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No.20
エラン・ゼノサキス

【シナリオデモ開始】
マサキ「…………」
ガエン「…………」
マサキ「…………」
ガエン「…………」
マサキ「……おい」
ガエン「…………」
マサキ「返事ぐらいしろ、ガエン!」
ガエン「……何の用だ?」
マサキ「お前、普段からそのカッコなのか?」
ガエン「そうだ」
マサキ「替えの服は?」
ガエン「同じ服を1ダース持っている」
マサキ「それ1種類かよ!?」
ガエン「お前だって、いつも同じ格好だろうが」
マサキ「それはお約束ってヤツで……じゃなくて!! おまえ、もうちょっとまともなカッコしろ!」
ガエン「お前に言われる筋合いはない」
マサキ「うるせぇ! その真っ黒な服が暑っ苦しいんだよ!」
ガエン「お前個人の感想に付き合ってやる必要はない」
マサキ「やかましい! こいつは命令だ! ちゃんとした服を買ってこい!」
ガエン「命令か。ならば従おう」
マサキ「……何だ、お前。命令だと言ったら素直に聞きやがって」
ガエン「当然だ。命令には絶対服従する。それが規律だ」
マサキ「……まったく、お前は……」
〔ドアの開閉音〕
リューネ「ちょっと、外まで声が聞こえたよ。何ケンカしてんのさ?」
ウェンディ「ダメよ、ケンカは」
プレシア「お兄ちゃん、いつもそうなんだから」
マサキ「いや、ケンカじゃなくてな……こいつの服装の事でよ」
リューネ「服? そういえばあんた、ずっとそのカッコだね」
ガエン「そういうお前もな」
マサキ「だから、そのやりとりはもういいって! それより服買いにいくぞ、服!」
ウェンディ「服買いにいくって……ガエンの?」
マサキ「ああ、そうだよ」
リューネ「二人で?」
マサキ「その方がいいだろ。こいつが自分で選ぶと、同じ様な服買うに決まってる」
ウェンディ「マサキが服を選ぶの?」
リューネ「それはやめた方が……」
プレシア「いいと思うなぁ」
マサキ「な、何でだよ?」
リューネ「だって、マサキ、服のセンス悪いもん」
ウェンディ「うん、そうね」
プレシア「あたしもそう思う」
マサキ「なっ……お前達だってそんなにいいセンスじゃねぇだろうが!」
ウェンディ「男の見る目と、女の見る目は違うのよ」
リューネ「そうそう。あたし達だって、動きやすいとか、作業しやすいとか、そういう理由でこのカッコなの」
ウェンディ「普段着は色々持ってるもの」
プレシア「お兄ちゃん、あたしの服装ダメなの?」
マサキ「い、いや、そうじゃなくてだな……」
リューネ「第一、マサキこの辺りで服屋さん、知ってるの?」
マサキ「あー、もう。わかった、わかった。お前達も一緒に来い。で、服選びは任せる」
ガエン「……俺の意見は最初から無視か?」

リューネ「あ、何かおいしそうなの売ってる。何あれ?」
プレシア「パティグって言って、えーと、何だっけ……あ、そうそう。地上のクレープみたいなものだよ」
ウェンディ「カッシュミント味だって。おいしそうね」
マサキ「お前ら、遊びに来てんじゃねぇんだぞ」
リューネ「ああ、そうそう。服買いに来たんだよね」
マサキ「で、服屋ってこの近くなのか?」
ウェンディ「ええ、すぐそこよ」
????(エラン)「やあ、マサキ。それにプレシアもいるな」
マサキ「ん? 誰だ?」
ガエン「マサキ……下がれ」
マサキ「何だ? ガエン、どうした?」
ガエン「……わからんのか? こいつ……ただ者ではないぞ」
????(エラン)「何だよ、そんなに警戒しなくてもいいだろ? 確か君は……元ヴォルクルス教団暗殺者のガエン」
ガエン「……何者だ?」
[イベント「僕はエラン・ゼノサキス」]
エラン(エラン)「僕はエラン・ゼノサキス」
プレシア「えっ? ゼノギアスって……」
エラン(エラン)「君とは親戚に当たるな、プレシア。とは言っても2000年も前に分かれた系統だけど」

プレシア「そ、そうなんですか。その、初めまして」
エラン「……ふーん」
プレシア「えっ? ど、どうかしましたか?」
エラン「いや、気にしないでくれ。大した事じゃない。それよりマサキ、君に訊きたい事があるんだけどな」
マサキ「……何だよ?」
エラン「君の本命はどっちなんだい?」
マサキ「……何の事だ?」
エラン「練金学士のお姉さんか、地上人のお嬢さんかって事だよ」
ウェンディ「練金学士って……私の事?」
リューネ「地上人ってのはあたしの事、みたいだね」
マサキ「だから、何の話なんだよ?」
エラン「やれやれ、趣きも何もあったもんじゃないな、君は。どっちが恋人なのかって訊いてるんだよ」
マサキ「なっ!?」
ウェンディ「えっ……」
リューネ「あ……」
マサキ「な、何だよ!? 何じっと見てんだ、二人共! エランっつたな!? てめぇ、どういうつもりだ!?」
エラン「どちらかに人質になってもらおうと思ってね」
マサキ「なっ……人質だと!? 何でそんな事を……」
エラン「君と勝負がしたくてね。普通に言っても、君が承知するとは思えないからな」
マサキ「当たり前だっ! そんな事して何の意味がある!?」
エラン「僕にはあるんだよ。神祇無窮流を極めるためにね」
ガエン「……やはりその身のこなし、神祇無窮流だったか」
エラン「ああ、言っておくけどガエン。君には用はないよ。君程度の使い手なんて掃いて捨てるほどいるから」
ガエン「…………」
マサキ「神祇無窮流……ゼオルートのおっさんが使ってた剣術流派、だったな」
エラン「君だって使えるんだろう?」
マサキ「俺は正式に教わっちゃいねぇよ」
エラン「……そうなのか?」
マサキ「ウソついてどうするってんだよ」
エラン「へぇ……面白いな。すると、君は自分で意識しないで、吸収して、使ってるワケか。なるほど、天性の流派とはよく言ったもんだな」
マサキ「何をワケのわかんねぇ事を言ってる! 用が済んだんなら、とっとと帰れ!」
エラン「それが、そうもいかなくなったよ。君の話を聞いた以上、試してみないと気が済まなくなった。それに、君に見せたいものもあるしね……」
マサキ「……何をする気だ!?」
エラン「いいから、早くサイバスターを呼びなよ。面白いものを見せてやるから」
マサキ「こんな街中で、魔装機を出せってのか!?」
エラン「面倒臭いな。僕はそんな事、気にしないけどね。来いっ! ゼルヴォイド!」
〔構える音〕
[イベント「ゼルヴォイド」]
マサキ「なっ……あれは……」
ウェンディ「あ……」
リューネ「黒い……サイバスター?」
エラン「ゼルヴォイドだよ。そして、こっちがオリジナル」
マサキ「てめぇ……何のつもりだ!?」
エラン「言ったろ? 君と勝負がしたいって。生身より魔装機の方がよさそうだからね。ほら、早くサイバスターを呼びなよ。仲間も呼んでいいよ。早くしないと、そうだな……この街を破壊しようか」
マサキ「なっ……何だとっ!」
エラン「へぇ、顔色が変わったね。なるほど、この手が効果的みたいだね」
マサキ「お前が何考えてるかなんざ、知りたくもねぇが、街を破壊するってのは赦さねぇ!!」
エラン「おっと。やっとその気になってくれたかい? それじゃ、待ってるよ」

〔スイッチを入れる音〕
マサキ「くっ! フリングホルニ、聞こえるか!? マサキ! サイバスターを街の郊外に射出してくれ! 後、リューネ、プレシア、ガエンの分も頼む!!」
ウェンディ「私、急いでフリングホルニに戻るわ」
マサキ「いや待て、ウェンディ! あの魔装機……ただもんじゃねぇ。サイバスターのサブシートにいた方が安全だ」
ウェンディ「そうね……わかった」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「エラン・ゼノサキス」


【戦闘マップ開始】
〔敵ユニット出現〕
〔味方ユニット出現〕

エラン「やっと来たね。それじゃ、ルールを説明しよう。今から30分間、僕の攻撃を耐えきったら、君の勝ちだ、マサキ。君が負けたら、街を破壊する」
マサキ「ルールだと!? ゲームをやってんじゃねぇぞ!!」
エラン「そうしないと、君は本気を出さないみたいだからね。必要な処置さ」
マサキ「てめぇは……っ!! 4対1で勝てると思ってるのか!?」
エラン「当然だよ。いいか、よく見ておくんだね。この僕の……そしてゼルヴォイドの本当の力を!」
〔エラン、出力上昇〕
[イベント「ゼルヴォイド、ポゼッション!」]
マサキ「なっ……こ、これは……」
ウェンディ「まさか……ポゼッションなの!?」
エラン「そう、これがオリジナルの力ってワケさ。君は一度だけ発動したらしいけど……所詮コピーじゃ、その程度って事さ」

マサキ「さっきからオリジナルのコピーだのぬかしやがって……サイバスターを偽物扱いすんのか!?」
エラン「事実、そうだから仕方ないだろ?」
マサキ「てめぇっ!!」
<戦闘開始>

<エランHP50%以下or2EP・敵増援1出現>

エラン「へぇ……少しはやるみたいだな。けど、まだまだ物足りないな」
〔敵ユニット出現〕
????(デミン)「おやおや、なんか妙な雲行きになってやすねぇ」
????(ディーゴ)「おい、デミン! 暗殺するんじゃなかったのかよ!?」
デミン「邪魔が入った上に、魔装機に乗られちゃ、どうしようもねぇでしょうが。それともディーゴさん、あんたなら何とかできると?」
ディーゴ「うっ……」
マサキ「何だこいつら……?」
エラン「ああ、君達を狙ってる傭兵だよ」
マサキ「何だと?」
エラン「なんだい? 気付いてなかったのか? 街中でずっと君を狙ってたんだよ」
マサキ「な……」
エラン「ま、僕にとっては相手にする価値もないし、放っておくけどね」

<3PP・味方援軍1出現>
〔味方戦艦出現〕
セニア「ウソッ!? ホントにサイバスターそっくりじゃないの!?」
ミオ「しかもあれ……ポゼッションでしょ!?」
シモーヌ「強敵みたいだね……」
マサキ「ああ、無理はするなよ!」
〈出撃準備〉
〔味方戦艦離脱〕

<3EP>
エラン「まあ、これくらいはやってくれないとな。まだまだだけどね」

<4PP・味方援軍2出現>
〔味方ユニット出現〕
[イベント「ディンフレイル、参戦!」]
ギド「何とか間に合ったか」
マサキ「新型魔装機? 乗ってるのは誰だ!?」
ギド「久しぶりだな、マサキ。晩餐会以来だ」
マサキ「え? あー……ギドだ。ギド何とか」
ギド「ゼーホーファー。ギド・ゼーホーファーだ。このディンフレイルと共に、本日付けでアンティラス隊に配属になった」
マサキ「マジでアンティラス隊を志願したのかよ……」
セニア「ディンフレイル! そっか、ディンフォースがああなったから、格上げになったんだ」
ギド「ま、私と同様、繰り上げ当選といったところですかな」
セニア「ふ~ん、謙遜するじゃない」
ギド「私も所詮、あぶれ者ですから」
マサキ「腕の方は大丈夫なのか?」
ギド「再訓練は真面目に受けたよ。それなりに役に立って見せよう」
マサキ「言うじゃねぇか。なら、その腕見せてもらうぜ」


<4EP>
エラン「それが君達の今の実力か……少し買い被っていたかな」

<5EP>
エラン「へぇ……少しはやるみたいだな。けど、まだまだ物足りないな」

<6EP>
エラン「弱いなぁ……弱すぎる。まともに戦えないんなら、降参してもいいんだよ」」

<エランHP50%以下or7EP>
エラン「ふん……まあまあかな。かなり君達に有利なルールだったみたいだしね。耐えきったのは確かだし、ここは素直に負けを認めよう」
マサキ「ちっとも素直に認めてねぇだろうが!」
エラン「まあ、収穫はあったし、約束は約束だ。僕はここで失礼するよ」
〔敵ユニット離脱〕
マサキ「ちっ、逃げやがったか」

<マサキvsエラン>
エラン「さて、見せてもらおうか、君の力を」
マサキ「いちいち見下した言い方しやがって! てめぇ、何様のつもりだ!」
エラン「やれやれ……仮にもランドールの名を受け継ぐ男が、下品な事だ」
マサキ「……その言い方、あいつを思い出して頭に来るんだよっ!」

<テュッティvsエラン>
テュッティ「ポゼッション……どうして、あなたがそれを……」
エラン「テュッティ・ノールバックか。ガッドと通じ合いたいんなら、まずはカナヅチを治したらいいんじゃないかな」
テュッティ「!? どうしてそれを……余計なお世話よ!」

<ミオvsエラン>
ミオ「これがポゼッション……すごいプレッシャー!」
エラン「君はミオ・サスガだったね」
ミオ「え? あたしの事知ってるの? もしかして、あたしって有名人?」
エラン「色んな意味でね。君もなかなか面白いサンプルだ。なにせ、君だけが唯一……」
ミオ「え? 唯一?」
エラン「……やめた。今話しても意味がないからね」
ミオ「ちょっと、何よ、その思わせぶりなセリフは!! 伏線はちゃんと回収しなさい!」

<リューネvsエラン>
リューネ「あんたね、もうちょっと突っ込んで訊いてくれないと困るでしょ!」
エラン「? 何の事かな?」
リューネ「だからっ! どっちが本命かって話!」
エラン「……ああ! あれか。無理だろうね。彼はそういうのを決められないタイプだよ」

<プレシアvsエラン>
プレシア「街を破壊するなんて、させないんだから!」
エラン「……なるほど。基礎はできている様だね」
プレシア「えっ? な、何?」
エラン「さすがはゼオルートの娘だって褒めているんだよ」
プレシア「え? あ、ど、どうもありがとう」
エラン「……ゼオルートが生きていれば、こんな苦労はしなかったんだがな」

<セニアvsエラン>
セニア「細部は違うけど、シルエットは本当にそっくりね……記録、記録」

<セニアvsディーゴ>
ディーゴ「何だ? あんた、ラングランの姫さんじゃねぇかよ」
セニア「だったら何よ?」
ディーゴ「ちょうどいいや。前からあんたが気に食わなくてね!」
セニア「……あたしも今、あんたの事嫌いになったわ!」

<ガエンvsエラン>
ガエン「俺の神祇無窮流の腕、見せてやろう」
エラン「ダメだね、君には神祇無窮流を極める事は無理だよ」
ガエン「……なんだと?」
エラン「君には大事な物が欠けているからね」
ガエン「欠けている、だと? それは何だ!?」
エラン「口で説明してもムダだよ。ま、いつか実感すると思うよ」

<敵全滅・勝利条件達成>
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

ワグネル「改めて紹介しましょう。新型魔装機ディンフレイルの操者、ギド・ゼーホーファーです」
ギド「よろしく頼む。フリングホルニは美人揃いと聞いていたが、ウワサに違わぬ楽園だな」
マサキ「おいおい、漢は眼中になしかよ」
シモーヌ「お堅いドイツ人にしちゃ、珍しいナンパ野郎だね」
ギド「そういう君は、美人が多いので有名なフランス人だね? よろしく、フロイライン」
シモーヌ「シモーヌ・キュリアンだよ。言っておくけど、よろしくするつもりはないから」
ギド「おや、何か気に入らない事でも?」
シモーヌ「あたしはドイツ人は嫌いでね」
ギド「理由を訊いてもいいかな?」
シモーヌ「大した事じゃない。個人的な経験でね」
ギド「では、その個人的偏見を覆す機会を与えてもらえないかな?」
シモーヌ「……気が向いたらね」
セニア「ギドって、MAD所属だったんでしょ?」
マサキ「MADって何だ?」
ミオ「地球連邦北欧方面軍……つまり、旧ドイツ国防軍下の軍事保安局だよ。ゲーレン機関の流れを汲むBNDに比べると知名度は落ちるけど、優秀な組織なんだ」
ギド「……詳しいな、君は」
ミオ「まーね」
セニア「それで、どの部署だったの?」
ギド「テロ対策の2課と、防諜の3課、両方の経験がある」
セニア「やった! 経験者! ね、ね、あたしの諜報機関の手伝い、頼んでいい?」
ギド「喜んで」
セニア「よしっ! 人材確保!」
マサキ「諜報機関ねぇ……セニアはご執心だな」
セニア「当然よ! あたし達みたいな独立部隊は情報が命なんだから!」
マサキ「わかってるって。そんなムキになるなよ」
アハマド「ふむ、では安心して、俺は隊を抜けられるワケだな」
マサキ「ん? 何だと、アハマド?」
アハマド「アンティラス隊を脱退するんだよ、俺は」
マサキ「待て待て! 何だ、いきなり!」
アハマド「いきなりではないぞ。前々から話は進めていた」
マサキ「俺は初耳だ!」
アハマド「そうだろうな。お前には相談していなかったからな」
マサキ「どういう事だよ!?」
アハマド「「ほれ、それがいかんのだ。感情を無理矢理抑えろとは言わんが、こういう時、お前は感情が勝ちすぎる。少しは落ち着け」
マサキ「ちっ……代表は、この事を知ってたのか?」
ワグネル「相談は受けていましたよ。しかし魔装機操者は、最終的に個人の判断が最優先されますからね」
マサキ「……理由を聞かせてくれ、アハマド」
アハマド「簡単な事だ。今のままではアンティラス隊は独立部隊として致命的な欠陥がある。シュテドニアスやバゴニアとの連携がまったくと言っていいほどとれていない。これは、隊設立がラングランで行われたから仕方のない事とも言えるが、だからといって現状は放置できん。そこで俺が、隊を抜け、独立して情報を集め、ネットワークを構築する。幸い、俺はこれまでの経緯で顔が広いのでな。そうする事によって、各国との連携を深め、より迅速に、正確な情報を得る。それが俺の役目だ」
マサキ「……裏方に徹するって事か?」
アハマド「ああ、俺にはその方が性に合ってる。魔装機操者としての義務を放棄するつもりもない。ただ、ソルガディは返納する。あれはいい機体だ。アンティラス隊には必要だろう」
マサキ「……いや、そこまで覚悟ができてるんなら、俺がとやかく言ってもしょうがねぇだろ。けど、魔装機操者としての義務を果たすってんならソルガディは必要だろ?」
アハマド「や、あれはすでにガエンに譲る事に決めた。彼は羅適性もある。俺は予備のガディフォールを譲ってもらう」
マサキ「……俺抜きで、そこまで話が進んでたのかよ」
アハマド「お前に先に相談しては、話が長くなるだけだからな。それで、納得してくれたか?」
マサキ「理解はしたが、納得はしてねぇ。正直、古参の操者が次々といなくなるのは気になるんだよ」
アハマド「ふ……寂しい、とでも言うつもりか? 感傷的だな、お前は」
マサキ「うるせぇ! 反対はしねぇ! ただし、出て行くんなら一つだけ条件がある。送別会くらい開かせろ」
アハマド「む……そういった催しは余り好まんが……」
マサキ「昔みたいにすき焼きパーティでもやってみるよ。それならいいだろう?」
アハマド「……そうだな。あれは確かに……楽しかった」
マサキ「じゃ、決まりだな。ギドの歓迎会と一緒にやっちまおう」

マサキ「……行っちまったか」
ウェンディ「アハマドの事?」
マサキ「ああ……あんな不愛想なヤツでもいなくなるとな……」
ウェンディ「ふふ……やっぱりマサキ、感傷的になってる」
マサキ「悪いかよ?」
ウェンディ「ううん、それでいいのよ、マサキは」
マサキ「ち……ああ、そういや昼間の件なんだが……」
ウェンディ「え? あ……ゼルヴォイドの……事?」
マサキ「ああ。エランのヤツ、サイバスターを偽物扱いしやがって……」
ウェンディ「…………」
マサキ「ん? どうしたんだよ? ウェンディは怒らねぇのか?」
ウェンディ「実は……ちょっと嫌な心当たりがあるのよ」
マサキ「嫌なって……何だよ?」
ウェンディ「サイバスターって、他の魔装機神と設計思想が違うでしょ?」
マサキ「ああ、まあな。変形するし、尻尾があるし。まあ、尻尾は関係ないか」
ウェンディ「サイバスターを設計してる時の私の記憶って実は少し曖昧なのよ」
マサキ「曖昧?」
ウェンディ「ええ……もしかすると……姉さんが関係してるのかも……」
マサキ「テューディが? いや、でもテューディが表に出たのって、王都壊滅後なんだろ? サイバスターの設計は、それよりずっと前なんだ。テューディが関係してるワケねぇって」
ウェンディ「そうとも言えないのよ……私と姉さんは、ある程度記憶を共有してるけど、完全じゃない。私の記憶の中には、あの事件より前にも何回か、すっぽりと抜けてる記憶があるの」
マサキ「じゃあ、サイバスターの設計にテューディが一枚噛んでたってのか?」
ウェンディ「……かもしれない。姉さんがどこかでゼルヴォイドを見て、その設計を知ったのかも……そして私は、その影響でサイバスターを設計した……だからあんなに似ているのかも……」
マサキ「そんなの、想像だけで、何の証拠もねぇ話だろ。サイバスターは傑作だよ。ウェンディ、自信もっていいぜ」
ウェンディ「う、うん……ありがとう、マサキ」

ガエン「ソルガディか……なるほど、いい機体だ」
セニア「相性も悪くないみたいね。ま、アハマドでも受け入れたんだから、ソルガディって懐が広いのよね」
ガエン「俺に不信を抱いている口振りだな」
セニア「元ヴォルクルス教団の人間を、そう簡単に信用できないわよ。でも、これまでの戦いぶりは認めてるし、まったく信用してないってワケでもないから安心して」
ガエン「デュラクシールはどうするんだ?」
セニア「あの機体はまだ不完全だもの。もっと改良しておかないと。それに、いやな思い出もあるし……ね」
ガエン「不完全か……確かに俺には扱いきれん部分があった」
セニア「練金学士としては、不完全なものを世に送り出すのは避けたいのよ」
ガエン「練金学教会の秘密主義か……どれだけの技術を隠しているのやら」
セニア「悪い事みたいに言わないでよ。身の丈に合ってない技術は、それだけで脅威なんだから。制御できない技術の暴走で、これまでどれだけの国が滅亡してきたか、知らないとは言わせないわよ」
ガエン「ラングランも含めて、か?」
セニア「当然でしょ。マクロな視点で歴史を振り返るのは必要よ」
ガエン「参考にする程度なら構わんが、それに縛られすぎては、進歩はないぞ」
セニア「言いたくないけど、それこそヴォルクルス教団的考えじゃない? 進歩こそが正義? 冗談じゃない」
ガエン「お前と口論するつもりはないが……アンティラス隊は充分すぎるほど進歩的だと思うが?」
セニア「それは……まあ、地上人が多いから、ある程度はね」
ガエン「魔装機神などを造っただけでも、アカデミーも進歩的になっているだろう」
セニア「それは、必要だから生じた措置よ。魔神の予言もあったし」
ガエン「で、事が済んだら、もてあまし、放り投げる、か」
セニア「魔装機神は、それだけでバランスのとれた希有な存在よ。魔装機神がいる限り、アンティラス隊は大丈夫」
ガエン「高位の精霊との契約とは、それほどのものなのか?」
セニア「魔装機神は操者を選ぶ。つまり、精霊の意志に反して行動すれば、その操者は魔装機神から拒否される。今のところ、前例はないけどね」
ガエン「精霊を過大評価している気もするが」
セニア「精霊は、長い年月をかけて形成された人々の意志の集まりよ。人類の叡智と言っても過言じゃない。少なくとも、今、この場の事だけを考えてる人なんかより、よっぽど信頼できるわ」
ガエン「典型的なラングランの考え方だな」
セニア「悪い?」
ガエン「さあな……いい、悪いなどという主観的な判断は差し控える。ともかく、ソルガディへの乗り換えは承知した」
セニア「あんたにあたし達の価値判断を押しつける気はないけど、精霊がどういうものか、それだけは理解して」
ガエン「ああ、心がける」
【シナリオエンドデモ終了】


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