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第3話
彼の名はエイジ

【シナリオデモ開始】
静止軌道基地アーレス 司令室
マクギリス「君が、アイン・ダルトン三尉か」
アイン「はっ!」
マクギリス「報告書はよくまとまっていた」「我々の失態、敵戦力…驚嘆すべき点はあるが、おおむね君の報告を信じよう」
アイン「あの、監査官殿…お願いがあります」
マクギリス「なんだ?」
アイン「自分がふがいないばかりに上官を失うことになりました」「このまま火星での勤務には戻れません! 願わくば追撃部隊の一員に加えていただきたく、どうか!」
マクギリス「…考慮しよう。指示は追って出そう、下がりたまえ」
アイン「はっ! 失礼します!」
〔歩き去る足音〕
ガエリオ「ご苦労だったな、マクギリス特務三佐殿」
マクギリス「茶化すなよ、ガエリオ。火星支部の部隊がほぼ壊滅となれば、司令代理くらいは務めるさ」
ガエリオ「しっかし、火星ねぇ…植民地としては旨味を吸いつくした出がらしみたいな星だと思ってたが…」
マクギリス「火星は今、全土で独立の機運が高まっている。今回の件もその一環だろう」
ガエリオ「しかし、奴らも不運だな。ギャラルホルンを敵に回すことになるとは…」
マクギリス「今後とも彼らには地球圏への変わらぬ献身を貫いてもらわねばならない」「我ら世界秩序の番人たるギャランホルンの旗のもとに」「…出かける準備を、ガエリオ」
ガエリオ「どこに行こうっていうんだ?」
マクギリス「真実は自らの目で見て、確かめるものだよ」

火星 鉄華団本部前
フミタン「外に出るのは危険ですよ、お嬢様!」
クーデリア「でも、私が行かなければ…」
〔歩み寄る足音〕
三日月「………」
クーデリア「あ…」
三日月「ちょうどいい。あんたに言いたいことがあったんだ」
クーデリア「な…何でしょう?」
三日月「鉄華団の連中は家族や兄弟を食わせるため、借金を返すため、食っていくために身体を張って働いている」「ヒューマンデブリって、知ってる?」
クーデリア「ええ、一応は…その…お金でやり取りされる人たちですよね」
三日月「クソみたいな値段でね。昭弘ってガチムチな奴がいたろ? あいつと、あいつの周りにたむろってる連中がそれ」「あいつらはCGSが無くなって自由になったけど、だからって、まともな仕事にありつけるわけでもない。まあ、俺たちも似たようなもんだけど」「でも、あんたのおかげで俺たちは首の皮一枚つながったんだ」「本当に…ありがとう」
クーデリア「…!」

火星 鉄華団本部 個室
メグ「…どういう経緯だったのよ」
オルガ「………」
マイコ「あ、あの、メグさん…MARTのこととかお話してよかったんでしょうかぁ」
メグ「ここは別世界…たぶん、並行世界の火星なのよ」「あたしたちの世界とは歴史も国際情勢も違うから、機密もへったくれもないわ」
オルガ「…正直言って、わけがわからねえな。お前たちが別の地球の人間だとか、ディドが宇宙人の船の中で眠ってたとか…」
ビスケット「当の本人にはその記憶がないしね。自分が巨人になれるってこともこないだまで知らなかったし」
メグ「さっきも説明した通り、元々、ディドは過去の記憶のほとんどを失っていたのよ」
ビスケット「それがさらに悪化したってこと?」
メグ「ええ…おそらく、2体の巨人から受けた傷のせいか、時空跳躍時のショックでね」
オルガ「時空跳躍…か。何をどうすりゃ、そんなことができる?」
メグ「だから、それは…ディーダリオンを追って、2体の巨人が現れて…」「彼らの攻撃でひどく損傷したディーダリオンが、まるで暴走するかのように何かの力を解放して…」「気がついたら、あたしたちはあなたたちの前にいたのよ」
オルガ「お前たちは同時に時空跳躍したんだろう?」
メグ「ええ」
オルガ「だったら、何故ディドだけが先に来た?」
エメグ「それは…わからないわ」
ビスケット「…話を聞いてると、ディド自身が時空跳躍能力を持っているように思えるけど…」
メグ「それはあたしも同感…もっとも、MARTでの調査じゃそんなことはわからなかったけどね」
オルガ「ふん…確実なのは、お前たちがディドの敵じゃねぇってことか」
メグ「ええ。もちろん、あなたたちと事を荒立てる気もないわ」
オルガ「で、これからどうする? ディドと一緒に元の世界へ帰るのか?」
メグ「そうしたいところだけど…」「ディドが記憶を失っていて、時空跳躍能力の使い方がわからないんじゃどうしようもないし…」
オルガ「どのみち、ディドと一緒にいなけりゃならねえんだろ」
メグ「…そうね。彼なしでは元の世界へ戻れないと思う」
オルガ「………」
ビスケット「オルガ、ディドをこの人たちへ返す?」
オルガ「そのつもりはねえ。あいつは鉄華団の一員…そして、貴重な戦力だからな」
マイコ「そ、そんなぁ…」
オルガ「だが、そいつはディドが過去の記憶を取り戻すまでの話だ」
メグ「!」
オルガ「メグ、俺たち鉄華団はこれから地球へ行く。道中はなにかとトラブルが起きるだろう。だから、少しでも戦力が必要でな」「そこで、お前たちと取引がしたい」
メグ「取引…?」
オルガ「ああ。ディドが記憶を取り戻し、お前たちが元の世界へ戻れるまで、面倒は俺たち鉄華団が見てやる」「その代わり、戦闘が起きたらあのDTとかいうマシンで参加してもらう。どうだ?」
メグ「………」「この世界で行くあてもなければ、他に頼る相手もいないし…」「いいわ、取引に応じましょう」
マイコ「メ、メグさぁん…」
メグ「マイコ、時空跳躍が起きた現場にはテストチームのみんなもいたのよ」「もしかしたら、ユンナやリナリアたちもこの世界へ来てるかもしれない…」「手掛かりをつかむためにも、ここでじっとしているより動いた方がいいわ。ディドと一緒にね」
マイコ「わ、わかりましたぁ…」
オルガ「よし、取引成立だな。ビスケット、他の連中には後で俺から話す」
ビスケット「わかったよ」
オルガ「メグとマイコは今の話をディドに伝えてくれ。あいつの意志を確認したいんでな」
メグ「了解。これからよろしくね、団長さん」
マイコ「お世話になりますぅ…」
オルガ「ところでお前…DTに乗ってる時とそうでない時で性格が変わってねぇか?」
ビスケット「あ、それ、俺も気になってたんだ。戦闘中は別人みたいに威勢が良かったよね?」
マイコ「そ、それは…」
メグ「詳しい説明は省くけど、この子はグラフディンに乗るとああなっちゃうのよ」
オルガ「そうか。ま、荒っぽい方が俺たち鉄華団向きだがな」
マイコ「は、はぁ…」
メグ「じゃあ、あたしたちはディドの所へ行くわね」
オルガ「さて、お嬢さんにも伝えておくか、俺たちのクライアントだからな」
ビスケット「あ、クーデリアさんだったら、友達が会いに来るらしくて、迎えに行ったみたいだよ」
オルガ「外へ出たのか? 狙われてるっていう自覚があんのかよ…!」
ビスケット「フミタンさんと三日月も一緒だし、大丈夫だとは思うけど…」
雪之丞「オルガ、ちょっといいか」
オルガ「なんだ、おやっさん?」
雪之丞「これからのことを考えてな、バルバトスと強化しようと思ってんだ」
オルガ「そんなことができるのか?」
雪之丞「実は、バルバトス用のパーツをいくつか見つけてな」「どうやら、マルバがあれと一緒に回収した後、しまい込んでたようだ」
オルガ「なら、早速取り付けてくれ。ミカには俺から話しておく」
雪之丞「わかった」

火星 市街地
〔歩き去る足音〕
ガエリオ「うっ!」
アンナ「きゃっ!」
シモーヌ「大丈夫かい、アンナ!」
マクギリス「すまなかった。こちらの不注意だった」
ロアン「いえ、元はといえばこちらが急に飛び出したのが原因です。すみませんでした」
アーサー「うぅ…ギャランホルンとトラブルだんあんて御免だよ…。ただでさえ地球に帰れなくて困ってるのに…」
ガエリオ「地球に帰れない? お前たち、火星の人間じゃないのか?」
エリザベス「私たちはコズミック・カルチャー・クラブの者です。体験学習で火星に来ていたのですが、帰還予定の船が欠航だとかで…」
デビッド「この近くで戦いがあったって聞いたから、そのせいじゃないかって」
アンナ「それって、本当なんですか? 知り合いの人も近くにいたみたいで、心配で…」
〔歩み寄る足音〕
フミタン「ドクター・エリザベス…それに、アンナさんたちも」
アンナ「フミタンさん!」
三日月(この人たちがクーデリアの友達か…)
フミタン「…皆さん、お嬢様は向こうでお待ちです。急ぎこちらへ」
マクギリス「ちょっと待ってくれたまえ」「そちらの君…この付近で最近戦闘があったようなのだが、何か知っていることはないか? 少々調べていてね」
三日月「………」
ガエリオ「おい、マクギリス。何でそんなことをこの子供に訪ねるんだ?」
マクギリス「ほんのわずかだが、服の隙間から彼の背中に阿頼耶識があるのが見えたのでな」
アーサー「あらやしき?」
マクギリス「人の身体に埋め込むタイプの有機デバイスシステムだ。それを通じて、外部の機器の情報を直接脳で処理できるようになる」
ガエリオ「身体に異物を埋め込むなんて…! うぅっ…」
エリザベス「…私も前に調べたことがあります」「ですが、あれは成長期の子供にしか定着しない特殊なナノマシンを使用する危険で、人道に反したシステムだと…」
三日月「それが俺にあるから、普通じゃないって言いたいわけ?」「確かに普通じゃないとは思うけど、ここじゃ、その普通じゃないことも当たり前になってる」
シモーヌ「人体改造が当たり前って…」
フミタン「…戦闘の件でしたら、近くにCGSという民間警備会社がありましたから、そこの訓練ではないかと」
ガエリオ「訓練ねぇ…
マクギリス「わかった。協力に感謝する。それと君と彼女たちへの非礼を詫びよう」
三日月「別にいいよ」
アンナ「わ、私たちもです…」
マクギリス「こんな物しかないが、お詫びの印ん受け取ってもらえないだろうか?」
シモーヌ「チョコレート?」
アーサー「これって、地球製の高級品だよ!」
マクギリス「君」
三日月「なに?」
マクギリス「良い戦士になるな」
三日月「………」
マクギリス「…行くぞ、ガエリオ」
ガエリオ「あ、ああ」
〔歩き去る足音〕
フミタン(あの男…彼の正体におそらく気づいていた。あえて見逃した?)
〔走り寄る足音〕
クーデリア「皆さん、大丈夫でしたか!?」
アンナ「クーデリアさん!」
クーデリア「すみません。フミタンに言われて、少し離れた場所にいて」
デビッド「火星で活動する革命の乙女が、ギャラルホルンの前においそれと姿を見せるわけにはいかないだろうしな」
アンナ「クーデリアさん…無事で良かったです」
クーデリア「私なら大丈夫です。むしろ皆さんの方が心配で…地球へ帰れなくなってしまったなんて」
エリザベス「そうなんです。地球行きの船のほとんどが欠航してしまっていて…」
アーサー「クーデリアさんなら、ツテのある知り合いとかいないかと思ってさ」
シモーヌ「研修中にいろいろと世話になっといて、これ以上は迷惑かけたくないんだけど」
ロアン「地球出身の僕らじゃ、火星に知り合いなんていませんし…」
クーデリア「そうでしたか…」(…あまり良い手段ではないかもしれない。けど…今の私に彼らを地球に返せる手段があるとすれば…)

イサリビ ブリッジ
ビスケット「どうにか無事に宇宙に上がれたね。お疲れ様、昭弘」
昭弘「大したことはしてねえよ。用意してくれた書類通り、所有者と艦名を変えただけだ」
ビスケット「イサリビか…いい名前だね、オルガ」
オルガ「ああ、ウィル・オー・ザ・ウィスプなんて名前、俺らには合わねえだろ?」
ユージン「けど、ホントに良かったのか? お坊ちゃんたちの乗艦なんて許可してよ」
オルガ「連中は安全な航海じゃねえってことを承知したし、お嬢さんからも追加料金をもらった」「あと、エリザベス・クレブリーは医者だ。俺たちの先のことを考えると、都合がいい」
ビスケット「そうだね…」
〔爆発音〕
〔画面、震動〕

シノ「なっ、なんだぁ!?」
ビスケット「エイハブ・ウェーブの反応、確認! ギャラルホルンのモビルスーツだ!」
ユージン「しつけえ奴らだな、おい!」
オルガ「俺らの積み荷にはそんだけの価値があるってことだ」「…やってくれるな、ミカ」
三日月「ああ」
【シナリオデモ終了】


サブタイトル
『彼の名はエイジ』


【戦闘マップ1開始】
〔味方枠外ユニット出現済み〕
〔敵ユニット出現〕

オルガ「さて、鉄華団の出番だ! 気ぃ引き締めていくぞ!!」
雪之丞「三日月、バルバトスは肩パーツをつけたせいで重力バランスが変わってる」「あと、エイハブ・リアクターの出力も上がってるからな。気をつけろよ」
三日月「むしろ、いい感じだけど」
雪之丞「そうかい。ま、しっかり頼むぜ」
三日月「バルバトス、三日月・オーガス…出るよ」
〔味方ユニット出現〕
アイン(クランク二尉…俺は…俺は!)
<戦闘開始>

<アイン撃破・勝利条件達成>

アイン「まだだっ!! 俺は、こんな所で…!」
〔緊急通信〕
オルガ「なんだ!?」
ビスケット「何かがこっちに接近してる!」
昭弘「ギャラルホルンの新手か…!?」
〔味方ユニット出現〕
エイジ「よし、ここまで近づけば…!」
キリコ「連中は交戦中だ。通じなければ、すぐに離脱するぞ」
エイジ「わかっていますが、このチャンスを逃がすわけには…!」
ユージン「あれ、モビルスーツか!?」
昭弘「それにしちゃ、小さいな。緑の奴はモビルワーカーと同じぐらいのサイズだぞ」
オルガ「あいつら、こっちに攻撃してこねえのか…?」
エイジ「彼らに通信を…!」
キリコ「…追っ手が来たぞ」
エイジ「!」
〔敵ユニット出現〕
〔エイジの周囲に爆発〕

エイジ「くうっ!」
キリコ「エイジ「大丈夫か?」
エイジ「え、ええ…! なんとか彼らとコンタクトを取ります!」
アイン「な、なんなんだ、あいつらは!?」
マクギリス「撤退しろ、アイン・ダルトン三尉」「現れた機体は、未知の物である可能性が高い。しかも、不利な状況だ」
アイン「…りょ、了解しました」
〔敵ユニット離脱〕
シノ「あっちは逃げやがったぞ!」
ビスケット「じゃあ、彼らはギャラルホルンじゃないんだ…!」
〔イサリビの周囲に爆発〕
ユージン「くそっ! 撃ってきやがったぞ!!」
オルガ「どっちだ!?」
ビスケット「後から現れた方だよ!」
エイジ「やめろ! 彼らを撃つな!」
キリコ「コンタクトを取るのは後にしろ。俺は追っ手と応戦する」
エイジ「で、でも!」
キリコ「お前は下がれ。その機体にもしものことがあったら、元も子もない」
エイジ「は、はい…!」「レイ、戦闘モード。ただし、照準に制限をかける。SPTの頭部は狙わない」
レイ「アラーム・メッセージ。照準制限ハ 危険。戦術変更ヲ 勧告」
エイジ「ダメだ、照準に制限を!」
レイ「レディ」
三日月「オルガ、どうする?」
オルガ「蒼い奴と緑の奴には手を出さなくていい。その代わり…」「撃ってきた連中はやっちまえ! 売られたケンカは買うしかねえからな!」
【戦闘マップ1終了】

【戦闘マップ2開始】

〔味方枠外ユニット出現済み〕
〔味方ユニット出現済み〕
〔敵ユニット出現済み〕

三日月「何処の誰か知らないけど、邪魔する奴は敵だ」
キリコ「彼らはこちらを撃ってこない…」「なら、切り抜けられる」
エイジ「やられるわけにはいかない…! 地球に伝えなければ…なんとしても!」
<戦闘開始>

<敵全滅・勝利条件達成>

キリコ「…追っ手は片付いたな」
エイジ「…彼らと話します」
キリコ「ああ、わかった」
〔通信のコール音〕
ビスケット「オルガ、彼らから通信が…!」
オルガ「………」
三日月「どうする、オルガ?」
オルガ「ミカ、連中をイサリビまで引っ張って来てくれ」「…そいつらにせよ、いきなり吹っかけてきた奴らにせよ、何処の誰だか聞いてみねえとな」
【戦闘マップ2終了】

【シナリオエンドデモ開始】

イサリビ 格納庫
雪之丞「良かったのかい、大将。どこの馬の骨かわからねえ奴を入れちまってよ」
オルガ「鬼が出ようが蛇が出ようが、見てみねえことには始まらねえ」
雪之丞「だが、どうも見学者が多いようだな」
アーサー「す、すみません…」
デビッド「俺たちも興味があって」
雪之丞「そっちの嬢ちゃんたちもかい?」
アンナ「え?」
シモーヌ「あたしたちは、食べ物や医療品を運んでて…」
昭弘「…緑の奴のハッチが開くぞ」
〔コックピットが開く音〕
キリコ「………」
オルガ「…通信を入れてきたのは、あんたか?」
キリコ「違う。お前たちとコンタクトを取ったのはあいつだ」
〔コックピットが開く音〕
エイジ「………」
アンナ「! あの人が…」
オルガ「あんた、名前は? どこの所属だ?」
エイジ「グラドスから来た」
オルガ「グラドス?」
エイジ「僕の名はエイジ。地球は狙われている!」
【シナリオエンドデモ終了】


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