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No.10A
桜花幻影

【シナリオデモ開始】
ハガネ艦橋
ダイテツ「そうか……アラド・バランガはこの艦に残る決意をしたか」
カイ「ええ。しばらくの間は様子を見ようと思っています」
イルム「まあ、保護観察に近いですね」
ダイテツ「わかった。後のことは少佐達に任せる」
カイ「了解です」
テツヤ「しかし、彼をキルモール作戦に同行させて大丈夫なのですか?」
イルム「ああ、そのことなんですが……」
〔扉の開閉音〕
エクセレン「失礼しま~す。エクセレン・ブロウニング少尉と……」
リュウセイ「リュウセイ・ダテ少尉、ただ今出頭しました」
ダイテツ「うむ、ご苦労」
エクセレン「それで、何のご用でしょうか?」
ダイテツ「極東方面軍を通じ、マオ社から要請があってな……」「機体受け取りのため、お前達二人に月へ行ってもらいたい」
リュウセイ「機体って……もしかして、俺のR-1ですか?」
イルム「それだけじゃない。ビルトファルケンのタイプL、ビルトビルガー……」「そして、ヒュッケバインMk-IIIもな」
エクセレン「あらん、ビルトビちゃんだけじゃなく、おニューのヒュッケちゃんも?」
リュウセイ「でも、あれ……開発が遅れてるって聞いてるけど」
イルム「総司令部の方からツッコミが入ってな。キルモール作戦に何とか間に合わせろだとさ」
リュウセイ「う~ん……機体が機体だけに無理をしない方がいいんじゃねえかなぁ」
エクセレン「まあ、命令だし……しょうがないわね」
ダイテツ「……お前達はすぐに艦を発ち、宇宙へ上がれ。衛星軌道上付近までヒリュウが迎えに来る」
エクセレン「え? レフィーナ艦長やタスク君達、こっちへ来てるんですか?」
ダイテツ「うむ、総司令部の命令でイカロスから地球圏へ呼び戻されたのだ」
エクセレン「わかりました。んじゃ、リュウセイ君と月まで駆け落ちってことで❤」
リュウセイ「いや、俺……アルトで撃ち貫かれたくねえんだけど」
イルム「心配するな。お前ら二人で間違いが起きるなんて、誰も思わんよ」
カイ「……エクセレン、リュウセイ。すまんが、アラドを月のマオ社へ連れて行ってくれ」
リュウセイ「え? あいつをですか?」
カイ「ああ。念のため、マオ社にいるラーダにアラドの検査をしてもらおうと思ってな」
エクセレン「あらら、それじゃあの子もヨガの餌食になっちゃうわね」
リュウセイ「間違いねえな」
ダイテツ「……では、これより本艦はキルモール作戦に参加するためエチオピアへ向かう」「エクセレン少尉、リュウセイ少尉……お前達はアラド曹長を連れ、月のマオ社へ行ってくれ」
エクセレン「了解です」
プレイヤー選択
「エチオピアへ行く」
「月へ行く」

≪「エチオピアへ行く」を選択≫

ダイテツ「よし……エクセレン少尉達が出発次第、本艦は発進する」
テツヤ「了解です、艦長」

≪「月へ行く」を選択≫
(→ No10B「その名はアインスト」 へ)

アースクレイドル内部
アギラ「さあ……目を覚ますんじゃ、アウルム1」「ワシの可愛い娘……。お前の出番が来たぞ」
???(オウカ)「……」「……母様……」
アギラ「気分はどうかえ? アウルム1」
???(オウカ)「……悪くありません」
アギラ「そうかい。それは良かったのう、フェフェフェ」
???(オウカ)「母様、弟や妹達は……?」
アギラ「もう目覚めておる。お前も早う支度をするんじゃ」
???(オウカ)「はい……」

アースクレイドル内部
バン「……連邦軍がアフリカ東部に戦力を集結させているだと?」
ヴィンデル「ああ、工作員から報告があった」「彼らはこのアースクレイドルへ狙いを絞ったようだ」
バン「だが、時すでに遅かったな。我々は予定通り明後日0600にデザートクロス作戦を発動する」
ヴィンデル「……その前に足止めをしておきたい連中がいる」
バン「それは?」
ヴィンデル「ハガネだ」
バン「何故、あの艦にこだわる?」
ヴィンデル「彼らはDC戦争においてビアン・ゾルダークを討ち……」「L5戦役でもホワイトスターの中枢を破壊した」「故に侮ってはならぬ存在だと認識している」
バン「その意見はもっともだ」「しかし、彼らは突出した力を持っているとは言え、所詮は連邦軍の一部戦力に過ぎん」「ましてや、今回の作戦の成否を握る存在になるとは思えんな」
ヴィンデル「そう言って、DC内でもアードラーを始めとする多くの者が彼らに敗れたのではないか?」
バン「……」
ヴィンデル「戦力はこちらで用意する。デザートクロス作戦全体には影響させん」
バン「……よかろう。貴公がそこまで言うのならな」
DC残党兵「大佐、アーチボルド少佐が見えられました」
バン「ようやく到着したか。ここへ通してくれ」
DC残党兵「はっ」
〔扉の開閉音〕
アーチボルド「……どうやらお茶会の時間には間に合ったようですね」
バン「陽動任務ご苦労だったな、少佐」
アーチボルド「いえいえ。それにしても……噂以上に強固な要塞ですね、このアースクレイドルは」
バン「うむ」
アーチボルド「おかげで内部へ入るのも一苦労。用意されているPTやAMの数もかなりのものですし……」「中には見たことのない兵器もあるようですが……あれは?」
バン「そこにいるヴィンデル・マウザーが用意してくれた物だ」
ヴィンデル「……」
アーチボルド「アーチボルド・グリムズと申します。以後、お見知りおきを」
ヴィンデル「ああ」(アーチボルド・グリムズ……こちらではDCと関わっていたか)
アーチボルド(ヴィンデル・マウザー……聞き覚えのない名前ですね)
バン「少佐、まずは疲れを癒してくれ。諸々の報告は後で聞く」
アーチボルド「わかりました」

アースクレイドル内部
カーラ「地下シェルターって聞いてたけど……プラントどころか、街みたいなものまであるんだね」
ユウキ「ここは人類の方舟となるべく造られた施設だからな」「人工冬眠をするだけでなく、内部で人が暮らせるようにもなっているそうだ」
カーラ「農場もあるみたいだし、紅茶の葉っぱを栽培してるかもよ?」
ユウキ「天日で育っていない物は邪道だ」
カーラ「あっそ。でも、こんだけ広いと、ダンスの練習をするスペースにも困らなさそうだね」
ユウキ「……まだそんなことを言っているのか」
カーラ「今はしょうがないけど、全てが終わったら……」「元の生活に戻れるなら……ダンサーになる夢、諦めたくないんだ」
ユウキ「……」
カーラ「それで、有名になって……恋愛映画に出演すんの。それも、コッテコテでベタベタの」
ユウキ「……」
カーラ「そうなったら、少しはヤキモチやいてくれる?」
ユウキ「……本当に元の生活へ戻れると思っているのか?」
カーラ「……!」
ユウキ「今回の作戦が成功しても、その後には……」
カーラ「……わかってるよ。けど、夢ぐらい持ってなきゃ、やってられないもの」「もう後戻りが出来なくても……ね」
ユウキ「……」
カーラ「あ……見て、ユウ。あれ、ランドグリーズだよ。結構な数が揃ってるんだね」
ユウキ「それに見慣れん機体もある……」「横流しだけでなく、ここでも相当数の機体が生産できるようになっているみたいだな」
カーラ「これだったら、異星人とも互角に戦えるよ」
ユウキ「……」(だが、 奴らが現れる前に連邦の体制を変えなければならん)(戦力を揃えるだけでは異星人に勝てん……)
カーラ「ところで、ゼオラはどこへ行ったの?」
ユウキ「セロ博士がラボへ連れて行くと言っていた」
カーラ「そう……。あれからずっと眠ってたみたいだけど、大丈夫かな……?」
ユウキ「……」

アースクレイドル内部
レモン「え? 私達の部隊だけでハガネの相手をするって言ったの?」
ヴィンデル「ああ。今、デザートクロス作戦用の戦力を割くわけにはいかんからな」「現状でリオンシリーズとType30以外に使える機体は?」
レモン「そうねぇ、量産型のヒュッケバインMk-IIはフェフ博士に回しちゃったし……」「ビルトファルケンは解析中、EG-Xは行方不明……」「おまけに、向こうから持ってきた新型のほとんどはまだ調整中よ」
ヴィンデル「エルアインスは? ここでの生産ラインは順調に稼動しているのだろう?」
レモン「そうは言っても、すぐに使えるのはせいぜい5、6機よ」
ヴィンデル「では、あれを出撃させるしかないか」
レモン「確かに数は揃ってるけど……エルアインスと一緒に出したらバレるわよ?」
ヴィンデル「構わん。上手くいけば、『ヘリオス』が反応を見せるかも知れん」「Type30をバンに渡したのは、そのためでもあるからな」
レモン「そう言うことなら。じゃあ、指揮はW16に執らせていいかしら?」
ヴィンデル「何故だ?」
レモン「あの子にW17の様子を探らせたいの。もしかしたら、何か異常が起きてるかも知れないし」「念のため、予備の通信装置を持って行かせるわ」
ヴィンデル「よかろう」

アースクレイドル内部
アギラ「そうか、ラトゥーニ11がブロンゾ28をな……」
クエルボ「はい……」
アギラ「ハガネと接触したと聞いた時、よもやと思ったが……」
ゼオラ「………」
アギラ「これでブロンゾクラスはお前だけになってしまったが……」「これからもDC再興のために戦い、良いデータを残しておくれ」
ゼオラ「はい……セトメ博士」
〔扉の開閉音〕
???(オウカ)「ゼオラ……」
ゼオラ「オウカ姉様……!」
オウカ「話は聞いたわ。辛い想いをしたようね……」
ゼオラ「……」
オウカ「あの子が……ラトが生きていて私の弟を殺しただなんて……」
ゼオラ「私のせいです、姉様。アラドを守ってあげることが出来なかった……」
オウカ「ゼオラ、自分を責めては駄目。そして、ラトも」
ゼオラ「え?」
オウカ「私の可愛い妹が……ラトが自分の意思でアラドを殺したとは思えない」「きっとあの子は連邦軍の人間に再教育され、そうするよう仕向けられたのよ」
ゼオラ「……」
オウカ「だから、あなたとラトは悪くない……」「悪いのは連邦軍……ラトを操っている者達……」「アラドの仇はラトじゃない。だから、あの子を恨んでは駄目」
ゼオラ「はい。姉様がそう言うのなら……」
オウカ「……母様、私を出撃させて下さい。ラトを連れ戻したく思います」
アギラ「いいじゃろう。ちょうどヴィンデルの配下の者達が出るところじゃ」「奴にはワシが話をつけておく。ウォーミングアップも兼ね、共に出撃するがいい」
オウカ「承知致しました、母様」
ゼオラ「オウカ姉様……」
オウカ「ラトのことは私に任せて、あなたは休みなさい」
アギラ「そうじゃ、ブロンゾ27。メイガス・ケーナズの下でしばらくの間眠るがいい」「そうすれば、28号を失った悲しみも癒されるじゃろう」
ゼオラ「……わかりました」
オウカ「じゃあ、行きましょう……ゼオラ」
ゼオラ「はい、姉様」
アギラ「……クエルボ、ブロンゾ27の応急処置は上手くいったようじゃな」
クエルボ「ええ。ここへ戻る途中、記憶と感情の調整をしておきました」「ですが、アラドは……」
アギラ「所詮、28号は新型のベースとして肉体を改造しただけのサンプルに過ぎん」「それ以外はロクな成績を残さなかった欠陥品だからのう。惜しくはないわ」
クエルボ「……」
アギラ(じゃが、27号がつがいを失ったとなると……)(シングルとして人格と記憶を再構築した方がいいかも知れんの)
クエルボ「……ところで、オウカは大丈夫なのですか?」
アギラ「記憶の調整はしてある。もっとも、戦闘中に弊害が少し出るかも知れんがの」「それより、興味深いのはラトゥーニ11じゃ」「あれが生きていることは知っておったが、まだ戦場に出ているとはの」
クエルボ「オウカが言った通り、ラトゥーニは連邦軍で調整を受けているのでしょうか?」
アギラ「ケンゾウ・コバヤシならあるいは……」「いや、あり得んな。奴が念動力者以外に興味を持つとは思えん」
クエルボ「……」
アギラ「じゃが、11号が自分の意思で戦っておるとなると……ふむ、面白い」「スクール時代に廃棄されたクラスとは言え、連れ戻して調べてみる価値はある」
クエルボ「……」
アギラ「何じゃ、その顔は。不満でもあるのかえ?」
クエルボ「……いえ」
アギラ「フン……くれぐれも、ブーステッド・チルドレンにつまらぬ情けなどかけるでないぞ」
クエルボ「……」

ハガネ格納庫
テツヤ「間もなく、本艦はアラビア半島に進入する。総員、第二種戦闘配置」
カイ「みんな、聞いての通りだ。準備が済み次第、機体に搭乗しろ」
ライ「了解です」
ラミア(……アースクレイドルまで あと少しか)(W16がDC残党と行動を共にしているのなら……本隊はそこにいると見て間違いない)(だが、指令のディスクは見れない……その状況を知らせることも出来ない)(何とも不安だな)
ブリット「? どうしたんです、ラミアさん?」
ラミア「え?」
ブリット「そんな顔をするなんて珍しいですね。 何か気になることでも?」
ラミア「そんな顔とはどんな顔でございますことですか?」
ブリット「落ち着きがないって言うか、不安そうって言うか……」
イルム「さしずめ、母親とはぐれた子供だね」
ラミア「そ、そんなこと……ありませんです……」
キョウスケ「……」
カイ「無駄話はそこまでだ。さっさと機体に……」
〔警報〕
ブリット「! 敵襲!?」

ハガネ艦橋
エイタ「本艦の前方より、機動兵器群が急速接近中! 友軍機ではありません!」
テツヤ「DCの残党か!」
ダイテツ「総員、第一種戦闘配置! PT各機を出撃させろ!」
テツヤ「了解! エイタ、敵機の識別は!?」
エイタ「待って下さい……」「! こ、これは!?」
テツヤ「どうした!?」
エイタ「こんな馬鹿な……!!」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「桜花幻影」


【戦闘マップ開始】
〔味方戦艦出現済み〕
〔味方ユニット出現済み〕

〈出撃準備〉
〔敵ユニット出現〕
ブリット「あ、あれは!?」
カイ「量産型のゲシュペンストMk-IIだと……?」
ライ「妙ですね。あの機体は生産が休止されているのに」
カイ「うむ。L5戦役後、代わりにリオンシリーズが量産されたからな」「俺の機体を含め、今でもいくつかの部隊が量産型のゲシュペンストを使用しているが……」「あれだけの数がDC残党側にあるのは確かに妙だ」
ブリット「もしかして、彼らが量産していたんでしょうか?」
ライ「リオンシリーズがあるにも関らずにか?」
ブリット「あ……」
キョウスケ「可能性があるとすれば、L5戦役の時にエアロゲイターが複製した機体だが……」
ラトゥーニ「ホワイトスターやメテオ3が破壊された今……そんな物が現存し、稼動しているとは思えません」
キョウスケ「そうだな」
イルム「空を飛んでいる所を見ると、テスラ・ドライブを積んだ改良型らしいが……」「性能面はともかく、コスト面じゃリオンの方が上だ」「連邦軍ならいざ知らず、連中にゲシュペンストMk-IIを量産する理由はないぜ?」
ブリット「じゃあ、あれは何なんです?」
イルム「その名の通り、幽霊だったりしてな」
ブリット「い、いくら何でもそんな」
キョウスケ(……奴らは、今までのDC残党と違う。そんな気がする)
ラミア(……間違いない、あれは本隊の機体だ)(ならば、こちらの状況が伝えられる)
カイ「各機へ! 詮索は後だ! 散開して敵機を撃破しろ!」
ブリット「了解!」
<戦闘開始>

<ラミアvsゲシュペンストMk-II・M>

ラミア(機密通信装置は使えんが、本隊で使用している暗号ならば……)(……)(……応答がない。だが、こちらの状況は伝わったはずだ)

<敵全滅or7PP・敵増援1出現>
〔警報〕
テツヤ「何だ!?」
エイタ「敵の増援部隊、本艦へ向けて急速接近中!」
テツヤ「各機、警戒せよ!」
〔敵ユニット出現〕
ブリット「くっ、 またゲシュペンストか!」
イルム「いや、待て!」
ブリット「え!?」
イルム「あ、あの機体は……!?」
ライ「まさか……!」
〔カーソル、エルアインス・Mを指定〕
イルム「アルブレード……!?」
カイ「何だと!?」
ライ「確かに似ています。しかし……」
ラトゥーニ「あの機体はリュウセイが乗った物を含めて、3機しか作られていないのに……」
ライ「ああ。こんな所に……しかも、2機も存在しているわけがない」
キョウスケ「マオ社から試作機のデータが流出した可能性は?」
ライ「ないとは言い切れんが、可能性は限りなく低い」
イルム「ライの言う通りだ。それに、あれはこの世に存在しているはずのない機体だからな」
キョウスケ「……!」
ラミア(そう……。その表現はある意味正しい)
キョウスケ「どういうことです?」
イルム「細かい所は色々違うようだが、肩のビームキャノン、背中のテスラ・ドライブ……」「あれは試作機じゃない。量産型アルブレード……『エルシュナイデ』だ」
ブリット「りょ、量産型……? エルシュナイデ!?」
イルム「ああ、アルブレードってのはコードネームでな……」「正式採用の暁にはそう名付けられることになっている」
ブリット「……」
イルム「もっとも……マオ社じゃ、まだ骨組みを作っている最中だがな」
ブリット「ええっ!?」
キョウスケ「現時点で完成しているはずのない機体、か」「どうやら、幽霊はゲシュペンストだけではないらしい」
ラミア(あれが出てきたという事は……本隊が本格的に動き始めたのか?)(何にせよ、上手くコンタクトを取らねば)
〔通信音〕
ラミア(来たか。だが、通常周波数を使うとは……どういうつもりだ?)
オウカ「……ラト、聞こえているなら返事をなさい」
ラトゥーニ「!!」
カイ「ラトゥーニを知っているだと? まさか……!」
ラトゥーニ「オウカ……!!」
カイ「オウカだと?」
ライ「では、あれがスクールの……!」
オウカ「久しぶりね、ラト。あなたが生きていてくれて嬉しいわ」
ラトゥーニ「ね、姉様……」
オウカ「アラドのことは知っているわ。でも、私はあなたを責めはしない」
ラトゥーニ「え?」
オウカ「……あなたは自分の意思で戦っているつもりなのでしょうけど……それは違うの」
ラトゥーニ「姉様、何を……!?」
オウカ「今のあなたは本当のあなたじゃない……」「あなたは連邦軍に再教育されてしまっているのよ」「彼らがあなたを自分達の兵器として利用するために……」
ラミア(……なるほど、要は私と同じか)
ラトゥーニ「違う……!」
ラミア「!」
ラトゥーニ「姉様、私は!」
オウカ「……可哀想なラト。自分がだまされているとわからないのね」「だから、あなたはゼオラと戦い……アラドを殺してしまった」
ラトゥーニ「え……!?」
ブリット「違う、あれは事故だ! それにアラドは死んじゃいない!」
オウカ「戯れ言を。弟が生きているという証拠はあるのですか?」
ブリット「そ、それは……!」
イルム「今は宇宙へ上がってる……と言っても信じちゃくれないだろうねえ」
オウカ「……思い出して、ラト。スクールで私達と過ごした日々のことを……」
ラトゥーニ「……!」
オウカ「本当の自分を思い出して。そして、私と一緒に帰るのよ」「母様とゼオラがあなたを待っているわ」
ラトゥーニ「嫌……」
オウカ「!」
ラトゥーニ「私は……帰らない。だまされているのは、姉様達の方……」
オウカ「何を言うの。あなたは母様やメイガスに育ててもらった恩を忘れたの?」「私達と一緒に過ごした日々を忘れてしまったの?」
ラトゥーニ「……みんなのことは忘れていない……」
オウカ「なら、何故?」
ラトゥーニ「……私はスクールで本当の自分を失ってしまった……」「そして、それをジャーダやガーネット、リュウセイ、シャイン王女……」「ハガネやヒリュウ改のみんなのおかげで取り戻せたの」
オウカ「……」
ラトゥーニ「だから、姉様……私はあなた達の所へ帰らない」「そして、私が姉様達にかけられた呪縛を解く……」
オウカ「それは私の台詞よ、ラト。私の言うことが聞けないなら、力ずくでもあなたを連れて帰る」「そして、私と母様の手で本当の自分を思い出させてあげるわ」
ブリット「冗談じゃない! それじゃ、スクールの時と同じじゃないか!!」
オウカ「お黙りなさい。部外者であるあなたに何がわかると言うのです?」
ブリット「何!?」
オウカ「私とラトの絆を知らぬあなたに口を挟まれるのは心外です」「そして……ラトを利用し、アラドを殺させたあなた達……連邦軍を許すわけにはいきません」「弟の仇はこの私……スクールの長姉たるオウカ・ナギサが討ちます」
イルム「やれやれ、見た目以上にガチガチだな、ありゃ」
カイ「だが、量産型アルブレードのこともある。出来れば、機体ごと捕らえたい」「やれるな、ラトゥーニ?」
ラトゥーニ「は、はい」
オウカ「……エキドナ、攻撃を開始しましょう。ラトの相手は私が致します」
エキドナ「了解」(だが、その前に……)
〔通信音〕
ラミア(! 本隊の暗号か)
エキドナ(そちらの状況は把握した。やはり、機密通信装置が故障していたようだな)
ラミア(それと、言語機能もだ。次の接触時に交換用シナプスを頼む)
エキドナ(了解した。では、機密通信装置の予備を落としていく。後で回収しろ)
ラミア(了解した)

<キョウスケvsオウカ>
キョウスケ「存在しないはずの機体、か。そのカラクリ、暴かせてもらうぞ」
オウカ「私の機体などよりも自分の命を気にかけることですね」

<キョウスケvsエキドナ>
キョウスケ「こいつの動き……ラミアに似ている……!?」
エキドナ「ベーオウルフか。データはW17の方でも収集しているだろうが……」「こちらでもその能力を確かめさせてもらおう」

<ブリットvsオウカ>
オウカ「ラトを利用し続けてきた罪、死んでいったアラドの苦しみ……その身で思い知りなさい!」
ブリット「くっ! 少しはこっちの話を聞けっ!!」

<ラミアvsオウカ>
ラミア「まさか、このタイミングで『エルアインス』を投入するとはな」
オウカ「あの動き……エキドナに似ている?」

<ラミアvsエキドナ>
ラミア(W16……対戦するのは初めてではないが……)
エキドナ(レモン様の命令もある。致命傷を与えるわけにはいかん……)

<ライvsエキドナ>
ライ「どうやら、お前達はただのDC残党ではないようだな」
オウカ「私達はDC再興のために訓練を重ねてきたのです……!」
オウカ「その成果は あなた達の死を以て示しましょう!」

<ラトゥーニvsオウカ(1回目)>
オウカ「さあ、ラト……私の所へ来なさい」
ラトゥーニ「姉様こそ、私と一緒に来て」「そうすれば、本当のことがわかるから……!」
オウカ「可哀想……それほどまでに再教育されてしまっているなんて」
ラトゥーニ「!」
オウカ「でも、安心なさい。私達があなたの呪縛を解いてあげる」

<ラトゥーニvsオウカ(2回目)>
オウカ「ラト、あなたは自分の意思で戦っているのではない」「それに……あなたでは私に勝てないわ」
ラトゥーニ「……!」

<イルムvsオウカ>
イルム「見れば見るほどエルシュナイデに似てやがるぜ。いったい、どうやって作ったんだ?」
オウカ「この機体の由来など、私にとってはどうでもいいこと……」「アラドの仇を討ち、ラトを取り戻す力があればそれでいいのです!」

<カイvsオウカ>
オウカ「あなた達などに私の邪魔はさせません!」
カイ「ラトゥーニを上回る実力の持ち主だと言うのなら、油断はならんか……!」

<オウカ撃破orHP40%以下>
※※撃破の場合のセリフ※※
オウカ「フッ、さすがですね。でも……」
※※HP40%以下の場合のセリフ※※
オウカ「この程度で落ちはしません。 私は……」

オウカ「!」
ラトゥーニ「!?」
オウカ「く、うう……!」
ラトゥーニ「姉様……!?」
オウカ「ううっ……あ、頭が……! くっ!!」
ラトゥーニ「も、もしかして……!?」
オウカ「ア、ASRS展開……ブースト……!」
〔敵ユニット離脱〕
ブリット「逃げた!?」
イルム「あの加速……やはり、ブースト付きのテスラ・ドライブか」
ラトゥーニ「ね、姉様……」

<エキドナ撃破orHP40%以下>
※※撃破の場合のセリフ※※
エキドナ「さすがにやるな。だが、任務は終了した。撤退する」
※※HP40%以下の場合のセリフ※※
エキドナ「任務終了。後退する」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

〔敵ユニット離脱〕
ラミア(退いたか。 後は機密通信装置の回収を……)

<敵全滅・勝利条件達成>
エイタ「敵機の反応、全て消えました!」
ダイテツ「艦を停止させろ。撃墜したゲシュペンストの破片を回収し、調査する」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

ハガネ艦橋
リョウト「……送られてきたデータをこちらでも検討してみました」「製造番号は巧妙に削除されているようですが、部品は同じ物が使われています」
イルム「ああ……ハリボテじゃないな、あれは」
テツヤ「あのゲシュペンストがどこで作られたか、検討はつくのか?」
リョウト「ご存じの通り、マオ社の生産ラインは量産型ヒュッケバインに移行しています」「やはり、DC残党によって量産された物と考えるのが妥当だと……」
キョウスケ「では、量産型のアルブレードについては?」
リョウト「試作1号機と2号機はこちらにありますし、3号機はリュウセイが使っています」「また、データがハッキングされた形跡もありません」
キョウスケ「DC残党が独自に開発した物だという線は?」
リョウト「あり得ません。あそこまでこちらのプランとそっくりだなんて……」「仮にデータがハッキングされているとしても、開発期間の辻褄が合いません」
テツヤ「だが、あれは現実に存在している。それについて、お前の見解は?」
リョウト「あの……呆れずに聞いてもらえますか?」
テツヤ「? ああ……」
リョウト「非現実的だと思いますが……あれが未来から来た物だとすれば、納得がいきます」
テツヤ「み、未来からだと!?」
キョウスケ「……」
イルム「う~ん……そういう考え方もあるか」
テツヤ「しかし、いくら何でも……」
イルム「ま、それぐらいに非現実的な話だっていうことですよ」
リョウト「とにかく、僕達の方でもゲシュペンストMk-IIの件と一緒に調査を進めてみます」
テツヤ「わかった。また新たなデータを入手したら、そちらへ送る」
リョウト「お願いします」
イルム「じゃあ、リンやリオ、ラーダによろしくな」
リョウト「はい。そちらもお気をつけて……」

ハガネ格納庫
ラミア(……よし、これでアンジュルグの機密回路が使える。先日のディスクの内容確認を……)
〔通信音〕
ラミア(指令コード、0605……)(デザートクロス作戦のスケジュールに基づき、潜入任務の続行……)(さらに、ヘリオスに関する情報の入手……。可能であれば、身柄を確保)(……私にまでその指令が下ったか……)(どうやら、まだ本隊の方でも奴の行方をつかめていないらしいな)
ブリット「……ラミアさん、そこで何をやってるんです?」
ラミア「ブルックリン少尉……。アンジュルグの整備をしていたりしてましたのよ」
ブリット「そうなんですか。ところで、ラトゥーニを見かけてませんか?」
ラミア「いや……」
ブリット「……あの子、どこへ行ったんだろうなあ。カイ少佐達も捜しているのに……」
ラミア「もしや、あのオウカという敵パイロットの情報を彼女から聞き出すために?」
ブリット「いや、そういうわけじゃないんですけど」
ラミア「……」「……少尉達は、本気で彼女を『助ける』おつもりでございますですか?」
ブリット「ええ……。いくら戦争だとは言え、身内同士で戦うのは悲しいじゃないですか」
ラミア「……」(わからん……何故、そんなことを言う? 理解できん)
ブリット「実は、俺にも似たような経験があるんです」「だから……ラトゥーニにはそういう思いをさせたくないんです」
ラミア「甘い考え……ですことね。こちらを倒しにくる敵にそんな理屈は通用しませんのよ?」
ブリット「……わかってますよ。でも、俺は憎しみのためだけに戦ってるわけじゃありません」
ラミア「任務だから戦っているのでございましょう?」「兵士から任務を取ったら、何が残るんでございますです?」
ブリット「人間が残ると思います」
ラミア「……!」

ブリーフィングルーム
ラトゥーニ「……」(あの時の姉様の反応……もしかして、まだ……?)
〔扉の開閉音〕
ライ「ラトゥーニ、ここにいたのか」
ラトゥーニ「ライディース少尉、カイ少佐……」
カイ「彼女の……オウカのことだが……」
ラトゥーニ「……私は大丈夫です。それに……姉様の誤解は予測がついていました……」
ライ「彼女は……ああ思い込まされているということか」
ラトゥーニ「……おそらく」
カイ「オウカはまた我々の前に現れるだろう」「その時にアラドがいれば、彼女の認識が変わるかも知れん。だから、諦めるなよ」
ラトゥーニ「はい……」(……オウカ姉様……)

???
アウルム1「……ラトゥーニ……」
ラトゥーニ11「……」
アウルム1「……どうしたの? 泣いているの?」
ラトゥーニ11「……姉様……うう……」
アウルム1「……訓練が厳しかったのね。可哀想に……」
ラトゥーニ11「………」
アウルム1「……いいわ、私の方からコッホ博士に言ってあげる。あなたのメニューを考え直すようにって」
ラトゥーニ11「……でも……あの人は……私を……」
アウルム1「安心なさい。私がいる限り、あなたに妙な真似はさせないわ。今度の実験は私が代わってあげる」
ラトゥーニ11「……」
アウルム1「私が守ってあげる。あなたを……そして、弟や妹達を」
ラトゥーニ「姉様……」
アウルム1「だから、泣かないで。ね?」
ラトゥーニ11「はい……姉様……」

アースクレイドル内部
クエルボ「どうですか、セトメ博士……オウカの状態は?」
アギラ「拒否反応が出ておるの。まあ、予測しておったことじゃが」
クエルボ「スクール時代、彼女はラトゥーニを可愛がっていました。やはり、その記憶のせいで……」
アギラ「いや、原因はそれだけではなさそうじゃ」
クエルボ「え?」
アギラ「どうやら、ブロンゾ28が生きておるらしい。レコーダーにそれらしい会話が記録されておった」
クエルボ「アラドが……!」
アギラ「そのせいでアウルム1の深層意識に乱れが生じ、拒否反応を起こしたのじゃろうな」
クエルボ「……」
アギラ「ブロンゾ28め、欠陥品のくせに悪運だけは強いようじゃの」「フェフが目をつけただけのことはあるということか」
クエルボ「では、睡眠調整中のゼオラにアラドが生きていることを……」
アギラ「この際じゃ、奴に関するアウルム1とブロンゾ27の記憶をリセットし、再構築しよう」
クエルボ「もしや、それは……」
アギラ「そうじゃ。ブロンゾ28を完全に敵だと思い込ませる……」「その方がアウルム1とブロンゾ27も任務を遂行し易かろう、フェフェフェ」
クエルボ「……」
【シナリオエンドデモ終了】


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