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No.43
簒奪者オンガレッド

【シナリオデモ開始】
ワグネル「みんな揃ったかな?」
マサキ「ああ、いや、待て。リューネがいねぇぞ」
ミオ「トレーニングルームじゃないの?」
ゲンナジー「いや、あそこにはいなかった」
〔ドアの開閉音〕
リューネ「ご、ごめん、遅れちゃって……」
マサキ「お、やっと来たか。これで全員だな」
ワグネル「それでは、報告を始めます。重大ニュースです。南部でオンガレッドがクーデターを起こしました」
ギド「むっ? それは……しかし、ニュースには流れていないぞ」
セニア「今は情報統制されてるからね。もうしばらくしたら、情報が流れ始めると思う」
マサキ「クーデターだと……前回の事といい……あの野郎、ロクでもねぇ事しやがる!」
テュッティ「それで、セニア様。どうしてその事を?」
セニア「エルシーネさんから情報が来たの」
マサキ「エルシーネ? 何であいつが……」
セニア「アクアビナ修養会は、信者同士のちょっとしたネットワークを持ってるから。前々から動きが変だったし、この情報は信用できると思う」
ヤンロン「それで、クーデターは成功したのか?」
セニア「ええ、ほぼ。まだ完全には収束してないけど。情報によると、オンガレッドは現大統領を傀儡に仕立て、議会を解散。全ての権限を自分に集中してるみたい。自分は表に出ずに裏で全てを操る、影の権力者になったワケ。これで南部はオンガレッド独裁体制になるのも時間の問題よ」
テュッティ「……危険だわ。彼はまた、非戦闘員を巻き込んで戦いを始めてしまう」
マサキ「おまけにヴォルクルス教団とも繋がってるみたいだしな……」
ヤンロン「うむ、このままにはしておけん」
ベッキー「けど、どうするんだい? 南部の首都に殴り込みでもかけるかい?」
マサキ「それもいいかもな」
ツレイン「ええっ? そんな乱暴な……」
ヤンロン「いや、意外といい案だ。今なら、クーデターによる混乱が治まりきっていない」
ミオ「急げば間に合うって事?」
マサキ「ああ、オンガレッドさえ倒せば、今回の戦争は片がつく。今がチャンスだ」
ギド「……難しい作戦ではあるが、可能性はあるな」
ワグネル「んー、本来であれば、クーデターに対応するのは内政干渉に当たります。しかし、今回は聯盟から南部への制裁決議も出た事ですし、南部政府が機能していない今ならば……やや拡大解釈の恐れはありますが、南部軍へ攻勢をかけても、制裁面での問題はなさそうですね。これ以上、戦火を拡大しないためにも、マサキの案でいきましょう」
マサキ「リューネ、お前もそれで……ん? おい、リューネ、どうした?」
リューネ「えっ? あ……う、うん」
マサキ「? 何だよ、顔が赤いぞ。熱でもあんのか?」
リューネ「だ、大丈夫だって。別に……なんとも……」
マサキ「!? おい、すげぇ熱じゃねぇか!?」
リューネ「へ、へーき、へーき……この……くら……い……」
〔人の倒れる音〕
マサキ「リューネ!?」
ウェンディ「みせて! うわ……かなりの熱ね。とにかく治療室へ」

[イベント「風邪のリューネ」]
リューネ(画面オフ)「ごめん……こんな時に風邪なんて引いちゃって」
マサキ「気にすんな。それにしても、ラ・ギアスでも風邪ってのは治せないんだな」
ウェンディ「風邪のウィルスは変異が多いから、抗ウィルス剤でも完全な治療はできないのよ。ゆっくり寝て、栄養をとるっていう対症療法しか手はないわ」
マサキ「日本じゃ、ネギを喉に巻くといいって話があるけどな」
ウェンディ「ネギの香気成分が、鼻づまりを緩和するのかしらね。けど、結局は対症療法だけど」
マサキ「ま、俺達に任せて、お前はゆっくり寝てな。まずは風邪を治すのが先決だ」
リューネ(画面オフ)「うん……」


〔フリングホルニ、ワイドント市→南へ移動〕
〔通信のコール音〕

ホーリー「精霊レーダーに反応! 2時の方向、距離、200!」
ブラッドロイ「迎撃部隊か! 総員戦闘配置!」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「簒奪者オンガレッド」


【戦闘マップ開始】
〔敵ユニット出現〕
〔味方戦艦出現〕

ムデカ「アンティラス隊め……やはり首都に迫ってきたか」
マサキ「ムデカか! 待ち伏せしてやがったな!」
シモーヌ「邪魔しないで! オンガレッドのクーデターなんて、あんたも望んじゃいないだろ!」
ムデカ「ふん、そんなもの、俺には関係ない。俺の目的は、貴様達を倒す事だけだ!」
シモーヌ「まったく……聞く耳も持ってないんだから」
〈出撃準備〉
〔味方戦艦離脱〕
<戦闘開始>

<マサキvsムデカ>

マサキ「てめぇ、いい加減しつこいってんだよ!」
ムデカ「自慢じゃないが、受けた恨みは決して忘れないんでな!」
マサキ「……ホントに自慢じゃねぇぞ、それ」

<シモーヌvsムデカ>
シモーヌ「何でそこまで、ラセツに義理立てするのさ!?」
ムデカ「ラセツ様は、俺の才能を認め、引き立ててくれた恩人だ!」
シモーヌ「恩人が悪い事をしたら、あんたはそれを助けるっての!?」
ムデカ「当然だ!」
シモーヌ「……話し合う余地はなさそうね」

<ファングvsムデカ>
ムデカ「大会で貴様に敗れてから2年と185日……修行の成果をみせてやる!」
ファング「……何でそこまで細かい日にちまで」

<ロザリーvsムデカ>
ロザリー「あたし達の邪魔をしないでよ!」
ムデカ「!? ロザリー!? ロザリー・ギムナスなのか!?」
ロザリー「へっ? あんた……何であたしの本名知ってんの?」
ムデカ「俺だよ! 忘れたのか? ムデカ・ラーベンスだ! 昔、一緒に遊んだろ?」
ロザリー「そっただ事言われても、あたし、あちこち引っ越したし……」
ムデカ「8年3ヶ月と9日前だ!」
ロザリー「あー……その言い方で思い出したわ。あのムデカね?」
ムデカ「そうだ! 思い出してくれたか! それにしても君はまた、一段と可愛く……」
ロザリー「そういやあんた、何かっていうとあたしに意地悪してくれたっちゃね! 思い出したらむかつくったい!」
ムデカ「ええっ!? い、いやそれはその、何とか君の気を惹こうと……」
ロザリー「せからしか! かかってこんね!」
ムデカ「ろ、ロザリー……」

<ムデカ撃破>
ムデカ「くっ……まだ修行が足りん。出直すぞ!」
〔敵ユニット撃破〕

<敵全滅・勝利条件達成>
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

マサキ「ちっ……思ったより時間が掛かっちまったな」
シャリアン「そうだな……先を急がねば。我々には時間がない」
ミオ「フリングホルニの超巡航形態って使えないの?」
ブラッドロイ「使えん事はないが、ここは適地だ。超巡航形態時は、シールドが手薄になる。迎撃されると危険だからな」
ミオ「あー、そうなんだ」
マサキ「今は、やれるだけの事をやるだけだ。艦長、急いでくれ」
ブラッドロイ「わかっている


〔フリングホルニ、ケッティアム火山→南へ移動〕

[イベント「風邪のリューネ」]
マサキ「よっ、リューネ」
ウェンディ「具合はどう?」
リューネ「あ、マサキ、ウェンディさん。戦闘、終わったんだ」
マサキ「ああ」
リューネ「ごめん、こんな時に……」
ウェンディ「いいのよ、病人はそんな事を気にしちゃダメ。早く治すのが仕事よ」
マサキ「それにしてもリューネが風邪引くなんてな。何とかは風邪引かないっていうけど」
リューネ「な、何よ」

ウェンディ「リューネ、キッチン借りるわね。オートミール、作ってあげる」
リューネ「うえっ、あたしオートミール嫌いなんだけど……」
ウェンディ「そう? それじゃお粥は?」
リューネ「オカユ? ああ、時代劇に出てくる貧乏な親子が食べてる、あれ?」
マサキ「……その喩えはどうかと思うぞ」
リューネ「あたし、お粥って食べた事ない」
ウェンディ「じゃ、お粥にしましょう」
マサキ「ウェンディ、お粥なんて作れるんだな」
ウェンディ「ええ、任せて」
マサキ「で、リューネ。熱はどうだ?」
リューネ「うん、大分下がってきた。今日いっぱい寝てれば、元通りになるよ」
マサキ「そうか、そりゃ良かった。あ、そうだ。イチゴ、食うか?」
リューネ「あ、うん」
マサキ「ほれ」
リューネ「…………」
マサキ「ん? どうした? 食べねぇのか?」
リューネ「え、えーとね……その……」
マサキ「何だよ。練乳でもかけて欲しいのか?」
リューネ「そ、そうじゃなくて、その……た、食べさせて欲しいなって」
〔物を落とす音〕
マサキ「なっ!?」
ウェンディ「きゃっ!? ご、ごめんなさい、お皿、割っちゃった」
リューネ「あ、いいよいいよ、どうせ安物だし」
マサキ「お前な、食器類はプラスチックにしとけよ」
リューネ「それよりマサキ……さっきの……」
マサキ「さ、さっきのって……な、何だよ?」
リューネ「……あーん」
マサキ「こ、こら! リューネ!?」(!? な、なんだ……この殺気は……)
[イベント「その姿はまるで魔女の様……」]
〔鍋が煮立つ音〕
マサキ「!? う……ウェンディ?」
ウェンディ「なあに、マサキ。お粥ならもう少しでできるから」
マサキ「え? あ、いや……」(……気のせいか? さっき、ウェンディがまだテューディ化した様な気が……つーか、お粥作のに、あのでっかい寸胴鍋ってのはどうなんだ?)
[イベント「風邪のリューネ」]
リューネ「もう、マサキ。どこ見てるの。ほら、イチゴ……食べさせてよ」
マサキ「!? そ、そんな事……(うっ? また殺気が……)
[イベント「その姿はまるで魔女の様……」]
ウェンディ(テューディ)「うふ……うふふふ……」
マサキ(!? み、見間違いじゃねぇ!? またウェンディがテューディ化……しかも笑ってる……)

リューネ「マサキ、よそ見しないっ!」
〔殴打音〕
マサキ「ぐあっ!? く、首が……首が……」
リューネ「ほら、ちゃんとあたし見て」
ウェンディ(画面オフ)「うふふふ……い~わねぇ……リューネは病人だから、思いっきり甘えちゃって……うふふ。いいのよ~、マサキ。リューネのリクエスト、聞いてあげたら? うふふ……」
マサキ(こえぇって! 笑ってるのに、声がこえぇっ!)
リューネ「ほら、ウェンディさんもああ言ってくれてるんだし、いいでしょ?」
マサキ「お、お前……その位置からじゃウェンディが見えないから、そういう事が言えるんだっ!」
リューネ「ねーったら~」
ウェンディ(画面オフ)「うふふ……遠慮しないでいいのよ~、マサキ。私はちっっっっとも気にしないから~」
リューネ「ふふ、ウェンディさん、ありがと」
マサキ「い、いや……」
リューネ「……それとも、首を360度ほど回して欲しい?」
マサキ「ぜ……前門の虎、後門の狼……」
ウェンディ(画面オフ)「うふふ……火ネズミの衣、猫の足音、がまの油……」
マサキ(な、何か、おどろおどろしい単語が聞こえた様な……)
リューネ「はい、あーん」
マサキ「くっ……こうなりゃヤケだ……やってやるっ!」
リューネ「はむっ♪ うん、おいしい……」
マサキ「う……ううっ……」
ウェンディ(画面オフ)「うふふ……仲が良くて羨ましいわぁ~」
マサキ(や……やべぇ……本格的にやべぇ……俺の勘が、逃げろって言ってる……)
ウェンディ「さあ、これで完成よ。ウェンディ特製お粥」
マサキ「!? お、お粥って……」(違うっ! この匂いは絶対お粥じゃねぇっ!! もっと禍々しい何かだっ!)
リューネ「え……えっと……ウェンディ……さん?」
ウェンディ「うふふ……味の方はちょ~っと保証できないけど、薬効は満点よ」
リューネ「い、いや、保証できないっていうか、その、匂いの時点でもうヤバいっていうか」
ウェンディ「ダメよ~、リューネは病人なんだから~。病気を治すのが第一。ね?」
リューネ「ね? って言われても! ま、マサキ……」
マサキ「……すまん。俺は力になれねぇ……無力だ。後は任せたっ!」
〔ドアの開閉音〕
リューネ「あっ!? マサキっ! 逃げるなっ!!」

マサキ「はぁ……心臓に悪いぜ」
〔画面、震動〕
リューネ(画面オフ)「うぎゃあぁぁぁぁっ!?」
マサキ「……リューネ、成仏しろよ」

ギド「残念な情報だ。オンガレッドはすでに、完全に南部の権力を掌握した」
マサキ「くそっ! 間に合わなかったのか!」
ミオ「えー? 首都まで後2時間ほどだったのに……」
ワグネル「オンガレッドが全世界に向けて新政権の樹立を発表しました。群も完全に統率している様です。聯盟の決議に対しても、一時停止の異議を申し立てました。政府が機能を回復した以上、私達の介入は、たとえ聯盟決議に則っていても内政干渉に当たります。決議では、武力介入は紛争地帯に限定されていますので」」
ヤンロン「これ以上、ここには留まれんという事だな」
セニア「そうね。下手に手を出しても、こっちが不利になるだけ。最悪オンガレッドに、あたし達に対抗する口実を与える結果になるかも」
ワグネル「一旦国境付近まで戻りましょう」
【シナリオエンドデモ終了】


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