TOP PAGEへ

No.21A
彗星、遥か遠く

【シナリオデモ開始】
アースクレイドル内部
???(ミツコ)「……そうですか。リクセント公国が……」
ヴィンデル「そのせいでノイエDCはヨーロッパ侵攻の足がかりを失った」
???(ミツコ)「まあ、私達にとっては大きな問題ではございませんわね」
ヴィンデル「うむ……かえって都合がいいぐらいだ」
???(ミツコ)「例の件に関しては、私から直接バン大佐に伝えますわ」
ヴィンデル「了解した。ところで、ミッション・ハルパー決行の日は決まったのか?」
???(ミツコ)「まだですが……オペレーション・プランタジネットの前になるようですわ」
ヴィンデル「妥当な線だな」
???(ミツコ)「その頃、ハガネとヒリュウ改は伊豆基地にいるはず……」
ヴィンデル「伊豆を抑えるのは誰だ?」
???(ミツコ)「ケネス・ギャレット少将です」
ヴィンデル「あの男か……問題ではないな」
???(ミツコ)「いずれにせよ、あなた方シャドウミラーにとってはチャンスですわよ?」
ヴィンデル「言われるまでもない」
???(ミツコ)「では、最後に……。彼らとの交渉の糸口が見つかりそうですわ」
ヴィンデル「何? 本当か?」
???(ミツコ)「ええ。上手くいきましたら、ご連絡します。……それでは、ごきげんよう」
〔通信音〕
レモン「……バラにはトゲがあるって言うけど、あのお嬢ちゃんのは格別ね」
ヴィンデル「彼女のような存在は、時に腐敗の原因となるが……」「新たな世界を生み出すための力の源にもなる」「だが、大抵の者は不相応の権力を望み、自滅するが……彼女は違う」
レモン「そうね。あの子、根っからの商売人だもの」「プロジェクトTDだって、その実は売り込み手段の一つでしょ。……彼らに対しての」
ヴィンデル「だろうな」
レモン「ある意味、純粋なのよ。だからこそ、私達もある程度までの手の内を見せられる」「切り札は別にしてね」
ヴィンデル「ああ。ローズが彼らとの接触に成功すれば、我らが望む世界はより確実なものとなる」
レモン「……ええ」
ヴィンデル「では、我らも日本へ向かう準備をしよう」
レモン「その前に……私達の足を手に入れない?」
ヴィンデル「足だと?」
レモン「そ。ライノセラスやキラーホエールじゃ、今後の作戦に対応しづらいでしょ」「私達の足として望ましいのはスペースノア級……そう、シロガネがいいわね」

アースクレイドル内部
NDC幹部「……現在我が軍の戦線はアフリカ北部沿岸まで後退しつつあります」
バン「リクセント公国の奪還で連邦軍を勢いづかせたか……」(だが、彼らとてこれ以上の攻勢はかけられまい)(インスペクターが次の動きを見せてもよい頃だからな)「……北部戦線はサマ、ムータ両基地を中心にし、戦力の立て直しを図らせろ」「他の戦線は現状維持……連邦軍、及びインスペクターの襲撃に備えるのだ」
NDC幹部「はっ」
〔通信音〕
一般兵「バン大佐……ヴィンデル隊より出撃許可の要請が来ております」
バン「作戦目的は?」
一般兵「アフリカ北部の友軍の支援だそうです」
バン「……」
NDC幹部「前回に続き、また独自の作戦行動か……」「バン大佐、いくら彼らがノイエDCの立役者とは言え……」「これ以上好き勝手にさせておいてよろしいのですか?」
バン「……」
NDC幹部「それに、彼らが使用するゲシュペンストMk-II……エルアインス……」「さらにスレードゲルミル……どれも出所が不詳な機体ばかりです」「しかも、スレード以外にも数種の特機が確認されており……」「第5プラントでは、我々の知らぬ人型機動兵器が量産されているとの噂もあります」
バン「……わかっておる。だが、今はあえて彼らを泳がせておくつもりだ」
NDC幹部「し、しかし……」
バン「ヴィンデル大佐から提供される戦力は、我々にとって重要……」「それに、彼の真意がどうあれ、我が軍の不利となる行動をとっているわけではない」
NDC幹部「バン大佐はヴィンデル大佐を信用なさっているのですか?」
バン「……」
〔扉の開閉音〕
一般兵「バン大佐、スレイ・プレスティを連れて参りました」
バン「うむ、ご苦労」
スレイ「……プロジェクトTD所属、スレイ・プレスティです」
バン「バン・バ・チュン大佐だ。お前がもたらしたカリオンは、シリーズ77の機体だな?」
スレイ「ご存じなのですか?」
バン「うむ、βプロト……。そして、αプロトのこともな」
スレイ「……」(旧DCの幹部クラスなら、プロジェクトTDのことを知っていてもおかしくはないが……)(DC戦争後に開発されたβプロトとαプロトを知っているということは……)(やはり、イスルギ重工側から情報が洩れていたようだな)
バン「スレイ・プレスティ、お前がノイエDCに参加する目的は何だ?」
スレイ「北米を占拠した敵異星人を掃討することです」
バン「ほう……。だが、それならば連邦軍で戦うと言う選択肢も選べたであろうが」
スレイ「連中のやり方では時間がかかり過ぎます……」「私は一刻も早く北米を敵異星人の手から取り戻したいのです」(そう、兄様のためにも……)
バン「……いいだろう。その志は我らと同じようだ。ノイエDCへの参加を認める」「また、機体提供の功績もある……略式であるが、少尉に任官する」
スレイ「ありがとうございます」
バン「早速だが、やってもらいたいことがある」
スレイ「任務とあらば……」
バン「お前にはある部隊と行動を共にし、その動きを報告してもらう」
スレイ「……内偵ですか?」
バン「包み隠さず言えばな。お前は作戦中に見たものを私に報告すればよい」
スレイ「……了解です。私が同行するその部隊とは?」
バン「……ヴィンデル麾下の特殊任務実行部隊だ」

ハガネ艦橋
エイタ「……偵察隊からの定時連絡。ポイントG1120に敵影なし」
テツヤ「そうか」
エイタ「どうやら、ガベス湾あたりにもう敵はいないみたいですね」
テツヤ「そう考えるのは早計だ。こちらをピンポイントで狙ってくる連中がいるかも知れん」
エイタ「そうですね……。スペースノア級って、何かと目立ちますもんね」
〔通信音〕
エイタ「あ……シロガネからです。先方はポイントG1050まで前進するとのことです」
テツヤ「何……? それではチュニジアの海岸線を越えてしまうぞ」
エイタ「もしかして、リー中佐……焦ってるんじゃないですか?」
テツヤ「焦ってる? あの男が?」
エイタ「ほら、ウチの部隊はリクセントの奪還に成功しましたし……」「こっちに負けたくないとか思っているんじゃないでしょうか」
テツヤ「……とにかく、シロガネへ警告を出せ。内陸部には敵がいる可能性が高い」
エイタ「言って聞く相手とは思えませんけど……」
テツヤ「いいから、やるんだ」
エイタ「りょ、了解です」

ハガネ艦内
〔システムダウンの音〕
ツグミ「……シミュレーション終了。リザルトは言うまでもないわね」
アイビス「もう一度……! もう一度頼むよ、レオナ!」
レオナ「ええ、望む所よ。こちらとしても、高機動戦闘のいい訓練になるから」
アイビス「ありがとう。……でも、次は負けないよ!」
ツグミ「それじゃ、もう1セットね」
リュウセイ「あの二人もよく頑張るねえ。もう20セットぐらいやってるぜ」
ライ「だが、実戦経験の少ないアイビスにとってはいいトレーニングになる」
リュウセイ「あいつ、レオナの前にもイルム中尉と10セットぐらい模擬戦やってたしなあ……」「タフさにかけちゃ、アラド以上かも」
ライ「そのアラドはどこへ行った?」
リュウセイ「ああ、王女さんと一緒にカイ少佐の講義を受けているよ」

ブリーフィングルーム
カイ「……敵機との相対距離が100。パターン14で反撃された場合、こちらがとるべき行動は?」
アラド「加速して突っ込んで、相手より先に攻撃する!」
シャイン「いったん距離を取って、相手の攻撃をかわした方がいいと思いますわ」
カイ「……シャイン王女が正解だ」
アラド「え?」
カイ「お前は攻撃範囲の差を忘れとる。パターン14だと最悪の場合、相討ちになるぞ」
アラド「そ、そこはイチバチってことで」
ラトゥーニ「ア、アラド……」
カイ「二人共、接近戦で心がけなければならないことは何なのか……言ってみろ」
シャイン「敵との間合いをちゃんと見極めることでございましょうか?」
アラド「肉を切らせて、骨も切らせることだと思います!」
ラトゥーニ「アラド……それじゃ、やられっぱないだから」
カイ「やれやれ……誰の影響を受けとるんだか。お前はもう一度基礎から叩き込んだ方が良さそうだな」
アラド「トホホ……よ、よろしくお願いします」

ハガネ艦内
ツグミ「結局、かなり負け越したわね。落ち込んでる?」
アイビス「……見ての通りです……」
レオナ「アイビス、模擬戦は所詮模擬線よ」
アイビス「え……?」
レオナ「確かに日々の訓練は大切……でも、腕は実戦の中でこそ磨かれていくものだと思うわ」
アイビス「でも、あたし……」
レオナ「……まだ戦うことに違和感を感じているの?」
アイビス「ちょっとね……。でも、そんなことを言ってられない状況だってのもわかってる……」「目指す先が戦いの向こうにあるのなら、あたしは戦うことをためらわない……」
ツグミ(アイビス……フィリオと同じことを言うのね……)
レオナ「大事が夢があるのなら、今は生き残ることを第一に考えた方がよくてよ」
アイビス「生き残ること……」
レオナ「ええ。プロジェクトTDであなたのやるべきことが残されているなら」
アイビス「……そうだよね……。負けたって生きていれば、何度でも挑戦出来る……」「やろうっていう意志があれば、いつか何だって出来るよね……」
レオナ「それはあなた次第よ」
アイビス「ありがとう、レオナ。……またシミュレーターで相手してくれるかな……?」
レオナ「ええ、喜んで」

ハガネ艦橋
カイ「……アイビスはプロジェクトTDで受けたアストロノーツ訓練が大きな礎となっているようです」「また、シャイン王女もいい筋をしておられます」
ダイテツ「そうか。アラドの方は?」
カイ「見所はあるんですが……まだそれを生かし切れていません」
イルム「やっぱり、別のスタイルってのがよくないんですかね」
ヴィレッタ「そうね……。彼の場合はコンビネーション戦闘の訓練を受けていたようだから」
イルム「パートナーがいてこそ真価を発揮するってことか……」
ヴィレッタ「おそらく、ラドム博士はそのことを踏まえて彼をビルガーのパイロットに選んだのでしょうね」
カイ「ま、肝っ玉は座っとるんだ。これからガンガン鍛えてやるさ」
〔警報〕
エイタ「3時方向に敵影確認! こちらへ接近中です!」
カイ「来たか!」
ダイテツ「総員第一種戦闘配置!」
テツヤ「了解!」
〔通信音〕
エイタ「11時方向にも敵影確認! シロガネの方へ向かっているようです!」
テツヤ「何だと!?」
ダイテツ「敵はどちらが多い?」
エイタ「シロガネの方です!」
カイ「向こうは敵の勢力圏内に近い……まずいな」
ダイテツ「カイ少佐、足の速い機体に11時方向の敵を追撃させろ」
カイ「了解。では、アイビスに行かせます」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「彗星、遥か遠く」


【戦闘マップ開始】
〔敵ユニット出現済み〕
量産型W「……まもなく目標が戦闘エリア内に侵入」
エキドナ「単独でか?」
量産型W「他に艦影は見当たらない」
エキドナ「予定通りだな。スレイ・プレスティ少尉のカリオンは?」
量産型W「こちらからの命令通り、後方警戒任務に就いている」
エキドナ「意外に素直だな。やはり、バン大佐の命令でこちらの動きを調べる気か」
量産型W「必要ならば、処置を」
エキドナ「放っておけ。知られて困る任務ではない」「では、突入班は直ちに出撃準備を」
量産型W「了解」
エキドナ「フェイズ3に移行する。艦回頭180度」
〔味方戦艦出現〕
一般兵「敵艦を確認! こちらへ回頭しています!」
リー「ふん、逃げられんと悟ったか」「艦前面へフィールド展開。機関、第3戦速。有効射程内に敵艦が入り次第、砲撃戦を仕掛ける」
一般兵「了解!」
リー(……逃がしはせんぞ。あれは私の獲物だ)
一般兵「艦長、ハガネへの報告は?」
リー「不要だ。本艦だけで奴らを仕留める。戦果を挙げてみせろ」
一般兵「はっ!」
リー(そう、私は戦果を挙げねばならん。オペレーション・プランタジネットでの中核戦力となるために……)(私の戦場はここではなく、北米……私の戦うべき敵はノイエDCでなく、インスペクターなのだ)
<戦闘開始>

<1EP>

エキドナ「このまま後退。目標をひきつけろ」
量産型W「了解」

<2PP>
一般兵「艦長、敵艦が後退します!」
リー「こちらを誘い込む気か……? いや、『偽撃転殺の刑』だな」
一般兵「偽撃転殺?」
リー「そうだ。見え透いた手こそ、その裏に計略がある」「敵は本艦を誘い出し、その間に手薄な方……つまり、ハガネを討つ気だ」
連邦兵「では、反転してハガネの救援を……!」
リー「その必要はない。このまま突撃し、敵艦を撃沈する」
連邦兵「はっ!」
リー(ふん……シロガネはハガネのオプションではない)(そのことをダイテツ中佐やテツヤ・オノデラ……そして、上層部の連中に教えてやる)

<ライノセラスHP90%以下orリーがライノセラスへ接近・味方援軍1&敵増援1出現>
エキドナ「……頃合いだな。これよりフェイズ4に移行する」
〔敵ユニット出現〕
一般兵「艦長! 敵艦から敵機が発進しました!」
リー「悪あがきを……!」
エキドナ「……ランドグリーズ隊、エル・アインス隊、目標へ攻撃」
〔リーの近くの地点に爆発〕
リー「ふん、その程度で本艦を沈められると思うな」「フィールド解除! 主砲で一気に敵艦を仕留める!」
エキドナ「懐を開いたな。……行くぞ」
〔エキドナ&ガーリオン隊、リーへ接近〕
一般兵「て、敵機が本艦へ突っ込んできます!」
リー「上部機銃群、弾幕を張れ!」
〔ガーリオン隊、リーへ接近〕
一般兵「う、うわあっ! 間に合わない!?」
リー「うろたえるな! 確実に狙い、撃ち落とせ!」
エキドナ「ガーリオン隊はそのまま突撃。対空火器を破壊しろ」
量産型W「了解」
〔ガーリオン隊、リーへ隣接〕
〔敵ユニット撃破〕

一般兵「うあああっ!!」
リー「と、特攻だと!?」
エキドナ「……悪いが、代わりはいくらでもいるのでな。突入班、目標に取りつけ」
〔タウゼントフェスラー隊、リーへ隣接〕
一般兵「て、敵機が!!」
リー「近接高機動ミサイルで迎撃せよ!」
エキドナ「……突入班、降下」
量産型W「了解」
一般兵「か、艦長! 敵機から敵兵が降下してきます!」
リー「この期に及んで白兵戦か!?」
エキドナ「彼らはただの兵士ではない。止められると思うな」
一般兵「て、敵兵が艦内に侵入!」
リー「主要部の隔壁閉鎖! 対人要撃システムを作動させろ!」
エキドナ「……主要部の制圧を急げ。必要最低限の人員以外は抹殺しろ」
〔機関銃の銃声〕
一般兵「な、何だ、あいつら!? 銃が効かない!!」
リー「何だと!?」
〔機関銃の銃声×2〕
〔爆発音〕

量産型W「機関部へ突入」
量産型W「観測室、制圧完了」
量産型W「メインブリッジへ突入」
リー「!!」
〔機関銃の銃声×2〕
〔爆発音〕
〔画面、振動〕
〔機関銃の銃声×2〕

量産型W「メインブリッジ、制圧完了」
エキドナ「了解。他ブロックの制圧を急げ」
〔エキドナ、リーへ隣接〕
〔敵ユニット離脱〕

リー「き、貴様ら……!」
エキドナ「陽動部隊と深読みし、突撃したお前のミスだ。まさに策士策におぼれる、だな」
リー「く……!」
エキドナ「もっとも、我々の手勢はお前達にとって意外だっただろうが」
量産型W「……」
リー「貴様ら、いったい何者だ……!?」
エキドナ「説明をする必要はない。ただちに武装解除し、投降しろ。この艦は我々がもらい受ける」
リー「ふざけるな、誰が……!」
〔銃声〕
リー「ぐうっ!!」
量産型W「抵抗すれば射殺する」
エキドナ「そう……警告は一度きりだ」
リー「う、うぬっ……!!」
エキドナ「艦長以下の主要メンバーは全員拘束……シロガネごと連行する」
量産型W「W16、こちらへ接近してくる機体を感知した」
エキドナ「……来たか」
〔味方ユニット出現〕
アイビス「! シ、シロガネが!!」
エキドナ「あの機体は……」
アイビス「まさか、あいつら……シロガネを持って行く気!?」
エキドナ「間違いない、プロジェクトTDの試作機か」
アイビス「このままじゃ、まずい……。何とかしなきゃ……!」
〔警報〕
アイビス「! こ、この反応は!?」
〔敵ユニット出現〕
スレイ「……やはり、アステリオンか!」
アイビス「スレイ! スレイなの!?」
スレイ「アイビス……!」
アイビス「スレイ……戻ってきてくれたんだね……」
スレイ「………」
アイビス「状況は見ての通りよ! シロガネを奴らの手から救うのに手を貸してよ!」
スレイ「……お前がアステリオンに乗っているということは、ツグミもお前を認めたということか……」
アイビス「スレイ……?」
スレイ「忘れたか、流星! 次に会う時は敵同士だと言ったのを!」
アイビス「!」
スレイ「今の私はノイエDCのスレイ・プレスティ少尉……お前の敵だ!」
アイビス「どういうことよ、スレイ!? ノ、ノイエDCって……なに考えているのよ!?」
エキドナ「……スレイ少尉、お前の任務は後方の警戒だったはずだが?」
スレイ「邪魔者は私が引き受ける。そちらはそちらの任務を遂行しろ」
エキドナ(命令に違反しても決着をつけたい相手と言うことか。……こちらの時間が稼げるな)「いいだろう」
アイビス「スレイ……あんた!」
スレイ「……」
量産型W「……主要ブロックの制圧、及び操艦方法の学習完了」
エキドナ「よし、お前達はシロガネで後退しろ」
量産型W「了解」
〔味方戦艦離脱〕
アイビス「ああ! シロガネが!」
スレイ「他人の心配をするより、自分のことを考えるのだな」
アイビス「!」
スレイ「お前がアステリオンに乗るのなら、私はお前をコックピットから引きずり降ろす!」
アイビス「スレイ……。フィリオは……戦いが続くことにずっと心を痛めていた……」
スレイ「……」
アイビス「でも、あの人はそれを終わらすためにシリーズ77の戦線投入を決意した……」「自分の心を押し隠して……!」
スレイ「…………」
アイビス「なのに、どうしてあんたは自ら戦いを広げようとするのよ!?」「あんた、本当に宇宙を飛ぶ気があるの!?」
スレイ「黙れ! 宇宙々々と……お前はそれしか頭にないのか!?」
アイビス「それがあたし達のプロジェクトTDじゃないの!」
スレイ「やはり、お前とは相容れないようだ……」
アイビス「スレイ!!」
スレイ「見せてもらうぞ、アイビス! お前がアステリオンに相応しいかどうかを!」

<アイビスvsスレイ>
スレイ「アイビス! どんな手段を使って兄様をたぶらかした!?」
アイビス「た、たぶらかしたって、何のこと!?」
スレイ「とぼけるな! その白銀の機体が何よりの証拠!」「私はお前を許さない! 私の誇りに賭けて、お前の全存在を否定してやる!!」

<アイビスHP20%以下or味方援軍1出現の2ターン後PPorアイビス気力130以上orスレイHP20%以下orエキドナHP90%以下・味方援軍2出現>
※※アイビスHP20%以下or味方援軍1出現の2ターン後PPorアイビス気力130以上の場合のセリフ※※
アイビス「駄目だ……! スレイを振り切れない!!」
スレイ「無様だな、アイビス! お前ではアステリオンは使いこなせまい!」「やはり、その機体は緋色に塗られるべきだったのだ!」
※※スレイHP20%以下orエキドナHP90%以下の場合のセリフ※※
スレイ(アイビスの腕が上がっているだと……!? ツグミのコーチによるものか……!)
アイビス「スレイ、まだ遅くはない……。あたしと帰ろうよ……」「そして、一緒に星の海へ……」
スレイ「何が星の海だ! お前に私の気持ちがわかってたまるか!」「その機体はやはり緋色に塗られるべきだったのだ!」

アイビス「スレイ……! あんた、まさか……それを気にして……!?」
スレイ「黙れ、アイビス! お前は流星……そして、私はお前を敗北の闇に落とす彗星だ!!」
アイビス「そこまで言うなら見せてやる……!」「あたしだってアステリオンと一緒に成長しているんだっ!!」
〔アイビス、スレイへ隣接〕
[イベント戦闘「アイビスvsスレイ」]
アイビス「スレイ! もう今までのあたしじゃない…!」「マニューバーRaMVs! スレイ、行くよ!」「アステリオンならやれる! 相手がスレイだろうと!」「軌道を見切って…突っ込む!!」
スレイ「(通常回避台詞)「お前の攻撃など全て見切っている!」「マニューバーRaMVsだろうと同じことだ!!」
アイビス「だ、駄目だ……! スレイのスピードが追えない!」

アイビス「そ、そんな! RaMVsが通用しないなんて!」
スレイ「RaM系のマニューバーが出来たからと言って調子に乗るな……!」「私にお前ごときのテクニックが通用するものか!」
アイビス「く……!」
スレイ「悔しければ、スペシャルレベルのマニューバーでもやってみせるのだな!」
エキドナ「……勝負はついたようだな。少尉、直ちにそいつを撃墜しろ」
スレイ「そ、それは……!」
エキドナ「どうした? あの女はお前の敵ではないのか?」
スレイ「……………」
エキドナ「まあいい。追手が来たようだからな」
〔味方戦艦出現〕
〈出撃準備〉
スレイ「ハガネか……!」
ツグミ「カリオン01……! スレイ、あなたなのね!?」
スレイ「……」
レオナ「スレイ・プレスティ……あなたとこんな形で再会するとはね」
スレイ「レオナ……レオナ・ガーシュタインか」
レオナ「……元の鞘にまったということかしら?」
スレイ「そうだ。お前と違ってな」
レオナ「でも、まる所を間違えているのではなくて?」
スレイ「……!」
テツヤ「エイタ、シロガネの反応は!?」
エイタ「レーダー圏内から離脱しつつあります!」
テツヤ「な、何っ!?」
ダイテツ「追跡を続けろ! 見失ってはならん!」
エイタ「りょ、了解!」
カイ「まさか、連中の目的がシロガネの撃沈ではなく、だ捕だったとはな」
イルム「リクセント奪還に対する意趣返しだとでも?」
カイ「スペースノア級は連邦軍のフラッグシップだからな。あり得る話だ」
レオナ「こちらの士気低下と使い勝手のいい戦闘母艦の入手……一石二鳥というわけですね」
ライ「そのためにわざと戦力でシロガネを誘き出したか……」
レオナ「ええ、リー中佐はそれに乗せられてしまったのよ。……そして、私達もね」
エキドナ「ここでハガネの足を止める。全機、攻撃を開始せよ」
ツグミ「アイビス、応答して! 無事なの!?」
アイビス「な、何とか……」
エキドナ「スレイ少尉、お前は下がれ」
スレイ「何を言う、エキドナ! 私はまだ戦えるぞ!」
エキドナ「トドメをためらうようでは無理だな」
スレイ「貴様……!」
エキドナ「お前は直ちにシロガネを追尾し、護衛しろ。それで先程の命令違反を不問にする」
スレイ「……了解した……」
アイビス「ま、待ってよ、スレイ!」
スレイ「アイビス、今日のところは見逃してやる」「だが、私はお前を許さない。お前が飛び続けるのなら、必ず闇へ消えていく流星にしてやる……!」「この私の手でな!」
〔スレイ、マップ端へ移動〕
〔敵ユニット離脱〕

アイビス「スレイ……!」
エイタ「艦長! 敵機がこちらへ向かってきます!」
ダイテツ「突破してシロガネを追跡する! 各機、攻撃開始!」

<エキドナ撃破orHP30%以下・勝利条件達成>
※※撃破の場合のセリフ※※
エキドナ「……ヴィンデル様がおっしゃった通り、さらに力をつけてきているようだな」「だが、こちらの目的は既に果たした。……後退する」
※※HP30%以下の場合のセリフ※※
エキドナ「やるな。だが、こちらの目的はすでに果たした。……後退する」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※

〔敵ユニット離脱〕
エイタ「敵機の反応、消えました!」
テツヤ「エイタ、シロガネの行方は!?」
エイタ「だ、駄目です! 完全にロストしました!」
テツヤ「なっ……!」
ダイテツ「全機に一度帰艦命令を出せ。補給作業終了後、再発進……シロガネの捜索任務に就かせろ」
テツヤ「りょ、了解です……」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

アースクレイドル内部
リー(……この私がむざむざ敵に捕まるとは……)(しかも、シロガネごと……! このまま生き恥をさらすぐらいなら、いっそのこと……)
〔扉の開閉音〕
ヴィンデル「……貴様がシロガネ艦長、リー・リンジュンか」
リー「……私はお前達の捕虜になどなるつもりはない」「情報を聞き出そうとしても無駄だ。さっさと殺すがいい」
レモン「まあまあ、そう突っ張らないで」
リー「……」
ヴィンデル「潔いことだが、それでは無駄死にだな」
リー「何……? 貴様は……?」
ヴィンデル「私はヴィンデル……ヴィンデル・マウザー大佐だ」

アースクレイドル内部
バン「そうか、シロガネをな。ともかく、任務ご苦労だった……スレイ・プレスティ少尉」
スレイ「はっ」
バン「それで、以後の処遇だが……」
スレイ「……バン大佐、僭越ながら自分の希望を述べさせていただいてもよろしいでしょうか」
バン「何だ?」
スレイ「ノイエDCが北米のインスペクターを討つ時が来たら……」「是非、自分をその攻撃部隊にお加え下さい。それも……最前線の」
バン「良かろう……覚えておく」
スレイ「ありがとうございます」「……」(待っていて下さい、兄様……。兄様は必ず私が助け出します……)(そのためなら私は……汚名にも耐え、どんな手段も辞さないつもりです……)(だから……あと少し……あと少しだけ待っていて下さい……)

ハガネ艦橋
エイタ「……艦長、アステリオンが帰艦しました」「これで捜索に出た機体が全て戻ってきたことになります」
ダイテツ「……結果は?」
エイタ「シロガネ……そして、カリオンを発見することは出来なかったそうです」
ダイテツ「そうか……」
テツヤ「……」
ダイテツ「これ以上、敵の勢力圏近くに止まるのは危険だ。一度本艦は後退する」
テツヤ「は、はい……」「……」(リー……死ぬなよ……)

ハガネ艦内
ツグミ「また落ち込んでるの?」
アイビス「……見ての通りです……」
ツグミ「ほらほら……顔を上げて。あなたのためにトレーニングメニューを作ってみたのよ」
アイビス「え……? タカクラチーフがですか?」
ツグミ「実はね……TDの時からトレーニングメニューはフィリオと私が作っていたのよ」
アイビス「知らなかった……。チーフはシステムエンジニアだと思ってたから……」
ツグミ「私だってTDに参加した以上、宇宙飛行士としての基礎課程はクリアしたわよ」「もっとも、私の専攻はナビゲーターだったから……あなた達とは別コースだったけどね」「でも、実技はともかく理論とコーチングは自信あるわよ」
アイビス「そうだったんですか……。まさか、チーフがあたし達の教官だったなんて……」
ツグミ「このメニューはあなたが出撃した際のバトルデータを分析して作ったものだから……」「TDの時よりもより実践的で、よりあなた個人に即したものになっているわ」
アイビス「じゃあ、あたし……強くなれるんですか?」
ツグミ「それはあなた次第ね」
アイビス「あたし、やります! 強くなれるんなら何だって!」
ツグミ「……何でも?」
アイビス「はい!」
ツグミ「じゃあ、一つだけお願いがあるんだけど」
アイビス「あ……あの……もしかして、服のことですか……?」
ツグミ「え……?」
アイビス「チーフの趣味は……女の子にフリフリの格好をさせることだって聞いたことが……」
ツグミ「……間違ってはいないけど、私だって着せる相手は選ぶわよ。似合う似合わないを考えてね」
アイビス「嬉しいような……悲しいような……」
ツグミ「心配しないの、アイビス。あなたは確かに落ち込みやすくて緊張に弱くて、口下手で……」「人見知りで、世間知らずで照れ屋で、堅物で、子供っぽくて凹凸少なめのスタイルで………」
アイビス「え……ええ……!?」
ツグミ「でも、誰にも負けないものを持っているわ」
アイビス「それって……?」
ツグミ「ナイショよ。……それよりも私のお願い……」「今日から、私のことはツグミって呼んで」
アイビス「え……!?」
ツグミ「今まではシステム開発チームのチーフとテストパイロットだけど……」「フィリオとスレイが帰ってくるまでは、私達二人がプロジェクトTD……」「私達はお互いをパートナーと認め合い、助け合って頑張っていかなくちゃ」
アイビス「タカクラチーフ……」
ツグミ「そうじゃないでしょ?」
アイビス「は、はい……ツグミ……!」
ツグミ「ちょっと堅いけど、まあ良しとしましょう。改めてよろしくね、アイビス」
アイビス「こっちこそ……ツグミ」
ツグミ「……」「アイビス……宇宙を飛びたい?」
アイビス「もちろん!」
ツグミ「失敗した時は……?」
アイビス「何度でも挑戦する……。決してあきらめずに……!」
ツグミ「その気持ちを忘れないでね。あなたはきっと強くなるわ」
アイビス「了解!」
ツグミ(フィリオ……私にも少しずつだけどわかってきたわ。あなたがアイビスを選んだわけが……)(私はあなたを待ちます……。アイビスと二人で少しづつ夢を育てながら……)
【シナリオエンドデモ終了】


● No20A「超音速の妖精」 へ戻る

● No22A「百舌と隼」 へ進む


◆ 「スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2」 へ戻る




当館に記載されている作品名・製品名などは、各社の登録商標です。
当館の内容は、各社からの正式許可を受けてはおりません。