第8話
ショーコの決断
【シナリオデモ1開始】
モジュール77 咲森学園 生徒会室
タカヒ「もう一度聞くわよ。あなたの本当の目的は何?」
エルエルフ「特一級戦略目標、ヴァルブレイヴの奪取だ」
タカヒ「それはわかっているわ。私たちが知りたいのは、あなたがドルシアを裏切った理由よ」
エルエルフ(やはり、時縞ハルトが俺に何をしたか、知らされていないか)(あいつは事実の拡散を…自分が化け物扱いされることを恐れている)
サトミ「それと、君がここに残った理由も教えてもらいたいね」
エルエルフ(………)(身体能力、思考レベル、全て正常。いつもと変わらない。やはり、あいつがイレギュラー…)(しかし、俺の計画に福音をもたらす可能性を秘めている)
タカヒ「その気になれば、ここからの脱出なんて簡単じゃないの? 軍人なんだから」
エルエルフ「そうだ。拘束など、いつでも解ける。この通りな」
タカヒ「!」
サトミ「ああっ、縄を!」
リオン「ど、どうしましょう! もうすぐARUSの大使代理がここへいらっしゃるのに!」
エルエルフ「ARUSの大使代理だと? そこまで迅速に動けるとは思えんが」
タカヒ「あなた、妙な真似はしないでよ!」
エルエルフ「…まもなくだ」
タカヒ「は!?」
エルエルフ「先程のヴァルブレイヴの着地音。偵察の結果報告」「生徒たちの歓声。それに対する時縞ハルトの戸惑いと、ショーコという女との会話から予測される人間関係」「ヴァルブレイヴの位置から、ここまでの距離。時縞ハルトの通常時の歩幅」
リオン「い、いったい、何を…!?」
エルエルフ「外から足音が聞こえる。扉が開くぞ」
〔ドアノブを回す音〕
ハルト「あの…」
エルエルフ「来たな」
ハルト「エ、エルエルフ! お前、監禁されてるはずじゃ!」
エルエルフ「時縞ハルト、俺と…む?」
ハルト「なんなんだよ!?」
エルエルフ(また足音が…)
〔ドアノブを回す音〕
ショーコ「あの…失礼します」
タカヒ「指南さん…?」
ハルト「ショーコ…」
ショーコ「………」
タカヒ「何の用? こちらは今、取り込み中で…」
ショーコ「この人たちが、ここへ呼ばれたからって…」
〔歩み寄る足音〕
オルガ「…鉄華団団長、オルガ・イツカだ」
クーデリア「クーデリア・藍那・バーンスタインです」
昭弘「昭弘・アルトランドだ」
ディド「俺は…ディド」
リオン「あ、あなたたち、なんの用です!?」
オルガ「ARUSの大使代理にここへ来いと言われてな」
リオン「えっ!?」
エルエルフ「………」
タカヒ「ど、どういうこと…!?」
オルガ「そいつは、こっちが聞きてえ。ARUSの大使代理は、ここにいないのか?」
リオン「そ、その方なら、もうすぐ…」
〔ドアノブを回す音〕
???「…揃っているようだね」
オルガ「!」
サトミ「あ、あなたは…?」
???(※モンターク)「モンターク商会から来た者だ」
オルガ「なんだと? ARUSの人間じゃねぇのか?」
???(※モンターク)「そう、君たちを手伝うために馳せ参じた」
エルエルフ(ふん…仕組んだのは、この男か)
ギャラルホルン艦 格納庫
アイン「ドルシアがジオールに攻め入り、ARUSまで動いているにも関わらず、ギャラルホルンはそれを静観…」「何故なのです、特務三佐?」
ガエリオ「俺も詳細は聞いていない。ドルシアとの間に何らかの裏取引があったのか…」「いずれにせよ、ギャラルホルン内部の腐敗と弱体化は思った以上に根深いのかもしれんな」
アイン「………」
ガエリオ「状況がどうあれ、我々の任務はあの宇宙ネズミどもの追撃だ」
アイン「しかし、ここは地球外縁軌道統制統合艦隊のテリトリーです。セブンスt-ズと言えど、勝手な行動は許されないのでは?」
ガエリオ「今、マクギリスが根回しをしてくれている」
アイン「それで、あの方は艦から離れられたのですね」
ガエリオ「ああ。おかげで、あの女に頭を下げずに済む」
アイン「では…」
ガエリオ「ジオールスフィアのドルシア部隊が退いたのなら、好都合だ。出撃するぞ、アイン」
アイン「はっ!」
モジュール77 咲森学園 生徒会室
オルガ「…なんで身分を偽って俺たちに接触した?」
???(※モンターク)「どのみち疑われるなら、比較的信用されやすい立場にしておいた方がいいと思ってね」
オルガ「………」
サトミ「で、では、ARUSの艦隊がモジュール77に向かってるという話は…!?」
???(※モンターク)「嘘ではないが彼らが君たちの味方であるとは限らない」
サトミ「えっ!?」
???(※モンターク)「ARUSの目的もドルシアと同じく、ヴァルヴレイヴという人型兵器と…」「鉄華団が保有している出自不明の機動兵器の奪取である可能性が高い彼らの戦闘映像は世界中に流れたのだからな」
ディド「………」
サトミ「じゃ、じゃあ、私たちの周りにいるのは敵ばかりだということですか!?」
???(※モンターク)「そう思っておいた方がいい」
ハルト「………」
オルガ「…こっちが聞きてえことはまだある。何故クーデリアをここへ来させた?」
???(※モンターク)「火星の独立運動の象徴たる彼女と一度会いたいと思っていた」
クーデリア「………」
ショーコ(火星の独立…)
オルガ「会うだけで終わりじゃねぇだろう。あんたの本当の目的は?」
???(※モンターク)「革命、だ」
エルエルフ「!」
???(※モンターク)「そのために、クーデリア・藍那・バーンスタイン…人々の希望になれる君を支援したいのだ」
クーデリア「…私の目的は、火星の経済的独立を勝ち取ることです」
???(※モンターク)「どのようにして?」
オルガ「そんなことをあんたに教える必要があるのか?」
???(※モンターク)「こちらも詳細を聞かずに君たちを支援するわけにはいかないのでね」
クーデリア「わかりました、お教えしましょう。火星の再生策として、地球側が取りまとめていた火星のハーフメタル資源の規制解除を要求…」「火星での独立流通を実現するため、地球に赴き…アーブラウの蒔苗氏と交渉するのです」
タカヒ「まかない…?」
ショーコ「蒔苗東護ノ介…アーブラウの代表ですよね」
クーデリア「その通りです」
ショーコ(この人…私とそんなに歳が変わらなそうなのに、凄いことをやろうとしてる…)
クーデリア「時苗氏との交渉を成功させることは、全ての火星の人々の幸せにつながると信じています」
???(※モンターク)「つまり、君は狭い世界のことだけを考えているのだな。ジオールがドルシアに占領され、虐げられている現状で」
クーデリア「!」
???(※モンターク)「その目でWIREDを見るがいい。そこには、ジオールの者たちの嘆きの声が溢れている」
ショーコ(そうよ…こうしている間にも、ジオール本国は…)(なら、今、私にできることは…)
???(※モンターク)「クーデリア・藍那・バーンスタイン…君はもっと視野を広げるべきだ」
クーデリア「………」
オルガ「だったら、あんたの言う革命ってのはなんだ?」
???(※モンターク)「腐敗した地球の統治に疲弊し続ける声なき人々の心に、私は革命を起こしたい」
エルエルフ「………」
???(※モンターク)「そのためには、まず誰かが狼煙を上げなければならない」
クーデリア「………」
ショーコ「…わかりました」
クーデリア「えっ?」
ハルト「ショ、ショーコ?」
ショーコ「ドルシアもARUSもヴァルヴレイヴを狙っているのなら…」「私たちは独立します!」
サトミ「はあ!?」
タカヒ「指南さん、何を言い出すの!?」
ショーコ「私は本気です! この咲森学園を独立させ、ドルシアやARUSと対等の国家にするんです!」
クーデリア「ショ、ショーコ…さん…」
ショーコ「そして、家族やジオールの人たちに私たちの様子を配信して、元気づけるんです!」
エルエルフ(この女…)
サトミ「この学校を独立させるなんて、ドルシアやARUSと対等に渡り合うなんて、私たちだけでできるわけないだろう!」
オルガ「ギャラルホルンも黙っちゃいねぇな。大口を叩くにも程があるぜ」
ショーコ「でも、みんなで知恵と力を合わせれば…!」
エルエルフ「状況が見えていないな」
ハルト「エルエルフ…!」
???(※モンターク)「…ほう」
エルエルフ「ここ以外のジオールは、すでにドルシアに占領されている」「つまり、家族を人質に取られたようなものだ」
サトミ「人質…!」
タカヒ「ドルシアなら、やるかも…!」
ショーコ「大丈夫…ドルシアには私たちの家族に指一本触れさせない!」
エルエルフ「…!」
サトミ「人質を取られて脅されたら、どうするんだ…!?」
ショーコ「だから、こっちも脅すの!」
エルエルフ「なに?」
ショーコ「私たちの家族に手を出したら、ヴァルヴレイヴをARUSに渡します、って!」
エルエルフ「!」
サトミ「そ、そんな脅しが…!」
???(※モンターク)「やり方によっては通用するかもしれん。ヴァルヴレイヴは、戦局を左右し得る性能を持っているのだからな」
タカヒ「でも、ARUSの狙いはあれを手に入れることかもしれないのに…」
ショーコ「彼らにヴァルヴレイヴは渡しません! でも、一緒に戦ってもらいます!」
昭弘「ARUSがそんな要求を飲むのか?」
ショーコ「彼らが拒否すれば、ヴァルヴレイヴをドルシアに渡すと言います!」
ハルト「ショーコ…」
リオン「えーっと、それは…」
タカヒ「ドルシアもARUSもたちには手を出せない…」
リオン「家族も無事で、ARUSも味方でいてくれる…!」
オルガ「…そんなにうまく事が進むとは思えねぇな」
???(※モンターク)「いや、彼女の決意もまた、狼煙となろう」
オルガ「なに?」
???(※モンターク)「ドルシアと戦う象徴となった時縞ハルトとジオール総理大臣の娘である指南ショーコは、強い影響力を発揮するだろうからな」
エルエルフ「…!」
クーデリア「あ、あなたがジオール総理大臣の…!?」
ショーコ「…はい」
エルエルフ「なるほど…突拍子もないことを言い出したと思ったが、そういう下地があったわけか」
???(※モンターク)「さらに、そのふたりに火星の独立運動の象徴たるクーデリア・藍那・バーンスタインが加われば…」「君たちは、世界中で虐げられている者たちの希望の星となる」
クーデリア「…!」
???(※モンターク)「そのためならば、我がモンターク商会は君と咲森学園、鉄華団への協力を惜しまない」
オルガ「…俺たちが絡むメリットはなんだ?」
???(※モンターク)「もうわかっているのではないかね? 独立した咲森学園とクーデリア・藍那・バーンスタインを守る騎士として…」「君たち鉄華団の名は、世界中に知れ渡ることになるのだ」
オルガ「…いつARUSに裏切られるかわからねぇというリスクを背負うことになるがな」
???(※モンターク)「ならば、力を集めるがいい。君たちの意志と行動を世界中に示すことによってな」
オルガ「………」
クーデリア「もう少し…考える時間をいただけますでしょうか」
???(※モンターク)「いいだろう。指南ショーコ、君の決意は変わらないな?」
ショーコ「ええ」
???(※モンターク)「では、当面の間はモンターク商会が水面下で咲森学園を支援しよう」
ショーコ「お願いします」
サトミ「待ちたまえ、生徒会長であるこの私を差し置いて…! そんなとんでもないことを、君ひとりの意志で決めさせるわけにはいかない!」
ショーコ「なら、決を採りましょう。全校の生徒を今すぐ集めてください!」
サトミ「なっ…!」
〔通信のコール音〕
オルガ「イサリビから…? なんだ?」
〔通信の開く音〕
ビスケット「オルガ、ギャラルホルンのモビルスーツ隊がモジュール77に接近してる!」
オルガ「わかった。すぐに戻る。イサリビは港で待機。ミカたちを出せ」
ビスケット「了解!」
〔通信の閉じる音〕
オルガ「行くぞ、お前ら!」
昭弘「ああ」
ディド「わかった」
クーデリア「…私は、ここに残ります。咲森学園の皆さんの意志を確かめたいのです」
オルガ「………」「昭弘、お前も残れ。クーデリアの護衛だ」
昭弘「任せろ」
オルガ「ディド、イサリビに戻るぞお前にも出てもらうからな」
ディド「了解」
〔走り去る足音〕
ハルト「僕も…ヴァルヴレイヴで出ます」
ショーコ「ハルト…お願いがあるの」
ハルト「え…?」
【シナリオデモ1終了】
サブタイトル
『ショーコの決断』
【戦闘マップ1開始】
〔敵ユニット出現済み〕
〔味方ユニット出現〕
オルガ「ミカ、奴らをモジュール77内部に侵入させるなよ!」
三日月「わかった」
〔味方ユニット出現〕
三日月「また出て来た」
オルガ「名前はヴァルブレイヴだ。さっき、あれに乗ってる奴と会った」
三日月「ふうん」
ハルト「子供があのモビルスーツに乗ってたなんて…!」
三日月「それはお互い様でしょ」
ハルト「あ、あの…僕は時縞ハルト。前回の戦闘で、一緒に戦ってくれてありがとう」
三日月「礼なんていいよ。今度の敵はギャラルホルンだけど、戦うの?」
ハルト「うん、咲森学園のみんなを守るために…!」(僕は決めたんだ、呪いの力を使ってでも戦うって…!)
<戦闘開始>
<敵全滅・勝利条件達成>
ハルト「これで終わったか…」
〔電話のコール音〕
ハルト「ん? ショーコ?」
ショーコ「ハルト、学校のみんなが私の意見に賛同してくれたわ。今から、独立宣言を世界に向けて発信するね」
ハルト「じゃあ、僕はショーコから頼まれたことを…」
〔レーダー反応〕
ハルト「こ、この反応は!」
三日月「まだいたんだ、ギャラルホルンが」
ショーコ「どうしたの、ハルト!?」
ハルト「また敵が来た! ショーコはすぐに独立宣言を! ここは絶対に防いでみせるから!」
ショーコ「う、うん! 必ず戻ってきてね、ハルト!」
ハルト「ああ!」
三日月「独立宣言って、どういうこと?」
ハルト「それは…」
【戦闘マップ1終了】
【シナリデモ2開始】
モジュール77 咲森学園 校舎前
キューマ「ショーコ、準備OKだ」
ショーコ「はい」
アイナ「頑張ってください、ショーコさん」
サトミ「まさか、こんなことになるなんて…」
タカヒ「いつまでそんなことを言ってるの。もう覚悟を決めるしかないわ。そうですね、先生?」
リオン「ええ、指南さんに任せましょう」
クーデリア(ショーコさんはジオールの…いえ、世界中で虐げられている人々の希望になることを決意した…)(私は…私にできることは…)
キューマ「よし…カメラを回すぞ、ショーコ」
ショーコ「世界中の皆さん。私はジオールスフィアのモジュール77にある咲森学園2年生、指南ショーコです」「どうか私の話を聞いて下さい……」
【シナリオデモ2終了】
【戦闘マップ2開始】
〔味方ユニット出現〕
〔敵ユニット出現〕
アイン「特務三佐、先程の映像は…!」
ガエリオ「学生ごときが国家を名乗って独立するなど! そんなふざけた真似を認められるか!」
三日月「チョコレートの隣の人か」
ガエリオ「ガエリオ・ボードウィンだ!!」
三日月「ガリガリ?」
ガエリオ「貴様、わざとか!!」
三日月「まあ、なんでもいいや。どうせすぐに消える名前だ」
ガエリオ「こ、この宇宙ネズミめが!!」
ハルト「ショーコの決意を、みんなの意志をここで潰させるわけにはいかない!」
<戦闘開始>
<三日月vsガエリオ>
三日月「今日はチョコレートの人、いないんだね」
ガエリオ「だから、何だというのだ!? 今日こそ仕留めてやるぞ、小僧!!」
<ハルトvsガエリオ>
ガエリオ「その機体を落とせば、学生どもの独立など画餅に帰す!」
ハルト「ショーコも頑張ったんだ! 僕だって!」
<アイン撃破>
アイン「クランク二尉は、お前たちに手を差し伸べてくれたはずだ! それをお前が振り払って!」
三日月(クランク? 誰だ?)
〔敵ユニット離脱〕
<ガエリオ撃破・勝利条件達成>
ガエリオ「うぐうっ! この機体では奴らに勝てんのか!? 撤退するぞ!」
〔敵ユニット離脱〕
三日月「…敵はもう来なさそうだね。戻るよ」
ハルト「いや、僕にはやることがある」
三日月「何を?」
ハルト「モジュール77をジオールスフィアから切り離すんだ。僕たちが独立するために…」
【戦闘マップ2終了】
【シナリオエンドデモ開始】
モジュール77 咲森学園 生徒会室
ショーコ「お疲れ様、ハルト」
ハルト「とりあえず、モジュール77は切り離せたけど…中と外に異常がないか調べないとね」
サトミ「モジュール内の調査については、私が担当を割り振る」「独立するとなった以上、生徒たちにはそれ以外の仕事もやってもらわなければならない。よろしいですね、先生?」
リオン「ええ、バーッと決めちゃって」
ハルト「外と、ヴァルヴレイヴが格納されていた地下施設の調査は、僕がやります」
サトミ「ああ、頼む」
キューマ「それより、ショーコの独立宣言の反響が凄まじいぜ。ハルト、お前のフレンドが何人になってるか、知ってるか?」
ハルト「いえ…」
キューマ「じゃあ、今、見てみろよ」
ハルト「はい」
〔端末の操作音〕
ハルト「こ、これって! ええっと…一、十、百、千、万、十万…」
キューマ「7億人だよ、7億人!」
サキ「!」
リオン「な、7億!?」
ショーコ「凄いじゃない、ハルト!」
ハルト「………」
サキ「…嬉しくないんだ?」
ハルト「有名になりたくて、やってるわけじゃないし…」
キューマ「フレンドから1円ずつ義援金を募ったとしても、7億! 7億円だぞ!!」
ハルト「またお金ですか…」」
キューマ「お金は大事だろ。いつまでモンターク商会が支援してくれるかわからないし…俺たちで資金繰りができるよう策を考えなきゃな」
リオン「じゃあ、それもお任せで」
サトミ「先生は、モジュール7に残った数少ない大人の人なんですよ? しっかりしてください」
ショーコ「あの…生徒会長。学校のみんなにお願いしたいことがあるんです」
サトミ「何かな?」
ショーコ「私、家族やジオールの人たちに私たちの様子を配信したいって言いましたよね?」
サトミ「ああ」
ショーコ「そのいい方法を思いついたんです」
サトミ「どんな?」
ショーコ「ハルト、流木野さん、あなたたちの役目は特に重要だからね」
ハルト「え?」
サキ「私に何を…」
ショーコ「あなたには、歌を歌ってもらいたいの」
サキ「!」
モジュール77 咲森学園 廊下
???(※モンターク)「まさか、モジュール77を物理的に切り離すとは…。君の入れ知恵かな?」
エルエルフ「いや」
???(※モンターク)「では、今、配信されている咲森学園のプロモーション映像は?」
エルエルフ「あんな歌など知らん。指南ショーコが勝手にやったことだ」
???(※モンターク)「いつだって時代は偶像を求めるものさ。革命の兆しが見えるなら、尚のことな」
エルエルフ「…貴様が求める見返りは、金ではあるまい」
???(※モンターク)「本心は言った通りだよ」
エルエルフ「仮面を被ったままで、何が本心だ」
???(※モンターク)「君こそ、本当の目的はなんだ? ARUSから『一人旅団』と恐れられた男が何故、ドルシア
に戻らない?」「この咲森学園で何をするつもりなのだ?」
エルエルフ「さあな」
???(※モンターク)「フッ…君がその服装を着て、学園に残るなら、私に支援対象だ。何か必要な物があったら、連絡をくれたまえ」
〔歩き去る足音〕
エルエルフ(奴は俺の計画にとって、イレギュラーになるか…)(なんにせよ、今のうちにここの地下施設を…ヴァルヴレイヴが開発された場所を詳しく調べておく必要がある)
イサリビ 食堂
アーサー「ハア…さっきのライブ映像、良かったなぁ」
デビッド「歌にダンス…まるでアイドルのミュージッククリップだったな」
アンナ「あの映像でジオール本国の人たちは勇気づけられたみたい。ARUSからも反響があるって」
ロアン「歌っていた流木野サキは、ジオールのアイドルでした」
マイコ「アイドル…それじゃあ、私と同じですねぇ
アーサー「え!? マイコちゃんも!?」
マイコ「ええ、昔の話ですけどぉ」
シモーヌ「それで、そういう格好なのね。なんか納得…」
エイジ「どうしてDTのパイロットになったんです?」
マイコ「色々と勘で動いてしまった結果でしょうかぁ。でも、DTに適性があってぇ、自分でも気づいていなかった一面を見つけましたぁ」
エイジ「そうですか…」
シモーヌ「で…流木野サキは現役のアイドルなの?」
ロアン「いえ、活動休止中です」
デビッド「なんだ、お前…やけに詳しいじゃないか」
シモーヌ「もしかして、ファン?
ロアン「いえ、その、僕は気になって調べただけで…」
シノ「なんつーか、こう…キラキラしててよ。俺たちとは縁のねぇ世界だったな」
シモーヌ「そうね…男だらけの鉄華団とは正反対よね」
アーサー「ああ、青春だなぁ。可愛いなぁ、サキちゃん…」
シモーヌ「アーサー、あなたは鉄華団に入った方がいいかもね」
アーサー「ええっ!?」
シノ「おう、ビシバシしごいてやる。男っぷりがドーンと上がるぜ?」
アーサー「か、勘弁してよ…」
デビッド「それで、俺たちはいつ地球へ行けるんだ?」
シノ「さあな。オルガはしばらくモジュール77に滞在するって言ってたぜ」
デビッド「待てよ、そいつは困る。俺たちは咲森学園の連中に付き合う気はねぇ」
アーサー「そ、そうだよ。僕たちは地球へ帰りたいんだ」
シノ「そいつぁ、わかってるけどよ」
エイジ「クーデリアさんも地球へ急いでいるはずでは?」
シノ「それが…なんか考え込んでるみてぇでさ」
エイジ「え…?」
シノ「なんだったら、モンターク商会に相談してみろよ。お前らが地球へ向かう宇宙船を用意してくれるかもしれねえぜ」
デビッド「本当か!?」
エイジ(モンターク商会か…クーデリアさんがすぐ地球へ行かないのなら、話をしてみた方がいいかもしれない)
ハルト「流木野さん、手伝ってくれてありがとう」
サキ「地下施設調査の記録係のこと?」
ハルト「いや、歌の方。ああいうの、嫌いかと思ってた」
サキ「…嫌い」
ハルト「!」
サキ「でも。感謝はしてる。私、この学校に入れられてから諦めてたけど…」「もう一度、ステージの上で輝きたいってずっと思ってた。だから…」
ハルト「流木野さん…」
サキ「あ、下に大きな扉があるわね」
ハルト「あそこを抜ければ、地下施設に辿り着く。なんとかして開けないと…」
サキ「開いたわ!」
ハルト「何もしてないのに…」
サキ「いいじゃない、降りましょ!」
モジュール77 咲森学園 地下施設
サキ「見て、あれ!」
ハルト「の、呪いが…他にも!」
サキ「色んな色のヴァルブレイヴが置いてある! まるで虹みたい!」
ハルト「ま、待って!」
サキ「え?」
ハルト「このこと…ふたりだけの秘密にしてくれないか」
サキ「………」
ハルト「僕みたいなの…もう増やしたくないんだ」
サキ「…そういう優しいとこ、いいと思うわ。とっても」
ハルト「え?」
サキ「いいよ、黙っとく。その代わり、私たち…ふたりぼっちになりましょ」
ハルト「ふたりって、何を…んっ!」
サキ「秘密を守る、誓いのキスよ」
エルエルフ「………」
【シナリオエンドデモ終了】
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