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No.08
敵軍の歌姫 前編


サブタイトル
「敵軍の歌姫 前編」


【シナリオデモ開始】
〔カーソル、デブリ帯を指定〕
ヴェサリウス/隊長室
クルーゼ「なるほど、あのパイロットもコーディネイターか。それで最後の1機があれほど動くのも納得できるというものだな」
アスラン「申しわけありません。突然のことで気が動転し、報告が遅くなりました」
クルーゼ「いや・・・君の動揺もしかたがない。戦争とは皮肉なものだな。仲のよい友人だったのだろう。そのキラ・ヤマトくんとは」
アスラン「・・・はい」
クルーゼ「だが君のかつての友人でも、敵ならば我らは撃たねばならない」
アスラン「キラは、あいつはナチュラルに利用されているだけなんです。昔からお人よしで・・・。あいつだってコーディネイターなんです。だから、私が説得して」
クルーゼ「もし聞き入れない時は?」
アスラン「・・・その時は、私が撃ちます」
クルーゼ「君の覚悟はわかった。だが君には別の任務についてもらうことになる」
アスラン「なぜです隊長。私は・・・」
クルーゼ「先ほど合流した艦は、我が隊の支援にきたのではない。最高評議会議長のご息女、プラントの歌姫ラクス・クライン嬢の捜索のためにきたのだよ。君の婚約者の」
アスラン「ラクスの捜索?」
クルーゼ「ユニウス7追悼式典の下見に出て、デブリ帯で消息を断ったそうだ。木星トカゲかエイリアンに遭遇した可能性が高いらしい。本国から我々にも捜索命令が出ているのだ」
アスラン「捜索隊が出ているのに、我々まで動員されるのですか。デブリ帯といえば敵艦の予想進路でもあります。追撃は・・・」
クルーゼ「おいおい、冷たい男だな君は。むろん私とてたった一人の少女のためあれを逃す気はないさ。我々は軍人だ。ヴェサリウスは追撃を続行する。だから君だけはいってもらうのだよ。君のお父上、ザラ国防委員長は君が捜索に参加しないと話にならないとお考えなのさ」
アスラン「彼女を助けて、ヒーローのように帰還しろということですか」
クルーゼ「もしくは遺品を抱えて号泣しろということかな」
アスラン「・・・・・・」
クルーゼ「いずれにしても、プラント市民に対するアピールではあるだろうさ。気持ちはわかるが、父上が国防委員長という君の立場上、やむをえんのではないかな」

アークエンジェル/ブリッジ
〔モニターの開閉音〕
豹馬「宇宙のゴミ溜まりって聞いてたけど、ホントにゴミばっかりだな」
小介「特に木星トカゲとの戦闘が始まってからは、戦艦や戦闘機の残骸も流れてきますし、うわさでは破壊されたコロニーの一部もあるそうですよ」
ノアル「やれやれ、宇宙でゴミさらいかよ」
アカツキ「ま、これも仕事のうちさ。使える弾薬や物資は回収しないと、ナデシコはともかくアークエンジェルの方は厳しいらしいからねぇ」
ムウ「そっちまで手伝わせちまって悪いな。なにせ人型の方がこういうのは効率いいからさ。助かるよ」
<<統夜>>
統夜「でも・・・あんまりいい気持ちしませんね。撃沈された戦艦に乗ってたコンテナだって考えると・・・」
カティア「・・・そうね」
ムウ「でも、しかたないだろう? 足りないもんばっかなんだからさ」
<<カルヴィナ>>
カティア「まるで宇宙の墓場みたい」
カルヴィナ「だったら、あたしたちは墓荒らしって所ね。何しろ今回収しているのは、撃沈された戦艦に積まれてたコンテナだもの」
ムウ「でも、しかたないだろう? 嫌なこと言うなよ、少尉」
カルヴィナ「・・・元です、フラガ大尉。もうあたしは軍の人間じゃないわ」
ムウ「そうだったな。悪かったよ。ついさ」

イズミ「・・・出るわ。軍人たちの怨霊が」
リョーコ「イズミぃっ! へ、変なこと言うんじゃねーよ!」
甲児「あれ、リョーコさんもしかして怖いのかよ」
アキト「へぇ。リョーコちゃんもやっぱり女の子なんだか。カワイイところもあるんだ」
リョーコ「バ、バカなこと言ってんなよ! それにテンカワ、やっぱりってなんだ! 余計なこといってねぇでさっさと仕事しろ!」
ヒカル「照れてる照れてる~」
リョーコ「うるさいっ!」
デビッド「そういや、キラのストライクはどこにいったんだ」
エイジ「彼の機体ならあの残骸の向こうに行ったようだ」
キラ「すみません、今戻ります。その、まだ新しい救命ポッドみたいなものがあったので・・・」
ムウ「ふーん、1人用みたいだな。そんなもん回収しちまって、開けたら死体が出てくるなんて洒落にならんぜ? ・・・待てよ、そいつはプラントのじゃないか」
マリュー「なんですって? 大尉、間違いないのですか?」
ムウ「たぶんな。どうする、艦長。もし生きてるとしても、こんなところじゃ救助も期待できんし、ほうり出すってのもなぁ。それともまたナデシコの方へ収容してもらうか?」
マリュー「・・・いいわ。こちらに収容します」
甲児「救命ポッドだってよ。オレたちも見に行こうぜ」
豹馬「ああ、どんな奴が出てくるのか楽しみだな」
デビッド「ポッドを開けたらお姫様が出てきて、助けてくれてありがとうなんてキスしてくれたりしてな」
豹馬「プラントのだぜ? そんなわけあるかよ」
ちずる「3人とも、不謹慎よ」

アークエンジェル/格納庫
マリュー「プラントの救命ポッドか・・・」
ナタル「まったく、面倒ばかり持ち込んでくれるものです。マードック軍曹、どうなのだ」
マードック「ちょっと待ってください。終わりました。いいですか、開けますぜ」
〔ハッチの開閉音〕
ラクス「ありがとう。ご苦労さまです」
キラ「え・・・?」
ラクス「あら? あらあら?」
ハロ「ハロ、ハロラクスゥ」
<<統夜>>
統夜「お・・・女の子・・・?」
<<カルヴィナ>>
アカツキ「おやおや、こいつは驚きだねぇ」

ラクス「まぁ、ここはザフトの艦ではありませんのね?」
ハロ「ソーダナー」
ナタル「・・・・」
マリュー「・・・はい?」
ムウ「あ~、俺たちは連合軍なんだよ。その、君はいったい・・・」
ラクス「まぁそうでしたの。ポッドを拾っていただき、ありがとうございました。わたくしはラクス・クラインですわ。これは友達のハロです」
ハロ「ハロハロ。オマエモナー」
アカツキ「クラインねぇ。確かプラント最高評議会の現議長はシーゲル・クラインといったけど」
ラクス「シーゲル・クラインは父ですわ。ご存じですの?」
ナタル「なんだと? ではプラント最高評議会議長の娘・・・?」
ムウ「・・・まいったな、こりゃ」
豹馬「ホントにお姫様かよ」
甲児「あ、ああ・・・」
さやか「コーディネイターのでしょ。甲児くん、何ででれっとしてるのよ!」
マリュー「・・・ふう。そんな方がどうしてこんなところに?」
ラクス「追悼慰霊式典のための視察に来ていたのですが、わたくしの乗っていた船が攻撃を受けまして。クルーの方にわたくしだけポッドで脱出させられたのですわ」
ナタル「攻撃? 何にだ」
ラクス「よくは存じません。たぶん連合軍の方がたではなかったとは思うのですが」
ムウ「木星トカゲかエイリアンってところか」

アークエンジェル/食堂
デビッド「お、ここが食堂か」
さやか「やっぱりナデシコの方が広いし居心地がいいわね」
アキト「そうだね。ナデシコと比べるとこっちはいかにも“軍艦”って感じだな」
ロアン「それはそうでしょう。ナデシコの居住性はとても戦艦ではありませんよ」
甲児「こっちは通路もせまいしな。メシもきっとナデシコの方がうまいぜ」
サイ「おつかれさまです。ナデシコの方ですか」
豹馬「ああ。ちょっと乗艦したついでに見学してるんだ。キラ、お前の友達ってこいつらかよ」
キラ「そうですよ」
ミリアリア「でもびっくりしちゃった。キラから聞いてたけど、本当にあたしたちとあまり変わらないのね。みんなパイロットなんでしょう?」
さやか「ええ、そうよ」
デビッド「ま、甲児や豹馬たちと違って、俺やロアンは火星から生きて帰るために乗り始めたんだけどな」
サイ「本当なんですか、異星人との混血の人がいるって」
ロアン「エイジのことですね。本当ですよ。こっちには来ていませんが。僕たちは彼のおかげでこうして生きて地球圏へ帰ってきたんです」
ラクス「まぁ、なんのお話ですの?」
キラ「えっ!?」
ラクス「すみません、驚かせてしまいましたか? わたくしのどがかわいてしまって。何かいただけるとうれしいのですが」
ハロ「テヤンデェ」
キラ「ちょ、ちょっと待って」
フレイ「ヤダ、なんでザフトの子が勝手に歩き回ってるの!?」
十三「なんや、ロックされとらんかったんかいな。えらい無用心やな」
ラクス「わたくしはザフトの者ではありませんわ。ザフトは軍の名称で・・・」
フレイ「なんだって一緒よ! コーディネイターなんだから!」
キラ「・・・」
ラクス「でも、わたくしは軍の人間ではありませんわ。あなたも軍の方ではないのでしょう? でしたらわたくしたちは同じですわね。ご挨拶が遅れました、わたくしは・・・」
フレイ「やめてよ! 冗談じゃないわ。なんで私があなたなんかと仲よくしなくちゃいけないのよ! コーディネイターのくせに馴れ馴れしくしないで!」
キラ「・・ッ!」
サイ「フレイッ!」
フレイ「な、なによ。私は別にキラのことを言ったわけじゃ・・・」
ちずる「キラくん、ラクスさんをさっきの部屋に連れていってあげて。後で飲み物を持って行ってあげるから」
キラ「・・・そうですね。すみません、お願いします」

アークエンジェル/食堂
さやか「あなたって、もしかして“ブルーコスモス”なの?」
フレイ「そういうわけじゃないですけど。でもあの人たち、やることはひどいけど言ってること間違ってるわけじゃないし。遺伝子を操作して造られた人間なんてやっぱり間違った存在よ」
アキト「そうかもしれないけど、ああいう言い方って、あんまりよくないんじゃないかな。俺なんかが言えることじゃないかもしれないけど。俺火星の出身なんだけど、火星じゃみんな一緒に普通に暮らしてたから」
フレイ「だって・・・」
ミリアリア「それにあれじゃキラが可哀想よ。後でちゃんと謝ってあげてよね」
フレイ「・・・わかったわよ」
カズイ「あの・・・俺たち、本当に大丈夫なんですか」
十三「大丈夫って、なにがや」
カズイ「だって、まだザフトに追われてるって。月につくまでは安全じゃないって言ってたけど、詳しいことは教えてもらってないから・・・」
サイ「カズイ、この人たちに言ってもしかたないだろ」
豹馬「大丈夫かってなぁ。大丈夫にするために、俺たちが戦ってるんじゃねぇか。キラって奴もそうだ。お前たちが乗ってるからアークエンジェルを守るんだっていって頑張ってるんだぜ、あいつ」
トール「キラが・・・」
さやか「あなたたち、何もしてないから不安になるのよ。何かしてるのって、キラくんだけなんでしょう?」
甲児「そうそう。さやかさんのいう通りだぜ。大丈夫になるように、少しでも努力したのかよ」
カズイ「でも俺たち、巻き込まれただけで・・・」
ロアン「僕やデビッドだってそうでしたよ。でもエイジに守られて逃げ回っているうちに気づいたんです。僕らにもできることがあるって」
デビッド「ああ、俺たちはエイジ一人に守ってもらうばかりじゃいけねぇと思って、エイジに頼んで操縦方法を教えてもらったんだ。自分が生き延びるためだからな。できることがあるならやっとかないと、死んじまったら後悔もできないだろ」
ロアン「本当を言うと、僕は今でも戦いに出るのは怖いんですよ。早く地球に帰って戦いに参加しなくてもいいようになりたいんですけどね」

アークエンジェル/食堂
トール「できることがあるならできることをやれ、か」
サイ「同じこと、キラもフラガ大尉に言われてたよな」
トール「うん・・・やっぱりさ、キラ一人にまかせっきりじゃ、よくないよな」
ミリアリア「キラは一生懸命頑張ってるのに、あたしたち何もしてないものね」
サイ「・・・ブリッジクルーが足りないってラミアス大尉言ってたよな」
カズイ「で、でもさ、俺たちにそんなことできるのかな・・・」
トール「ちゃんとは無理でも、手伝いくらいはできるさ」

アークエンジェル/居住区/士官室
キラ「お願いですから、もう出ないでください。これは連合軍の艦ですから、コーディネイターのことあまり好きじゃないって人もいるんです。後で僕が食事も持ってきますから」
ラクス「残念ですわ。みなさんとお話がしたかったのですけれど。でも、あなたはやさしいのですね」
キラ「・・・僕も、コーディネイターですから」
ラクス「でもあなたがやさしいのは、あなただからでしょう? お名前を教えていただけますか?」
キラ「キラです。キラ・ヤマト」
ラクス「そう。ありがとう、キラ様」
ハロ「オマエモナー」

アークエンジェル/居住区/通路
〔扉の開閉音〕
キラ「・・・」
サイ「キラ」
キラ「みんな・・・どうしたの、その格好。制服なんて着て・・・」
トール「ブリッジに入るなら着ろってさ。キラばっかりに頑張ってもらうんじゃ悪いから、俺たちも手伝うことにしたんだ。でもこの制服、階級章もないからなんかマヌケだよ」
ミリアリア「こういう状況だもの。あたしたちだって、できることしなくちゃね」
キラ「みんな・・・」
サイ「さっきは悪かったな。フレイにはよく言っておいたから。この歌・・・あの子が歌ってるのか。キレイな声だな」
キラ「うん」
サイ「でもそれも、遺伝子いじってそうなったのかな」
キラ「え・・・」
サイ「じゃ、俺たちブリッジにあがるから。また後でな」
キラ「・・・・・・」

ナデシコ/ブリッジ
〔モニターの開閉音〕
ムウ「ピンクの髪のお姫様、か。やっかいなもん拾っちまったな」
アカツキ「そうでもないでしょう、大尉。考えようによっては、いいカードを手に入れたんじゃないかな」
エリナ「そうね。いざという時には交換条件でザフトに手をひかせることもできるかもしれないわ」
ユリカ「でもそれって、悪人のすることですよね。ね?」
エリナ「人を悪者みたいに言わないでちょうだい。降ろすわけにもいかないんだし、結果は一緒でしょう? ザフトがアークエンジェルを沈めれば、彼女も死ぬのよ」
ナタル「私は彼らの意見に賛成です。彼女の存在はことを有利にするために使えます」
マリュー「でも、まだ子供の民間人なのに」
ナタル「お忘れですか。こうして同行しているナデシコのクルーたちも民間人で、子供も多いということを。またキラ・ヤマトや操鑑の協力を申し出た少年たちをやむを得ぬと言って使っておきながら、彼女だけは別だとおっしゃるのですか。彼女は議長の娘という時点で、民間人ではないのですよ」
マリュー「・・・・・・」
ルリ「・・・なんか嫌だな、こういうの」
メグミ「ほんと。あ~あ、なんでこんなことになっちゃったのかなぁ」
ミリアリア「あのバジルール少尉、友軍艦からの通信が入っているみたいです」
ナタル「なんだと?」

ナデシコ/ブリッジ
ユリカ「それで、何だったんですか?」
〔モニターの開閉音〕
マリュー「第8艦隊から派遣された先遣隊が、アークエンジェルの補充要員を乗せた艦と一緒に、合流のため近くまで来ているらしいの」
ユリカ「第8艦隊・・・ハルバートン提督ですね」
マリュー「ええ。“G”の開発にもっとも積極的だった人よ」
プロスペクター「合流後アークエンジェルが第8艦隊の指揮下に入るなら、こちらとはその時点でお別れということになりますかな」

アークエンジェル/食堂
トール「さっき聞いたんだけどさ、第8艦隊から派遣された艦にアルスター外務次官が同乗してるらしいよ。補充のクルーもいて、今こっちと合流しようとしてる所だって」
フレイ「パパが!?」
サイ「よかったな、フレイ」
フレイ「うん。ありがとう、サイ」
カズイ「これでさ、俺たちももう大丈夫なんだよね」
ミリアリア「たぶんね」
キラ「じゃ、僕ももうストライクに乗らなくていいんですか」
マードック「補充パイロットも来てるだろうしな。でも合流するまではお前さんの仕事だ。機体のチェックもちゃんとやっとけよ。なんならその後も志願したっていいんだぜ?」
キラ「・・・冗談じゃないですよ」

アークエンジェル/ブリッジ
マリュー「なんですって!? 先遣隊が戦闘!?」
〔モニターの開閉音〕
ルリ「ええ、間違いありません。ザフト軍と交戦中みたいです」
ムウ「ちぃっ、クルーゼ隊が網を張ってやがったのか。しつっこい野郎だぜ」
ユリカ「すぐ救援に向かいましょう!」
マリュー「くっ・・・」
ナタル「それは危険過ぎる。艦長、今ならば我々はザフトに発見されず月へのルートをとれるかもしれません」
ユリカ「待ってください。相手がクルーゼ隊なら、あの4機もいますよね。その人たちあれをちゃんと相手できるんですか」
ルリ「戦闘の分析データから考えて、分艦隊規模じゃ勝てないですね、きっと」
ユリカ「助けにきてくれた人たちを見捨てて、自分たちだけ逃げるんですか!?」
ナタル「・・・我々の任務は、この艦とストライクを無事本部へ送り届けることだ。交戦することではない」
ユリカ「でもそれってひどいですよね」
ナタル「そういう問題ではない。艦長」
マリュー「・・・・・・」
ユリカ「わかりました。ではナデシコは独自の判断により単独で先遣隊の救援に向かいます」
ナタル「なに?」
エリナ「ちょっと艦長! みすみすナデシコを危険にさらす気!?」
ユリカ「見捨てるなんて出来ませんから。じゃそういうことで」
マリュー「・・・いまクルーゼ隊の追撃を逃れたとしても、ナデシコの支援がなければ木星トカゲやエイリアンの襲撃があった時困るわね。キラくんとフラガ大尉だけではしのげないかもしれない。アークエンジェルも先遣隊の救援に向かいます」
ナタル「・・・わかりました。ですが私が反対したことは、記録させていただきます」
マリュー「好きになさい。そんなもの、生きて帰れなければ何の意味もないわ」

アークエンジェル/居住区/通路
フレイ「キラ、待ってッ!」
キラ「フレイ・・・戦闘配備なんだ。僕も待機室にいかなきゃ。フレイは部屋に入ってないと危ないよ」
フレイ「戦闘ってどういうこと? 先遣隊は? 大丈夫だよね、パパの艦やられたりしないわよね?」
キラ「・・・大丈夫だよフレイ。僕たちもいくから」
フレイ「お願いよ。キラ、ザフトをやっつけてパパの艦ちゃんと助けてね?」
キラ「・・・うん」
【シナリオデモ終了】

【戦闘マップ開始】

〔味方戦艦出現〕
ユリカ「ルリちゃん、先遣隊は」
ルリ「まだ無事です。でも、ザフトのモビルスーツ隊がこっちにもくる。抜かないと合流は無理ですね」
〔敵ユニット出現〕
イザーク「ナデシコと足つきだと!? 仲間がやられてるのをみかねてノコノコ出てきたかっ!」
ディアッカ「ちょうといいじゃない。一気に片付けちゃおうよ。まぬけなナチュラルどもをさ」
イザーク「フン、当然だ。いくぞディアッカ、今度こそ奴らを沈めるんだ!」
ミリアリア「カタパルトスタンバイ。ストライク、発進どうぞ。キラ、気をつけてね」
キラ「ミリアリア? なんで・・・」
ミリアリア「以後、私が管制官を務めます。よろしくね」
サイ「キラ、先遣隊にはフレイのお父さんがいるんだ。頼むな」
キラ「わかってる」
ムウ「連中をやらなきゃ、先遣隊までたどり着けない。あまり時間をかけられないぞ」
〔味方ユニット出現〕
〈出撃準備〉
<戦闘開始>

<キラvsイザーク>

イザーク「ストライク! 貴様はオレが墜とす!」
キラ「くっ、相手をしている暇はないんだ!」

<キラvsディアッカ>
キラ「早く終わらせて先遣隊を助けに行かなくちゃならないんだっ!!」
ディアッカ「おっと、やる気かよ。お前らごときにやられてたまるかっての」

<敵5機以下>
ルリ「先遣隊の艦艇が危険です。このままだと全部やられちゃいます」
ユリカ「フィールド全開! 全速で強行突破!」
ミナト「だから無理だってば。まだ修理中だったでしょ」
ユリカ「む~、みなさん急いでください!」

<敵全滅・敵増援1出現>
フレイ「パパの艦は、パパの艦はどこ? どうなってるの!?」
マリュー「いまは戦闘中よ。非戦闘員はブリッジを出て!」
サイ「フレイ、だめだよ」
フレイ「離して! あの子はキラは何をやっているのよ! 大丈夫だって言ったのよ! 僕たちも行くから大丈夫だって!」
ミリアリア「フレイ・・・」
マリュー「く・・・」
ルリ「先遣隊、全艦撃沈されました。脱出艇確認できず」
ナタル「全滅・・・」
フレイ「なによ・・・どういうこと!? パパッ!」
サイ「フレイッ!」
フレイ「嘘、嘘よ! いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーっ!!」
ユリカ「そんな、間に合わなかった・・・?」
マリュー「・・・ミスマル艦長、ただちに戦域から離脱を」
ナタル「いまさら間に合うとお思いですか!?」
〔敵ユニット出現〕
クルーゼ「余計な獲物がかかったかと思ったが、結果的にはうまくいったか。ニコルは例の機能を使っているのか?」
艦長「は、ミラージュコロイドを展開したようです。それと、クライン嬢を捜索中のアスラン・ザラから、こちらへ向かっていると連絡が入りました」
クルーゼ「フッ、なるほど。さて、どうなるかな」

<ムウvsクルーゼ>
クルーゼ「味方との合流は出来なかったようだな。ここで沈んでもらおう、ムウ・ラ・フラガ!」
ムウ「クルーゼか! くそっ、やっかいな奴が・・・」

<クルーゼ撃破・勝利条件達成>
クルーゼ「なかなかてこずらせてくれるものだ。・・・そろそろだな」
〔敵ユニット出現〕
アスラン「隊長、戦況は」
クルーゼ「来たのか、アスラン。せっかくだが、ニコルが足つきを沈める。残るはナデシコだけになる」
ニコル「・・・取った!」
〔マリューにダメージ〕
ナタル「どこからの攻撃だ!」
マリュー「うっ・・・いったいなにがあったの!?」
〔敵ユニット出現〕
ニコル「チェックメイトですね。この位置なら一撃でブリッジを破壊できます。抵抗はやめてください」
ナタル「ブリッツ!?」
マリュー「ミラージュコロイドを展開していたのね。なんてこと・・・」
ニコル「僕は無駄に血を流す気はありません。ですが抵抗するなら撃沈します。そんなことはさせないでください。ただちに戦闘を停止し、投降してください」
キラ「アークエンジェルが!?」
クルーゼ「フ、ニコルは甘いな。一気に沈められんか」
イネス「ミラージュコロイド。あのモビルスーツはレーダー探知や視認を不可能にする装備をもっているようね」
小介「そんな機能があったなんて」
ルリ「あれじゃアークエンジェルは逃げられませんね。艦長、どうします?」
エリナ「投降なんて冗談じゃないわ。こっちまでいうことを聞かなきゃいけない理由はないわよ艦長!」
ユリカ「でも・・・」
豹馬「おい、なんで先に教えておいてくれなかったんだよ!? 知ってりゃなんとか出来たかもしれないだろ!?」
ナタル「あれはまだ我が軍の軍事機密だ。そう何もかも教えるわけにはいかんのは当然だろう」
リョーコ「その結果がこれかよ。ご立派な軍人さんだな、あんた!」
ナタル「・・・この状況を打開してみせればよいのだろう。ザフト軍に告ぐ。こちらは地球連合軍所属艦アークエンジェル。当艦は現在、プラント最高評議会議長シーゲル・クラインの令嬢ラクス・クラインを保護している。攻撃は控えられたい」
ニコル「え・・・?」
アスラン「なんだと!?」
マリュー「待ちなさい、バジルール少尉!」
ナタル「人道的立場から救命ポッドを回収、保護したものであるが、これ以上戦闘を続行される場合、それは貴官らのラクス・クラインに対する責任放棄をみなし、自由意志でこの件を処理するつもりであることをお伝えする」
キラ「そんな・・・どうして・・・」
アカツキ「ま、そうなるよねぇ、やっぱり」
ユリカ「バジルール少尉、それはあんまりです!」
ルリ「まるで悪党ですね」
アキ「なんてことを・・・」
甲児「冗談じゃないぜ!」
豹馬「なんだよ。十三、どういうことなんだ?」
十三「どあほう。あの少尉はんはな、手ぇ出したらあのお姫様殺すいうて脅しかけとるんや。やっとれんで」
アキト「あの子を人質にしたっていうのかよ!? 何考えてんだよお前ら!!」
<<統夜>>
統夜「そんな・・・人質・・・?」
<<カルヴィナ>>
カルヴィナ「やむを得ない・・・か。まったく」

クルーゼ(敵に拾われていたとは、話にならんな。やっかいなお嬢さんだ)
ニコル「そんな・・・ラクスさんが。アスラン・・・」
アスラン「く・・・卑怯な!」
クルーゼ「援護にきて不利になったらこれか。みっともないことだな。が、ここはしかたあるまい。全機、一時帰投しろ」(たかが小娘1人の命でこれとはな。迷惑なことだ)
ニコル「了解」
アスラン「キラ・・・聞こえているか、キラ!」
キラ「アスラン・・・」
アスラン「救助した民間人を人質にとる。そんな卑怯者と戦うのがお前の正義か! 彼女は助け出す。必ずな!」
〔敵ユニット離脱〕
キラ「・・・・・・」
ナタル「ラミアス大尉。ストライクとアークエンジェルまで奪われるわけにはいかないのです」
マリュー「・・・わかっているわ、ナタル」
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

〔カーソル、デブリ帯を指定〕

アークエンジェル/格納庫
マードック「おいおい、なんだよゾロゾロと入ってきやがって。お前さんたちが帰るのは向こうだろう」
甲児「いったいどういうことなんだよ、大尉!」
キラ「あの子を人質にとって、それで逃げるのが連合軍のやり方なんですか!?」
さやか「私たちも納得いかないわ!」
ムウ「けどよ、あの状況じゃしかたねぇだろう。それともアークエンジェルを見捨てて、ナデシコだけで逃げた方がよかったのか? 後味悪いぜ、そういうのは」
キラ「だけどっ!」
ムウ「それにここには君の友達だっているんだろ? 黙ってザフトの捕虜になるか、無理して撃沈されるかした方がよかったっていうのか」
キラ「クッ・・・」
アキト「あんたたち軍人はいつもそうやって!」
アカツキ「やめたまえ、みっともない」
ノアル「こんなことじゃないかと思ったら案の定か」
豹馬「けどよ、あんな汚い真似して、それでいいのかよ!?」
アカツキ「そうじゃない。ただ、大尉が言ったとおりさ。しかたなかっただろう、あの場合。それとも、誰か他にいい解決策があったのかい」
アキト「何か手があったかもしれないだろ!?」
甲児「そうだぜ! 時間をかせげばオレたちだって」
アカツキ「やれやれ。いいかい、ああいう場合、その場で即座に決断できなければ意味がない。そして結局こちらの被害はなかった。後から文句を言うのは誰だってできるさ」
<<統夜>>
統夜「じゃアカツキさんはあれが正しかったって言うんですか。戦争だから人質をとっても当然だって」
<<カルヴィナ>>
リョーコ「じゃ、あれでよかったって言うのかよ!?」

アカツキ「そんなことは言っていないよ。君たちも戦場で戦っているなら、もう少し大人になりたまえ」
アキト「なんなんすか、それは!」
アカツキ「そうやって叫んでいれば何か変わるのか。バジルール少尉やラミアス艦長、フラガ大尉を責めればそれでいいのか。声高に非を叫び、それで君たちはいったい何をどうしたいというんだい。言ってみろよ」
甲児「俺たちはただあんなことに納得できないってだけだ」
ノアル「そいつは俺も同じだが、不満ぶつけりゃどうにかなるってもんでもないだろう」
アカツキ「そう、ただ君たちはわめき散らして気晴らしをしているだけさ。よく考えてみたまえ」
さやか「そんなつもりは・・・」
アカツキ「わかったかい。自分たちのみっともなさが」
アキト「なんだよえらそうにっ!」
ムウ「まぁとにかく、落ち着いてくれよ。艦長たちにしたって、あれが最善の策だったなんて思っちゃいないんだ。けどさ、あの時は負けないためにあれしかなかったんだ。今はそう思うしかないだろ」

アークエンジェル/メディカルルーム
〔扉の開閉音〕
キラ「ミリィ・・・フレイは」
ミリアリア「キラ・・・」
フレイ「ねぇパパは、パパの艦は!? ねぇ、どうして! 嘘よ、そんなの嘘!」
サイ「フレイ、落ち着いて」
キラ「・・・」
フレイ「嘘つき!! 大丈夫だっていったじゃない! なんでパパの艦を守ってくれなかったの! なんであいつらをやっつけてくれなかったのッ!!」
ミリアリア「フレイ、みんなもキラも一生懸命・・・」
フレイ「だって、キラが大丈夫だって言ったのよ! あんた・・・自分もコーディネイターだからって、本気で戦ってないんでしょう!?」
キラ「ッ!!」
ミリアリア「フレイ! なんてこと言うのよ!」
フレイ「だって、だってパパがっ!」

アークエンジェル/展望室
キラ「うぅっ・・・・」
トリィ「トリィ」
キラ「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーッ! うぅ、あぁぁぁぁーっ!!」
ラクス「どうなさいましたの?」
キラ「ラクス・クライン・・・どうして・・・」
ラクス「ピンクちゃんはお散歩が好きで。カギがかかっていると必ず開けて出てしまいますの」
ハロ「ミトメタクナイ、ミトメタクナイッ!」
ラクス「悲しそうなお顔ですのね」
キラ「僕は・・・僕はザフトと戦いたくないんです。僕だってコーディネイターだし、アスランはとっても仲のよかった友達なんです」
ラクス「アスラン?」
キラ「アスラン・ザラ。彼がザフトでモビルスーツのパイロットになってるなんて。それで僕たちが戦わなきゃならないなんて・・・」
ラクス「そうでしたの。彼もあなたも、いい人ですもの。悲しいことですわね」
キラ「アスランを知っているんですか」
ラクス「アスラン・ザラは、わたくしがいずれ結婚する方ですわ」
キラ「え・・・?」
ラクス「やさしいのですが、とても無口な人。でもこのハロをプレゼントしてくれましたの」
キラ「・・・相変わらずなんだ。僕のトリィも、彼が作ってくれたものなんです」
トリィ「トリィ」
ラクス「まあ、そうでしたの。お二人が戦わずにすむようになれば、いいですわね」
【シナリオエンドデモ終了】


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