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No.3
at the risk of pride

【シナリオデモ開始】
南アメリア大陸南部 トレゾア技研

  ~フリーデン 娯楽室~
ゲイン「…すまないな、ノーマンさん。バーテンをやってもらって」
ノーマン「お気になさらないでください。私でお役に立てるようでしたら、何なりとお申し付けを」
ランド「こいつはどうも…。恐れ入ります」
ノーマン「テクス様、おかわりはいかがですかな?」
テクス「あなたは素晴らしいバーテンだ。酒の出し方も会話のタイミングも全てが絶妙です」
ノーマン「皆様がお酒を楽しまれるからこそです。私も腕の振るい甲斐がありますよ」
メール「フリーデンがすっかり酒場になっちゃったね」
ランド「言っておくが、ジャミルの旦那の許可はもらってるぜ」
桂「ま…昼間っから飲んでる事はちょいと問題だろうがね」
ロジャー「では、ノーマン…私は少し出かけてくる」
ノーマン「お気をつけて、ロジャー様」
ランド「何だよ、ロジャー。一杯で引き上げとは、寂しいじゃないか」
ロジャー「すまない。ちょっとした用事を済ませなくてはならなくてね」「では、失礼する」
ストナー「スタイリッシュな男だな。こんな場所でもスーツで決めて」
ドロシー「ロジャーはあれしか服を持ってないから」
ホランド「お前さんはあいつの行き先を聞かないのか?」
ドロシー「知る必要はないから」
マシュー「ドライなのね、ホント」
ゲイン「ロジャーの事だ。仕事でも入ったんだろうさ」
桂「わからないぜ。デートかも知れない」
ランド「考えられなくもないな。ミスター・ネゴシエイターはあれで女性に弱いしよ」
メール「いいの、ドロシー…!?」
ドロシー「何が?」
メール「何って…ロジャーさんはデートに行ったかも知れないんだよ」
ドロシー「私には関係ないから」
メール「ドロシー…」

連邦軍兵(エウレカ)「…では、引き受けてくださるのですか?」
ロジャー「私は礼儀と誠意を持った人間を依頼を断つもりはない」「まして、私の腕を見込んでの名指しの依頼ならば、無下にするわけにもいくまい」
連邦軍兵(エウレカ)「ありがとうございます、ロジャー・スミス」「では、吉報をお待ちしております」
〔歩き去る足音〕
ロジャー「…大切な人へのプレゼントね。腕の振るい甲斐がある依頼だよ。…さて」「そろそろ出てきたらどうだ、メール・ビーター?」
メール「あら…バレてた?」
ロジャー「尾行をするのもされるのも慣れているものでね」「それで…私に何の用があってついて来たんだ?」
メール「え…と…その…もしかして…ロジャーさんが誰かとデートするのかなって…思って…」
ロジャー「確かにこれから女性と会う事になる」
メール「ええっ…!? 誰と!? どうやって知り合ったの!? ご結婚の予定は!?」
ロジャー「………」「いいだろう、メール。そこまで興味があるのなら同行を許可しよう」
メール「え…お邪魔じゃないの?」
ロジャー「ランド・トラビスには以前、ドロシーが世話になった。その例の意味もある」「それに私は女性は大切にするというポリシーを持っている。相手が子供でも、それは守ろう」
メール「何か微妙に引っかかる…!」
ロジャー「では、行こう。女性の自宅を訪問するのは日中はマナーだからな」

メール「…で、ここは?」
ロジャー「見ての通り庭園んだよ。ここで咲いている花を分けてもらう事が私の受けた依頼だ」
メール「依頼…? じゃあ、女の人って…」
ロジャー「ここの庭園の持ち主だ。デートの相手と言うには、少々ニュアンスが異なるだろう」
メール「なぁんだ…一安心」
ロジャー「私の女性関係に興味があるようだが、君はランド一筋ではないのかね?」
メール「その通り! …ちょっとは期待した?」
ロジャー「君が私の好みであったならね」
メール「むぅ…いちいち引っかかる! 今回はドロシーのためにおせっかいを焼いただけだよ」
ロジャー「ドロシーのため? それはまた…どういう意味でだね?」
メール「え…? だって、ドロシーってロジャーさんの事、好きなんでしょ?」
ロジャー「はあ?」
メール「同じ女の子のあたしにはわかるよ。あのキツい言い方も愛情の裏返しだって」
ロジャー「そういうわけではないと思うがね…。第一彼女はアンドロイドだ」
メール「でも、モームは桂様大好きだし、ドロシーだって心があるんだもの。誰かを好きになってもおかしくないよ」
ロジャー「彼女に心がある事は認めよう。だが、だからといって愛という感情を持っているかはわからない」「ましてや、それの向いている先が私であるなど考えた事もない」
メール「もう…素直じゃないんだから」
ロジャー「おしゃべりはここまでだ。私の交渉相手が来た」
〔草の上を歩み寄る足音〕
市民(若者・女)「お待たせしました、スミスさん。私がこの庭園の持ち主です」
ロジャー「ロジャーで結構です。ミズ・フローレス」
市民(若者・女)「この庭園の花が欲しいと伺っておりますが…」
ロジャー「ええ…私はある人物にその交渉を依頼されました」「いかがでしょう? 彼の所望の花を適価で譲っていただけないでしょうか」
市民(若者・女)「残念ですが…」
ロジャー「依頼者は相応の金額を用意すると言っていますが…」
市民(若者・女)お金の問題ではないんです」
ロジャー「と言われますと?」
市民(若者・女)「この庭園は私の祖父の代より趣味でやっているものです」「ブレイク・ザ・ワールドで一時は荒れかけましたが、何とかここまで持ち直しました」
ロジャー「………」
市民(若者・女)「この花は私にとって命と同じです。商品という形でお譲りするわけにはいきません」
ロジャー「わかりました。では、今日は失礼させていただきます」
市民(若者・女)「え…」
メール(あっさり帰っちゃうの!?)
ロジャー「私はネゴシエイターという仕事をしていますが…」「クライアントをその報酬額で選ぶような事はしていません」
市民(若者・女)「あなたにとって、ネゴシエイターという職業はお金のためではないと…?」
ロジャー「同じ想いを持つあなたに無粋な真似はしたくありません。日を改めて出直させていただきます」
〔草の上を歩み寄る足音〕
ブレーカー(中年)「邪魔するぜ、フローレスさん」
市民(若者・女)「あなた達はエステー社の…!」
ブレーカー(アゴ)「その通り。エステーさんはそろそろ返事が欲しいって言ってるぜ」
ブレーカー(若者)「というわけで、俺達は御用聞きに来たんだよ」
市民(若者・女)「その話でしたら、正式にお断りしました。どれだけお金を積まれても、この土地を売る気はありません…!」
ブレーカー(若者)「聞こえねえなぁ」
ブレーカー(アゴ)「エステーさんの聞きたい返事はそういうんじゃねえんだよ、姉ちゃん」
市民(若者・女)「あなた達は…」
ロジャー「この美しい花の前で脅迫行為とは無粋にも程があるな」
ブレーカー(若者)「何だよ、お前は!? 姉ちゃんに雇われた用心棒か!」
ロジャー「そういった者ではないが、女性への礼節のなっていない人間には相応の態度で臨むつもりだ」
ブレーカー(アゴ)「ちっ…表立って面倒を起こすわけにはいかねえ。引き上げるぞ、お前ら」
ブレーカー(中年)「命拾いしたな、兄ちゃん。今日はラッキーデイだぜ」
ブレーカー(若者)「だが、覚えとけよ、姉ちゃん。エステーさんは返事をお急ぎだぜ」
〔草の上を歩き去る足音〕
市民(若者・女)「………」
ロジャー(美しい庭園と地上げ屋…。さて、どうしたものかな…)

  ~エステー社 社長室~
メール「…地上げ屋との交渉を引き受けるなんて、ちゃっかりしてるね、ロジャーさん」
ロジャー「何の事だ、メール?」
メール「これで地上げ屋をやっつければ、きっとフローレスさんはお花をくれるよ。これで依頼はばっちりだね」
ロジャー「そういうつもりはないがね」
メール「そうなの?」
ロジャー「この以来と最初の依頼は別問題だ。だから、きちんと金銭という報酬で彼女の頼みを引き受けた」「私は自分の仕事を誰かの弱みに付け込むようなものにするつもりはないのでね」
メール「ふうん…」
〔扉の開閉音〕
市民(中年・男)「お待たせしました、ロジャーさん。私のこの者の代表者のエステーです」
ロジャー「随分手広く不動産業をやっておられるようですね」
市民(中年・男)「こういうご時世ですからね。いつ土地というものが消失するか、わかりません…」「ですから、私が土地を買ってあげるのは半ば慈善事業のようなものですよ」
ロジャー「なるほど…。多元世界特有の不安を煽る事で法外な安値で土地を買い叩いてきたと…」「そして、それに応じない者には暴力による恫喝を行ってきたわけですね」
市民(中年・男)「人聞きの悪い事をおっしゃらないでいただこう」
ロジャー「あなたの商売のやり方を論じるためにきたわけではありません」「率直に言いましょう。ミズ・フローレスの庭園への手出しをやめていただこう」
市民(中年・男)「お断りします。こちらもビジネスでやっているのです」「その邪魔をするのなら、考えがありますぞ」
ロジャー「あなたという男の底が見えましたよ。それを収穫とします」
市民(中年・男)「おお引き取り願おう。二度と顔を見せないでくれ」
ロジャー「…わかりました。ですが、またお会いする事になるでしょう」「この街にも警察というものがありますし、世論というものもあります」「それらを使ってでも、あなたの会社のやり方を改めさせる手を取らせていただきます」
市民(中年・男)「ぬう…」
ロジャー「では、失礼します」

ロジャー「すっかり日も暮れてしまったが、もう一仕事しよう」
メール「ビッグオーを使って、あの会社をやっつけるの?」
ロジャー「暴力で主張を通すのではあの地上げ屋と同じだ。ネゴシエイターとは言えないな」「私が戦う力は知恵と言葉にある。暴力的な実力行使に出るのは自衛のためか、最後の手段だ」
メール「そうなんだ…。あたし、誤解してたみたい」「って言うより、みんながロジャーさんの事、誤解してるみたいだよ」
ロジャー「それも仕方ないだろう。確かに結果として私は依頼を果たす過程でビッグオーを使用した事も多い」「ただ、それはさっき話したような状況に陥った場合のみだ」「それを指して私をトラブルメーカーと呼ぶのなら、甘んじて受けよう」
メール「それでいいの…!? ちゃんと説明すれば、みんなだってわかってくれるのに」「誤解されたまんまだと、この間のZEUTH同士の戦いみたいな事になっちゃうかも知れないよ」
ロジャー「………」「メール…君のランド・トラビスへの想いは錯覚だ」
メール「え!?」
ロジャー「君は幼い時から傍にいた男性への親近感を亜一嬢と勘違いしているに過ぎない」「これはZEUTHの皆が言っている事だ」
メール「そんな事ない…! そんな事ないもん!」「誰が何と言おうと関係ないもん! あたしのダーリンへの想いは本物だよ!」
ロジャー「そういう事だ」
メール「へ!?」
ロジャー「他人に何を言われようと自分の中に揺ぎないものがあれば、動じる必要はない」
メール「ロジャーさん…」
ロジャー「…いいかい、メール? こんな話は、ここだけのものだ。今日の私の言葉を誰にも話してはいけない…」「私は自分の目で全てを確かめたい。そのためにパラダイムシティを発ち、ZEUTHにも参加した…」「ZEUTHの片割れと戦う事になった事も真実を自らの目で確かめる過程だったと思っている」
メール「でも、あれは誰かに騙されたせいであたし達も向こうも間違ってたんだよ」
ロジャー「自分の考えが誤りだったら、間違いを認め、それを正すだけだ」「揺ぎない自己がある以上、後悔も風評も恥じる必要はない」「ZEUTH全体はともかく、私個人においてはね」
メール「うん…。わかったよ、ロジャーさん」
ロジャー「言っておくが、私とて人間だ。誤解に傷ついていないわけではない」「だが、私には理解者がいる。私をロジャー・スミスと呼ぶ者がいる限り、私はロジャー・スミスなのだよ」
メール「名指しで仕事も来るんだから、わかっている人はわかってるんだね」
ロジャー「さあ依頼を果たすぞ、メール。エステー社の悪行の証拠集めだ」
メール「がってん!」
ロジャー「街の噂を聞く限り、エステーは叩けばホコリが出る人間だ。それを集めれば、我々は勝てる」
ブレーカー(中年)「そうはいかねえんだよ…!」
メール「昼間のチンピラ!」
ブレーカー(アゴ)「カーカーうるさいカラスを始末しろって言われてな」
ブレーカー(若者)「いくらお前がネタを挙げようと死人に口無しって奴だ」
ロジャー「叩く前にホコリが出てくるとはな。まったく…悪党の思慮の浅さには毎度助けられるよ」
ブレーカー(中年)「減らず口もここまでだ! 覚悟しな!」
メール「ロ、ロジャーさん! あいつらをやっつけちゃってよ!」
ロジャー「生憎だが、私は銃は持たない主義だ」
メール「じゃあ、どうすんのよ!?」
ロジャー「こういう時は…」「走るぞ、メール!!」
メール「う、うん!」
ブレーカー(アゴ)「逃がすかよ! こうなりゃとことんまでやってやるぜ!」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「at the risk of pride」


【戦闘マップ開始】
〔敵ユニット出現〕
メール「あいつら、ウォーカーマシンを出してきたよ!」
ロジャー「馬鹿な奴らだ。これでは自らの悪事を街中に宣伝しているようなものだ」
ブレーカー(アゴ)「そんなのは今さらなんだよ! この街はエステーさんが支配しているも同然なんだからな」
ブレーカー(中年)「これだけの戦力を持ってるんだ。警察も見て見ぬふりなのさ」
ブレーカー(若者)「言っておくが、エステー社の力はこんなもんじゃないぜ」
〔敵ユニット出現〕
メール「チラムのデバイスやモビルスーツも出てきた!」
ブレーカー(アゴ)「エステーさんご自慢のガードシステムさ」
ブレーカー(中年)「中古の軍用機に自動操縦装置を積み込んだ戦闘部隊だぜ」
メール「で、でも…人間二人を追うのにちょっと大げさ過ぎない!?」
ブレーカー(若者)「いい機会だからな。街の連中にエステー社の力を見せ付けてやるのよ!}
ロジャー「メール…これは非常事態だ。明らかに自衛のために私は戦う必要があるだろう」
メール「うん! やっちゃって、ロジャーさん!」
ロジャー「では…」「ビッグオー、ショウタイム!」
メール「来ないじゃないの!」
ロジャー「やはりパラダイムシティのようにはいかないか…」
ブレーカー(アゴ)「何だよ! はったりかよ!!」
ブレーカー(中年)「ビビらせんじゃねえよ、この野郎!」
メール「終わったぁ! ダーリン、あたしがいなくても強く生きてね!!」
ロジャー「心配は要らんよ。私には理解者がいる」
〔味方ユニット出現〕
メール「ビッグオー! 誰が乗ってるの!?」
ドロシー「私よ」
ロジャー「感謝する、ドロシー。来てくれると思ったよ」
ドロシー「あなたは仕事に出かけた。だから、念のために準備をしておいたわ」
ロジャー「私のやり方を尊重しつつ、的確な補助をする」「付かず離れず…。いい距離に君はいる」
ランド「すまねえな、大将。メールの世話させちまって」
ロジャー「構わんさ。私としても、いい機会に恵まれたと思っている」「レーベン大尉もすまない」
レーベン「…自分の場合、訳もわからないまま、付き合わされたんですけどね」
ドロシー「早くのって、ロジャー。ビッグオーも待っている」
ロジャー「了解だ」
〔ビッグオーのパイロット、ドロシー→ロジャーへ変更〕
ブレーカー(アゴ)「な、何だ!? やっぱり何か来やがったぞ!」
ブレーカー(中年)「構う事はねえ! 相手はたった3機なんだ! やっちまえ!」
ドロシー「そうはいかない」
〈母艦出撃〉
〈出撃準備〉

ジャミル「ドロシーから連絡を受けた。援護するぞ、ロジャー」
ロジャー「すまないな、みんな。付き合わせてしまって」
アポロ「ま…あんたが出向きゃこういう結果になるってのはわかってたがよ」
メール「ちょっと待って、アポロ! これは…」
ロジャー「メール」
メール「う、うん…! わかったよ、ロジャーさん!」
ランド「何のサインだ、メール?」
メール「いいの、いいの。気にしない、気にしない!」
市民(中年・男)「あ、あれはUNで見たぞ! 新地球連邦の特殊部隊だ!!」「何という事だ…! 新地球連邦はワシの街を制圧に来たんだ!」
ガロード「あのおっさんもUNに騙されて滅茶苦茶な事、言ってるぜ」
レントン「おじさん! 俺達はねえ…」
メール「いいじゃないの。言わせたい人には言わせとけば」「あたし達はZEUTH。誰に何と言われようと、それでいいじゃない」
ランド「わかってるじゃねえか、メール」
ゲイン「そういう事だな」
ホランド「いつだって俺達は俺達のやりたいようにやるだけだぜ」
市民(中年・男)「ええい! こうなったら奴らを倒すしかない! 攻撃を開始しろ!」
ジャミル「各機、攻撃開始! ならず者を迎え撃つぞ!」
ドロシー「せっかくコックピットに乗ったから、今日はあなたをフォローするわ」
ロジャー「随分とサービスがいいな、ドロシー。何かいい事があったのかい?」
ドロシー「別に…」
ロジャー「まあいい…。頼りにさせてもらうよ、ドロシー」「ビッグオー! アクション!!」
<戦闘開始>

<ロジャーが戦闘>

ロジャー「今日のビッグオーはすこぶる調子がいい。ドロシーが乗っているせかいかな?」
ドロシー「ノーマンの整備のおかげよ」
ロジャー「緊張しているであろう君を和ませるための冗談だよ」
ドロシー「いい事があったのは、あなたの方みたいね」

<敵全滅・勝利条件達成>
市民(中年・男)「あ…ああ…ワシの軍団が…。ワシの夢が終わった…!」
ロジャー「暴力という後ろ盾を失った以上、これでエステー社は終わりだな」「家庭と手段はともかく、依頼の片方は終了だ」
ドロシー「片方?」
ロジャー「そうだ。もう一つの依頼を片付けなければならない」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

市民(若者・女)「ありがとうございました、ロジャーさん。これで街も静かになると思います」
ロジャー「私は依頼を果たしたまでです。礼には及びませんよ」
市民(若者・女)「でも、こんなに安い報酬額で…」
ロジャー「昨日お話した通りです。私は報酬の額でクライアントを選ぶような事はしません」「あなたの心のこもった庭園を我が物にしようとする小悪党を不快に思っただけです」
市民(若者・女)「では、私の気持ちを受け取ってください」
〔画面、「アネモネの花」を表示〕
ロジャー「アネモネの花…。確か花言葉は『はかない恋』…」
市民(若者・女)「あら…? アネモネには『期待』という意味もありますのよ」
ロジャー「そうですか…。少し自惚れていたようです」
市民(若者・女)「でも、これであなたは最初の依頼を果たす事が出来ますね」
ロジャー「………」「無作法を申し上げますが、よろしければ、花をもう一束いただけませんでしょうか?」

ドロシー「…仕事は終わったの、ロジャー?」
ロジャー「ああ…使者に依頼の品を渡してきたよ」
ドロシー「品?」
ロジャー「好きな女の子へのプレゼントだそうだ。それの入手を頼まれたんだ」
ドロシー「そうなの」
ロジャー「………」「その…何だな、ドロシー…。今から柄にもない事をしようと思う」
ドロシー「………」
ロジャー「ありがとう、ドロシー。君のサポートにはいつも感謝している」
〔画面、「アネモネの花」を表示〕
ドロシー「花…」
ロジャー「庭園の持ち主に押し付けられたんだ。丁度いいから、君に」
ドロシー「好きな女の子へのプレゼント? そうだとしたら、とても嬉しいわ、私の愛する人…」
ロジャー「R・ドロシー・ウェインライト…」
ドロシー「冗談よ」
ロジャー「そ、そうか…」
ドロシー「私もみんなと同じように誰かを笑わせたり、喜ばせたりしてみたかったの」
ロジャー「驚いたりして失礼したよ。では、マナーとして笑顔を」
ドロシー「でも、嬉しかったのは本当よ。ありがとう、ロジャー」
ロジャー「どういたしまして、ドロシー」(さて…彼の方はうまくいくかな…)

北アメリア大陸 新地球連邦本部

  ~アネモネ私室~
ドミニク「…ただいま、アネモネ。今、戻ったよ」
アネモネ「………」
ドミニク「なかなか大変な任務だったよ。ガリア大陸南部から南アメリアへ渡って、今、帰ってきたところなんだ」「オペレーション・クルセイドも成功したし、僕達も忙しくなりそうだね」
アネモネ「………」
ドミニク「アネモネ…」
アネモネ「デューイが…全然来てくれないの。あたし…ずっと独りだった…」
ドミニク「大佐は忙しいからで…」
アネモネ「大佐にとって、あたしはやっぱり道具でしか…」
ドミニク「そんな事を考えてはいけないよ」
アネモネ「あんたの言葉なんて聞きたくない!」
ドミニク「アネモネ…」
アネモネ「………」
ドミニク「そうだ…。君にお土産があるんだ。…はい、これ」
アネモネ「アネモネの花…」
ドミニク「君と同じ名前の花があるって聞いたんで、探してみたんだ」
アネモネ「アネモネの花言葉は『消える希望』…」
ドミニク「え…」
アネモネ「あたしは失敗したら、きっと物のように捨てられる…。今のあたしの気分にぴったりだ…」
ドミニク「違うよ、アネモネ。アネモネの花言葉は『期待』だよ」
アネモネ「ドミニク…」
ドミニク「この花を探してくれた人が教えてくれたんだ」
アネモネ「期待…。あんた…私に期待してくれるの?」
ドミニク「僕だけじゃない。大佐だって君に期待している」
アネモネ「…あんたにしちゃ気の利いたプレゼントね…」
ドミニク「アネモネ…」(僕は君のためなら何だってするよ。君の笑顔を見るためだったら、世界中を敵に回してでも…)(『はかない恋』だなんて思わない。僕は君を救いたいんだ)
【シナリオエンドデモ終了】

【バザー】

どこでも変わらぬ品揃え。必要な品を確実供給。

【概要】
 ある人物からネゴシエイションの依頼を受けるロジャー。紆余曲折を
経て悪徳不動産会社との戦闘になるものの依頼は無事に果たされる。そ
こで得られたアネモネの花は、人と人の心をつなぐのであった。


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