第2話
模擬戦
【シナリオデモ開始】
グラドス・トライポッド・キャリア 内部
エイジ「…ふう、ご馳走様」
キリコ「ごちそうさま?」
エイジ「ああ、すみません。食事が終わった時の決まり文句です」
キリコ「グラドスの慣習か」
エイジ「いえ…父の国です。僕の父には、色々と複雑な過去がありまして」
キリコ「そうか」
エイジ「このキャリアに備え付けの保存食ですから、贅沢は言えませんが、あまり美味しくはありませんでしたね」
キリコ「レーションなど、どこでも似たような物だ」
エイジ「ギルガメスでもそうでしたか。グラドスもそうですが…目的地の物はどうなんでしょう」
キリコ「あまり期待しない方がいい」
エイジ「そうですね…」「あ、キリコさん。食事が終わったところでお願いがあるんですが」
キリコ「………」
エイジ「また追撃隊が現れた時のために戦闘訓練をやっておきたいんです。付き合ってもらえませんか?」
キリコ「レイズナーは使えるようになったのか?」
エイジ「まだ時間が掛かりそうです。だから、ATをお借りします」
キリコ「パーツ取り用に持ってきた予備機のことか? あれは宙間戦闘に適応させてない」
エイジ「ええ、そう聞いていたのでSPTの予備バックパックを装備させてみました」
キリコ「そんなことが出来たのか…。だが、操縦はマスターしたのか?」
エイジ「お借りしたコンピューターに操縦マニュアルが入っていましたから」「でも、ATには驚きました。あんなに小型なのに、高性能で…」
キリコ「色々省いているがな」
エイジ「確かに…安全性や居住性が犠牲になっているように感じます」
キリコ「ATパイロット…ボトムズ乗りは、使い捨ての消耗品に過ぎない」
エイジ「……そういえば聞いたことがあります。ギルガメスで、ボトムズ乗りは底辺の存在として扱われていると」
キリコ「ああ、その通りだ」「マニュアルを読んだだけにしては、ATの特性を理解したようだな」
エイジ「これでも士官学校でSPTの教程は卒業していますから」「僕のパイロットスーツはSPTの物ですが、小改造でATとのデータリンクにも対応出来ました」
キリコ「………」「その肩は自分で塗ったのか?」
エイジ「いえ、標準装備の物ですが…これが何か?」
キリコ「………」「…いや、何でもない」
エイジ(何だろう…今一瞬、キリコさんの目が凄く怖かった…)(この赤い肩にいったい何が…)
キリコ「色々準備はしたようだが…ATに乗るのは止めておけ」
エイジ「何故ですか?」
キリコ「ここしばらく一緒にいてわかった。お前は戦いに向いていない」
エイジ「!」「確かに、実戦経験はまだありません。でも、士官学校の訓練教程では平均以上の成績を出しています」
キリコ「そういう話はしていない」
エイジ「………」
キリコ「…だが、生き延びるために今、出来ることをやろうという気持ちはわかる」「いいだろう、訓練には付き合う。準備を始めるぞ」
エイジ「あ、ありがとうございます!」
【シナリオデモ終了】
サブタイトル
「模擬戦」
【戦闘マップ1開始】
〔味方ユニット出現済み〕
エイジ「よろしくお願いします、キリコさん」
キリコ「その巨大なバックパック、制御は可能なのか?」
エイジ「即席ですが、ミッションディスクをプログラミングしてみました」
キリコ「驚いたな。よく短時間で出来たものだ」
エイジ「必要に迫られてましたから。では、お願いします」
キリコ「SPTは、搭載コンピューターのバックアップが手厚いと聞くが、ATはそんな物はない」
エイジ「ええ、当てにしないでやってみます」
キリコ「よし、始めるぞ」
<戦闘開始>
<エイジvsキリコ>
キリコ(…速い。バックパックの性能故か)「エイジ、どうせ模擬弾だ。遠慮なく当ててくるといい」
エイジ「そうさせてもらいます!」
<エイジvsキリコ(戦闘後)>
キリコ(思った緒通りだ…)(模擬弾だというのに、急所を外して狙ってくる…)
<キリコorエイジHP40以下・勝利条件達成>
※※キリコHP40%以下の場合のセリフ※※
キリコ「…エイジ、お前の勝ちだ」
エイジ「キリコさんの教え方が上手いからですよ」
キリコ「世辞はいい。それより、自分の足りない物がわかったか?」
エイジ………
※※エイジHP40%以下の場合のセリフ※※
キリコ「…ここまでだ。この結果では、実戦に出るのは危険だぞ」
エイジ「ですが…」
キリコ「お前に足りない物、それは……」
〔警報〕
エイジ「キリコさん、グラドスの追撃隊です!」
キリコ「ああ、こっちでも捉えた。急いで模擬弾を実弾に換装するぞ」
エイジ「はい!」
【戦闘マップ1終了】
【戦闘マップ2開始】
〔味方ユニット出現済み〕
〔敵ユニット出現〕
エイジ「来た…追撃隊が…」
〔キリコ、前進〕
キリコ「エイジ、奴らとは俺が戦う。お前は後方から支援してくれればいい」
エイジ「でも…!」
キリコ「殺せない奴が無理をするな」
エイジ「!!」
<戦闘開始>
<エイジが戦闘>
エイジ「これが実戦…! けど、僕の使命を果たすためには…!」
<キリコが戦闘>
キリコ(エイジには敵の急所を狙えない。こちらで引き受けるしかない)
<敵全滅・勝利条件達成>
エイジ「はあ、はあ、はあ…!」
キリコ「どうやら今回はこれで終わりのようだ。キャリアに戻るぞ」
エイジ「は、はい…」(撃墜したSPT、パイロットは脱出できたのか…?)
【戦闘マップ2終了】
【シナリオエンドデモ開始】
グラドス・トライポッド・キャリア 内部
キリコ「…エイジ、戦闘後に何をしていた?」
エイジ「え? いえ、何も…」
キリコ「撃破した敵機から脱出したパイロットがいないか、探していたのだろう?」
エイジ「…ええ、その通りです」
キリコ「次からは止めておけ」「SPTのデータを見せてもらったが、サバイバルキットも発信器も積んである。後方から来る本体に救助してもらえるはずだ」
エイジ「ですが、酸素漏れを起こしていたりしたら!」
キリコ「救助したら、撃墜したことを許してもらえると思ったか?」
エイジ「!」「いえ、そういうわけでは…」
キリコ「エイジ、お前は軍の機密であるレイズナーを奪った脱走兵だ」「そういう者は、決して見逃してはもらえない。どこへ逃げても追われ続ける…それが嫌なら、追っ手と戦って倒すしかない」「それが…お前が選んだ道だ」
エイジ「わかっている…つもりです」
キリコ「さっき言いかけた、お前に足りない物…それが覚悟だ」
エイジ「命を懸ける覚悟なら、出来ています」
キリコ「そうではない。お前はもうわかっているはずだ」
〔ハッチの開閉音〕
エイジ「キリコさん…」「………」(覚悟…。そうだ…僕には出来ていなかった…)(誰かの生命を奪ってしまうかも知れない覚悟が…)
【シナリオエンドデモ終了】
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