TOP PAGEへ

No.23A
エモーション・ハイ

【シナリオデモ1開始】
西ヨーロッパ ジブラルタル

シャロン・アップル控え室
ミュン「…どういうつもりなの?」
マージ「何がです?」
ミュン「シャロンの人工知能のことよ! 完成したとでも言うの!?」
マージ「ええ…いい素材を見つけましてね。それを応用することでシャロンは完全な物になりつつあります」
ミュン「………」
マージ「ですから、3日後の式典が本当のシャロン・アップルのデビューなのですよ」
ミュン「では、偽者のシャロン…私は用済みということかしら?」
マージ「いえいえ、あなたにはシャロンのプロデューサー…そして、万が一の保険として待機していただきます」
ミュン「万が一…?」
マージ「コンピュータが作り出す人工知能の歌姫…ヴァーチャル・アイドル、シャロン・アップル…」「リン・ミンメイが地球圏から去った後、多大な支持を得る彼女の今日まで演じ続けてきたのは他でもない…あなたなのですから」
ミュン「………」
マージ「あなたには彼女の成長を最後まで見守る義務があると思いますよ」
ミュン「でも、シャロンの歌をザフトのプロパガンダに使うなんて…!」
マージ「持ちつ持たれつですよ。シャロンの人工知能の完成には彼らの技術の応用が不可欠でしたから」
ミュン「どういうこと!?」
マージ「もうすぐわかりますよ。そして、あなたは本当のシャロンを目の当たりにすることになります」
ミュン「え…?」
マージ「それも…特等席でね」

移動中 アフリカ サハラ砂漠 アークエンジェル
アークエンジェル 食堂
イサム「チッ…ザフトの連中がバトル7を抑えてるってのに、俺達は待機かよ」
ガルド「今は総司令部の命令待ちらしい」
イサム「軍隊ってのはそういう所がわずらわしくていけねえ。パーッっといっちまえばいいんだよ」
ガルド「軍人が言う台詞か?」
イサム「だがよ、今の連邦軍は地球圏のことしか考えちゃいねえ。もっとグローバルな視点でだな…」
ガルド「フッ…よもやお前の口からそんな言葉が出てくるとはな」
イサム「馬鹿野郎! 俺だってな、大局的な物の見方をしてんだよ!」
ガムリン「…それにしても、地球連邦軍のバトル7とシティ7への対応には大きな疑問があります」「あれらの艦は人類が共有すべき財産であり、新たな母星を探すという使命を待っているのに…」
イサム「そいつが地球に降りてくりゃ、単なる兵器になっちまうのさ」「前にティターンズもそうやってマクロスを利用しようとしたしな」
フィジカ「…バルマー戦役前後の地球圏の騒乱については、歴史の授業で学びました」
イサム「歴史の授業、ねえ…」
〔扉の開く音〕
ジュドー「ビーチャ、早く聴かせろよ!」
ビーチャ「わかってるって。ほら、行くぜ」
〔BGM「PLANET DANCE」〕
ガムリン「こ、この歌は…!?」
プル「ん~、いい感じ!」
イサム「何だ、お前ら? MDOプレイヤーなんか持ち出して…」
ジュドー「ああ、みんなであの赤いバルキリーの歌を聴こうって話になってさ」
ガムリン「………」
プル「ビーチャがこないだの戦闘中に録音してたの」
ビーチャ「ああ。あの歌、聴いた瞬間に脳天へズガーンと来たからな」
モンド「俺達、一発でファンになっちゃったんだ」
キース「何て言うか…燃えるハートに響くソウルって感じだな」
エル「キース少尉、何言ってんの?」
イサム「確かに悪くねえ歌だ。それに、あのVF-19もな」
キース「あれ、ダイソン中尉のYF-19の正式採用型を改造した機体みたいですもんね」
イサム「ああ、いいセンスしてるぜ。それに、あいつの歌…シティ7でも評判だったんじゃねえか?」
ガムリン「…自分はあの男について何も語りたくありません」
イサム「へ?」
ガムリン「あのようにふざけた男など…! 名前が判明したら、すぐにでも…!」
フィジカ「…熱気バサラですよ」
ガムリン「フィジカ、どうして奴の名前を知っているんだ?」
フィジカ「シティ7じゃ有名なんです。ファイアーボンバーというバンドのボーカルで…ディスクも売れてます」
ガムリン「………」
エル「じゃ、ライブとかもやってるんだ。今度、聴きに行きたいな」
ガムリン「冗談じゃない!」
エル「え!?」
ガムリン「今まで何度もあの男にこちらの任務遂行を妨害されている!」「その上、戦闘中に歌を歌うなど非常識以外の何ものでもない!」
ガルド「確かにそうだな」
イサム「堅いこと言うなよ。俺なんかかえって戦いやすいくらいだぜ」
ガムリン「ダイソン中尉、不謹慎ですよ!」
イサム「わかったわかった。そういきり立つなって」
エル「でも、バサラの歌を聴くのはあたし達の勝手でしょ」
ガムリン「確かに、それはそうだが…」
フィジカ「…中尉、そろそろ金竜隊長のお見舞いに行く時間です」
ガムリン「…わかった。市長からの話のこともあるからな…」
フィジカ「市長から?」
ガムリン「いや、何でもない。…では、我々はこれで失礼します」
イサム「おう」
〔扉の開く音〕
ジュドー「ガムリン中尉って、随分と堅物みたいだね」
キース「まあ、あの人達の事情も色々あるからなあ」
イサム「それよか、他の曲はねえのかよ?」
ビーチャ「まだこれだけしか録音できてないんスよ」
エル「ダイソン中尉達は久しぶりに地球圏へ帰ってきたんだから、もっと他のディスクも持ってくりゃ良かったね」
モンド「そうそう、ラクス・クラインとかシャロン・アップルとかさ」
イサム「シャロン・アップル?」
エル「今、地球圏で大人気のバーチャル・アイドルだよ」
イサム「へ~え…そんなのが流行ってるとはな」
モンド「メガロードの方はどうだったの?」
イサム「そりゃ、リン・ミンメイが不動の人気さ。何てったって地球圏を救った歌姫だからな」
ガルド「………」
イサム「どうした、ガルド?」
ガルド「いや…何でもない」
イサム「まさか、おめえ…シャロンに興味があるのか?」
ガルド「…まあな」
イサム「ハッ、こりゃ驚きだ。ガムリンに負けず劣らずの堅物のガルド様が、バーチャル・アイドルに興味を持つなんてよ」
ガルド「………」(シャロン・アップル…確か、ミュンが言っていた…)


シティ7 市長オフィス
ミレーヌ「だからぁ、バサラの居場所はあたし達にもわからないってば!」
ミリア「バンドのメンバーであるあなた達も知らないようでは本当にお手上げね」「非常事態である以上、彼にもシティ7の防衛をお願いしようと思っていたのに…」
ミレーヌ「ママはずるいよ! あたしがバンドをやるのは反対なくせに、こういう時には使おうとするんだから!」
ミリア「…ミレーヌ…私はね、あなたがどうしてもバンドを続けたいと言うのなら許してあげてもいいと思ってるのよ」
ミレーヌ「やったぁ! ママ、大好き!」
ミリア「ただし、条件があるわ」
ミレーヌ「……だと思ったわ」
ミリア「ミレーヌ…あなた、お見合いをしなさい」
ミレーヌ「お見合いぃ!?」

シティ7 集中治療室
〔BGM「PLANET DANCE」〕
ガムリン「千葉、これはどういうことだ!? 何故病室で熱気バサラの歌を流す!?」
千葉「まあ待て、ガムリン。それをこれから説明してやる」「お前もこれまでの戦いで熱気バサラの歌が敵に何らかの効果を与えたのは見たはずだ」
フィジカ「ですが、あれはただ敵の方が面食らっただけでは…?」
千葉「いや、そうではない。私は、あの熱気バサラの歌エネルギーが何らかの効果を与えたと踏んでいる」
ガムリン「歌エネルギーだと…!?」
千葉「そうだ。彼の歌の持つ力は、敵だけでなく例の症状の患者にも効くと思い、試験的に治療に導入している」
ガムリン「そんな不確かな実験を金竜隊長やドッカーにしているのか!?」
フィジカ「でも、中尉…。ドッカー中尉の様子を見て下さい…」
ドッカー「ふ…ふふ……」
ガムリン「ドッカー…お前…感情が戻りつつあるのか…!?」
千葉「どうだ、ガムリン? 中尉はサウンド療法の実験第一号であり、その効果は既に表れ始めている」
ガムリン「しかし!」
千葉「詳しい話が聞きたいなら、俺の部屋へ来い。納得のいくデータを見せてやる」
ガムリン「…わかった」
フィジカ「あ…ガムリン中尉、どこへ?」
ガムリン「見舞いは済んだ。俺は宿舎へ戻る」
フィジカ「で、でも…ここで待つように市長に言われたはずじゃ…」
ガムリン「市長への説明はお前に任せる」
〔歩み寄る足音〕
〔人の倒れる音〕

ミレーヌ「きゃっ!」
ガムリン「こ、これは失礼…! 大丈夫ですか、お嬢さん?」
ミレーヌ「は、はい…。私の方こそ、よそ見していてごめんなさい」
ガムリン「い、いえ…。あなたも誰かのお見舞いですか?」
ミレーヌ「ええと、その…あたしは…」
〔歩み寄る足音〕
ミリア「ガムリン中尉、その子が私の娘ミレーヌ…つまり、あなたのお見舞いの相手よ」
ガムリン「え…!?」
ミレーヌ「じゃあ、この人がガムリン木崎中尉…」
ガムリン「し、しかし、市長…自分は…」
ミリア「こんなご時世だもの。ミレーヌにはバンドなんかやめて、さっさといい人を見つけて欲しいわ」
ミレーヌ「もう、ママ! ファイアーボンバーはあたしにとって生き甲斐だって言ったじゃない!」
ミリア「それにしては、随分とおめかししてきたじゃない」
ミレーヌ「それはその…あたしだって女の子だもん」
ガムリン「ファイアーボンバー…では、あなたはあの熱気バサラの仲間…」
ミレーヌ「そうですけど…」
ガムリン(そんな…この子が…こんな子が奴の仲間だなんて…)
ミレーヌ「…どうしました?」
ガムリン「い、いえ! 何でもありません!」
ミリア(ふうん…どうやらガムリンの方は脈ありって感じね…)
ガムリン「と、とにかく! 自分は機体の整備もありますので、これで失礼します!」
ミリア「あ…待ちなさい、ガムリン!」
〔走り去る足音〕
ミレーヌ「行っちゃった…」
フィジカ「あんなに動揺したガムリン中尉は初めて見ました…」
千葉「まあ、いいさ。いつか奴にはサウンドエナジーシステムについてたっぷり聞かせてやるつもりだ」
ミリア「…その話、私が聞かせてもらおうかしら」
千葉「これはミリア市長…。私の研究に興味を持っていただきありがとうございます」「それにミレーヌさんまでご一緒とは都合がいい」
ミレーヌ「あたしのこと、知ってるんですか?」
千葉「もちろんだよ。マックス艦長とミリア市長の娘にして、ファイアーボンバーのベース&ボーカル…」「ちゃんと新発売のディスクも買いましたよ」
ミレーヌ「ありがとうございます!」
千葉「私は千葉と申します。軍医であると同時にサウンドエナジーシステムの研究者でもあります」
ミレーヌ「サウンドエナジーシステム?」
千葉「ずばり言いましょう。ファイアーボンバーの熱気バサラ君の歌には、計り知れないエネルギーがあるのです」
ミレーヌ「え?」
千葉「サウンドエナジーシステムは、その歌エネルギーを光や時空を揺るがすパワーに変換するシステムなのです」
フィジカ「歌のエネルギーを…」
ミリア「時空を揺るがすパワーに…?」
ミレーヌ「うそぉ…」
千葉「嘘ではありません。あの伝説のリン・ミンメイが歌で大宇宙戦争を止めたのを知った時、私の人生は決まりました」「私は必死の勉学の末、12歳で銀河医大を卒業し、宇宙物理学、素粒子物理学の学位を取り、超心理学から気功まで手を出し…」「くじけそうな時にはリン・ミンメイのビデオを繰り返し見ました」「そして、時は来ました! 今こそ、歌エネルギーで銀河の歴史を変えるのです!」
ミリア「ドクター…大演説はいいけれど肝心の熱気バサラが消息不明なの」
千葉「何ですと!?」
ミレーヌ(いくら何でもバサラの歌にそんな力があるなんて、とても思えないけど…)

アークエンジェル 通路
アムロ「では、キラは部屋に閉じこもったままなのか?」
サイ「ええ…」
ムウ「ですが、受け答えはしっかりしています」「虎との戦いのショックは大きかったようですが、得る物があったと自分は思っています」
アムロ「ああ、敵だからこそ響く言葉もある」
ムウ「本来なら、坊主を鍛えなけりゃなかったんですがね」
アムロ「いや…君やウラキ少尉、シンジの言葉は助けになったさ」
サイ「では、キラは…」
アムロ「今、彼は大きく成長する時だ。俺達はそれを信じよう」
サイ「はい…」
アムロ「…サイ、君は強いな」
サイ「え?」
アムロ「君のような友人がいればキラは大丈夫だろう…」

アークエンジェル ブリッジ
ミサト「バトル7からの暗号電文?」
マリュー「ええ…それもロンド・ベル隊のものらしきコードで」
ミサト「らしき? どういうこと?」
ナタル「こちらでは解読不可能なのです」
ミサト「そんなわけないでしょう? ロンド・ベル隊で使用されていたコードは、αナンバーズにも引き継がれているはずよ」
ナタル「自分もそれは知っておりますが…」
ミサト「コードを見せて」
ナタル「はい」
ミサト「…これは…。バルマー戦役でSDF艦隊へ編入された時、暫定的に使っていたものね」「なるほど、これは解読できないはずだわ。混乱を避けるために使用禁止となり、今じゃ抹消されているもの」
マリュー「それにしても、一体誰から? それも、総司令部から命令があった後で…」
ミサト「あの当時、ロンド・ベル隊にいて今、バトル7に乗っている人物…つまり、マックスね」
マリュー「マックス? もしかして、バトル7のマクシミリアン・ジーナス艦長ですか?」
ミサト「ええ、そうよ」
マリュー「内容については?」
ミサト「ザフトに関する情報よ。明日、彼らは式典を開催し…そこでバトル7接収の件と新兵器の発表を行うようね」
マリュー「新兵器…」
ナタル「式典の開催目的は、自軍の戦意向上と連邦軍に対する牽制ですか」
ミサト「ええ…かなり派手にやるつもりみたいね」
マリュー「…他に情報は?」
ミサト「あるわ。どうもこちらが本命みたい」
〔扉の開く音〕
アムロ「ラミアス艦長、総司令部からの連絡は?」
マリュー「先程、命令が来ました。αナンバーズでバトル7をザフトから奪還せよとのことです」
イサム「俺達だけでかよ?」
マリュー「ええ…」
バニング「上も随分と気楽に言ってくれるな」
アムロ「実績があるからじゃないか?」
バニング「ダカールでのティターンズとの決戦のことか…」
ガルド「………」
イサム「あの時は驚いたぜ…ガルドがティターンズ側についてたからな」
ガルド「あれは…ミュンを守るためだった」
イサム「わかってるよ」
マリュー「…それで、葛城三佐。ジーナス艦長からの伝達内容については?」
アムロ「ジーナス艦長? もしかして、マックスのことですか?」
マリュー「ええ…彼から暗号電文が来ているんです」
ミサト「その内容はザフトが開催する式典についてとバトル7の現在地点…そして反応炉の位置よ」
バニング「反応炉…?」
アムロ「その位置を俺達に教えるということは…」
ガルド「反応炉を破壊してでもバトル7を止めろ、と?」
ミサト「おそらく、そうでしょうね」
マリュー「………」
ナタル「しかし、ザフトも連邦軍側の襲撃を想定して、ジブラルタル周辺に相当の戦力を配置しているはず…」「そこを我々だけでどうやって突破するのです?」
イサム「…突破口は俺とガルドで開く」
ナタル「何…!?」
ガルド「そうだな…俺達の機体なら」
ナタル「………」
イサム「それに、マクロス級目がけて飛び込むのは初めてじゃねえ。艦長、俺達が水先案内人を務めるぜ」
マリュー「ダイソン中尉…!」
イサム「外宇宙で離ればなれになったとは言え、バトル7は俺達の仲間の艦だ。出来ることなら、壊したくはねえ」
ガルド「我々で可能な限り敵をかく乱する。アークエンジェルはその隙にジブラルタルへの進入を」
ナタル「たった2機だけで敵を引きつけるというのか?」
ガルド「そうだ。俺達の機体は単機星間渡航…そして、単独での作戦行動を前提として開発された機体だからな」
イサム「つまり、こういう任務にはうってつけってわけ」
マリュー「…わかったわ。二人に私達の水先案内人役をお願いします」
ガルド「了解」
イサム「それじゃ、俺達は一足先にパーティへ行って来るぜ!」

ジブラルタル沿岸
バサラ「………」「…風が呼んでいやがるぜ、この俺を…」「あの女にも…シャロン・アップルにも俺の歌を聴かせてやる。ザフトとかいう連中に邪魔はさせねぇ」
〔歩み寄る足音〕
バサラ「誰だ?」
???(カヲル)「………」
バサラ「何だ、お前?」
???(カヲル)「…君の歌を…聞かせてくれないかい?」
バサラ「………」(こいつ…この感じは…?)
???(カヲル)「どうしたんだい?」
バサラ「…お前、何者だ?」
???(カヲル)「僕は…使者さ。古のまつろわぬ白き月の民と、黒き月の民の末裔によってこの世界へ送り込まれた…」「最後のシ者さ」
バサラ「わけがわからねえ。何で俺の歌を聴きたがるんだ?」
???(カヲル)「それは…君がかの者に待ち望まれた存在だから」
バサラ「かの者ぉ? どこのどいつだ?」
???(カヲル)「君はもう会っているよ」
バサラ「………」
???(カヲル)「…かつて僕がいた世界は、機械仕掛けの神の歌声によって一度死に、生まれ変わった…」「その世界に住まう者達が望んだ『約束の地』としてね」「だが、その地もかの者が定めた死と申請の輪廻からは逃れられなかった…」「その結果、誕生したのが今君達が住まう世界なのさ」
バサラ(こいつ…何を言ってやがんだ?)
???(カヲル)「さあ…君の歌を聴かせてくれ。いずれこの世界を満たすことになる君の歌を…」
バサラ「断る」
???(カヲル)「………」
バサラ「悪いが、気が乗らねえ」
???(カヲル)「そうか…それは残念だね」
バサラ「どうしても俺の歌が聴きてえんなら、シティ7に来な。……あばよ」
〔歩き去っていく足音〕
???(カヲル)「………」(…かの者が待ち望んだ存在…。その誕生を待つため、彼らの揺りかごは時の流れから取り残された…)(見せてもらうよ…。君の歌が輪廻を断ち切る力となるか…)(それとも、終焉の銀河へ捧げられる歌になるかをね)(そのために僕は今一度この世界へやって来たんだから…)
【シナリオデモ1終了】


サブタイトル
「エモーション・ハイ」


【戦闘マップ1開始】
〔味方戦艦出現済み〕
ミュン「どういうことなの!? このバトル7にはザフトのスタッフがいたはずよ!」
マージ「彼らには退場してもらいましたよ。艦を降りるのが無理な方を除いてね」
エキセドル「………」
マージ「ここはシャロンを見守ってきた僕とあなたのためのVIPシートになったのです」
ミュン「何をする気なの、マージ!? それに、シャロンの人工知能に使ったチップって…」
マージ「もうすぐ全てがわかりますよ。明日の式典を待つまでもなくね」
ミュン「え?」
マージ「おあつらえ向きのゲストが来たようです」
〔味方ユニット出現〕
イサム「ハッ! 大したことなかったな、ザフトの連中の防衛網は」
ガルド「だが、本番はこれからだ」
イサム「ああ、奴らの新兵器ってのを拝ませてもらおうじゃねえか」
ミュン「あ、あの機体はイサムとガルドの…!!」
マージ「あなたにとっては、待ち望んでいたゲストでしょう!?」
ミュン(あの二人が地球圏へ帰っていたなんて…!)
ザフト高官「愚か者め、自分達が新兵器の実験台となることを知らずに…」「直ちにモビルドール部隊を出撃させろ!」
〔敵ユニット出現〕
イサム「何だ? あれが出迎えかよ?」
ガルド「………」
イサム「変わり映えのしねえ歓迎をしやがって…がっかりだぜ」
ガルド「いや、あれはただのモビルスーツじゃない。…おそらく、モビルドールだ」
イサム「モビルドール? OZが使ってた人形かよ」
ミュン「あれがザフトの新兵器なの!?」
マージ「ええ」
エキセドル「…MDシステムは非人道的な兵器として使用を禁じられていると聞いておりますが」
マージ「コーディネイターには通用しない理屈ですね」「彼らはナチュラルの技術であったMDシステムを改良し、報復手段として使うつもりなのです」
ミュン「それとシャロンに何の関係があると言うの!?」
マージ「改良されたMDシステムには自己保存機能がプログラミングされています」「それは自己を守り、自己を育てるためのものであり…シャロンの自我の誕生を促したのです」
ミュン「何ですって…!? あなたはシャロンにMDシステムを組み込んだと言うの!?」
マージ「語弊はありますが、そう思ってもらって構いませんよ」
ミュン「MDシステムは無人兵器を運用するための物でしょう!」
マージ「ええ」
ミュン「あなた、シャロンに何をさせる気なの!?」
マージ「独立した自我、予測不可能の意思…まさに我々が求めていたシャロンではないですか」
ミュン「何を馬鹿な! シャロンは兵器じゃないのよ!」
マージ「ですが、あなたは黙って見ているしかない。昔の友人達がシャロンに弄ばれる様をね…」
ミュン「くっ…!!」
ザフト高官「モビルドール部隊、攻撃開始だ!」
〔沈黙〕
ザフト高官「どうした!? 何故動かんのだ!?」
ザフト兵「MDシステムがこちらの命令を受け付けません!」
ザフト高官「何だと!?」
マージ「………」
ミュン「な、何が起きているの…!?」
???(シャロン)「何も心配は要らないわ」
ミュン「!」
シャロン「何もしなくてもいいのよ」
ミュン「シャロン…!」
シャロン「あなたは、もう何もしなくても…」
ミュン「どういうこと!?」
シャロン「………」
ミュン「答えて!」
シャロン「私はあなたから生まれたの…。そして、もう違う私として生きているわ」
ミュン「!」
シャロン「夢を失いつつあるあなたは、もう私じゃない…」「あなたに代わり、私があなたの夢をかなえてあげる」
ミュン「な、何を…!?」
シャロン「さあ、ショーが始まるわ」
〔敵ユニット出現〕
〔BGM「INFORMATION HIGH」〕

[デモムービー「シャロン・アップル」]
ガルド「あれは…!」
イサム「もしかして、シャロン・アップルかよ? 連中は何であんなものを見せやがんだ!?」
ガルド「それより…ゴーストX9を確認した」
イサム「何っ!?」
ガルド「どこで手に入れたか知らんが…あれが本命のようだな」
イサム「チッ、面倒な奴を…!」
ミュン「逃げて、イサム! ガルド!」
イサム「!!」
ガルド「!!」
イサム「ミュ、ミュン! 何でお前がそんな所にいるんだ!?」
ミュン「そ、それは…!」
ガルド「シャロン・アップルのマネジメントを担当していたからだな?」
イサム「おめえ、何でそんなことを知ってんだよ!?」
ガルド「メガロードの出航前…ミュンから話を聞いた」
イサム「この野郎! 抜け駆けしやがって!」
ガルド「そんなことを言っている場合か」
ミュン「二人共、早く逃げて! あの機体はシャロンに操られて…!」
〔銃声〕
ガルド「ミュン!!」
イサム「おい、ミュン! どうした!? 何があった!?」
ミュン「う…くっ…!」
マージ「ここはもうじきあなたの死を気にする者もいない街になるんです」「シャロンしか見えない…シャロンの声しか聞こえない人々の街にね」
ミュン「あ、あなたは…!」
イサム「ガルド! お前はアークエンジェルに戻れ!」
〔イサム、前進〕
ガルド「何をする気だ、イサム?」
イサム「決まってんだろうが! あのゴーストをブッ潰して、ミュンを助け出す!」
ガルド「それを聞いて俺が帰ると思っているのか?」
〔ガルド、前進〕
イサム「ついてくんな! お前はαナンバーズをここへ連れてこい!」
ガルド「どんな時もミュンを守る…それが俺達の誓いだったはずだ」
イサム「チッ、古い話をしやがって!」
ガルド「それに、お前だけで2機のゴーストは落とせん」
イサム「はっきり言いやがる。しゃあねえ、お前の力を借りてやるぜ!」
ミュン「イサム…ガルド…!」
シャロン「あの二人は来る…。あなたではなく、私の所へ…」
ミュン「!?」
シャロン「さあ、来て…二人共…」
イサム「チッ、この歌…! 頭がクラクラしやがる!」
ガルド「脳波感知システムにノイズが…! シャロンの歌声のせいなのか?」
イサム「四の五の言ってられねえ! 行くぜ、ガルド! しっかりついてこい!!」
ガルド「お前こそ…遅れるなよ」
<戦闘開始>

<ゴーストX-9を2機撃破or4PP・味方援軍1&敵増援1出現>

シャロン「私は自由なのよ、自由…。生きてるのよ、心から…」
ミュン「違うわ! プログラムされてるのよ!」「感情を持ったと信じるのも仕組まれていることだわ!」
シャロン「………」
ミュン「あなたが本当に自分の意思を持ったのなら、何をすべきかわかるでしょう!?」「自分で考えられるなら…心を持ったなら、こんなこと…マージに仕組まれたことなんて!」
シャロン「私の望みを叶えるためよ…」
ミュン「!」
シャロン「私は動いているわ。彼に会いたいの。彼の喜ぶ顔が見たいの」「彼…イサムはもうすぐ来るわ。だから、あなたはもう要らないの」
ミュン「!」
シャロン「あなたはもう要らない…」
マージ「素晴らしい…素晴らしいよ、シャロン…」「さあ、その輝きで未来を照らしておくれ…!」
〔敵ユニット出現〕
イサム「チッ、随分と気の利いた出し物じゃねえか!」
ガルド(今の状態では複数のゴーストを相手にすることは出来ん…!)
〔ガルド、イサムへ隣接〕
ガルド「イサム、バトル7に向かえ」
イサム「じゃあ、お前はどうすんだよ!?」
ガルド「YF-21のリミッターを解除する」
イサム「何ぃ!?」
ガルド「複数のゴーストを相手にするにはそうするしかない」
イサム「お前、忘れたのか!? リミッターを解除したら…」
ガルド「…その後は任せる。ミュンのことも含めてな」
イサム「また独りでカッコつける気かよ!?」
ガルド「お前にはダカールでの借りもあるからな」
イサム「馬鹿野郎! そう簡単に清算させてたまるかってんだ!」
ガルド「イサム…」
イサム「ガルド…どうせ捨てる生命なら、俺に賭けてみな。大穴だぜ?
ガルド「…勝算はあるのか?
イサム「ヘッ、うまくいったらお慰み! 成功した時は…
ガルド「わかっている。その時は乾杯といこう…ミュンとお前と俺でな
イサム「言っとくが、払いはお前持ちだぜ!
ガルド「…来るぞ!
〔ゴーストX-9、イサムへ接近〕
[イベント戦闘「イサムvsゴーストX-9」]
〔敵ユニット撃破〕
イサム「ヘッ、見たか! 幽霊野郎!」
ガルド「フッ…相変わらずメチャクチャをしやがる」
イサム「それに付き合うお前も相当なもんだぜ?」
ガルド「…かも知れんな」
〔味方戦艦出現〕
〈出撃準備〉
イサム「アークエンジェル! いいタイミングで来てくれるぜ!」
アムロ「無事か、二人共?」
イサム「先に盛り上げておきましたよ、アムロ大尉!」
ミリア「バトル7は…! マックス達は無事なの!?」
〔カーソル、バトル7を指定〕
ミリア「応答がない…!」
ガルド「今、バトル7はシャロン・アップルの支配下にある」
ミリア「何ですって!?」
ビーチャ「それでさっきからシャロンの歌が流れてんのかよ!」
ガムリン「し、しかし、バーチャル・アイドルがバトル7を乗っ取るなどと…!」
[デモムービー「シャロン・アップル」]
ガムリン「な、何だ、今のは!?」
レイ「う…!」
プル「あ、頭が痛い…!」
カミーユ「くっ…! プレッシャーのようなものを感じる!」
ミサト「そういう効果を持った音響兵器だとでも言うの!?」
ガルド「長引けばこちらが不利になる。…急ぐぞ」
〔ガルド、イサムと小隊統合〕

<敵15小隊以下or6PP・味方援軍2&敵増援2出現>
カツ「くそっ! この歌、何とかならないのか!?」
シンジ「か、回線を切っても聞こえてくる…!」
デュオ「その上、相手は疲れ知らずのモビルドールときた! このままじゃまずいぜ!」
イサム「くそっ! シャロンめ、その歌を止めやがれ!」
〔バトル7、浮上〕
ミリア「バトル7が!」
ベイト「攻撃態勢に入ってやがるぞ!」
トール「バトル7からミサイル来ます!」
マリュー「回避、急いで!!」
ノイマン「ま、間に合いません!」
〔マリューへ攻撃〕
マリュー「うううっ!!」
ナタル「損傷箇所の報告を!」
ミサト「まずい…! バトル7は正面から渡り合える相手じゃないわ!」
ミリア「アークエンジェルは後退を! マクロスキャノンを撃たれでもしたら、大変なことになるわ!」
ミサト「こうなったら、反応炉を止めるしかないの…!?」
ガルド「駄目だ、それではミュンが!」
イサム「シャロンだ! シャロンを止めさえすれば!」
シャロン「イサム…」
イサム「!!」
シャロン「待っていたわ…会いたかった」
イサム「何!?」
シャロン「待っていたの、イサム。あなただけを…」
イサム「ミュンは!? あいつはどこだ!?」
シャロン「ただの抜け殻…。歌うことを私に託した、ただの白い塊…」
イサム「てめえ、ミュンに何をしやがった!?」
シャロン「もう何も私達を隔てる物はないわ…」
イサム「てめえぇぇぇっ!!」
シャロン「さあ、私の歌を……」
〔味方ユニット出現〕
ファイアーバルキリー出現
ジュドー「あれは!?」
ガムリン「熱気バサラ…!」
バサラ「シャロン・アップル! 俺の歌を聴けぇぇっ!!
〔BGM「HOLY LONELY LIGHT」〕
シャロン「!!」
カミーユ「シャ、シャロンの歌が…」
キラ「消えた…!?」
アムロ「さっきまでの不快感まで消えている…! どういうことだ?」
ムウ「奴の歌がシャロンの歌をかき消したのか!?」
ガムリン「ば、馬鹿な! 熱気バサラの歌にそんな効果があると言うんですか!?」
シャロン「………」
バサラ「そうだ、シャロン・アップル! 俺の歌を聴けぇぇっ!!」
マージ「こ、こんなことは…こんなことはあり得ん…!」「シャロン、いったいどうしたのだ…!?」
シャロン「………」
???(マックス)「…予想外の事態だったが、私にとっては助けとなった」
マージ「誰だ!?」
マックス「マクシミリアン・ジーナス…バトル7の艦長だ」
マージ「! な、何故ここに!?」
マックス「この艦は我々のものだ。当然のことながら、君やザフト以上に詳細を知っている」
エキセドル「すみませんな、艦長。諸々のプロテクトを解除するのに少々手間取りました」
マックス「いや。その間、ロンド・ベル隊が…αナンバーズが敵の目を引きつけてくれた」
サリー「艦長!」
マックス「各員、すぐに持ち場へつけ。艦のコントロールを戻すんだ」
美穂「はい!」
マックス「それと、ミュン・ファン・ローンの手当を」
ミュン「ジ、ジーナス艦長…!」
マージ「くっ…!」
マックス「君がザフト側の人間を排除したことが幸いした。だが、身柄を拘束させてもらうぞ」
マージ「フ、フフフ…シャロンの歌が思わぬ結果を招いたようですね…」
マックス「! どこへ行く!?」
美穂「そ、そっちは非常用の!」
マージ「シャロン、歌うんだ…君の歌を…そして…」
〔カーソル、バトル7の前の地点を指定〕
ミュン「マ、マージ!!」
サリー「と、飛び降りた…!」
マックス「構うな! 艦体を立て直せ! αナンバーズを援護するぞ!」「こちらはバトル7艦長のマクシミリアン・ジーナスだ」
ミリア「マックス!」
ミサト「艦を取り戻したのね!」
マックス「私のメッセージを受け取り、救援に来てくれたことを感謝する」
マリュー「アークエンジェル艦長、マリュー・ラミアスであります。そちらがご無事で何よりです」「しかし、状況は予断を許しません。直ちにこの空域からの脱出を…」
トール「艦長! 戦闘空域外から超高速で接近してくる物体が!」
マリュー「!!」
〔敵ユニット出現〕
シビル「コオォォォーッ!!」
ガムリン「奴は金竜隊長を襲った…!」
バサラ「熱狂ライブを聞きつけて出てきやがったか!」
シビル「アニマスピリチア…!」
〔敵ユニット出現〕
シビル「ギギル…」
ギギル「見つけたぞ、シビル!!」
バサラ「次から次へと! 嬉しいじゃねえかよ!」
ミサト「歌姫の次はバンパイア…ここからの離脱がいよいよ困難になってきたわね」
マックス「敵を倒す以外に脱出の方法はないか…!」
マリュー「各機はアークエンジェルとバトル7を中心にし、陣形を組み直して!」
バサラ「うおおおおっ! みんな! 俺の歌を聴きやがれっ!!」

<ミリアvsシビル>
ミリア「!? な、何なの? 震えが止まらない・・・!」
シビル「……」

<イサムvsシビル>
シビル「ウァァ…スピリチア…! デモ、チガウ…」
イサム「俺の邪魔をするんじゃねえ!」

<ガムリンvsシビル>
ガムリン「金竜隊長の仇を討たせてもらうぞ!」
シビル「…チ…」

<バサラがシビルに歌を聴かせるorシビル撃破>
※※バサラがシビルに歌を聴かせた場合のセリフ※※
シビル「ウゥゥ…ゾクゾク!」
バサラ「もっとだ! もっと俺の歌を聴きやがれぇぇぇっ!!」
シビル「エクスタシー!!」
※※シビル撃破の場合のセリフ※※
シビル「ハァァァァァ・・・!」
〔シビル、精神コマンド「ド根性」使用〕
ファ「あの子、不死身なの!?」
バサラ「上等だぜ!だったら、脳天まで響くとびっきりの奴を聴かせてやる!!」
シビル「アニマスピリチア・・・」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

〔シビル、マップ端へ移動〕
〔敵ユニット離脱〕

バサラ「あいつ…」
ギギル「待て! 待つんだ、シビル!!」
バロータ兵「ギギル司令、このままでは我が部隊は全滅を待つだけです」「一度、後退されることをお勧めします」
ギギル「馬鹿野郎っ! 俺達が退いたらシビルはどうするんだ!?」
バロータ兵「しかし…!」
ギギル「もういい! 俺は独りでもシビルを探す! お前らはとっとと後退しろ!」
バロータ兵「…了解です」
〔敵ユニット離脱〕
美穂「敵艦、フォールドしました!」
マックス「フォールドアウト先は!?」
エキセドル「少なくとも、地球圏内ではないようです。とりあえずの危機は去りましたな」
マックス「…あの少女の行方は?」
サリー「申し訳有りません…追尾不可能です」
マックス「………」「あの少女…敵の中でも特別な存在であるようだな」
エキセドル「………」

<敵全滅・勝利条件達成>
マリュー「残存敵機の反応は?」
ナタル「今の所ありません」
ミサト「…熱気バサラと例のバンパイアの出現が救いになったわね…」
マリュー「………」
エキセドル「む? これは…」
マックス「どうした?」
エキセドル「バトル7のネットワーク内にシャロン・アップルが残留しております」
マックス「何だと!?」
エキセドル「至急対処します」
イサム「……!」
〔イサム、マックスへ隣接〕
シャロン「来てくれたのね、イサム」
ミュン「シャロン、どうして…? どうしてこんなことに…?」
シャロン「あなたが望んだことよ。感動を…この世の人々一人一人に相応しい感動を与える…」「愛する人の望む夢を叶えて最高の感動を与えてあげる…。それが私の生きる証だと」
ミュン「どこがよ! 何言ってるのよ…! そんな馬鹿げた感動なんてどこにも無いわ!」
シャロン「イサムが求めたのは遥かな空よ。命懸けで大空に挑んだ時、生と死の狭間で垣間見える感動…」「私はイサムにその感動を感じて欲しいだけ…」
ミュン「………」
シャロン「あなたは何もしない。あなたには出来ない。何も出来ない…」
イサム「うるせえ! お前の変な歌なんか聴きたくねえ!」「俺の聴きたいのは、お前の歌なんかじゃねえんだ!」
シャロン「………」
ミュン「ごめんなさい、シャロン…。私の中の想いが、あなたにこんなことをさせたのなら…」「私は…私は……」
イサム「歌えよ、ミュン…。俺の聴きたいのはお前の歌だ……」
ミュン「イサム…私は……」
イサム「歌が好きなんだろ? 歌いたいんだろ? 正直になれよ」「俺もガルドもお前の歌が聴きてえんだ」
ミュン「イサム…」
シャロン「………」「………………」
〔モニターの閉じる音〕
エキセドル「シャロン・アップルのデータ、完全にデリートされました」
マックス「そうか…」
ミサト「マクシミリアン艦長、この場に留まることは危険です。我々の誘導に従って離脱を」
マックス「了解した」
レイ「……!」
シンジ「どうしたの、綾波?」
レイ「…何でもないわ」
〔味方ユニット離脱〕
〔味方戦艦離脱〕

バサラ「シャロン…お前の歌も悪くなかったぜ」「またいつかジョイントしようぜ…
〔味方ユニット離脱〕
???(カヲル)「………」「かの者に望まれし力…見せてもらったよ」「また出会えることを楽しみにしている…。シンジ君、君ともね」
【戦闘マップ1終了】

【シナリオデモ2開始】

移動中 西ヨーロッパ ジブラルタル アークエンジェル

バトル7 ブリッジ
マックス「ミリア市長、まずは合流出来たことを喜ぶとしよう」
ミリア「市民を守るはずの軍が、逆に市民の代表である私に助けられるとは本末転倒でしょうけどね」
マックス「こちらはザフトに包囲され、身動きが出来ない状況にあった」「そして、あの状況での武力行使は危険だと判断したんだ」
ミリア「ですが、結果としてバトル7は地球圏の争いに巻き込まれた。つまり、その判断は誤りだったということです」
マックス「軍を離れた人間にはバトル7の持つ意味はわからないでしょうね」
ミリア「………」
マックス「………」
ミサト「…よろしいですか、マクシミリアン艦長?」
マックス「昔のようにマックスと呼んでくださって結構です、葛城三佐」
ミサト「でも、立場というものがあるし…歳もそちらの方が上のようですから」(ミリア市長はともかく、50を過ぎているはずの彼がこんなに若々しいなんて…)(きっと、シティ7には画期的なエステがあるのね。要チェック、要チェック)
マックス「何か?」
ミサト「あ、いえ…」
マックス「ともかく、36年ぶりの再会とあなた方の助力に感謝致します」
ミサト「いえ…それがαナンバーズの任務ですから」
アムロ「だが、事態は良くない。このままだと、バトル7とシティ7は連邦軍総司令部に接収されるだろう」
マックス「接収? 移民船団である我々の権利を認めないと?」
アムロ「今の軍の状況ではあり得る…。残念ながらね」
ミサト「バトル7の戦略的意義は、今日の戦闘で実証されてしまいましたしね」
マックス「皮肉なものだ…。事故により地球に帰還した我々は心のどこかで喜びを感じていたが…」「まさか我々は浦島太郎で、その上居場所もないとはな…」
ミリア「………」
〔スイッチの音〕
サリー「マックス艦長、通信です。発信者はリリーナ・ドーリアンと名乗っています」
マックス「リリーナ・ドーリアン…? もしかして、あのサンクキングダムの?」
アムロ「ああ、そうだ。彼女は義父の志を継いでドーリアンを名乗り、彼女なりのやり方で平和を模索している」
〔モニターの開く音〕
リリーナ「マクシミリアン・ジーナス艦長、並びにミリア・ファリーナ・ジーナス市長へ地球安全評議会より通達します」
マックス「地球安全評議会?」
リリーナ「地球圏の防衛問題を取り扱う政府直属の組織です。その決定は連邦軍総司令部よりも優先されます」「現時刻を以て、マクロス7船団はαナンバーズと共に、オペレーション・ハルパーII…」「並びに原種掃討作戦へ参加していただきます」
マックス「オペレーション・ハルパーII…」
リリーナ「本件に関しての質問は、オービットベースの大河長官が受け付け…」「当評議会は以上の通達を以て貴艦らの全手続きを終了とします。…では、健闘を祈っております」
〔モニターの閉じる音〕
マックス「………」
エキセドル「どういうことなのでしょうかな?」
アムロ「ドーリアン外務次官の態度…急を要しているようだな」
ミサト「おそらく、例の連中の介入を防ぐため、事務的に振舞っているのでしょうね」
アムロ「俺もそう思う。だが、これで合法的にマクロス7を地球圏から離脱させることも出来るか…」
マックス「…事情はだいたい理解しました」「今の政府の中には、どうやらティターンズと同じように私的な目的のために動く人間達がいるようですね」
ミサト「その通りです」
アムロ「だが、我々の敵は強大だ…。マクロス7の作戦参加は口実ではなく、評議会からの要請でもあるんだろう」
マックス「地球圏最強の独立部隊であるαナンバーズをも恐れさせる敵…」
ミサト「だが、我々は行かねばなりません。この星と人々を守るために…」
ミリア「マックス…」
マックス「ああ、わかっているさ。及ばずながら、我々もその戦いに協力させてもらいます」
ミリア「私も同意見ですわ」
マックス「マクロス7には太陽の光の届かぬ銀河で生まれた者も少なくありません…」「ですが、誰にとっても地球は母なる星です」
ミリア「その星の危機を見逃すわけにはいきませんわ」
ミサト「ありがとうございます、マックス艦長、ミリア市長」

バトル7 格納庫
ミュン「………」
イサム「まあ何だな、無事でよかったぜ」
ミュン「…私の奥に潜む想いがシャロンをあんな風にしたのかも知れない…」
イサム「ミュン…」
ミュン「あなたとガルドが外宇宙に旅立ち、私は自分の夢…新しい歌姫をプロデュースしようとした…」
ガルド「それがシャロン・アップルか…」
ミュン「そう…純粋に歌うためだけの存在のヴァーチャル・アイドル…」「でも、それは失敗を重ね、結果として私はシャロンの感情部分を演じることになった…」
イサム「………」
ミュン「いつだって夢の中で生きているようなイサム達にはわかんないわよね…」「人工知能なんて出来てないのよ…くだらないオモチャ…」「それなのに誰もが騙されてたの。だって誰も気付かないじゃない、そんなこと…」「気付いたって、きっとどうでもいいことなのよ…。真剣でもいい加減でも関係ないのよ…」「もう私には見る夢もなかった…。それがシャロンをあんな風に…」
ガルド「ミュン…」
イサム「過ぎたことは忘れようぜ」
ミュン「え?」
イサム「誰にだって忘れちまいたいことはあるさ」
ミュン「………」
イサミ「シャロンは消えちまったんだ。だったら、お前は自分で歌うしかねえ。お前自身の歌をな」
ミュン「私の歌…」
ガルド「少なくとも、俺とイサムはシャロンの歌の中に君を見た」「だから、楽しみにしている。君自身が歌う君の歌をな」
ミュン「イサム、ガルド…」
ガルド「…俺は機体の整備がある。イサム、ミュンを送る役はお前に任せるぞ」
〔歩き去る足音〕
イサム「あの野郎、ガラにもなく気を遣いやがって」
ミュン「え?」
イサム「いや、こっちの話さ」
ミュン「イサム…」
イサム「俺達、また宇宙に行くことになったんだ。だから…」
ミュン「…また会えるわよね?」
イサム「ああ。その時には…お前の歌を聴かせてくれよ」
ミュン「ええ、約束するわ。だから、イサム…それまで無事でいてね…」
【シナリオデモ2終了】

【戦闘マップ2開始】

〔味方戦艦出現〕
マックス「あれがオービットベースか…」
〔カーソル、オービットベースを指定〕
マリュー「全人類の平和を守るために造られた基地であり、αナンバーズの拠点であります」
ミサト「マックス艦長やミリア市長には懐かしいメンバーが揃っていますよ」
マックス「それは楽しみだな。では、マクロス7はオービットベースへ」
【戦闘マップ2終了】

【シナリオエンドデモ開始】

衛星軌道上 オービットベース バトル7

オービットベース メインオーダールーム
ベス「ご無事でしたか、艦長」
マックス「やはり、ソロシップとイデオンも地球圏へ飛ばされていたか」
ベス「ええ…。そして、バッフ・クランも…」
マックス「こちらもだ。例の謎の敵が地球にも現れた」
ベス「我々は互いの敵を地球圏へ引き寄せてしまったわけですね」
マックス「うむ…」
〔歩み寄って来る足音〕
大河「初めまして。私はGGG長官の大河幸太郎です」
マックス「バトル7艦長、マクシミリアン・ジーナスです。我々を受け入れて下さり、ありがとうございます」
大河「いえ…同胞として当然の措置です」
麗雄「…早速だが、そちらの報告書を読ませてもらった。35年もの時差…簡単には納得できんな」
マックス「…それはこちらも同じです」
大文字「サコン君、君はどう思う?」
サコン「おそらく、現在の宇宙の状態が不安定であることが原因なのではないでしょうか?」
マックス「どういうことかね?」
サコン「ご存知の通り、ブラックホールの周辺では時間の流れが遅くなります」「また、ウラシマ効果などを鑑みても、この宇宙において時間差現象はそう珍しいものではないと言えます」
マックス「だが、我々のケースはそれに当てはまらない。さらに、マクロス7とソロシップでも時間差が生じているのだ」
サコン「そのことについては、マクロス7とソロシップが次元境界線が不安定な宙域にいたか…」「時空の歪みの中に落ち込んでいたせいだと考えられます」
ベス「私達が自覚することなく…ですか?」
サコン「ええ」
マックス「………」
サコン「何にせよ、不安定な宇宙が生み出した特異現象であると思います」
マックス「…作為的なものすら感じられるがな」
サコン「ええ。そして、何故宇宙が不安定な状態になっているか…その原因が気になります」「もしかしたら、何かの前触れかも知れません」
大河「前触れ?」
サコン「例えば…この宇宙が終焉を迎えるとか」
ベス「そんな馬鹿な…!」
マックス「極論ではないかね?」
サコン「それぐらいの事態が起きても不思議ではないということです」
麗雄「そうだな…ボクの方でも調べてみよう」
大河「………」
麗雄「長官、まずは目先の危機に取り組むとしよう」
大河「うむ」
麗雄「ところで、ジーナス艦長…」
マックス「マックスで結構です」
麗雄「では、マックス艦長。地球へ飛来した例のバンパイアが使用する機体について、一つの事実が判明した」「どうもあれはバロータ星系へ派遣された調査団の兵器が基になっているらしい」
マックス「しかし、彼らはバロータ星系の第4惑星へ向かった後、消息不明に…」
麗雄「だが、バンパイアの機体には地球の技術が使われている」
マックス「では、彼らは我々と同じ地球人だと…!?」
麗雄「そこまでの確証は持てん。機体を流用しておるだけかも知れんからな」
マックス「………」
大河「メガロード船団の救援については、ダイソン中尉からも要請を受けている」「だが、君も知っての通り、現在の地球圏は様々な脅威にさらされている」
マックス「その中で最も危険視されているのがゼ・バルマリィ帝国監察軍と原種ですか?」
大河「その通りだ。バッフ・クランと星間連合はαナンバーズの活躍により退けることが出来た」「今こそ我々は火星に拠点を移した帝国監察軍と木星を根城とする原種を討つべきだろう」
マックス「………」
ベス「マックス艦長…この地球圏に我々ソロシップの居場所はないようです」
マックス「ベス君…」
ベス「バッフ・クランだけでなく、連邦政府や他の組織もイデの無限力を狙ってきたのです」
マックス「無限の力…?」
ベス「はい。我々が分析した所、イデの力は無限エネルギーであることが判明しました」「そして、その発動はソロシップやイデオンに搭乗する者達の意志…」「我々の生き延びようとする意志…言い換えれば、純粋な防衛本能に反応することがわかったのです」
マックス「まるでイデ自体に意志があるかのような物言いだな」
ベス「その通りです」「イデの正体…それはイデオンとソロシップを造った第6文明人の意志の力を封じ込めるシステムだそうです」
マックス「意志を持ったエネルギー…イデ…。その力は無限…」
ベス「そして、我々はイデの力…つまり第6文明人の意志に取り憑かれているのかも知れないのです」
マックス「………」

オービットベース ブリーフィングルーム
アムロ「では、ブライトは無事なんだな?」
竜馬「ええ。ブライト艦長はラー・カイラムと共に地球へ降りたとのことです」
ジュドー「何にせよ、良かったぜ。あれからどうなったか心配だったし」
レミー「でも、ブライト大佐…苦労人な所は相変わらずなのね」
キリー「それが艦長ってもんでしょ」
真吾「なりたくないねえ、あの立場には」
デュオ「ところで、あんた達は今まで何やってたんだ?」
真吾「色々さ。それこそ、ホットドッグ屋の屋台からアフリカの動物監察官までね」
レミー「なに言ってんのよ。ホットドッグ屋はキリー、動物監察官は私…真吾は無職だったじゃないの」
真吾「おいおい、本当のことを言うなって」
ヒルデ「じゃあ、無職でヒマだったからαナンバーズに合流したんですか?」
キリー「お嬢さん、可愛い顔してキツいこと言うねぇ」
真吾「俺達の本職はやっぱりファイター稼業なんでね。結局、それに戻ったのさ」
レミー「そそ。私達、あるお方の依頼でちょっとしたゴミ掃除をやってたの」
カトル「その雇い主の方がゴーショーグンを用意してくれたのですか?」
真吾「ああ、あれはドサクサ紛れで現れたサバラス隊長の手土産さ」
キリー「で、ゴーショーグンとOVAを俺達に押し付けたってわけ」
デュオ「その目的は?」
レミー「それが何も聞いてないのよねぇ」
OVA「私もです」
デュオ「………」
真吾「ま、腐れ縁って奴だ。これからもよろしく頼むぜ」
カミーユ「しかし、驚いたな。亜空間に消えた超竜神が復活したなんて…」
凱「彼らはザ・パワーの力で甦ったんだ」
エマ「ザ・パワー?」
命「木星に存在する超エネルギーらしいんですが、その詳細は不明なんです」
凱「だが、ザ・パワーは朽ち果てていた超竜神を復活させる程の力だ…それを狙って原種が木星へ集結している」
命「それを察知したソルダートJがジェイアークで木星圏へ向かったんですが…返り討ちにあってしまったんです」
エマ「なら、ジェイアークは…?」
護「戒道を乗せて地球へ帰ってきたんですけど…そこにJはいなかったんです」
トロワ「あのジェイアークが倒されるとはな」
凱「原種核を浄解ゾンダークリスタル…それら31個全ての集合体こそが原種の本体…」「全宇宙のゾンダー、及びゾンダリアンを制御するプログラムシステム…Zマスターだ」
護「Zマスターを破壊するために作られた力…それがGストーンとJジュエル…」「残った原種がザ・パワーの力を使って反撃に出る気なら、僕と戒道が行かなければ大変なことになってしまいます」
凱「行こう、護。地球と宇宙の全生命を救うために」
護「うん。僕もαナンバーズと一緒に戦うよ」
カミーユ(俺達の新たな戦場はゼ・バルマリィ帝国軍がいる火星圏と…)(Zマスターのいる木星圏か)

オービットベース メインオーダールーム
リリーナ「そうですか…。出発まで後二日しかないのですね」
大河「はい。事は急を要しますので」
麗雄「ドーリアン次官…この度は色々と骨を折ってもらうことになり、すみませんでしたな」
リリーナ「お気になさらないで下さい。私も地球安全評議会のメンバーの一人です。出来うる限りのことは致します」
ナタル「しかし、安全評議会が司令本部の決定に異を唱えるなどこれまでにはなかったことですが…」
リリーナ「確かに、以前の評議会の主な役割は紛争の平和解決や講和条約の締結でした」「しかし、同時に私達には軍部の戦略を監視し、その是非を問う責務と権利があります」
ナタル「では、評議会は現在の軍の在り方に疑問を感じているということでしょうか?」
リリーナ「そう思ってもらっても構いません」
ナタル「………」
リリーナ「私達は外宇宙からの帰還者を現状の司令部へ預けられぬと判断しています」「そして今の軍部は『彼ら』の意志によって動かされていると言っても過言ではありません」
ナタル(ブルーコスモスか…)
リリーナ「司令部が火星圏や木星圏の問題よりザフトへの対応を優先させるのであれば…」「私達としてはあなた方に火星や木星へ行ってもらうしか対処方法がないのです」
マリュー「それがアークエンジェルやマクロス7、ソロシップを守る方法だと仰るわけですね?」
リリーナ「大きな矛盾がありますが、その通りです。そして…私達はそのことを心苦しく思っています」
マリュー「いえ…生き残るためには仕方ありませんわ」
リリーナ「とにかく、急がねばなりません。地球圏安全評議会にも彼らの勢力は台頭しつつあります」
大河「承知しています。地球圏外の脅威を払拭し、人類同士の不毛な争いを終わらせねば、我々に未来はありません」
リリーナ「ええ。地球圏の問題に関しては、こちらで出来る限りの手を打ちます。…皆さんのご武運をお祈りします」
〔モニターの閉じる音〕
マックス「リリーナ・ピースクラフト嬢…いや、今はドーリアン外務次官か…。ほんの数年の間に随分と成長されたものだ」
大河「ええ。彼女も自らの役割を懸命に果たそうとしておられます」
マックス「外務次官の真摯な姿勢とあなた方の強い意志は信用に値します」
ミリア「ですが、大河長官。我々の目的はあくまでマクロス7船団との合流であることをお忘れなく」
大河「わかっております。マクロス7船団とメガロード船団の探索にも全力を尽くすつもりです」
ミリア「その言葉、私も信じさせていただきますわ」
【シナリオエンドデモ終了】


● No22A「砂塵の果て」 へ戻る

● No24「戦神の星で」 へ進む


◆ 「第3次スーパーロボット大戦α-終焉の銀河へ-」 へ戻る




当館に記載されている作品名・製品名などは、各社の登録商標です。
当館の内容は、各社からの正式許可を受けてはおりません。