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No.9
試される番人達

【シナリオデモ開始】
テスラ・ライヒ研究所

テスラ・ライヒ研究所 超機人ケージ
〔扉の開閉音〕
エリ「二人共、お疲れ様」
ブリット「いえ……」
クスハ「それで、T-LINKテストの結果はどうでした?」
ロバート「残念ながら、めぼしい反応はなかった」
ソフィア「先日のT-LINK系のモニタリング時にあった反応は、やはりノイズだったようね」
クスハ「じゃあ、龍王機と虎王機は長期休眠に……?」
エリ「操縦者だったあなた達の呼びかけに応じない所を見ると、その可能性は高いわね」
ブリット「もう目覚めることはないんでしょうか?」
ロバート「それはむしろ俺達が聞きたいぐらいだね。龍王機や虎王機と意志の疎通が出来るのは、ここじゃお前達だけなんだから」
ブリット「お役に立てなくてすみません……」
ロバート「あ、いや……お前達が悪いわけじゃないさ」
エリ「勢い込んでテスラ研へ呼びつけてしまったけれど、悪かったわね。無駄足を踏ませてしまったかしら」
クスハ「そんなことありません」
ロバート「ART-1の調整も担当パートは一段落したし……テスラ研に用事があったから、ちょうど良かったかな、俺の場合は」
ブリット「アートワン?」
ロバート「伊豆で行っている次世代Rシリーズの試作機さ」
ブリット「もうそんな機体を……」
ロバート「SRX計画は、SRXを作ったからとって終わりじゃないんでね」「設計は以前からやっていた。組み上げ作業もほとんど終わっている。アビアノのトライアルには提出しないけどね」
エリ「……ブルックリン少尉、クスハ少尉。超機人の調査は引き続き行ってもいいかしら?」
ブリット「ええ、お願いします」
クスハ「私達も彼らのことは気になりますし」
エリ「わかったわ」
ソフィア「とりあえず、あなた達の仕事はこれで終わり。こちらから要請した出張期間は3日間だから、2日余ってしまったわね」「追認試験をやるかも知れないけど、ゆっくりしていって」
ロバート「カムチャッカは寒かっただろ? デートもままならなかったんじゃないか?」
ブリット「い、いえ」
ロバート「仕事の方はどうなんだ?」
ブリット「辺境のパトロール任務ばかりで。割とのんびりしてます」
ロバート「百戦錬磨のATXチームがその扱いか。リュウセイ達が聞いたら、うらやましがるだろうな」
クスハ「ハガネのみんなは忙しいんですか?」
ロバート「ああ。あちこちたらい回し状態だよ」
クスハ「そ、そうなんですか……」
ブリット「……では、自分達は所内で待機しています。何かあったら、呼んで下さい」
ロバート「まあいいから、外で飯でも食ってこいよ」
ブリット「ですが……」
ロバート「息は抜ける時に抜く。OK?」
ブリット「りょ、了解です。……行こう、クスハ」
クスハ「ええ。それじゃ、失礼します」
〔扉の開閉音〕
ソフィア「……名言ね、オオミヤ博士」
ロバート「いや……息を抜きたいのはこっちの方で。ここ最近、伊豆とテスラ研を行ったり来たりで」
エリ「弱音を吐かない。さ、先程の実験結果のレポートをまとめてしまいましょう」
ロバート(こ、こっちは休みなしか……)

テスラ・ライヒ研究所
ブリット「え? アイビス達は出張中だって?」
クスハ「うん。こないだの任務でアステリオンが壊れてしまったらしくて……」
ブリット「任務?」
クスハ「インスペクターの……無人戦闘衛星の処理」
ブリット(インスペクターの戦闘衛星って……そんなのがまだ残ってたのか)
クスハ「アイビスさんは任務をやり遂げたんだけど、アステリオンが損傷してしまって……」「それで機体を改修して……今、試験飛行中らしいの」
ブリット「そうか……。アイビス達も頑張ってるんだな」
クスハ「……」「ね、ブリット君。龍王機と虎王機が眠ってしまったのって……私達のせいかな?」
ブリット「どうしてそう思うんだ?」
クスハ「私達に……ううん、私に力が足りないから……もう龍王機に必要とされていないのかも……」
ブリット「そんなことはないさ。インスペクター事件の時だって、最後まで一緒に戦ったんだし」
クスハ(でも……もしかしたら……)
ブリット「虎王機と龍王機が眠ってしまったのは、他に理由があるはずだ。アンザイ博士達の調査結果を待とう」
クスハ「……」
ブリット「とりあえず、今日は近くの街へ行こう」「せっかく出張してきたんだ、ペトロパブロフスクじゃ食べられない物を食べて帰ろう」
クスハ「……うん。キョウスケ中尉とエクセレン少尉のお土産も買わなくちゃ」
ブリット「そうそう。エクセレン少尉はお酒でいいとして……キョウスケ中尉は何がいいかな?」
〔歩く足音〕
リシュウ「おう、ブリット。ここにおったか」
ブリット「先生!」
リシュウ「どうじゃ、ちいとは進展したか?」
ブリット「修業は続けていますが、他人と剣を交えているわけではないので……」
リシュウ「いや、そちらではない」
ブリット「なら、特機の方ですか?」
リシュウ「やれやれ。相方が朴念仁だと、苦労するじゃろ? クスハ」
クスハ「あ……いえ、そんなことは」
リシュウ「……せっかくの逢瀬を邪魔して悪いがの、お主達に呼び出しが掛かっておる。管制室まで出向いてくれ」
クスハ「はい」

テスラ・ライヒ研究所 管制室
ブリット「自分とクスハでアビアノへ?」
キョウスケ「そうだ。そこで次期主力機トライアルが行われることは知っているな?」
ブリット「はい。量産型ヒュッケバインの後釜を決めるんですよね」
キョウスケ「そのトライアルの責任者……マウロ・ガット准将から依頼があった」「お前達二人にグルンガスト参式で評価試験へ加わってもらいたい、とな」
ブリット「直接ご指名というわけですか」
キョウスケ「ああ。ETAは5日後、現地に1100だ」
エクセレン「残念ながら指名料は出ないけど、二人でアビアノまでひとっ飛びしてもらえる?」
ブリット「じゃあ、 一度ペトロパブロフスクへ戻ります」
キョウスケ「いや、直行で構わん」
クスハ「でも、中尉達にばかりお留守番をさせるわけには……」
エクセレン「任務って言ってもねえ……。オットセイちゃん達とボール遊びしたり、ペンギン帝国でフンボルトちゃんを探したり」
ブリット「少尉、北極にペンギンはいません。……というか、いませんでした」
エクセレン「わお、ホントに探したの? マメな子ねえ」「ま、ともかく……私達ももうじき伊豆へ出張することになるから。お留守番は必要ないってことよん」
キョウスケ「こちらは少々長引きそうでな。アビアノでの仕事が終わったら、一度伊豆へ立ち寄ってくれ。そこで合流だ」
ブリット「わかりました」
キョウスケ「以上だ。頼んだぞ、ブリット、クスハ」
エクセレン「……んふふ。出張、こっそりだったら一日ぐらい延長してもOKちゃんよ? んじゃね!」
〔モニターの閉じる音〕
ブリット「……あからさまに言われちゃ、こっそりも何も」
クスハ「ふふっ、そうね」
ジョナサン「それにしても……君達二人もアビアノへ行くことになったか」
ブリット「も、ということは……」
ジョナサン「ああ、アイビス達もご指名でね。アステリオンの通常巡航試験が終わった後、アビアノへ向かってもらうことになってる」
クスハ「じゃあ、一緒に向こうへ行けますね」
ジョナサン「そうだな。とりあえず、君達は期日までここでのんびりしていってくれ。その間、参式を整備しておく」
ブリット「お願いします。……ところで所長、トライアルへは何種類の機体が提出されるんですか?」
ジョナサン「聞いてる話じゃ、4機種。でも、内1機種はほとんど情報が出ていなくてね」「開発元がイスルギ系列のウォン重工業だということはわかっているんだが……」
ブリット(ウォン重工業……)

中国 大連地区

ウォン重工業 シミュレータールーム
〔警報〕
スタッフ「さ、3号機、制御不能! ターゲットとの交戦に入ります!」
リック「……そうか」
スタッフ「パイロットのシンクロ係数、レッドゾーンに突入! これ以上は危険です!」
ジジ「社長、テストを中止しますか?」
リック「いや……続行だ」
スタッフ「しかし! このままではパイロットが保ちません!」
リック「構わん。システムのリンクレベルを8に上げろ」
ジジ「はっ」
〔システムの起動音〕
テストパイロット「ぐ、ぐああああ!!」
〔滑空音〕
〔機関銃の銃声〕

スタッフ「3号機、全弾回避!」
リック「ほう……素晴らしい反応速度だ。ターゲットを追加しろ」
ジジ「了解です」
〔機関銃の銃声〕
〔緊急シグナル〕

スタッフ「パイロットの心拍数が危険領域に!!」
テストパイロット「うああああああっ!!」
〔画面、発光〕
〔爆発音〕

スタッフ「パイロットの心肺機能、停止! 医療班を呼びます!」
ジジ「無駄よ。もう彼は死んでいるわ」
スタッフ「……!」
リック「VTX-000、ミロンガ……素晴らしい性能だ」
ジジ「はい。予想以上の結果です」
リック「では、アビアノのマウロ・ガット准将に連絡を入れてくれ。トライアルには間に合うとな」
ジジ「わかりました、社長」

中国 移動中
ハガネ

ハガネ 食堂
ライ「レイオス・プラン?」
リュウセイ「何なんだ、それ?」
ヴィレッタ「ReEOTH……簡単に言えば、SRX計画で使用しているEOTの信頼性を向上させるためのプランよ」
ライ「なるほど……今後を見据えての改善策ですか」
ヴィレッタ「ええ」
リュウセイ「じゃあ、ロブ達が今やってる『RXR計画』……ART-1の開発とも関係があるのか?」
ヴィレッタ「そうよ。レイオス・プランが軌道に乗れば、Rシリーズの運用面も変わることになる」「ART-1は、その方向性を探るための機体でもあるわ」
リュウセイ「なるほど」
マイ「私は……よくわからないな……」
イルム「要はだな、SRXなんかに使われてるトロニウム・エンジンは、色々と不安定だろ?」
マイ「うん」
イルム「そういうのを根本的に見直してだな、もっと使い易くしようって言う計画のこった」
マイ「つまり、SRXの改造計画?」
イルム「SRXだけの話じゃないが……前々からちょこちょこやってた改修作業に本腰を入れてかかるのさ」
マイ「なるほど……」
リュウセイ「SRXはその名の通り、試作機だからな。先へ行くには、まだまだ改良が必要ってこった」
マイ「……SRXが試作機じゃなくなったら、弱くなってしまうのか?」
リュウセイ「え?」
アヤ「どういう意味?」
マイ「リュウから観せてもらったロボットアニメでは、試作機の方が強かった。だから……」
リョウト「そ、そういうわけじゃないよ」
アヤ「って言うか、リュウ! あなた、マイに何を観せてんのよ!?」
リュウセイ「いや、その……SRXチームの心得を教えるには、ロボットアニメが一番だと思ってさぁ」
ライ「……お前な」
アヤ「そんな教育、必要ありません!」
マイ「でも……面白かった。特に『超機合神バーンブレイド3』……あれはまた全話みたい」
リュウセイ「お? そうか?」
アヤ「ぜ、全話って……。隊長からも何か言ってやって下さい」
ヴィレッタ「……今は任務中だ。せめて、ダイジェスト版にしておきなさい」
マイ「了解」
アヤ(ええ~っ)
リュウセイ「そうだ、マイ。知ってるか? 今度、バーンブレイド3の総集編が作られるんだぜ」
マイ「え? 本当?」
リュウセイ「おう。新作カットもあるらしい」
マイ「じゃあ、ブレイクブレイドの出番が増えてるかな……?」
アヤ「ブ、ブレイク?」
マイ「ヴァリアブル・ブレイドの第3形態。ハンマーを持っている所が好き」
アヤ「ハ、ハンマー?」
リュウセイ「ブレイクブレイドの最強武器、ギガンティック・インパクト・ハンマーだ。12話のクラッシュ・シーンはアツいよな」
マイ「うん。あと、22話でパワーアップする所も」
アヤ「リュウ、やめて~。マイをそっちの世界へ連れて行くのはやめて~」
リュウセイ「冥界か魔界みてえな言い方すんなよ」
アヤ「マイには、お洋服とかアクセサリーとかそういうのにも興味を持って欲しいの。姉として」
ヴィレッタ「環境が環境だし、仕方がないわね」
アヤ「あ、あの、隊長?」
イルム「なら、俺がマイをエスコートしてやる。エレガントなレディに仕立ててみせるぜ?」
アヤ「その前にリンさんの許可を取って下さい」
イルム「うっ……」
リュウセイ「ところで、何の話だったっけ?」
ライ「……ロボットアニメで試作機がどうとか言っていただろう」
リュウセイ「そうそう、ロボットアニメじゃ、試作機の方が強いってのがお約束だよな」
リョウト「全部が全部、そうとは限らないけどね」
アヤ「リョ、リョウト……あなたも?」
リョウト「え? ぼ、僕はその……オオミヤ博士の影響で」
アヤ(私も観た方がいいのかしら……ロボットアニメ)
マイ「……試作機と強さは、関係ないのか……」
ライ「試作機が強大な戦闘力を持つという認識は、一概に間違いとは言えない」「採算を度外視し、考えうる限りの新技術を盛り込んだワンオフの機体である以上、その力は凄まじいものがあるからな」「だが、兵器として真の強さは、効率的なメンテナンス性や稼働率、出力の安定など……いわゆる信頼性にあると言える」
リョウト「そういう観点では、SRXにはまだまだ改善すべき部分がありますね」
マイ「そのためのレイオス・プランか」
アヤ「そうよ、マイ。あなたも今後はSRXチームの一員として、正式にプランへ参加してもらうことになるわ」
マイ「わかった、アヤ」
リュウセイ「頑張れよ。わかんないことがあったら、俺が教えてやるから」
マイ「うん」
アヤ(不安……とっても不安だわ……)
イルム「何にせよ、こうやって俺達が色々と駆り出されてるようじゃ、レイオス・プランどころじゃないかもな」
リュウセイ「そうッスねぇ。警戒任務やノイエDC残党の討伐任務、要人輸送に輸送機護衛……」「おまけに基地祭や撮影会への参加……ホント、忙しいもんなぁ」
〔扉の開閉音〕
リオ「あ、リュウセイ君。ここにいたのね」
リュウセイ「何だ、リオ?」
リオ「アビアノ基地にいるラトゥーニから、あなた宛に通信が入ってるわよ」
リュウセイ「俺? それに、アビアノって……」
ライ「忘れたのか? そこで次期主力機のトライアルが行われることを」
リュウセイ「ああ、そうだった」
ライ「彼女は、その関係で向こうへ行ってるんじゃないか?」
リュウセイ「なるほど。へへっ……あいつ、トライアル機の情報でも教えてくれるのかな」
リョウト「それはないと思うよ。新型関連の情報は、原則として機密扱いだし」
リュウセイ「そうか……。こないだの輸送機護衛任務の時も、中身を見せてくれなかったもんな」
リオ「ね、早く通信室へ行ってあげて。ラトゥーニ、待ってるわよ」
リュウセイ「ああ。マイ、お前も来るか? あいつと話すの久しぶりだろ?」
マイ「ううん、いい。リュウだけで行ってきて」
リュウセイ「そっか。じゃあな」
〔扉の開閉音〕
マイ「………」
アヤ「マイ……もしかして、気を利かせたの?」
マイ「そういうわけじゃないけど……」

ハガネ 通信室
リュウセイ「何? トライアルに参加するのが1機だけだって?」
ラトゥーニ「うん……」
リュウセイ「そんなんじゃ、 トライアルの意味ねえじゃん」
ラトゥーニ「でも、私達教導隊で評価試験をやることになったの」
リュウセイ「にしても、変だな。俺達、トライアル機を積んだ輸送機の護衛をやったぜ。アビアノまでは行ってねえけど」
ラトゥーニ「それは……何回くらい?」
リュウセイ「3回だよ」
ラトゥーニ「こっちには来てない……」
リュウセイ「ええっ? なら、お前らが評価試験をやるっていう機体は?」
ラトゥーニ「それも……まだ来てないの」
リュウセイ「何だ、そりゃ?」
ラトゥーニ「もしかしたら、そっちに何か情報が行っているかと思って、連絡してみたの……」
リュウセイ「う~ん……トライアル機のことは、特に聞いてねえな。役に立てなくて悪い」
ラトゥーニ「ううん、いいの」
リュウセイ「それにしても……お前、なんでまたその服を着てるんだ?」
ラトゥーニ「こ、これは……リュウセイと連絡を取るなら、この格好がいいってアラドとゼオラに言われて……」
リュウセイ「ふ~ん。ハガネやヒリュウの中ならともかく、アビアノでなぁ」
ラトゥーニ「実は……他の人には内緒なの。それに……口実みたいなものだし」
リュウセイ「口実?」
ラトゥーニ「な、何でもない! 何でもないから……」
リュウセイ「? 変な奴だな」
ラトゥーニ「あの……リュウセイ」
リュウセイ「ん? 何だ?」
ラトゥーニ「こうやって二人で話すのって久しぶり……」
〔警報〕
リュウセイ「戦闘配置命令か! すまねえ、ラトゥーニ! また今度な!」
ラトゥーニ「う、うん……気をつけてね、リュウセイ」

ハガネ ブリッジ
テツヤ「識別コードは、間違いなく連邦軍のものなんだな?」
エイタ「はい。機種はレイディバードです。ただし、フライトプランは提出されていません」
テツヤ「極秘任務を遂行中だと言うのか……?」
エイタ「どうします?」
テツヤ「最も近い位置の部隊は我々になる。直ちに救助に向かうぞ!」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「試される番人達」


【戦闘マップ開始】
〔味方戦艦出現済み〕
エイタ「目標群とエンカウント!」
〔第3軍ユニット出現〕
〔敵ユニット出現〕

テツヤ「各機、出撃! 友軍の輸送機を救助せよ!」
〔味方ユニット出現〕
リュウセイ「あいつら、ノイエDCの残党か!」
イルム「決め付けるのは早いが十中八九、間違いないだろうな」
ノイエDC兵「ナイト1から各機へ。我々の目的は輸送機の積み荷だ。コンテナ部に直撃させるなよ」
ジジ(極秘行動が仇になったわね。でも、この空域にハガネがいたのは好都合だったわ)(前大戦での最強部隊と呼ばれた戦力の一角を、この目で確かめることが出来る……)
〔通信のコール音〕
エイタ「こちらスティール2。これより援護する。安全空域まで速やかに離脱されたし」
連邦軍兵「ポニー1、了解。救援を感謝する」
ヴィレッタ「各機、散開。輸送機の退路を確保しつつ、敵機を迎撃せよ」
イルム「了解。早いとこ輸送機の所まで行かなきゃな」
アヤ「リュウ、ライ、ここは分離状態で各個に敵を撃破するわよ」
ライ「了解。リュウセイ、フォワードは任せる」
リュウセイ「おう! マイ、しっかりついてこいよ!」
マイ「わかった、リュウ」
ジジ(さて、お手並み拝見ね。その結果によっては、あなた達も……)
<戦闘開始>

<敵全滅・敵増援1&第3軍増援1出現>

リオ「……何とか輸送機を守れたみたいね」
リョウト「うん。でも、あれには何が積まれてるんだろう?」
リオ「ノイエDCの残党に狙われるぐらいだもんね……」
イルム「ま、普通の積み荷じゃなかろう。要人か、新型機って所かな」
リュウセイ(新型機? もしかして……いや、そんなこたあねえか)
アヤ「! この反応……」「みんな、敵の新手が来るわ!」
〔敵ユニット出現〕
リオ「何て数なの!?」
リョウト(あれだけの数の部隊が動くなんて……輸送機の積み荷には、それだけの価値があるのか……?)
テツヤ「いかん、このままでは元の木阿弥になる……!」「各機は防戦に徹しろ! 脱出ルートを確保し、輸送機と共にこの空域から離脱する!」
ジジ「さすがのハガネも不利なようね。もっとも、『戦いは数』の理論に屈した形だけど……」「結果として私達のあのシステム……『最強かつ均質な部隊』の有意性が証明できたと言ってもいいわね」
連邦軍兵「主任! しっかりつかまっていてください! ハガネと共にここを突破します!」
ジジ「その前に、1号機を出撃させなさい」
連邦軍兵「は!? あ、あれはテスト機ですよ!」
ジジ「VTX-001のために実戦データを取得するいい機会だわ」
連邦軍兵「しかし!」
ジジ「社長がここにいれば、同じ決断を下しているわ。いいからパイロットを1号機に乗せなさい」
連邦軍兵「りょ、了解……!」
ノイエDC兵「輸送機の積み荷の奪取は我々のスポンサーからの依頼だ」「今後の活動のためにも、必ず奪取するぞ」
ノイエDC兵「! 隊長、輸送機のハッチが開きます!」
〔第3軍ユニット出現〕
リュウセイ「な、何だ!? ロボットが出てきたぞ!」
アヤ「何なの、あの機体……!?」
ライ「該当データは……なしか」
リオ「じゃあ、イルム中尉の予想通り、新型機ってこと……!?」
イルム「それより、あの連中……大事なお宝でノイエDCと戦う気か?」
連邦軍兵「………」
〔ミロンガ、精神コマンド「必中」「集中」「熱血」「覚醒」「鉄壁」使用〕
〔ミロンガ、前進〕

ライ「速い……! 運動性は従来機を凌ぐか」
リュウセイ「パイロットの腕も並じゃねえぞ!」
テツヤ「いったい、どういうつもりだ? エイタ、ポニー1を問い質せ!」
エイタ「了解!」
ジジ「フフ……さあ見せてね、000。私達の研究の成果を」
連邦軍兵「スティール2より入電! 状況の説明を求めています!」
ジジ「無視しなさい。1号機のシステムリンクはレベル7に固定。その後、本機は退避を」
連邦軍兵「は、はい!」
〔レイディバード、前進〕
アヤ「どうします、隊長?」
ヴィレッタ「敵の標的があの機体である以上、確保を最優先する」
アヤ「了解!」
リュウセイ(あいつ……やっぱり、ラトゥーニが言ってたトライアル機じゃねえのか?)

≪第3軍増援1出現後≫
<リュウセイが戦闘>

リュウセイ「新型を守りながら戦えなんて、隊長も無茶を言ってくれるぜ!」

≪第3軍増援1出現後≫
<ライが戦闘>

ライ(新型が邪魔にならなければいいが……!)(だが、奴の動きは妙にパターン化されている……。まるで無人機のようだ)

≪第3軍増援1出現後≫
<アヤが戦闘>

アヤ「あの新型機の奪取のためにこれだけの数の部隊が動くなんて……」「たった1機の機体にそれだけの価値があるというの……!?」

≪第3軍増援1出現後≫
<マイが戦闘>

マイ(あの新型機……人が乗っていないように思える。生体反応があるのに……)

≪第3軍増援1出現後≫
<ヴィレッタが戦闘>

ヴィレッタ「ノイエDCの残党にこれほどの戦力が残されていたとはな」「バックには相応の力を持った黒幕がいるのか?」

≪第3軍増援1出現後≫
<リョウトが戦闘>

リョウト(あの新型機……きゃしゃ過ぎる。実戦での対弾性が考慮されてないみたいだ……)

≪第3軍増援1出現後≫
<リオが戦闘>

リオ「私達が助けに来たのに、逆に新型機に助けられちゃ本末転倒ね!」「ここは私達が頑張って、ノイエDCの残党にハガネの力をもう一度、見せ付けてやらなきゃ!」

≪第3軍増援1出現後≫
<イルムが戦闘>

イルム「なかなかの物だな、あの新型。あれが量産されたら、軍需産業のシェアも大きく動くだろう」「リンやイスルギにとっちゃ、インスペクターやシャドウミラー以上の脅威かもな」

<敵全滅・勝利条件達成>
エイタ「艦周辺の敵機反応、消えました」
テツヤ「……救援に来た我々の方が、結果的に助けられる形となったか」
リオ「あの新型、凄い動きだったわね」
リョウト「うん。だけど、あれじゃ……」
リオ「どうしたの?」
ヴィレッタ「リョウトの疑問ももっともだ。あの動きでは、余程高性能のGキャンセラーを積んでいない限り……」
〔緊急シグナル〕
連邦軍兵「主任! 1号機のメイン・システムに異常が!」
ジジ「……模擬戦と実戦では勝手が違ったようね」
〔カーソル、ミロンガを指定〕
イルム「新型のパイロット! 返事をしろ! 何が起こっている!?」
〔カーソル、ミロンガを指定〕
ライ「応答がない……! パイロットは気絶しているのか?」
〔ミロンガ、精神コマンド「狙撃」「必中」使用〕
リョウト「こ、こっちをロックオンした!?」
アヤ「私達を攻撃するつもりなの!?」
〔エラー音〕
〔ミロンガ、迷走〕

連邦軍兵「1号機、 制御不能状態に陥っています!」
ジジ「どうやら、ここまでのようね」
〔スイッチを押す音〕
〔第3軍ユニット撃破〕

リオ「!!」
リュウセイ「ば、爆発した!?」
イルム「いや、機体はそれほどの損傷を受けちゃいなかった。……自爆したのかも知れんな」
リオ「そんな……! じゃあ、乗っていたパイロットは!?」
アヤ「……脱出した形跡はないわ……」
ライ「それではパイロットを殺したのと同じだ……!」
連邦軍兵「主任! どうして1号機を自爆させたんです!?」
ジジ「彼らにあれを渡すわけにはいかない。それに、どのみちパイロットは死んでいたわ」
連邦軍兵「し、しかし!」
ジジ「大丈夫よ。1号機のデータは既に他の機体へ『転送』されているわ」
連邦軍兵「………」
ジジ「ここに長居は無用よ。すぐにアビアノへ向かいましょう。社長達が待っているわ」
連邦軍兵「は、はい……」
〔レイディバード、マップ端へ移動〕
〔第3軍ユニット離脱〕

リュウセイ「お、おい! あいつら、行っちまったぜ!」
イルム「ふん……そうまでして守りたい秘密が、あの機体にあったってわけか」
リュウセイ「………」(もし、あれがトライアル機だとして、同型機が存在していたら……)(ラトゥーニ達はあいつの評価試験をやることになるのか……?)
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

ハガネ ブリッジ
カイ「……こちらから問い合わせた所、例の機体はアビアノでのトライアルへ提出される物だと判明した」
テツヤ「他のトライアル機と違って、極秘で輸送されていた点については?」
カイ「それに関しては、上に一蹴されたよ」
テツヤ「え……?」
ラーダ「今回のトライアルは、何かと不透明な点が多いんです」
リュウセイ「じゃあ、トライアル機が1機種だけになっちまった理由も?」
ラーダ「ええ……詳細は聞かされていないわ」
イルム「何だ、そりゃ。こっちは輸送機の護衛までやらされたってのに」
リョウト「陰謀めいたものを感じますね……」
カイ「今回のトライアルを仕切っているのは、統合参謀本部のマウロ・ガット准将でな。ケネス司令も一枚噛んでいるようだが……」「現場の俺達には、断片的な情報しか回って来ていない」
リュウセイ「……カイ少佐、ラトゥーニ達はあの機体へ乗ることになるんですか?」
カイ「いや。評価試験は模擬戦の形式で行われるが、あいつらは既存機へ乗ることになる」「それに、俺の方からも今回の件を踏まえて、トライアルの延期を上申するつもりだ」
リュウセイ「そうですか……なら、一安心だ」
イルム「だが、極秘移送中にも関わらず、ノイエDC残党の追撃を受けていた点と、自爆した点が気になるな」
ライ「あの機体の運動性は、既存のものを上回っていました。それも異常な形で」
ラーダ「映像を見る限りでは、特殊なシステムを搭載しているようだけど……」
ヴィレッタ「私達はともかく、関係者に情報を開示していないなんて」
ラーダ「ええ……。ギリアム少佐にも聞いてみたけど、心当たりがないと……」
イルム「珍しいな、あの何でも知ってそうな人が」
カイ「奴のことだ、もう動いているだろう。……とにかく、詳細は俺達の方で調べてみる。そちらは本来の任務へ戻ってくれ」
テツヤ「わかりました」
カイ「では、以上だ」
〔モニターの閉じる音〕
ライ「……半ば暴走状態で戦闘を行い、さらに自爆か……」「あんな物が本当に次期主力機トライアルへ提出される機体だと言うのか?」
エイタ「それ以前に欠陥品じゃないんですか、あれ?」
イルム「戦闘能力に関しちゃ、なかなかのもんだ。戦争に勝つことだけに主眼を置くのなら、採用されるかも知れんが……」「俺はあんなのに乗りたかないねぇ」
リオ「いったい、どこで造られた物なのかしら?」
リョウト「テスラ・ドライブを搭載していたみたいだから、イスルギ重工かも知れない」
リオ「でも、あれ、リオン系には見えないわよ」
リョウト(確かにリオの言う通りだけど……イスルギと全く無関係だとは思えないな)
テツヤ「ともかく、調査はカイ少佐達に任せよう。我々は任務に戻るぞ」
エイタ「了解です」
リュウセイ「さあて、しばらくは放浪の旅か。今度日本へ戻れるのは、いつのことやら」
イルム「ま、キョウスケ達みたいに僻地へ飛ばされるよりはマシさ」
リュウセイ「そうだなあ……。ATXチームが行ったペロペロパブロフ・カムジャーキーは、めちゃ寒いらしいし」
ライ「それでは、よだれを垂らした犬だ」
リョウト「ペトロパブロフスク・カムチャツキーだよ」
リュウセイ「ああ、そうだっけ。何度聞いても覚えられないんだよなぁ」
イルム「ロボットや武器の名前は、 すぐに覚えるクセにな」
ライ「たまに間違えますよ、こいつは」
リュウセイ「うっ……厳しいね、どうも」

〔端末の操作音〕
ギリアム「次期主力機トライアル……提出機データ……4機目」
〔エラー音〕
ギリアム「プロテクトがかけられている。 ならば……」
〔端末の操作音〕
ギリアム「解除コード、XN666……」
〔アクセス音〕
ギリアム「ウォン重工業、人型機動兵器ゲシュタルト……。AMNシステム……?」「AMとは……アーマードモジュールのことか? なら、技術提供元はイスルギ重工……いや、DCかも知れん」「……あの男に聞いてみるか」

地球連邦軍南欧方面軍 アビアノ基地

地球連邦軍アビアノ基地
リック「お久しぶりです、マウロ・ガット准将」
マウロ「挨拶より先に、1号機の弁明をしてもらおうか。リック・ウォン」
リック「………」
マウロ「何故、あれを実戦へ投入した? 部会者に知られぬよう、輸送の件は極秘扱いにしていたのだぞ」
リック「極秘……? ノイエDC残党は、知っていたようですが」
マウロ「ワシらが漏らすわけはなかろう。第一、何の得にもならん」
リック「それは私共も同じです」
マウロ「ふん……。何にせよ、貴重な試作機が失われたのは由々しき問題だ」
リック「機体の数に関しては、ご心配なく。こちらの予算で、多めに製作しております。AMNシステムの性能を証明するためにも、ね」
マウロ「………」
リック「それに、1号機を犠牲にしたおかげで、貴重なデータを手に入れることが出来ました」
マウロ「大事の前だ。余計なトラブルは避けたいものだな」
リック「ご安心を。問題点は次までに解決いたします」
マウロ「だが、その前に果たさねばならんことがあるのを忘れるな」
リック「わかっております」
マウロ「いくらスペック比較の段階で、競合他社を落選させたとは言え……この評価試験を通らねば、採用は認められん」「上層部を黙らせるためには、結果が必要だ。……本当に勝てるのだろうな?」
リック「そのための000……『ミロンガ』です。そして、最後の仕上げとして……」
マウロ「わかっている。そちらが希望した通りの対戦相手は、手配済みだ」
リック「ありがとうございます。トライアルの前に、彼らからデータを収集させていただければ……」「万人が納得する結果を出して見せましょう」
【シナリオエンドデモ終了】


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