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No.58
封印の二重螺旋

【シナリオデモ開始】
ワグネル「エランがくれた情報に、今のところ怪しい点はありませんね」
セニア「例によって、誰にも知られてないヴォルクルス神殿だけどね」
マサキ「そこにエルシーネとプレシアがいるのは間違いねぇんだな?」
ギド「100%とはいかんよ。だが、かなり可能性は高い」
マサキ「ちっ……けど、どうせそれしか頼る術はねぇんだ。行ってみるしかねぇな」
リューネ「それはいいけど、プレシアを助け出す方法は大丈夫なの?」
マサキ「やり方はわかった。問題は、プレシアを正気に戻す方法だ」
ジノ「やはり、ここはマサキ、君が話しかけるのが一番だろう」
ミオ「ジノさんはどうなの?」
ジノ「私が? ……しかしな」
マサキ「何でジノなんだよ」
ジノ「ほら、ごらんの通りだ」
ミオ「ちょっと、マサキ。ジノさんだってプレシアの事が心配なんだよ。それに、プレシアと一番仲がいいのはジノさんだって事に間違いはないんだし」
マサキ「何っ!? ちょっと待て、今の発言は聞き捨てならねぇ! ジノとプレシアはそんなに仲良くしてるってのか!?」
ジノ「誤解を招かぬ様に言っておくが、剣術は勉学を指導しているだけだぞ」
マサキ「な……いつの間に……」
リューネ「だって、そりゃあねえ……マサキに勉強教えてくれなんて……」
ヤンロン「木によりて魚を求む、だな」
マサキ「? どういう意味だよ」
ヤンロン「木に登って魚を探す事と同じくらい見当外れだという意味だ」
ミオ「その言葉の意味がわかんない時点で、もう、ね」
マサキ「くっ……」
ミオ「大体、マサキ本人より、ファミリアのシロとクロの方が頭がいいってどうよって話だよね」
マサキ「お、お前……エランとおんなじ様な事言いやがって!」
ミオ「ありゃ、エランにも言われたの? まあ、あいつなら言いそうだってのはあるけど」
マサキ「そ、そんな事よりだな! プレシアを正気に戻す手だてを……」
ミオ「だから、マサキとジノさんに任せれば一番確実だと思うんだけど?」
マサキ「うっ……わ、わかったよ。それでいく」
リューネ「じゃ、その作戦でOKだね。後は、実行するだけ。急ごう、マサキ」
マサキ「ああ! 待ってろ、プレシア!」

〔フリングホルニ、ラスフィトート神殿→ヴォルクルス神殿へ移動〕

[イベント「地上に露出したヴォルクルス神殿」]
ブラッドロイ「む……こ、これは……」
シャリアン「ヴォルクルス神殿が……地上に出てる!?」
ウェンディ「そんな……これは人目につきすぎるわ! 下手をすると、世界中にヴォルクルスの事が知られてしまうかも……」
デメクサ「……どうやら、かなり大がかりな魔術を使ったみたいですよ。地下を隆起させ、神殿を地上まで露出させるには、相当の魔力が必要です」
セニア「まずいわ……録画できてる」
マサキ「録画できてるって……それのどこがまずいんだ?」
セニア「ヴォルクルスの姿が、映像に残るかも知れないって事。これまで、ヴォルクルスは結界のために録画されなかったのよ。けど、この場所は、その結界が弱まってる。下手をすると、ヴォルクルスの映像が世界中に……」
〔レーダー反応〕
ホーリー「精霊レーダーに反応! どうやら独立局の取材機の様です!」
セニア「取材させちゃダメ! ヴォルクルスの実体が知られたら、それは新たな恐怖を生み出すだけよ!」
ホーリー「警告を出していますが、従う様子がありません!」
マサキ「世界中にヴォルクルスの姿が広まると……どうなるんだ?」
セニア「ヴォルクルスへの恐怖心は、ヴォルクルス自体を強化するのよ。そうなると、あちこちの封印が一斉に解けるかも……」
マサキ「……マジかよ」
ウェンディ「独立局の連絡先を教えて。私が何とか交渉してみる。その間に、みんなはプレシアの救出と、エルシーネの事を!」
マサキ「わかった! 頼んだぜ、ウェンディ」
ワグネル「アンティラス隊、出撃してください」

【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「封印の二重螺旋」


【戦闘マップ開始】
〔敵ユニット出現〕
〔味方戦艦出現〕
〔味方ユニット出現〕

エルシーネ「お待ちしておりました、皆様。ささやかな宴ですが、歓迎さえ手頂きます」
マサキ「エルシーネ!! てめぇ……ヴォルクルスの復活を世界中に見せつける気か!!」
エルシーネ「ああ、気付かれましたか。その通りです。これまでの地下での復活は、結界のために映像を残せませんでしたが、地上に出れば、それも可能。今回は、一般の放送局の方をお迎えして世界中の皆様にヴォルクルス様の真の姿をご覧に入れようかと」
マサキ「させるか!!」
エルシーネ「残念ですが、すでに準備は終わっています。皆様に復活を阻止する事など、不可能です」
〔エルシーネ&プレシアから瘴気〕
〔魔法陣、展開〕
〔敵ユニット出現〕

[イベント「地上に出現するヴォルクルス」]
ヴォルクルス「オォォォォ……此度ノ顕現ハ……地上カ。少々赴ガ異ナルガ……我ガ力ニ不足ナシ……存分ニ見セツケテクレヨウ……」
マサキ「ちっ……出やがった!!」
セニア「録画は……良かった、そこまで強力じゃなかったみたい。映ってないわ」
マサキ「そ、そうか……」
エルシーネ「……力及びませんでしたか。申し訳ございません、ヴォルクルス様」
テュッティ「油断しちゃダメ、魔力が強力よ! 普通に考えても、多分ダメージは与えられない!」
セニア「それだけじゃないわ! 魔力の絆が、エルシーネとプレシアにも繋がってる!」
デメクサ「あれを断ち切らない限り、いくら攻撃してもムダでしょうね」

マサキ「……要するに、例の作戦でいくしか手はねぇって事だな?」
ヤンロン「そういう事だ」
ジノ「承知した! まずはマサキ、君から頼む!」
マサキ「わかってる!!」
〈出撃準備〉
〔味方戦艦離脱〕
<戦闘開始>

<マサキがプレシアを説得>

マサキ「プレシア!! 俺の声が聞こえるか!? 少しでいい、勝機を取り戻してくれ!!」
プレシア「…………」
マサキ「プレシア!!!」
プレシア「ぅ……ぅぅっ……お……お兄……ちゃん?」
マサキ「プレシア!! わかるか!? 俺だ!!」
プレシア「あぅっ……」
エルシーネ「ふふ……美しい兄妹愛ですね。ですが、その程度で術が解けるとは思わないください」
マサキ「くっ……だが、脈はある!! ジノ!! 頼むっ!!」
ジノ「了解した!」

≪まだジノ健在≫
<エルシーネと戦闘>

エルシーネ「うふふ……ムダですよ。わたくしがヴォルクルス様と繋がっている限り、いかなる攻撃も効きません」

<ジノがプレシアを説得>
ジノ「プレシア! 私だ、ジノだ!」
プレシア「…………」
ジノ「頼む、正気を取り戻してくれ……私は……」
プレシア「ジノ……さん?」
ジノ「プレシア!?」
プレシア「い……痛い……頭が……」
エルシーネ「なるほど、次は師弟愛ですか……確かに麗しい姿ですが、さて、どこまでもつものでしょうか?」
ジノ「……エルシーネ! 人の心を弄ぶなっ!!」
エルシーネ「弄んでなどおりません。わたくしはいつも真剣です。ジノ様、あなたは少し危険な存在です。退場して頂きましょう」
[イベント戦闘「ジノvsエルシーネ」]
ジノ「ぬぅっ!? な、なんと……うおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
〔味方ユニット撃破〕
マサキ「ジノ!?」
〔プレシア、敵から味方へ〕
プレシア「ジノさんっ!? ジノさん!? ウソでしょ……そんな……」
マサキ「プレシア!? 正気に戻ったのか?」
プレシア「えっ!? あ……あたし……操られて……」
エルシーネ「……これは誤算でした。師弟愛だと思っていましたが……どうやら、もっと深い繋がりが……」
マサキ「プレシア、動けるか!?」
プレシア「う、うん……なんとか」
マサキ「よし、プレシア、くるみ割り人形を両手でやれ!!」
プレシア「えっ? ど、どういう意味?」
マサキ「それが正式な型なんだと! 二重螺旋の型っていうらしい! そのイメージを、な、な……なんだっけ?」
クロ「ニャい観よ! ニャい観して、自分のDNAイメージと重ね合わせるの! 魔術とおニャじよ!」
プレシア「ニャい観……? ああ、内観ね! それで、どうすればいいの?」
クロ「自分のDNAをイメージして、違和感のある場所を探すの! そこに、ヴォルクルスの呪いがある!」
マサキ「……という事らしい」
プレシア「わ……わかった! やってみる!」
エルシーネ「二重螺旋の型……? その様なもので、ヴォルクルス様の呪いが……」
プレシア「いっけぇぇぇぇぇっ!!」
〔プレシア、気力上昇〕
[イベント戦闘「プレシアvsエルシーネ」]
エルシーネ「……その程度の技で、わたくしのボランゾルンが倒せるとお思いですか?」
プレシア「……掴んだ!! これねっ!!」
エルシーネ「これは……魔力の流れが……」
プレシア「そう……ここの先……気持ち悪いものがある……これを修復して……」
エルシーネ「アストラル界に干渉している……これでは……」
〔魔法陣、消滅〕
マサキ「やった……のか!?」
プレシア「うん……できた……できたよ!!」
エルシーネ「なるほど……呪いを受け継いだゼノサキス一族だけに、その呪いの対処法も受け継いでいましたか……何度か邪魔をしたのも、ムダだった様ですね」
マサキ「……エルシーネ!! これでてめぇも終わりだ!!」
エルシーネ「……確かに、わたくしの策は潰えました。しかし、この戦いの様子は、世界中に配信されました。それができた事で、わたくしは自分の仕事を全うしたのです。後は……皆様を倒すだけですから!」

<マサキvsエルシーネ>
マサキ「エルシーネ! 何が教母だ! 何が人助けだ! ヴォルクルス教徒がっ!!」
エルシーネ「ヴォルクルス様の手に掛かる事が、全ての人々にとっての幸せなのですよ」
マサキ「人の幸せを勝手に決めつけるなっ!」

<ヤンロンvsエルシーネ>
ヤンロン「もはやこれまでだ。観念したらどうだ?」
エルシーネ「わたくしは、己の信念を貫きます」
ヤンロン「ふん……頑固者だな」
エルシーネ「わたくしは、自分の仕事に誇りを持っておりますので……」

<プレシアvsエルシーネ>
プレシア「エルシーネさん……親切な人だと思っていたのに……」
エルシーネ「おかしな事を言いますね、プレシア。わたくしは今でも親切なつもりです」
プレシア「……お兄ちゃんなら、きっとこう言うよ。小さな親切、大きなお世話っ!」

<ツレインvsエルシーネ>
ツレイン「そんな……今でも信じられません! あなたは本当に、あのエルシーネ様なんですか!?」
エルシーネ「わたくしは今も昔も、まったく変わっておりませんよ」
ツレイン「俺達を……騙してたんですねっ!」
エルシーネ「ヴォルクルス教徒である事を黙っていた事は、確かに騙していたと言われても反論できません」
ツレイン「俺は……あなたを赦しませんっ!」

<エルシーネ撃破>
エルシーネ「どうやらここまでの様ですね……ヴォルクルス様……今、御許に参ります……」
〔敵ユニット撃破〕

<ヴォルクルス撃破>
ヴォルクルス「ホウ……再ビ我ガ身ヲ封ジルカ……ダガモウ遅イ……我ガ姿ハ……恐怖ノ対象トシテ……散開スル……」
〔敵ユニット撃破〕

<敵全滅・勝利条件達成>
マサキ「ウェンディ、取材機はどうなった!?」
ウェンディ「……説得はしたけど、映像は渡してもらえなかったわ。すでに、一部映像は流されてしまったみたい」
マサキ「……そうか。まあ、ヴォルクルスの姿が映ってないだけ良かったって事か」
ウェンディ「そうね……でも、ボランゾルンの姿は配信されてしまったわ。つまり、ヴォルクルス教団自体の力は世界中に知れ渡ったの」
マサキ「そうなると、今後ヴォルクルス教団の動きも活発化するだろうな……」
プレシア「ジノさん……あたし……」
ジノ「呼んだかね、プレシア」
プレシア「えっ!? あ……ジノさん!?」
マサキ「なっ!? ジノ、お前……生きてたのか!?」
ジノ「ふむ、マサキまで騙されていたとは、どうやら私の演技も堂に入った様だな」
マサキ「演技?」
ジノ「ああ、プレシアを正気に戻すのに、大きなショックが必要だろうと思ってね。とっさにやってみたんだが……大成功だったな」
プレシア「…………」
ジノ「? どうしたね、プレシア?」
プレシア「あたし……あたし、心配したんだからっ!!」
ジノ「む……それについてはすまないと思っている。だが、これも君のためを思えばこそ……」
プレシア「知らないっ!! ジノさんとは、今から口きかないんだからっ!!」
ジノ「なっ……そ、それはないだろう、プレシア」
ジノ「…………」
ジノ「うっ……」
マサキ「はっはー、残念だったな」
プレシア「……ジノさんだけじゃ不公平だから、お兄ちゃんも一緒に口きかない」
マサキ「なっ!? ちょっと待て! 俺は関係ねぇだろうが!!」
プレシア「…………」
マサキ「なあ、おい、プレシア?」
プレシア「…………」
ジノ「……仕方あるまい。プレシアの機嫌が直るまで、待つとしよう、マサキ」
マサキ「俺はただのとばっちりだっての!」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

ベッキー「結局のところ、プレシアにかけられてたヴォルクルスの呪いって、何だったんだい?」
ウェンディ「要するに、ゼノサキス家の女性にだけ受け継がれる呪い……みたいなものよ」
ベッキー「女性だけに受け継がれる呪いねぇ……ミトコンドリアのDNAが関係してるとか?」
ウェンディ「それだと、母系の遺伝よ。ゼノサキス家は一応男系だから、ミトコンドリアDNAとの関係は不明ね」
セニア「それも一族の全部の女性に対してってワケでもないところがねぇ。プレシアは偶然、その資質があったみたい」
ウェンディ「人の個体による個人差は、大きいですから」
ベッキー「プレシアが成長しないのも個人差だと思ってたけどね」
ウェンディ「それも多少あるかもしれないわ。人の心や体は、練金学でも全てを解明できるワケじゃないもの」
ベッキー「「ああ、こっちでもその辺はわかんないんだ。まあ、当然だろうけどね。で、再発はしないんだろうね?」
ウェディ「プレシアの受け継いだ呪いは、転移しないガン細胞みたいなものよ。一種のナノマシンね。変異したDNAが作り出した一種の組織細胞が、アストラル界を通じてヴォルクルスと繋がっていたの。その細胞のDNAを書き換えたから、もう再発のおそれはないわ」
ベッキー「ちょっと待った。確か、その呪いって5000年前から続いてるって話だったよね? て事は何かい? こっちじゃ、5000年も前にナノマシンが作られてたってのかい?」
セニア「正確にいうと、もっと古い時期に開発されて、忘れられてた技術らしいけどね」
ベッキー「……歴史が長いってのはあれだね。それだけ色んな事があったって事だね」
セニア「地上でいうオーパーツみたいなものがゴロゴロしてるもの」
ベッキー「オーパーツ……確か、アウトオブプレイスアーティファクト、場違いな工芸品って意味だったよね。地上のは、ほとんどがまがい物だったけど」
セニア「こっちじゃ、わざと封印してる技術も多いから。靈装機だって、ゼルヴォイドだって、オーパーツみたいなものよ」
ベッキー「封印ねぇ……ま、確かに、身の丈に余る技術ってのは、大抵不幸を呼び込むからねぇ」

ロドニー「見事な演説やったな。ホンマ、議員に成り立てとは思えんわ」
アクレイド「…………」
ロドニー「なんや、機嫌悪そうやな」
アクレイド「当然でしょう。あんなに嫌だって言ったのに、強引に押しつけられちゃ」
ロドニー「ノリノリで演説しとったやないか」
アクレイド「演技ですよ、演技。まったく、私は人前に出るのは苦手だって、知ってるでしょう?」
ロドニー「上院議員の言うセリフやないな」
アクレイド「私は裏方の方が合ってるんです」
ロドニー「……確かに、色んな意味で裏方が似合うとるな」
アクレイド「再統一は完了したとはいえ、まだまだやる事はいっぱい残っていますからね」
ロドニー「そうやなあ……南部の借款は、かなりでかいしな」
アクレイド「デフォルトになる事はないでしょうが、経済対策はしっかりしないといけませんね」
ロドニー「なんや、腹案でもあんのか?」
アクレイド「まあ、それなりには」
ロドニー「次の議会でのお手並み拝見やな」
アクレイド「あんまりプレッシャーかけないでくださいよ」
ロドニー「よう言うわ。プレッシャーなんざちーとも感じとらんくせに」
アクレイド「まあ、前線での部隊指揮と比べたら、幾分気楽ですけどね」
ロドニー「しばらくは軍の出番がない様にしたいもんやなぁ」

[イベント「両親と姉の墓」]
サフィーネ「……お姉様。こうなる事は覚悟していましたけど……」
テリウス「サフィーネ、もしかして墓参り?」
サフィーネ「……ええ、そうよ。敵になってしまったとはいえ、たった一人の身内ですもの」
テリウス「お墓が三つあるけど……」
サフィーネ「両親の墓よ。せめて一緒に葬ってあげたいの。それより、テリウス。あんた、何か用なの?」
テリウス「ああ、クリ……シュウから頼まれてたんだ。これ、サフィーネに渡せって」
サフィーネ「花束……あ! もしかして、プロポーズ!?」
テリウス「そんなワケないだろう。第一、プロポーズの花束を他人に渡させてどうするってんだよ」
サフィーネ「……言ってみただけぢょ。わかってるわ。お姉様の墓に供えるんでしょ」
テリウス「そういう事。命を狙ってた本人が花を供えるってのも妙だからね。僕とサフィーネが代理」
サフィーネ「そうね……ありがたく頂いておくわ」
テリウス「一応、代理として黙とうグリアは捧げておくよ」
サフィーネ「ありがとう、テリウス」
テリウス「……サフィーネ、後悔していない」
サフィーネ「後悔って、何をよ?」
テリウス「エルシーネの事。もしかしたら、改心させられたんじゃないかって」
サフィーネ「無理ね。お姉様は大司教だったのよ。あのシュウ様でさえ、契約から解放されるには、一度死ぬ必要があったくらいなんだから」
テリウス「そういや、そうか…そう考えると、厄介だよなぁ、ヴォルクルス教団って」
サフィーネ「今更怖じ気づいたの?」
テリウス「まさか。面倒臭いって思っただけさ」
サフィーネ「そうね……まだまだヴォルクルス教団には化け物がいるって話だったし、私達も気を引き締めないとね」
テリウス「ふーん、案外真面目なんだ、サフィーネって」
サフィーネ「何言ってるの。私はいつだって真面目なんだから」
テリウス「へいへい」


リシェル「ほら、そこ! グズグズしてんじゃないよ! 今日中に修復するんだからね!」
ザンボス「おい! そっちは俺達の縄張りだ。何でお前が指示を出してる?」
リシェル「縄張りも何も、私達はもう統一されてんだよ。今更何言ってるのよ」
ザンボス「だからといって、命令系統を混乱させるな!」
リシェル「そっちがトロいから、私がやってあげてんじゃないの。大体あなた、今の階級は私と同じでしょ」
ザンボス「バカ者! ものには順序というものがあるのだ! こちらの段取りを無視して勝手な行動は……」
レオ「まあ、まあ、二人共落ち着いてください。ここは協力して……」
リシェル「だから、私が協力してやってんじゃないの。なのに、そこの石頭が」
ザンボス「あれは協力ではなく、妨害だろうが!」
レオ「あーっ! もう、二人共やめてください! いつまで戦争気分が抜けないんですか、あなた達は」
ザンボス「む……」
リシェル「……あんた、怒る事もあるんだね、ギボン大尉」
ザンボス「いや、こいつはこう見えて意外と短気な所があるぞ。この前も……」
レオ「はいはい、ムダ口叩いてないで仕事しましょう、仕事を。復興支援だって、重要な任務なんですからね」
リシェル「わかってるってば。けどね、元はといえばあんた達南部が、条約違反の都市攻撃さえしなければ……」
ザンボス「何を言うか! 先に民間地帯を攻撃したのはそっちだ! 誤爆などと言い張っておるが、狙ってやったに決まっておる」
リシェル「何ですって? 言っていい事と悪い事の区別もできないの、あんたは!」
レオ「ストップ! いい加減にしてください! さもないと、エリス監察官に報告しますよ」
ザンボス「何っ!? ラディウス元中尉……じゃない、ジェスハ監察官が……」
リシェル「ここに来てるの?」
レオ「ええ。ああ、ウワサをすれば何とやら。ちょうどほら、そこに」
エリス「あ……あら。ナセル中佐、グレノール中佐、ギボン大尉。こんにちは。お仕事、お疲れ様です」
リシェル「え、ええ……こちらこそ」
エリス「何か問題はありますか? 言ってくださればすぐにでも夫……いえ、ジェスハ議員に報告して……」
ザンボス「もっ、問題はない! 一切ないぞ! 全て順調だ!」
エリス「そうですか、それなら良かったです。では、失礼します」
ザンボス「……ふう~」
リシェル「……ギボン大尉、あの人が来てるんだったら、もっと早く言いなさいよ」
ザンボス「まったくだ」
レオ「おや? お二人共そんなにエリス監察官が苦手でしたか?」
リシェル「とぼけるんじゃないよ。知ってるくせに」
ザンボス「ああ、彼女自身はまあ、魔装機にさえ乗らなきゃ、いい子なんだが……」
リシェル「ジェスハ議員がねぇ……」
ザンボス「まったく、彼女の事となると見境がないからな。彼女が困ってると聞いたら、どんな手を使ってでも、それを潰しにかかってくる」
リシェル「権力の私的濫用よ、まったく」
レオ「では、彼女に気を遣わせる様なマネはやめてください」
ザンボス「むっ……仕方がないな」
リシェル「……わかったわよ」

マサキ「…………」
プレシア「…………」
リューネ「……あのさ、二人共、そろそろ仲直りしたら?」
プレシア「リューネさんっ!」
プレシア「はっ、はひっ!?」
プレシア「言っとくけど、あたしとお兄ちゃんはケンカなんてしてないの。ただ、口をきかないだけ」
リューネ「わ、わかったってば。で、マサキ。あんたはどうするのさ?」
マサキ「どうするもこうするもねぇだろ。プレシアが口をきかねぇっっつってんだ。俺の問題じゃねぇ」
リューネ「……あのさ、こういう時は素直に頭下げとけばいいのよ」
マサキ「何でだよ? 俺は単に、ジノのとばっちりを受けてるだけだぞ。何で頭下げなきゃなんないんだよ」
リューネ「理由なんてどうでもいいの。要は切っ掛けの問題なんだから」
マサキ「だったら、俺じゃなくてプレシアに言え」
リューネ「……だってさ、プレシア」
プレシア「……知らない」
リューネ「これだもんね。二人共血が繋がってないのに、強情なトコだけはよく似てんだから」
ジノ「プレシア、いるかね?」
プレシア「あっ………………」
ジノ「プレシア、この前は済まなかったね。お詫びにこれ、買ってきたんだが、食べてもらえないか?」
リューネ「あ、それ、ミカエナ屋のチーズムースじゃない?」
プレシア「!?」
リューネ「なかなか手に入らないって聞いたけど」
ジノ「ああ、予約を入れて、ようやく手に入れたよ。プレシアが好きだと思ってね」
プレシア「…………っ」
ジノ「こんな事で赦されるとは思っていないが、今の私にできる罪滅ぼしといったらこの程度だからね」
プレシア「…………」
ジノ「ああ、受け取ってもらえるかい?」
プレシア「…………」
[イベント「関係ない人には、あげちゃダメよ」]
ジノ「お気に召したかな?」
プレシア「~~~~っ!! おいしいっ!」

ジノ「良かった、気に入ってもらえた様だね」
プレシア「うん、ジノさんって、優しいね」
マサキ「おいこら、ちょっと待て! そんなもんで買収されんのか!?」
リューネ「……あたしももらっていい?」
ジノ「ああ、構わないよ。多めに買っておいたから、他の女性陣にも後で配るつもりだった」
リューネ「やたっ! 気が利いてるじゃん」
マサキ「あ、あ~……うまいか? プレシア」
プレシア「…………」
マサキ「何で俺だけ無視なんだよっ!?」
リューネ「だから言ったのに。素直に謝りなって」
マサキ「待て待て待て! そもそもの原因はジノだろ? 俺、関係ねーだろ?」
シモーヌ「ん? 何かいい匂いがするね」
メフィル「あ~、ミカエナ屋のチーズムースですぅ」
シモーヌ「ああ、行列しなきゃ買えないってウワサの?」
メフィル「それ、ジノさんが買ってきたんですかぁ?」
ジノ「ああ、そうだよ。大丈夫、みんなの分もあるから。さあ、どうぞ」
シモーヌ「へ? あたしももらっていいの? 悪いね~」
メフィル「ありがとうございます~」
シモーヌ「へぇ……うまいね、これ」
メフィル「はい~、おいしいですぅ」
マサキ「……な、何かうまそうだな。俺も1個……」
プレシア「…………」
マサキ「な、何だよ、プレシア」
プレシア「ジノさん、関係ない人にはあげちゃダメよ」
マサキ「か、関係ないって何だよ?」
プレシア「ジノさん。ジノさんはもう食べたの?」
ジノ「ああ、いや。まずは君に食べてもらおうと思ってね。自分の分は買ってないよ」
プレシア「じゃ、じゃあ……えっと……」「は……はい、一口」
ジノ「!? い……いいのか?」
プレシア「だ、だって、こんなにおいしいのに、ジノさんが食べてないのは可哀想だし……」
[イベント「ふふっ、赦してあげる」]
マサキ「だあーっ!! やめろ、やめろ!! 悪かった、俺が悪かった!! だからそれだけはやめろ、やめてくれ!!」
リューネ「……だから言ったのに」
プレシア「ふふっ、わかったよ、お兄ちゃん。赦してあげる」
マサキ「そ、そうか……助かった……」
ジノ「……無念」
シモーヌ「平和だねぇ~」
メフィル「ですねぇ~」

神は天に居まし、総て世は事もなし      
      ――R・ブラウニング

【シナリオエンドデモ終了】


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