではなく……多くの人間で……世界を守る……それが俺達の……」
カイ「黙れ! 俺は軍人として、そんな世界は否定する! 戦いは俺達の仕事だ!」「そして、返してもらうぞ! 守るべき対象と俺の部下達をな!」

<ラーダvsカイル>
ラーダ「人の心や想いを踏みにじり、強制的に戦う道具として仕立てる……」「そんなシステムの存在を私は許すわけにはいかない……!」
カイル「知ったような……口を……!」
ラーダ「私はあの人に託された……アラド達のことを」「だから、あなた達を止め、必ずあの子達を助け出してみせる!」

<ギリアムvsカイル>
ギリアム「一刻も早く、マスターコアの在り処を突き止めねば……!」
カイル「お前達には……無理だ……」
ギリアム「俺は諦めが悪い方でな。そう……お前以上に」「必ずユルゲン博士を止めてみせる。お前が守ろうとする世界のためにな」

<リシュウvsムラタ>
リシュウ「無明と言うたな、ムラタ。修羅道の先に光明を見出せると思うてか」
ムラタ「光明などあるはずがない。剣士は所詮人斬り。目指すべきは禅でなく、修羅の境地よ」
リシュウ「それこそが剣の無明長夜。お主は欲のままに、快楽のために剣を振るっておるだけじゃ」
ムラタ「元より承知」
リシュウ「未熟な者ほど、みだりに剣を抜く」
ムラタ「何……!?」
リシュウ「抜かぬ剣こそ最強と知れ」
ムラタ「俺の目の前で剣を振りかざす貴様に言えることか!」
リシュウ「ワシもまた、無明に在る者よ。未熟者よ……」「故にお主を斬り、己を斬る。世の乱れを正し、自らの魂を鍛えるためにな……!」

<ムラタ撃破>
ムラタ「うぬっ……! 俺に焦りがあったと言うのか!?」
リシュウ「進退窮まったな、ムラタ。観念せい」
ムラタ「この身を刃が貫かぬ限り、それは有り得ん……!」
マサキ「負け惜しみを言いやがって!」
ムラタ「勘違いするなよ、小僧。俺の目的は、勝つことではない。斬ることだ」
クロ「どっちにしたって、負け惜しみニャ!」
ムラタ「修羅道を往くためならば、怪猫の誹りにも耐えよう! さらばだッ!」
〔敵ユニット離脱〕
リシュウ「ムラタよ……。修羅の道の先にあるものは、破滅ぞ……」

<カイル撃破・勝利条件達成>
カイル「ぐふっ! がはぁっ!!」
セルシア「カイル!!」
カイル「お、俺は……まだ……!」
シュウ「フッ……見せていただきましたよ、ユルゲン博士の研究成果を」「おかげで彼の最終目的がわかりました」
カイル「だ、だが、もう手遅れだ!」「バルトールはすでに動き出している! 止めることなど出来ん!」
シュウ「そうでしょうか」
カイル「な、何……!?」
シュウ「私がこれ以上手を下さずとも、ユルゲン博士の計画は潰えますよ」「ODEシステムでは制御不可能な“規格外の存在”によって」
カイル「規格……外……」
シュウ「それが何なのか、あなたはよくご存知のはずです」
マサキ「………」
リューネ「………」
アイビス「………」
カイル「ふ、ふふふ……奴らとて駒の一つに過ぎんさ……。いずれは俺と同じ運命を……」
〔カイルに爆発〕
カイル「ぐあっ!!」
シュウ「あなた方は初手で仕損じました。いずれユルゲン博士もそのことを思い知るでしょう」
カイル「ば、馬鹿な……!」
セルシア「カイル!!」
カイル「セル……シア……」「俺が……間違っていたというのか……」「俺が……間違っ……て……」
〔敵ユニット撃破〕
セルシア「カイルゥゥゥゥゥッ!!」
※※まだムラタ健在の場合、セリフ追加※※
リシュウ「進退窮まったな、ムラタ。 観念せい」
ムラタ「この身を刃が貫かぬ限り、 それは有り得ん……!」
マサキ「負け惜しみを言いやがって!」
ムラタ「勘違いするなよ、小僧。 俺の目的は、勝つことではない。 斬ることだ」
〔敵ユニット離脱〕
マサキ「あいつ!!」
カイ「追うな、マサキ! 今は……」

シュウ「………」
マサキ「シュウ、てめえ……!」
シュウ「私に構っている暇などないはずです。ここから脱出し、バルトールを阻止しなければ……」「あなたの友人達を救うことが出来ませんよ?」
マサキ「……!」
シュウ「理解できたようですね。それでは、ご機嫌よう」
〔味方ユニット離脱〕
〔警報〕

エイタ「艦長! まもなくジェネレーターが臨界点を突破します!」
テツヤ「スティール2より各機へ! 直ちにこの空域から離脱せよ!」
〔味方戦艦&味方ユニット離脱〕
〔アイビス&マサキ&リューネ、前進〕

リューネ「……これでいいんだね、セルシア?」
セルシア「すみません、リューネさん。こんな危険なことに付き合ってもらって……」
リューネ「気にしないでよ。あたし、結構スリルを楽しむタイプなんだ」「それより、急ぎなよ。本社のメインコンピュータにダイレクトアクセスするんでしょ」
セルシア「はい……!」
ツグミ「フォローするわ、セルシア。ここまで来たら、乗りかかった船だもの」
マサキ「大丈夫か、アイビス? ブルってんじゃねえか?」
アイビス「マ、マサキこそ! あたしはツグミのパートナーなんだから残らなくちゃ!」「あ、あんたこそ関係ないんだから、早く行きなよ!」
マサキ「サイバスターのスピードなら、爆発が起きたって逃げられらぁ」
シロ「そ、それは幾らニャんでも無理ニャ!」
マサキ「とにかく! 俺にはセルシアがやることを見届ける義務があるんだよ!」
リューネ「へへ……あんたのそういうとこ好きだよ、マサキ」
セルシア「ありがとうございます、皆さん……」
〔端末の操作音〕
セルシア「もう少し……! あと少しで機密情報のプロテクトが解除できる……!」
ツグミ「でも、これ以上の試行は時間が足りない……!」
〔通信のコール音〕
ツグミ「サポートプログラムが送られてくる……! これは……!?」
フィリオ「あきらめては駄目だ、ツグミ。僕も手伝うから」
ツグミ「!!」
アイビス「フィリオ!」
〔アクセス音〕
セルシア「プロテクト、解除! これで……!」
クロ「早く! 早く逃げるニャ!!」
マサキ「よし! 離脱するぞ!!」
〔味方ユニット離脱〕
〔マップ上に爆発〕
〔画面、発光〕

【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

ハガネ ブリッジ
ジョナサン「危ないところだったな、少佐」
テツヤ「ええ。まさか、あのような手を使ってくるとは……」「あれはカイル・ビーン……いえ、ユルゲン博士の意志によるものだったのでしょうか?」
ギリアム「そう見て間違いないだろうな」
ジョナサン「私はユルゲン博士と面識はないが、彼について調べてみた所……」「EOTI機関へ入る前は、ドイツの連邦大学で教鞭を執っていて……学生達から慕われていた温厚な人物だったようだ」
テツヤ「DC戦争後の彼の動向は?」
ギリアム「それについては、現在調査中だ」
ジョナサン「私の方でも引き続き調べておくよ」
テツヤ「しかし、カザハラ博士……あなたとフィリオ少佐のサポートのおかげで、貴重な情報を入手することができました」
ジョナサン「私はフィリオを連れて来ただけに過ぎんよ。彼がどうしても行くと言ってね」
フィリオ「すいません、カザハラ所長。また僕のわがままに付き合っていただいて」
ジョナサン「君の想いは理解しているつもりだ。それに、わがままを聞くのは慣れっこでね。特に息子の」
イルム「そりゃこっちの台詞だぜ。やれ雰囲気のいい店を教えろだの、やれデートスポットの情報をよこせだの……」「仕事関連ならともかく、どうでもいい頼み事までしてきやがって」
ジョナサン「それはまあ……コミュニケーションの一環という奴だ」
イルム「誰とのなんだか」
フィリオ「……何にせよ、カザハラ所長には感謝しています」
ツグミ「フィリオ少佐……」
フィリオ「心配しなくてもいい、タカクラチーフ。自分のことは自分が一番わかっているから」「それに僕はどうしても知りたいんだ。ユルゲン博士の心を……」
ギリアム「心?」
フィリオ「ええ。……僕はDCでアーマードモジュールの開発に携わっていました」「結果として、僕の研究はDC戦争を激化させた要因の一つと言えます」
ツグミ「フィリオ……、それは……あなたの責任ではないわ」
フィリオ「ありがとう、ツグミ。でも、僕は自分のやったことを自分なりのやり方で償いたいと思っている……」「そして、誰かが僕と同じような過ちを犯そうとするならそれを止めたいんだ」
ギリアム「ユルゲン博士とODEシステムもそうだと……?」
フィリオ「ええ。艦長……僕もハガネと同行を希望します。少しくらいはお役に立てると思います」
テツヤ「それはこちらとしてもありがたい話ですが、我々は次の行動の目処が立っていない状態でして」
フィリオ「それでしたら、もうすぐセルシアのデータ解析が終了します。これで何らかの手がかりが得られるでしょう」
〔データの受信音〕
エイタ「艦長、インテリジェンス・センターのセルシアさんから解析結果が送られてきました」
テツヤ「よし、こちらへ回してくれ」
〔モニターの開く音〕

ツグミ「これは……宇宙プラント……!?」
イルム「こいつは……何というか、お仕置きされそうな形だねぇ」
ギリアム「あれはスカルヘッド……」
テツヤ「ご存知なんですか、少佐?」
ギリアム「ああ。DC戦争以前、EOT特別審議会が極秘裏に建設させていた宇宙プラントでな」「連邦軍、DC、コロニー統合軍はその存在を知りつつも掌中に収めることが出来なかったのだが…」「先の大戦でインスペクターが占拠し、自軍のプラントとして利用していた」
テツヤ「そんなことが……」
ギリアム「そして、インスペクター事件後、スカルヘッドの所在ポイントが判明し、連邦軍が接収」「イスルギ重工とウォン重工業によって修復作業が進められていた」
イルム「嫌なつながり方だな……。少佐、スカルヘッドの位置はわかるんですか?」
ギリアム「だいたいはな」
イルム「どういうことです?」
ギリアム「数日前、スカルヘッドはステルスシェードの耐久テストを行った」「だが、期日を過ぎてもそれが続行されている。おそらく、所在ポイントを変えるために……」
イルム「つまり、今は行方不明になっていると?」
ギリアム「……そうと決まったわけではないがな」
テツヤ「エイタ、セルシアは何と言っている?」
エイタ「入手できたのは『ヘルゲート』の画像ぐらいで、所在位置に関するデータはなかったそうです」
テツヤ「ヘルゲート?」
エイタ「テロリスト側がスカルヘッドにつけた名前だとのことです」
フィリオ「ヘルゲート……地獄門か……」
ジョナサン「物騒な名前だねえ、どうも」
フィリオ「こうなると、ヘルゲートが敵の本拠地であり……ODEシステムのマスターコアの所在地のようですね」
ジョナサン「そして、拉致された人々もそこにいる可能性が高い」
イルム「とりあえず、目標は定まったか」
ギリアム「スカルヘッド……いや、ヘルゲートでもバルトールが生産されていると思われる」「対処を急がねば、取り返しがつかないことになるかも知れん」
テツヤ「ええ」
ギリアム「艦長、今回得た情報は俺の方から統合参謀本部へ報告する」「もはや、俺達や極東方面軍だけでは対処不可能な状態となっているからな」
テツヤ「わかりました」
〔扉の開閉音〕
ジョナサン「フィリオ……私はテスラ研へ戻り、今後の事態に備えるよ」
フィリオ「わかりました、所長。お気をつけて」
イルム「アテにしてるぜ、親父」
ジョナサン「こちらもな」

ハガネ 格納庫
マサキ「……じゃあ、間違いなく俺達は宇宙へ行くことになるな」
リューネ「やっぱ、あんたもそう思う?」
マサキ「ああ。今までだって、主だった敵組織の本拠地に飛び込んで行ってるじゃねえか」「だから、今回もそうなるぜ。きっと」
セルシア「………」
シロ「元気ないニャ、セルシア」
クロ「無理ニャいニャ。目の前であんニャことがあったんだから……」
セルシア「ううん、落ち込んでいる暇なんてないわ」
アイビス「じゃあ、セルシアさん……」
セルシア「私も宇宙へ行きます。許されるのなら、この戦いの結末を自分の目で確かめたいのです」
マサキ「……わかった。俺はもう何も言わねえよ」
セルシア「マサキさん……」
アイビス「マサキ……あんた、セルシアさんを……」
マサキ「まあ、大連に最後まで残ったガッツを見りゃあな」
セルシア「ありがとうございます、マサキさん」
マサキ「べ、別に礼を言われることじゃねえよ!」
リューネ「何をそんなにあわててんの?」
シロ「マサキは、年上の女の人に弱いニャ」
クロ「一見おっとりタイプでも、実は芯が強いっていうのがツボみたいニャ」
リューネ「じゃあ、あたしはタイプじゃないってこと!?」「もしかして、他に好きな人がいるっての!?」
マサキ「バ、バカ! 変な勘ぐりすんな! シロ、クロ! お前らも余計なこと言うんじゃねえ!」
アイビス「何かアヤしい……。そうやってムキになるところが……」
※※ミロンガ入手フラグ成立の場合、セリフ追加※※
〔歩く足音〕
リョウト「セルシアさん……あなたに手伝って欲しいことがあるんですが」
セルシア「はい……何でしょう?」
リョウト「爆発を免れた工場棟から、整備中だったと思われるミロンガが1機見つかったんです」「その解析を手伝っていただけないでしょうか?」
セルシア「わかりました……」
リョウト「結果次第では、フィリオ少佐とタカクラチーフがあれを使える状態まで持っていくそうです」
アイビス「え……少佐もこのままハガネに乗るの!?」
リョウト「ええ、アドバイザーとしてハガネに乗り込むそうです」
リューネ「よかったね、アイビス。憧れの人が一緒でさ!」
アイビス「そ、そんなんじゃないよ!」
マサキ「何かアヤしいぜ。そうやってムキになるところがよ」
アイビス「う……もしかして、さっきの仕返し……?」

セルシア「………」(カイル……私はヘルゲートへ行き、ユルゲン博士とODEシステムを止めるわ……)(今のあのシステムは、地球圏の守護者に成り得ないから……)(マサキさんやリューネさん達のような存在にはなれないから……)

ハガネ ブリッジ
エイタ「艦長、統合参謀本部より命令が来ました。ハガネはこれより宇宙へ上がり、ヒリュウ改とポイントND8873で合流……」「別命あるまで待機せよとのことです」
テツヤ「了解した」
ギリアム「これは……いつものパターンだな」
テツヤ「状況次第でしょうけどね。……エイタ、バルトール関連の新しい情報は?」
エイタ「特にありません。あの後、彼らに襲撃された所もないようです」
テツヤ「嵐の前の静けさ、か」
エイタ「なお、参謀本部からヘルゲートの情報が入っています」
テツヤ「何だ?」
エイタ「ヘルゲートは所定位置に存在せず。ステルスシェードを展開しつつ移動した模様」
ギリアム「やはり……」
エイタ「現在もロストしたままですが……移動先の見当はついており、発見は時間の問題だそうです」
テツヤ「それは朗報だな。捜索は難航すると思っていたが……」
ギリアム「あれだけの質量だ、移動時のESウェーブはかなり大きくなる。それを感知したか……」「いや、イスルギ側から情報提供があったのかもな」
テツヤ「……」
ギリアム「ともかく、我々はヒリュウとの合流を急ごう」
テツヤ「了解です」
【シナリオエンドデモ終了】


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