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No.53
エルシーネの疑惑

【シナリオデモ開始】
[イベント「泳ぎの練習」]
シモーヌ「はい、いち、に、いち、に」
テュッティ「こ、こう?」
シモーヌ「ダメダメ! バタ足はもっと脚を伸ばして、全体で蹴るの。膝曲げちゃダメ」
テュッティ「そんな事言ったって……」
シモーヌ「顔もちゃんと水に浸ける」
テュッティ「そんな事したら息ができないじゃない」
シモーヌ「苦しくなったら、顔上げてもいいから」
テュッティ「そ、それじゃ……せーの……ぶはぁ!」
シモーヌ「短っ!? 何で10秒ともたないのよ?」
テュッティ「だって……真っ暗だと不安で」
シモーヌ「ちょっと待った! テュッティ、あんた水の中で目を開けてないの?」
テュッティ「え? だって、目を開けるなんて怖いじゃない」
シモーぬ「……はぁ。まさかそこから始めないといけないなんて……」

リューネ「あれ? 珍しいね。テュッティがプール?」
テュッティ「あ……リューネ。えーと、その、ちょっとね……」
シモーヌ「今更恥ずかしがってもしょうがないだろ。泳ぎの練習だよ」
テュッティ「ま、まあ、そういう事」
リューネ「あー、そういえばカナヅチなんだっけ。シモーヌさんって、泳ぎうまいの?」
シモーヌ「あたしは人並み程度だよ。得意ってほどじゃない」
リューネ「ふーん、だったらテュッティ、ゲンナジーに教えてもらえばいいのに。元水泳金メダリストで、しかもコーチとしても優秀だよ」
テュッティ「……優秀すぎてダメなのよ。どうせ泳げる人には、泳げない人間の気持ちなんてわからないの。人と魚がわかり合えない様に」
リューネ「ワケわかんない理屈だけど……要するに、ゲンナジーにもさじを投げられたって事……」
ゲンナジー「呼んだか?」
〔水に飛び込む音〕
リューネ「うひゃあっ!?」
テュッティ「げ……ゲンナジー、いたの?」
ゲンナジー「いや、今し方、俺の名前を呼ばれた気がしたので来ただけだ」
シモーヌ「ゲンナジー、いきなり人の後ろに立っちゃダメでしょ。ほら、リューネなんてびっくりして、プールに落ちちゃった……あれ? 上がってこないね?」
テュッティ「え? でも、リューネは泳げるはずよ。溺れたりは……あっ!? リストバンド!?」
シモーヌ「そういや……あのリストバンドって、片方で5キロあるって言ってたっけ」
テュッティ「このプールって……私でも足がつかない深さよね……」
シモーヌ「まずっ!! 助けないと……」
リューネ「ぷはぁ!! びっくりしたぁ……」
テュッティ「リューネ!?」
シモーヌ「リューネ、あんた、大丈夫なの?」
リューネ「え? 大丈夫って、何が?」
シモーヌ「いや、あんた確か、5キロもあるリストバンドをしてるって……」
リューネ「ああ、これの事? 大丈夫、大丈夫。これ付けたままで泳ぐのなんて、いつもの事だから」
シモーヌ「……なんかもう、人間の域を超えてる気がする」
ゲンナジー「うむ、いい水泳フォームだ、リューネ」
リューネ「……ゲンナジー、あんまり人を脅かさないでよね」
ゲンナジー「すまん」
テュッティ「……なんだか、リューネの方が水の精霊で相性がいいみたい……」

ギド「南部に潜入しているアハマドから、重要な情報が入った」
マサキ「南部が動くのか?」
ギド「ああ、どうやらエリアル王国への侵攻作戦を計画しているらしい」
マサキ「エリアル王国? 何で急にあの国に攻め込もうってんだ?」
ワグネル「部品の調達ですね」
ギド「ああ、間違いないだろう」
マサキ「あ……そういや、そんな話があったな。南部だけじゃ、魔装機の整備にも限界があるって。それで、部品を調達するためにエリアル王国に侵攻……て事か」
ウェンディ「ええ、魔装機の基本パーツにはエリアル王国製の部品が多いから。重要拠点を占領すれば、工場も自由に使えるもの」
マサキ「そんな勝手な事、させるかよ! 場所はわかってるのか?」
ギド「さすがに、いくらアハマドでもそこまでの情報は手に入れていない」
セニア「その代わり、監視飛空船からの映像を分析して、いくつか候補地が浮かび上がったわ」
マサキ「いくつかって事は、絞り切れてねぇのか?」
セニア「残念ながらね。部隊の動きからだけじゃ、そこまではわからないのよ」
マサキ「……片っ端から当たっていくしかねぇのか?」
リューネ「あんまり効率が良くないよね。行き違いになる可能性もあるし」
ロザリー「あ、だったらさ、相手が狙ってそうな場所に先に行って、迎え撃てば……」
ギド「残念ながら、目的となりそうな場所も複数存在する。それに、水際作戦は被害も大きくなるから、戦術としては下策だ」
ロザリー「……そっかぁ」
〔通信のコール音〕
セニア「え? あ、ちょっと待って! 今通信が……えっ!? クリストフから!?」
マサキ「シュウだと!?」
セニア「えーと、どうする? こっちに回す?」
マサキ「今はそれどころじゃねぇ! ……と言いたい所だが、こういうタイミングであいつが連絡を取ってくるって事は、何かあるんだよな……とにかく話だけでも聞いてみるか。回してくれ」
セニア「了解」
〔通信の開く音〕
シュウ「どうやらお困りの様ですね、皆さん」
マサキ「ちょっと待て! お前、何でいきなりそんな事がわかる!?」
シュウ「忘れたんですか? アハマドはかつて私と行動を共にした事もある仲間ですよ。私にも情報は入っています」
セニア「あー、そういえばアハマド、そんな事言ってたっけ」
マサキ「で、てめぇは嫌味を言うためにわざわざ連絡してきたってのか?」
シュウ「まさか。南部の侵攻ルートが判明したので、教えて差し上げようかと」
マサキ「……何でてめぇがそれを知ってる?」
マサキ「ヴォルクルス教団絡みで、情報を入手したんですよ。彼らが南部と繋がっているのはご存知でしょう?」
マサキ「ヴォルクルス教団から? てめぇはヴォルクルス教団内にも協力者がいるのか?」
シュウ「さあ、詳しい事はお話しできません。もしいれば、その人に災難が及ぶでしょうし」
マサキ「……確かにな。で、信用できるのか?」
シュウ「私が自身で出向くつもりでいる程度には、信頼度が高いと思いますよ」
マサキ「回りくどい言い方しやがって。要するに、てめぇが信じるだけの根拠はあるってんだな? いいだろう、今回は信用してやる。場所を教えろ」
シュウ「おや、マサキにしては妙に物わかりがいいですね」
マサキ「うるせぇ! 時間がねぇんだ、早くしろ!!」
シュウ「わかりました。暗号回線を使って、データをそちらへ送ります」
マサキ「了解した。……そこにはてめぇも来るのか?」
シュウ「少しばかり、先に片付ける用事がありますので遅れるかもしれませんが、必ず参りますよ」
マサキ「……わかった。ま、別に来なくてもいいがな」
シュウ「なるほど、そうまで期待されては行かないワケにはいきませんね。それでは」
〔通信の閉じる音〕
リューネ「……なんていうか、マサキとシュウって、仲が悪いのに会話の連携がいいよね」
ウェンディ「あ、リューネもそう思う? 私もずっと気になってたの」
マサキ「こら、こそこそ言ってねぇで準備しろ!」
リューネ「はーい」
ウェンディ「あら、ごめんなさい」

〔フリングホルニ、デルハット市→ダレンティ地下回廊へ移動〕
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「エルシーネの疑惑」


【戦闘マップ開始】
〔敵ユニット出現〕
ザンボス「サンドリーブ大尉! 結界から外れかけてるぞ!」
リコ「あっ……す、すみません」
ザンボス「どうした、大尉。注意散漫など、大尉らしくないな。……そんなに嫌か、この作戦が」
〔通信のコール音〕
リコ「あ……パーソナル通信……いえ、中佐。任務は任務ですし、それに……」
ザンボス「ダスドレーシュ将軍か……確かに、あの仕打ちは感心せんな。あれではまるで人質だ。だが、命令である以上、我々は全力を尽くさねばならん。特に部下の前ではな」
リコ「……はい」
ザンボス「しかしまあ、そうは言っても正直俺も、ヴォルクルス教団の連中と一緒に行動するのは願い下げだがな」
グレプス「ナセル中佐、サンドリーブ大尉。作戦行動中に個人回線の使用は謹んで頂きたい」
ザンボス「ああ、わかっている。もう用事は済んだ」
〔レーダー反応〕
ウーフ「……精霊レーダーに反応だ。まっすぐこっちに向かってくる。おそらく敵だな」
ザンボス「むっ……総員迎撃体制!」
〔味方戦艦出現〕
ベッキー「南部軍とヴォルクルス教団……こいつら、マジで手を組んでやがったのかい!」
ヤンロン「それにしてもどういう事だ? なぜ精霊レーダーに反応しない?」
デメクサ「あー……これ、決行強力な結界張ってますよ。隠形の術の強化版です」
テュッティ「これだけの規模をカバーするなんて……相当な術者がいるみたいね」
マサキ「そんな詮索は後でいい! こいつらをここで撃退するのが先だ!」
ワグネル「アンティラス隊の強制執行を許可します」
リューネ「了解!」
〈出撃準備〉
〔味方戦艦離脱〕
<戦闘開始>

<敵全滅or4EP・味方援軍1&敵増援1出現>

〔敵ユニット出現〕
サティルス「さて、では私共の相手もして頂きましょうか。黙って見過ごすワケにはいきませんのでな」
マサキ「ちっ! 増援かよ! しかもヴォルクルス教団か!」
〔敵ユニット出現〕
シュウ「ああ、やっと出てきてくれましたね、サティルス大司教」
サティルス「む……クリストフ殿、貴公か……」
シュウ「いい加減、鬼ごっこにも飽きましたからね。そろそろ終わりにしようかと」
サティルス「残念だが、今はまだその時ではない。だが、戦うというならば相手をするに吝かではないな」
マサキ「ホントに来たのかよ、シュウ」
シュウ「約束は守るものですよ、マサキ」

<マサキvsザンボス>
マサキ「ヴォルクルス教団と手を組むとは、落ちぶれたもんだな!!」
ザンボス「うるさいっ! 俺が好きでやっていると思うか!」
マサキ「お? おっさん、意外とまともだったんだな」
ザンボス「失敬な!」

<ファングvsムデカ>
ファング「まったく、しつこい男だな、お前は」
ムデカ「俺は、どんな恩も仇も忘れはしない!」
ファング「……ムダに几帳面なんだな」

<ジノvsリコ>
ジノ「どうした、リコ。気合いが入っていないぞ」
リコ「……ジノおじさん」
ジノ「む……何か理由がありそうだな。無理はするな。こんな戦いで命を落とすなどくだらんからな」
リコ「うん」

<ロザリーvsリコ>
ロザリー「リコちゃん、何か動きが鈍いよ!」
リコ「ロザリーちゃん……あたし……」
ロザリー「うーん……何か色々ありそうだけど、集中しないと死んじゃうよ!」

<ロザリーvsムデカ>
ムデカ「ロザリー……やっと出会えたのに、また君と戦わなきゃいけないのか……」
ロザリー「あんたねぇ、何グダグダ言うとーと? はっきりせんね!」
ムデカ「は、はっきり……お、俺は……その……」
ロザリー「せからしか! ほたえな!」

<シュウvsサティルス>
シュウ「あなた方のしつこさには頭が下がりますよ」
サティルス「裏切り者を生かしておいては、示しがつかんのでな。覚悟せよ」
シュウ「ふう……機体だけでなく、操者まで似ているとは」
チカ「キャラ、かぶりまくりですよねー。違いは頭髪くらいですかねー。あ、あとご主人様にタメ口って身の程知らずですよね」

<サフィーネvsウーフ>
ウーフ「ふ……サフィーネ、またやられに来たのか?」
サフィーネ「な、何言ってるのよ! 私は負けたつもりはないわよ!」

<リコ撃破>
リコ「やられた……撤退していいんだよね?」
〔敵ユニット撃破〕

<ザンボス撃破>
ザンボス「ふん、これだからこんな作戦など気が乗らんかったんだ」
〔敵ユニット撃破〕

<ムデカ撃破>
ムデカ「くっ……こんな事で諦めはしないぞ!」
〔敵ユニット撃破〕

<グレプス撃破>
グレプス「くっ、改造が足りんかったか」
〔敵ユニット撃破〕

<サティルス撃破>
サティルス「おのれ……クリストフめ、あやつが元凶か……」
〔敵ユニット撃破〕

<ウーフ撃破>
ウーフ「ちっ……作戦は失敗か……」
〔敵ユニット撃破〕

<敵全滅・勝利条件達成>
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

シュウ「お招き頂き、感謝しますよ、マサキ」
マサキ「別に好きで招いたんじゃねぇ。情報をもらっちまったからな。その礼ってだけの事だ」
デメクサ「お茶が入りましたよ。粗茶ですが、どうぞ」
シュウ「おや、日本茶ですか。結構なお手前で」
マサキ「それ飲んだら帰れよ」
シュウ「そうですね、特に用事があるワケでもありませんし……ところで、一つ気になる事があるんですが」
マサキ「訊くのは勝手だが、答える義理はねぇぞ」
シュウ「プレシアの姿が見えませんが、どうしたんですか?」
マサキ「な……何でてめぇがプレシアの事を気にするんだ!? お前、まさか……プレシアの事を!?」
シュウ「…………」
マサキ「そういや、てめぇはサフィーネみたいな色気の塊に言い寄られても、とっちもなびかねぇし……ジノと同類だったのか!?」
ジノ「……君は、私の事を誤解しているぞ、マサキ」
シュウ「一緒にされるのは不本意ですね」
マサキ「てめぇにだけは、義兄さんなんて呼ばれたくねぇえぇぇっ!!」
ワグネル「マサキ、少しは落ち着いてください」
マサキ「ふーっ、ふーっ……」
シュウ「やれやれ。プレシアとはちょっとした経緯があったので気になっていただけですよ」
マサキ「経緯って、仇討ち騒ぎの事か?」
シュウ「ええ、ほかにも少し、気にある情報がありましたからね。何でも、原因不明の病に倒れた、とか」
マサキ「な……何でそこまで知ってやがる!?」
シュウ「情報源の秘匿は必須です。それで、治療室にいるんですか?」
マサキ「そこまで知ってるんなら、別に訊く事もねぇだろ。エルシーネのトコだよ」
シュウ「……驚きました。それは初耳です」
マサキ「へ、そうかよ。ざまあみろ」
シュウ「呑気な事を言っていますね。プレシアが危ういというのに」
マサキ「てめぇは、まだエルシーネを狙ってるのか?」
シュウ「当然です。彼女はおそらく……ヴォルクルス教団の大司教ですから」
マサキ「なっ……何ぃっ!?」
シュウ「先に言っておきますが、証拠はありません」
マサキ「証拠はねぇって……てめぇは、要するに勘だけでエルシーネを殺そうとしてたんだな?」
シュウ「ええ、そうです」
マサキ「……あきれた野郎だぜ。やっぱ、てめぇはイカレてる」
シュウ「そうですか? では、あなたも同類ですね、マサキ」
マサキ「何だと? どこが同類だってんだ!」
シュウ「2年前、あなたは私に、ゼオルート氏の仇を討つために戦いを挑んできましたね?」
マサキ「えっ? あ、ああ……」
シュウ「その時に言った事を覚えていますか?」
マサキ「あ……あの時は……俺は……心の中で、何かが叫んでる気がして……」
シュウ「ふ……私も同じです。エルシーネに邪気を見たんですよ。私は、かつてヴォルクルスの下にいた事もあります。そういったプラーナには人並み以上に敏感でしてね」
マサキ「……てめぇの言い分はわかった。だがな、信用したワケじゃねぇぞ。信用したワケじゃねぇが……エルシーネのトコに行く! 念のためにな!」
ミオ「マサキって……ツンデレ?」
マサキ「うるせぇ! 何でもツンデレって言やあ済むと思ってやがるな?」
シュウ「ああ、それともう一つ。エルシーネと会ったら、6年前の事を訊いてみてください」
マサキ「6年前……?」
シュウ「おや? 聞いていませんか、プレシアから」
マサキ「プレシア……6年前……あ、待てよ。確か……ゼオルートのおっさんに付いていって、襲撃事件に遭遇した……とか言ってたな」
ガエン「ウーフが関わった事件か」
シュウ「ええ、その事件の事ですよ。エルシーネは当事者ですからね。ゼオルート氏は、エルシーネの護衛をしていたんです」
マサキ「何だと? お前……何でそんな事まで知ってる?」
シュウ「忘れたんですか? 私は元々ヴォルクルス教団の関係者です」
マサキ「……なるほどな、そういう事か。エルシーネが当事者って事は、襲われたのはあいつなのか?」
シュウ「ええ、そういう事になっていますね」
マサキ「変だろうが。てめぇはエルシーネがヴォルクルス教団の関係者だと言った。だが、そのエルシーネがヴォルクルス教団に襲われた。筋が通ってねぇぜ」
シュウ「物事には全て表と裏があるものです。そして裏の事実は、普通表面化する事はありません」
マサキ「……何か裏があるってんだな?」
シュウ「そういう事です。では、私はこの辺で失礼しますよ」
マサキ「ん? 何だよ、お前、エルシーネのトコに行かねぇのか? エルシーネを狙ってたんだろうが」
シュウ「優先すべき事項が発生しましたからね。こちらの方が時間的に切迫しています」
マサキ「何しに……って訊いても、どうせ答えねぇんだろ、勝手にしろ」
シュウ「ええ、それでは」
〔歩き去る足音〕
ジノ「我々も急ごう。プレシアの事が心配だ」
【シナリオエンドデモ終了】


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