第2話
不可侵の敵
【シナリオデモ開始】
地球連合軍基地
鞠戸「本当なのか、その話…!?」
ユキ「はい。そのユニスという子と一緒にここへ向かっているそうです」
鞠戸「にわかには信じられんが…新芦原市街に敵の無人機が現れたのはまずいな」
ユキ「先程、その件を上に報告しましたが、把握していなかったようです」
鞠戸「15年前と同じだ…奴らの通信障害で指揮系統が混乱してる。敵機が新芦原に降下したのなら、ここも時間の問題…」
〔ノイズ〕
ユキ「!」
鞠戸「早速、来たか!」
ユキ(ナオ君たちはここへ向かっているのに…!)
鞠戸(くそったれが…! こんな時に手が震えやがる…!)
ザーツバルム揚陸城
ザーツバルム「ネズミ1匹を取り逃がしただと…!?」
ヴァース帝国兵「はっ」
ザーツバルム(秘密裏に後始末をするため、メガノイドの手先を利用したことが裏目に出たか…!)
ヴァース帝国兵「恐れながら、ソルジャーのターゲットはどのような者たちで…?」
ザーツバルム「貴様が知る必要はない」
〔歩み寄る足音〕
ベンメル「…何かあったのかな、ザーツバルム卿?」
ザーツバルム「これはコマンダー・ベンメル殿…貴公が気にすることではない」
ベンメル「そうか。ならば、吾輩も出るとしよう。火星と地球が開戦したおかげで、表立って動けるのでな」「もし、そちらであの男の情報を入手した場合は…」
ザーツバルム「ああ、貴公にも伝える」
ベンメル「ではな」
〔歩き去る足音〕
ザーツバルム(メガノイドどもに悟られるわけにはいかぬ…。トリルランに後始末をさせるしかあるまい)
【シナリオデモ終了】
サブタイトル
『不可侵の敵』
【戦闘マップ1開始】
〔敵ユニット出現〕
スレイン「新芦原市上空、目的地に到着」
トリルラン「スレイン・トロイヤード、足だけは引っ張ってくれるなよ」
スレイン「…はっ」(ここで姫様が…。誰よりも平和を望んでおられた方だったのに…)(いったい誰が…)
〔通信のコール音〕
スレイン「地球連合軍のカタフラクトが接近中」
トリルラン「わざわざ犬死にするために現れたか」
〔味方ユニット出現〕
トリルラン「降ろせ」
スレイン「はい。ニロケラス、ディスコネクト」
〔敵ユニット出現〕
連合軍兵「あれは…カタフラクトか!?」
連合軍「敵はたった2機だ! 攻撃開始!」
〔トリルランの周囲に爆発〕
連合軍兵「効いていない!?」
連合軍兵「ひるむな、撃ちまくれ!」
〔トリルランの周囲に爆発〕
トリルラン「雑魚が…私が手を下すまでもないか。スレイン、貴様がやれ」
スレイン「………」
トリルラン「どうした?」
スレイン「う、うう…!」
トリルラン「やれやれ、やれやれ。しつけがなってないじゃないか、クルーテオ卿」「ならば、このトリルランが教育しよう…戦場の悦というモノを!」
〔味方ユニット撃破〕
スレイン「ああっ!」
連合軍兵「あ、あれが火星…カタフラクト…!」
〔トリルランの周囲に爆発〕
連合軍兵「う、うわああ! なんで効かないんだ!!」
トリルラン「…散り際を弁えぬ者は美しくないぞ」
連合軍兵「か、勝てねえ! あんなのには…!!」
〔味方ユニット撃破〕
トリルラン「どうだ、スレイン! かつての同胞が無様に死んでいく様を高みから見下ろす気持ちは?」
スレイン「………」
トリルラン「ふん…足手まといはいらぬ。下がって、30分後に合流しろ」
スレイン「…はっ」
〔敵ユニット離脱〕
トリルラン(さて…ザーツバルム様より仰せつかった命を果たすか)(我がニロケラスの鷹の目をもってすれば、ネズミを捜し出すことなど造作もない)
ライエ「はあ…はあ…!」
トリルラン「フフフ…早速、見つけたぞ」
〔トリルラン、ライエのいるポイントへ接近〕
ライエ「ああっ!!」
トリルラン「後々、チュウチュウと余計な声を立てられても困るのでね」
ライエ「か、火星のカタフラクト…! じゃ、じゃあ、さっきお父様たちを襲ったのは…!!」
トリルラン「逃がさないぞぉ~! フハハハハハ!」
〔味方ユニット出現〕
トリルラン「む?」
連合軍兵「敵カタフラクトを捕捉! 民間人を襲っています!」
連合軍兵「攻撃開始だ! 一気に決着をつける!」
鞠戸「よせ、民間人の保護が先だ!」
連合軍兵「撃て!」
〔トリルランの周囲に爆発〕
連合軍兵「何っ、弾丸が!?」
鞠戸「界塚准尉、生き残りを保護しろ!」
連合軍兵「鞠戸大尉、私の隊だ! 勝手な指示を出すな!」
鞠戸「行け! カバーする!」
ユキ「了解!」
〔鞠戸、ライエのいるポイントへ接近〕
トリルラン「何のつもりだ?」
〔ユキ、ライエのいるポイントへ隣接〕
ライエ「!!」
ユキ「乗って!」
ライエ「あっ…! は、はい!」
ユキ「民間人、確保!」
鞠戸「すぐに後退しろ!」
ユキ「了解!」
〔ユキ、後退〕
鞠戸「グレネード、用意! 一斉射撃!」
〔トリルランの周囲に爆発〕
連合軍兵「無傷だと!? 何なんだ、あいつのボディは!?」
トリルラン「雑魚が…」
〔トリルラン、連合軍兵へ隣接〕
〔敵ユニット撃破〕
鞠戸「!!」
トリルラン「さあ、ネズミ退治の続きをしようか」
鞠戸「くそっ! 逃げろ、界塚准尉!!
ユキ「くっ…!!」
【戦闘マップ1終了】
【戦闘マップ2開始】
起助「宇宙人の戦艦の中にあった巨人兵器、ねえ…」
カーム「ゲームやアニメみたいな話だな」
ユニス「否定はしないわ。あたしも最初はそう思ったし」
カーム「そっちの世界だと、カタフラクトみたいな人型兵器は珍しいんだっけ」
ユニス「うん、DTは南極にしかないわ」
カーム「だったら、なんでそんなのに乗ることになったんだ?」
ユニス「簡単に言うと、適性があったから」
カーム「どんな?」
ユニス「TMP…サードマン・フェノメノンを発動できる能力」
起助「なんだ、そりゃ?」
耶賀頼「サードマン現象…聞いたことがある。人間が極限状況に陥った時、生還へ導く声のことだね」
ユニス「そう。昔は守護霊や守護天使の声だと思われてたけど、実際にはTMPを発動できる本人の声なの」
カーム「それとDTの操縦にどんな関係が?」
ユニス「TMPは、第三者の視点や感覚で自分が置かれた状況を冷静に見極める能力なの。それを応用したDTの操縦は…」「たとえるなら、アクションゲームで自機を俯瞰で見て操作するようなものよ」「もっとも、TMPというマン・マシン・インターフェイスが必要で…」「優れたTMPを発動できる人間…フェノメナーでなきゃ無理だけど」
起助「ええっと、つまり…お前は凄腕のアクションゲーマーってことか?」
ユニス「たとえは間違ってるけど…グラフディンの操縦は、ゲームの感覚っぽいわ。適性さえあれば、簡単に乗りこなせるし」「とはいえ、戦闘をするには訓練が必要だけど」
カーム「そこはカタフラクトと同じか…」
韻子「…伊奈帆、基地と連絡取れた?」
伊奈帆「いや、通信障害がひどい」
ユニス「伊奈帆! 進行方向の空を見て!」
伊奈帆「あれは…爆発の光だ」
起助「マジかよ!?」
韻子「基地で戦闘してるの!?」
〔レーダー反応〕
伊奈帆「こっちに敵が来る」
セラム「!」
〔敵ユニット出現〕
ユニス「またあいつらが!」
伊奈帆「あれなら対処できる。韻子たちはそこにいて」
韻子「わ、わかったわ!」
伊奈帆「…ユニス」
ユニス「やることはわかってるわ!」
起助「頼むぜ、ふたりとも!」
<戦闘開始>
<敵全滅・勝利条件達成>
ユニス「…これで全部片付いたね」
伊奈帆「先を急ごう」
〔レーダー反応〕
伊奈帆「この反応、アレイオンと…」
〔味方ユニット出現〕
ユキ「スレイプニール! もしかして、ナオ君!?」
伊奈帆「ユキ姉…」
ユキ「すぐに逃げて! あいつが来る!!」
【戦闘マップ2終了】
【戦闘マップ3開始】
〔味方ユニット出現済み〕
〔味方枠外ユニット出現済み〕
韻子「早く乗って!」
ライエ「う、うん」
韻子「ユキさん、彼女を収容しました!」
ユキ「敵は私が食い止める! みんな、早く逃げて!」
伊奈帆「ユキ姉だけじゃ無理だ」
ユキ「何を言ってるの! ここはお姉ちゃんに任せなさい!」
伊奈帆「どのみち、もう遅いよ」
〔味方ユニット出現〕
トリルラン「ネズミめ、ちょこまかと…」
セラム(あのカタフラクトは…!)
ユキ「くっ!」
〔ユキ、前進〕
ユキ「さあ、私が相手になるわ!!」
〔トリルランの周囲に爆発〕
伊奈帆「…!」
ユニス「弾丸が吸収された!?」
トリルラン「無駄だとまだわからんのか」
〔トリルラン、前進〕
〔ユキに爆発〕
〔ユキ、後退〕
韻子「ああっ!!」
トリルラン「ふん…うまくかわしたようだが、もう動けまい」
韻子「ユキさん! 応答して下さい、ユキさん!」
〔カーソル、ユキを指定〕
韻子「ユ、ユキさん…!」
伊奈帆「コックピットは無事…気絶してるだけだ」
〔伊奈帆、前進〕
トリルラン「貴様も刃向かう気か? 身の程知らずめ」
伊奈帆「ユニス、僕が敵を引きつけてる間にユキ姉を」
ユニス「え!?」
起助「待った! ユキさんは俺が助ける!」
カーム「オコジョ!?」
起助「だから、お前たちであいつの足止めを!」
伊奈帆「わかった」
ユニス「あの子に任せて大丈夫なの!?」
伊奈帆「ふたりで戦えば、助かる確率は上がる」
ユニス「そ、それはそうだけど…!」
トリルラン「…よかろう、先に貴様らを駆除してやる」
伊奈帆(あの火星カタフラクト…素早さはそう早くない。動き回っていれば、時間は稼げる)
<戦闘開始>
<伊奈帆vsスレイン>
スレイン「地球の…カタフラクト…!」
伊奈帆(あのコウモリ、躊躇っている…?)
<伊奈帆vsトリルラン>
トリルラン「貴様も犬死にするがいい」
伊奈帆(あいつはユキ姉の攻撃を跳ね返すんじゃなく、吸い込んでいた)(機体がバリアで覆われていて、それに触れた物が吸収されるとしたら…)
<2PP>
カーム「オコジョ、ユキさんをこっちへ!」
起助「ああ!」
トリルラン「ネズミめ、あのカタフラクトの搭乗者を…」
韻子「ふたりとも急いで!!」
カーム「よし、ユキさんを乗せたぞ! オコジョ、お前も早く!」
起助「わかってるよ!」
トリルラン「そういう魂胆だったか! 小賢しい!」
〔トリルラン、前進〕
〔味方ユニット撃破〕
伊奈帆「!」
ユニス「ああっ!」
韻子「あ、危なかった!」
トリルラン「ふん、しぶといな」
韻子「みんな、無事!?」
カーム「あ…あああ…そ、そんな…!!」
韻子「どうしたの、カーム!?」
伊奈帆「起助…!」
〔トリルランの周囲に爆発〕
トリルラン「仲間が死んで、頭に血が上ったか?」
伊奈帆「………」
カーム「伊奈帆、オコジョが! オコジョがっ!!」
伊奈帆「…トンネルの中へ逃げるんだ」
カーム「え!?」
伊奈帆「早く。敵の増援が来る」
カーム「こ、このタイミングで!?」
セラム「こうなったら、私が…!」
エデルリッゾ「それはいけません!」
セラム「エデルリッゾ…」
伊奈帆「ここは逃げるしかない。僕たちも後から行く」
韻子「わ、わかったわ…!」
〔味方枠外ユニット離脱〕
ユニス「伊奈帆、敵が!」
〔敵ユニット出現〕
スレイン「トリルラン卿…」
トリルラン「スレイン、ネズミの駆除を手伝え。今度こそな」
スレイン「は、はい」
伊奈帆「ユニス、できるだけ時間を稼いでから僕たちもトンネルの中へ入る」
ユニス「わ、わかったわ…!」(もっと…もっと力を出さなきゃ、あたしもあの子みたいに死ぬ…!)
<スレイン撃破>
スレイン「くうっ、これ以上は!」
〔敵ユニット離脱〕
トリルラン「スカイキャリアを傷つけおって! これだから地球人は…!」
<トリルラン以外の敵全滅・勝利条件達成>
伊奈帆「今だ。みんな、早くトンネルへ」
カーム「韻子、アクセルだ!!」
韻子「やってる!!」
〔韻子、トンネルへ移動〕
〔味方枠外ユニット離脱〕
伊奈帆「ユニス、僕たちも行こう」
ユニス「わ、わかったわ!」
〔ユニス、トンネルへ移動〕
〔味方ユニット離脱〕
〔伊奈帆、トンネルへ移動〕
〔味方ユニット離脱〕
トリルラン「ちっ、遊び過ぎたか…!」
【戦闘マップ3終了】
【シナリオエンドデモ開始】
新芦原市郊外
ユキ「う、うう…」
耶賀頼「気がつきましたか」
ユキ「先生…ううっ!」
耶賀頼「腕を負傷しています。安静にして下さい」
ユキ「は、はい」
〔歩み寄る足音〕
伊奈帆「ユキ姉」
ユキ「ナオ君…無事だったのね。他のみんなは?」
伊奈帆「………」「…あの火星カタフラクトはユキ姉を追ってた。理由に心当たりはある?」
ユキ「理由…」(もしかして、私が助けたあの子? まさかね…民間人だし)
伊奈帆「どう?」
ユキ「私だけ逃げたから、追ってきたのかも…」
伊奈帆(その後で僕とユニスを見つけて、標的が変わった? 一応、筋は通るけど…)「ところで、鞠戸大尉は?」
ユキ「大尉は私を逃がすために…。無事だと信じてるけど」
伊奈帆「そう…」
ユキ「ともかく、基地へ行きましょう」
伊奈帆「もう敵に制圧されたと思う」
ユキ「えっ!?」
伊奈帆「基地の方角の空が真っ赤だったから」
ユキ「じゃあ、フェリー埠頭へ…」
伊奈帆「それも駄目だ。確実に敵と遭遇するし、船が出るまでに辿り着けない」
ユキ「だったら、どこへ…」
伊奈帆「比較的安全なのは、シン・ザ・シティへのルート…けど、あの街へ行く前に火星カタフラクトと戦う」
ユキ「本気なの!?」
伊奈帆「無茶は百も承知だよ」
ユキ「なら、どうして…!?」
伊奈帆「…起助が死んだ」
ユキ「!!」
伊奈帆「助けられなかった」
ユキ「ナオ君…」
伊奈帆「判断は臨機応変、いざとなれば自分を信じて決断する。ユキ姉、いつも言ってたよね」
ユキ「………」
伊奈帆「だから、僕はスレイプニールに乗って戦った」
ユキ「次は私がやるわ」
伊奈帆「怪我人には任せられない」
ユキ「ナオ君!」
伊奈帆「みんな、不安がってるんだ。だから、ユキ姉が守ってあげてほしい」「怯えている人たちを励まして、安心させてほしい。それこそ、僕にはできないことだ」
ザーツバルム揚陸城
ザーツバルム「つまり貴公は1匹残ったネズミを殺し損なうのみならず、その行方まで見失ったと?」
トリルラン「恐れながら、ザーツバルム様…このトリルラン、まだ彼奴を取り逃がしたわけではありませぬ」「奴らが逃げ込んだトンネルから向かう先は、既に予測しております」
ザーツバルム「ならば、次は確実に仕留めよ。此度のことが露見すればどうなるか、わかっていよう」
トリルラン「はっ」
ザーツバルム「貴公が仕損じれば、ネズミの居場所に隕石攻撃を行う」
トリルラン「そ、それは…! 東京に降下したクルーテオ卿への攻撃と見なされるのでは…!」
ザーツバルム「己の立場を案じるのであれば、ネズミを始末するのだ。よいな?」
トリルラン「は…ははっ!」
【シナリオエンドデモ終了】
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