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No.14
ロドニー捕囚

【シナリオデモ開始】
マサキ「…………」
〔ドアの開閉音〕
リューネ「あ、マサキ。マサキの今から食事?」
マサキ「…………」
リューネ「あれ? マサキ、どうしたのよ?」
マサキ「…………」
リューネ「マサキ! マサキったら!」
マサキ「んあっ? な、何だ……って、リューネか。驚かすな」
リューネ「何言ってんの。マサキがボーッとしてただけでしょ。何度呼んでも返事しないし」
マサキ「あー……そうだったか?」
リューネ「考え事?」
マサキ「まあ、ちょっとな。色々あったんでな……」
リューネ「ふーん……悩みがあるんなら相談に乗るけど?」
マサキ「いや、いまはいい。それより飯にするか」
リューネ「そう? だったらいいんだけど……あ、そうだ。そろそろエルシーネさんの演説が始まってるはずだよ」
マサキ「へぇ、もうそんな時間か」
リューネ「生中継だし、ちょっとホロビデオつけてみる?」
マサキ「ああ、そうだな」
〔スイッチを入れる音〕
[イベント「エルシーネの演説」]
エルシーネ「……そういった歴史的な平易はわたくしもよく存じています。ですが、もう一度よく考えてください。力で屈服させた相手は、心まで屈服するでしょうか? それはただ、反感を生み、新たな憎悪を生み、恨みを拡大再生産しているに過ぎないのではないでしょうか? 憎しみは、同じ憎しみとして報復してきます。無限に続く鎖を断ち切るのは、今のわたくし達にしかできません」
リューネ「……言ってる事はわからないでもないけど、ちょっときれい事過ぎるかな」
マサキ「そうか? もっともな事じゃねぇのか?」
リューネ「だってさ、戦争に限らなくたって憎しみは生まれるんだよ? それを無くすって事は、人間じゃなくなるって事になんないかな」
マサキ「いや、だからそれは理想として語ってるワケだしなぁ。理想は必要だろ?」
リューネ「それはわかってるよ。けどさ、それしか主張しないってのはどうかと思うよ。親父はそれで……」

〔通信のコール音〕
マサキ「ん? 何だ? 速報が入ったのか?」
リューネ「えーと……えっ!? 南部が奇襲!? これって……戦争が始まったって事!?」
マサキ「くそっ! 招集をかけろ! ブリーフィングだ!」

セニア「南部の奇襲の話は、みんなもう知ってるよね?」
ベッキー「ああ、速報が入ったからね。まったく、エルシーネの演説の最中に奇襲とはねぇ……」
マサキ「こいつはほっとけねぇな」
テュッティ「ええ、聯盟条約に照らし合わせれば、南部の奇襲は条約違反に相当するかも」
マサキ「俺達の出番だな」
ワグネル「そうですね」
セニア「あ、その前に……実はもう一つ、重大な問題が発生したの」
ミオ「あれ? 何かこの前も似た様な事があった気がする」
セニア「この前よりも事態は深刻よ。ロドニーとエリスが、北部軍の諜報部にスパイ容疑で拘留されたの」
ミオ「おっちゃんがっ!?」
マサキ「スパイ容疑だと……? まさか、俺達がやらせてると?」
セニア「そういう密告があったらしいのよ」
アハマド「証拠もなしに密告だけで光竜とは、無茶な事をしたものだな」
セニア「ああ、もちろん拘留は別件よ。公務執行妨害とか、その辺の微罪。本来なら、すぐにでも証拠不十分で釈放されるはずなんだけど、今回の南部の奇襲で、戒厳令がしかれちゃったのよ。戒厳令下では、スパイ容疑はかなりしつこく取り調べが入るから、保釈も難しい状況よ」
アハマド「そうなると、アンティラス隊とシュテドニアス、二重帰属が問題になりそうだな」
セニア「そうなのよ。だから……」
〔通信のコール音〕
セニア「え? あ、ちょっと待って。北部軍から通信よ」
ワグネル「今の話と関係ありますか?」
セニア「多分……メインに繋ぐ?」
ワグネル「お願いします。マサキ、あなたが出てください」
マサキ「へっ? 何で俺に振るんだよ?」
ワグネル「おそらく、この通信では迅速な判断が必要になると思われます。私は代表ですから、即断はできません。ですので、マサキ、あなたがこの場を代表して頂きます」
マサキ「……何か、逃げられた様な気がしないでもねぇが……わかったよ。じゃ、メインに出してくれ」
〔スイッチを入れる音〕
アクレイド「あ~、どうも、初めまして。私、北部軍参謀本部のアクレイド・バロム中尉といいます」
マサキ「あ、ああ。俺は……」
アクレイド「知ってますよ、マサキ・アンドー。あなた方は有名人ですから」
マサキ「……そうか。だったら用件を聞かせてくれ」
アクレイド「大体予測はついてると思うんですけど、ロドニー・ジェスハ氏についてです」
マサキ「やっぱりそれか……言っておくがな、あいつはスパイじゃねぇ」
アクレイド「まあ、そうでしょうね」
マサキ「だから違うって……ん? 何だと?」
アクレイド「いえ、だから、ジェスハ氏はスパイじゃないって話ですよね?」
マサキ「あ、ああ、そうだが……いや、ちょっと待て! スパイじゃにあってのがわかってるんなら、今すぐ釈放しろ!」
アクレイド「あ~、いえ、今のは私個人としての感想でして、残念ながら我が軍の総意ではないんですよ」
マサキ「お前……ロドニーと知り合いか?」
アクレイド「一緒の部隊になった事はありませんけど、何度か話した事ならありますよ」
マサキ「だったら、わかるだろうが。あのおっさんがスパイなんて器用なマネ、できるワケねぇって」
アクレイド「そうとも言えない部分もありますけど、まあ、おおむね同意します。個人的意見ですが」
マサキ「……お前、何が言いたいんだ?」
アクレイド「彼の無実を証明して欲しいんですよ」
セニア「いきなり難題を押しつけてくれるわね。大体、推定無罪なんだから、罪状を証明するのはそっちの仕事でしょ?」
アクレイド「でも、それだと時間が掛かっちゃいますよ?」
セニア「うっ……そ、そうだけど」
アハマド「我々に何かをさせたいのだな?」
アクレイド「ご明察です。今、我が軍が奇襲を受けているのはご存知ですよね?」
マサキ「ああ。もしかして、俺達に南部軍と戦えって言いたいのか?」
アクレイド「話が早くて助かります。その通りです」
マサキ「いやいやいや、それこそそっちのやるべき仕事だろうが」
アクレイド「まあ、そうなんですけどね。でも、あなた方の仕事でもあるんですよ」
テュッティ「……考えたわね。聯盟条約を利用するつもりね?」
アクレイド「はい。今回の南部の奇襲は、聯盟条約で定められた交戦権の拡大解釈に当たります」
テュッティ「厳密に言えばそうなるけど、それは当事国同士で解決するべき問題よ」
アクレイド「でも、現在はそのための機関としてアンティラス隊は設立されたワケで。強制執行は可能なはずですよ」
テュッティ「取引としてそれを使われる事は問題よ。私達に対する内政干渉に当たるわ」
アクレイド「まあ、そこはそれ。お互いウィン・ウィンならいいかな、と」
テュッティ「随分いい加減……もとい、柔軟な思考をしてるのね」
アクレイド「正直言うと、私としてもジェスハ氏には色々と期待している事もありまして。今回の話も、軍としての要望ではなく、私個人の雑談です」
マサキ「堂々と軍の回線を使って雑談か?」
アクレイド「盗聴や記録の恐れはありませんよ。保証します」
テュッティ「確かに、私達も何らかの処置を執るつもりだったわ、南部に対してね」
アクレイド「ですよねぇ」
テュッティ「でも、それをあなた方に取引として利用されてしまっては、私達は動けないの」
アクレイド「ですから、ほら。そこは内密に……」
テュッティ「余計タチが悪いわ。機密交渉が必要なのは理解してるけど、これは裏取引と同じよ。大体、この交渉が表に出ないのであれば、ロドニーの無実証明にもならないでしょう?」
アクレイド「ああ、その点なら大丈夫です。あなた方が南部の奇襲に対して
処置を執った、という事実が必要なだけですから。そうすれば、アンティラス隊が南部の便宜を図っていない証明になりますからね」
セニア「……だったら、どうしてあたし達に連絡してきたの? ほっといてもあたし達は、南部に対して然るべき処置を執るってのは、予想してたんでしょ? なのに、わざわざ連絡入れて波風立てるなんて、裏があるんでしょ?」
アクレイド「おや、さすがはセニア様。素晴らしい洞察です」
セニア「伊達に情報部にいたワケじゃないわ」
アクレイド「実は、ジェスハ氏に関して、あなた方にお願いがあるんですよ」
セニア「それが本題?」
アクレイド「ええ、ですがこれについては、まだ本人の意思確認もありまして、正式に話す事はできません」
セニア「……そおのお願いってのがどんなのだかはわからないけど、随分手回しがいいみたいね」
アクレイド「元来心配性でして。ついつい、先の事を考えちゃうタチなんですよ」
セニア「あんた、かなりの戦略家ね?」
アクレイド「いやあ、買いかぶりすぎですよ。とにかくそのお願いについては、今は考慮しなくて結構です。私としては、あなた方と繋ぎをとるのが最大の目的でしたから。その点については納得してます。あなた方の個性や考え方も把握できましたしね」
セニア「……用件はもう終わりね? だったら切るから」
アクレイド「あ、はい。長々とすみませんでした。それでは」
〔スイッチを入れる音〕
マサキ「何だ、あいつ……裏の裏とか、そういう事まで読んでやがるのか?」
セニア「うん、とぼけた顔してるけど、とんでもない相手よ。あんまり敵に回したくないわ。今だってさっさと通信切っちゃったのは、あいつに情報与えたくないからだし。おじさんが通信に出なかったのもそのためでしょ?」
ワグネル「んー、多少はありますが、私が彼と話すと色々横道に逸れそうな気がしたものですから」
ミオ「あー、確かに」
テュッティ「裏取引じゃないってのはわかってたけど、どこかあの男の掌の上で、踊らされてる感があるわね……」
マサキ「まあいいさ。俺達を利用しようってんなら、そん時は相手になってやるぜ」
リューネ「じゃ、南部の奇襲部隊に対して停戦勧告ね?」
マサキ「ああ、元々そのつもりだったしな。それでいいよな? 代表」
ワグネル「魔装機神操者に異論がなければ、私は認可するだけです。テュッティ、ミオ、異論はないですか?」
テュッティ「ありません」
ミオ「あたしも」
ワグネル「では、南部軍の部隊へ停戦勧告をしに向かいましょう」
〔フリングホルニ、デルハット市→キシュナート湖畔へ移動〕
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「ロドニー捕囚」


【戦闘マップ開始】
〔敵ユニット出現〕
〔味方戦艦出現〕
〔味方ユニット出現〕

ザンボス「ダスドレーシュ将軍! アンティラス隊です!」
レッフェン「ああ、わかっている。やはり来たのか……」
マサキ「そこまでだ! そちらの行動は、条約違反に相当する! 大人しく軍を退け!」
レッフェン「ここの指揮官、レッフェン・ダスドレーシュ大将だ。条約違反については議論の余地があるはずだ。いずれ会談をもって細部を交渉したい。今この場で軍を退けというのは、聞けぬ相談だ。どうしてもというのであれば、宣戦布告と判断する」
ワグネル「んー、見事な反論ですね。こうも堂々と主張されては、強制執行しか手はありません」
マサキ「仕方ねぇ、向こうがその気なら相手になるしかねぇな!」
ザンボス「ふん! 調子に乗るなよ! こちらには、あのリコ・ザンドリーブ大尉がおる」
セニア「え? ザンドリーブって……双子の撃墜王の?」
ザンボス「それに、俺も以前よりは腕を上げた! 春秋戦争の時の様にはいかんぞ!」
レッフェン「各機に通達、無理はするな。状況が不利だと判断したら、撤退せよ」
〈出撃準備〉
〔味方戦艦離脱〕
<戦闘開始>

<3PP・敵増援1出現>

〔敵ユニット出現〕

<マサキvsレッフェン>
マサキ「何でこう、戦争ばっかり起こしやがるっ!」
レッフェン「今ここで行動を起こさねば、南部は北部に従属せねばならん。ならば、立ち上がるしかなかろう」
マサキ「その前に話し合えっ!」
レッフェン「そのセリフは、北部に対して言うのだな。ゾラウシャルドに全ての原因を押しつけ、無理難題をふっかけたのは北部だ」
マサキ「実力行使以外に手はあるだろ!」
レッフェン「力で我々を抑えようとする君達に、そんな事を言われる筋合いはない」
マサキ「!?」

<マサキvsリコ>
マサキ「!? 女の子か!?」
リコ「あたしの名前はリコ・サンドリーブ! いざ、尋常に勝負!」
マサキ「こんな子が……撃墜王かよ!? いや、確かに構えに隙がねぇ……こいつは手強そうだ」

<マサキvsザンボス>
ザンボス「久しいな、小僧!」
マサキ「思い出したぜ! てめぇ、セニアを人質にとってたヤツだな!?」
ザンボス「言っておくがな、あれは非常手段だ。好きでやったワケではないぞ」

<セニアvsザンボス>
セニア「いつぞやは世話になったわね、ナセル中佐!」
ザンボス「ええ、あなたを少々見くびっておりましたよ、セニア様」

<リコ撃破>
リコ「やるな……ここは一旦退く!」
〔敵ユニット撃破〕

<敵3機以下・勝利条件達成>
レッフェン「戦力が下がりすぎたな。これでは戦線を維持できん。全機撤退せよ」
〔敵ユニット離脱〕
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

セニア「これで南部軍も、これ以上侵攻する事は無くなったわ」
マサキ「しばらくは小康状態って事か」
ワグネル「ええ、間違いないでしょう」
ミオ「ロドニーのおっちゃん、釈放されるかなぁ」
テュッティ「多分大丈夫だと……」
〔通信のコール音〕
メフィル「あ、ちょっと待ってください~。新しい情報が入りましたぁ」
セニア「えっ? 何これ? いつの間に……」
マサキ「どうした? 何があった?」
セニア「北部軍が、南部の重要拠点を占領したのよ。それも2箇所も」
メフィル「北部軍が動いてるって情報は入ってなかったはずですよぉ」
セニア「……やられたわ。あたし達を南部軍に当たらせて、その隙に反攻作戦を発動してたみたいね」
アハマド「……アクレイドの策かもしれんな」
セニア「でも、参謀本部付けの中尉なんて、下っ端もいいところ……あ、ううん、違うわね。逆かも。中尉でありながら、参謀本部に抜擢されたとしたら……」
アハマド「先程の会話だけでも、あやつの底知れなさは垣間見えた。用心に越したことはあるまい」
セニア「そうね……」
〔通信のコール音〕
メフィル「あっ、通信です! ロドニーさんから~」
ミオ「おっちゃん、釈放されたんだ!」
マサキ「メインに回してくれ」
メフィル「はい~」
〔スイッチを入れる音〕
ロドニー「よう、心配かけたな」
マサキ「もう釈放されたのか?」
ロドニー「おう、一応な。お前らが南部の味方やないってわかったからやと」
マサキ「んなもん、最初からわかってる事だろうが。で、いつ帰ってくるんだ?」
ロドニー「……その事やねんけどな。相談があんねん」
マサキ「? 何だよ、深刻な顔して……何かあったのか?」
ロドニー「ああ、いきなりで悪いんやけどな……わしとエリス、アンティラス隊から脱退させて欲しいんや」
マサキ「!? ちょっと待て! 脱退たぁどういう事だ!?」
ロドニー「すまん、頼む! この通りや!」
テュッティ「……拘留されてる間に、何かあったの?」
ロドニー「実はな……エリスが妊娠してるんがわかったんや」
テュッティ「妊娠……? えっ? 妊娠!?」
ロドニー「いや、そない驚かんでも……一応、結婚はしとるんやし」
テュッティ「あ……そ、そうね。そうよね。おめでとう」
ミオ「良かったじゃない!」
ロドニー「ありがとさん」
マサキ「もしかして……それが原因か?」
ミオ「あー、そうか。エリスさんが妊娠したとなると、操者はできないもんね」
ロドニー「それもあるけど、それは切っ掛けの一つや。それよりも堪えたんは、今回のスパイ騒ぎや。国の分裂で、みんな疑心暗鬼になっとる。国全体がピリピリして、どもならん。一応、わしの祖国やからな。こんな風になっとるのを見過ごすワケにはいかへんのや」
マサキ「それはわかるけどよ、だったら俺達と一緒に……」
ロドニー「外からじゃ変えられへんもんがある。中から変えていかなあかんねん」
マサキ「中からって……どうするつもりなんだよ?」
ロドニー「近く、上院の補欠選挙があるんや。わし、それに立候補しよう思てんねん」
ミオ「立候補って……おっちゃん、政治家になるつもりなの!?」
ロドニー「そうや。何かとツテもあるし、自分で言うのもなんやが、人気もある。多分当選できると思う」
マサキ「それは……魔装機操者としての義務を放棄してでも、果たさなきゃならねぇ事なのか?」
ロドニー「ああ、わしにとってはな」
アハマド「一つ警告しておく。シュテドニアスの議員となれば、アンティラス隊と意見が対立する可能性もある。それでも構わないのだな?」
ロドニー「まあ、そうならん様に努力はするつもりやけど……国益がかかる事になったら、覚悟はできとる」
アハマド「そうか。ならいい」
マサキ「良くねぇ! 俺達は一国のためじゃなく、ラ・ギアス全体のために戦ってるんだぞ!」
ロドニー「それは、アンティラス隊におらなできん事なんか?」
マサキ「うっ……い、いや……」
ロドニー「別に敵対しようと思とるんちゃう。愛国心、家族愛、そういったもん全部ひっくるめて、考えた結果や。エリスの事もそう、今回の戦争の事もそう。わしが一番効果的に、ラ・ギアス全体のためにできる事……じっくり考えた結果なんや。幸い、独房では時間が有り余っとったからな」
ワグネル「んー、意志は固い様ですね」
ロドニー「ああ、もう決めた」
ミオ「おっちゃんが決めたんなら、あたしは何も言わない」
マサキ「…………」
リューネ「マサキ、反対なの?」
マサキ「……俺が反対したところで、おっさんの意志は変わらねぇ。反対はしねぇよ」
ロドニー「……すまんな」
セニア「一つだけ教えて。ロドニーの考えって、アクレイドと関係ある?」
ロドニー「ん? バロム中尉か? 中尉はわしを軍に復帰させたがっとったみたいやけどな」
セニア「そっか。あいつの差し金じゃないんだ。だったらいいよ」
ロドニー「ああ、そういやバロム中尉に伝言頼まれとった。お前ら、知り合いやったんか?」
セニア「知り合いって言うか、ちょっと、ね」
ロドニー「中尉が言うには、予定とは変わったけど、結果オーライやそうや。何のこっちゃわからんけどな」
セニア「……まさか、これも予想の内だったの?」
ロドニー「? 何がや?」
セニア「あ、ううん、いいの。何でもない」
ワグネル「魔装機神操者は、二人の脱退に対して異論はありませんか?」
テュッティ「仕方ないわね……事情が事情だもの」
ミオ「寂しいけど、しょうがないか」
マサキ「……反対はしねぇ」
ワグネル「では、正式にロドニー、エリス両名のアンティラス隊脱退を許可します」
ロドニー「……すまんな」
ワグネル「正式な脱退の手続きは、こちらで行っておきます」
ロドニー「ああ、頼むわ。ほな、こっちがうまい事いったらその内連絡する」
ミオ「うん、お幸せにね」
テュッティ「頑張ってね」
マサキ「……無茶はすんなよ」
ロドニー「そっちこそな。ほら、またな」
〔スイッチを入れる音〕
マサキ「セニア、アクレイドがどうこうってのはどういう意味だったんだ?」
セニア「アクレイドは、ロドニーをシュテドニアス軍に復帰させたがってたみたいなのよ」
マサキ「おっさんを軍に復帰させるって……それがこの前言ってたお願いってヤツか」
セニア「本人の意思確認がどうとか言ってたしね。結果オーライって伝言からして、ロドニーの政界入りも予想してたみたいね」
マサキ「おっさんがシュテドニアスに戻ったら、あいつが何か得するのかよ?」
セニア「個人レベルじゃなくて、シュテドニアス全体を考えたら、ロドニーの存在は重要よ。本人も言ってたでしょ? 人気やツテがあるって。彼が北部にいるかどうかは、政治的にも戦略的にも重要な問題よ」
マサキ「そうだったのか……」
セニア「まあ、二人がアンティラス隊から抜けるのは痛いけど、代わりにシュテドニアスにコネができるだろうし」
アハマド「ああ、その点は多少なりとも外交上有利になりそうだな」

マサキ「…………」
〔ドアの開閉音〕
リューネ「あー、マサキ。またボーッとしてる」
マサキ「……ちょっと考えてたんだよ」
リューネ「ロドニーさんの事?」
マサキ「ああ。おっさんは、家族や祖国を護るため……シュテドニアスに残ったんだよな」
リューネ「それだけじゃないでしょ。ラ・ギアス全体のためって言ってたし」
マサキ「ああ。そうだったな」
リューネ「護るべき家族ができたから、優先順位が変わっただけの事でしょ」
マサキ「護るべき家族か……俺にはねぇな。地上で……何もかも無くししまった」
リューネ「そんな事ないよ! そんな寂しい事、言わないでよ!」
マサキ「え?」
リューネ「だって…あたし達、もう家族みたいなものじゃない」
マサキ「家族……?」
リューネ「あたしは、そう思ってる。アンティラス隊のみんなは家族だって」
マサキ「そうか……そうだな。家族みたいなもんか……確かにな」

ウェンディ「デルギランのシートの具合はどう? メフィル」
メフィル「ちょうどいいです~」
ウェンディ「エリスとメフィルは、ほぼ身長が同じだから、調整は必要なさそうね」
メフィル「でも~、本当にいいんですかぁ? 私がデルギランに乗って~」
ウェンディ「精霊耐性テストでは、まったく問題なかったわ。大丈夫。あなたならデルギランを乗りこなせるわ」
メフィル「だといいんですけど~」
ウェンディ「心配だったら、馴致訓練も兼ねて哨戒に出たらどうかしら? ツレインと一緒に」
メフィル「あ~、それ、いいですねぇ。うふふ~、ツレちゃんとお出かけ~」
ウェンディ「仲がいいのね、あなた達」
メフィル「はい~。あ、それでガディフォールはどうするんですか~?」
ウェンディ「元の予備に戻すわ。最近の魔装機の進歩は凄まじいから、さすがにもう、前線に出すのはつらそうだし」
メギル「量産機はカスタムメイドと違ってぇ、改良にも限度がありますしね~」
ウェンディ「……今後のことも考えて、早めに予備の魔装機を用意した方がいいんだけど……」
メフィル「? 何か問題があるんですか~?」
ウェンディ「ティアンの一件があるから、全魔装機の設計見直しが必要になりそうなの。今すぐってワケじゃないけど」
メフィル「あ~……そうでしたねぇ……」
ウェンディ「ああ、あまり気にしないで。あくまで設計側の問題だし、今のところは特に問題は発見されてないから」
メフィル「はい~、わかりました~。デルギラン、これからよろしくね~」
【シナリオエンドデモ終了】


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