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No.9
暗殺者

【シナリオデモ開始】
テュッティ「シュウの情報は正確ね。入り口は確かに3箇所あるわ」
マサキ「こういうトコは律儀だな」
テュッティ「何があるかわからないし、できれば3箇所同時に調査したいんだけど、問題は人数ね」
リューネ「えーと、魔装機と操者の数は、11人、か」
テュッティ「できれば各入り口に5機は配置したい所ね」
ミオ「話は全て聞かせてもらった! ……ふふ、このセリフ、一度言ってみたかったのよね」
マサキ「ミオ! 戻ってきたのか」
マサキ「うん、ついさっきね。ゲンちゃんも一緒だよ」
ゲンナジー「ああ」
テュッティ「交渉は? うまくいったの?」
ミオ「まーかせて! ばっちり、こっちの要求通り!」
ゲンナジー「ミオはなかなかいい交渉能力をもっていたな」
ミオ「銭金が絡んだときのあたしは、ちょっと違うよ!」
マサキ「あんまり威張れねぇ気もするが……それでも助かったのは確かだ。サンキュ」
ミオ「どういたしまして。で、ヴォルクルス神殿の調査なんでしょ?」
マサキ「ああ。これで13人だから、3箇所に配置するのは4、4、5ってトコだな」
テュッティ「魔装機神をメインにして割り振りましょう。えーと……」

ミオ「何だか地味なメンバーになっちゃったなぁ」
ティアン「地味とはなんじゃい。ゲンナジー殿はともかく、拙僧は地味ではないわ」
ミオ「確かにまあ、頭は目立つけどね」
ティアン「おう、後光が差しておろうが」
ミオ「光ってるのは認めるけど」
ベッキー「おや? 何か分かれ道になってるよ。人が通れる程度のサイズだけど」
ゲンナジー「降りて調べてみるか。二手に分かれるぞ」
ミオ「そう寝、そうしましょう」

ミオ「で、よりによってティアンさんかぁ……」
ティアン「拙僧の何が不満なのだ?」
ミオ「何っていうかさ……ほら、ゲンちゃんまでいくと芸になるんだけど、中途半端な存在感っていうか……」
ティアン「何を言っておるか。我らの物語の主役は、我らであろう。拙僧にとっては、マサキであろうと脇役に過ぎん。であるならば、我らの物語は我ら自身で紡げばよい。存在感などその程度のものよ」
ミオ「……うわ、ちょっと感心した。ティアンさんって、本当にお坊さんなんだ」
ティアン「今時分何を言っとる」
ゴクー「……こりゃ、お師匠さんより師匠らしいな」
ハッカイ「うん、一緒に天竺目指したい」
ミオ「こら、裏切り者!」
ティアン「む、光が見えてきたぞ」
ミオ「あ、ホントだ。ちょっとした広場になってるみたい」
ティアン「調べてみんとな」
ミオ「うん、気を付けていきましょ」

ミオ「壁が光ってる……ヒカリゴケみたいなものかな」
ティアン「しっ! 誰かおるぞ!」
ミオ「えっ?」
????(画面オフ)「誰? 誰かいるの?」
ティアン「む、この声は……テュッティ殿か!」
テュッティ「え? ティアンなの?」
ミオ「テュッティさん? どうしてこんなトコに……」
テュッティ「それを訊きたいのはこっちも同じよ。狭い通路を調べてたら、ここに出たの」
ミオ「何だ、あたし達とおんなじかぁ」
テュッティ「一通り調べたけど、特にここには何もないみたいね」
ティアン「お言葉ですがテュッティ殿。果たしてそうでしょうかな?」
テュッティ「え?」
ティアン「拙僧などよりよほど魔術素養が豊かなテュッティ殿が、この気配を感じとれんと?」
テュッティ「そうなの? 場所が悪いのかしら。ティタン、そこに何かあるのかもしれないわね」
ティアン「ふむ、なるほど。では、ここに来て調べてみてはいかがか?」
テュッティ「ええ、ちょっとごめんなさいね。んーと……」
ティアン(おおっ! これは……役得役得)
テュッティ「……ホントだわ。この辺りに何かあるのかも……」
ミオ「ちょっとティアンさん! くっつきすぎ! 鼻の下、伸びてるよ!」
ティアン「ん?」
テュッティ「あ、ごめんなさい。もうちょっとだけ待って……」
ティアン「ふっ!!」
〔打撃音〕
テュッティ「きゃっ!?」
ミオ「えっ!? ち、ちょっと!? 一体何を……」
ティアン「何者かは知らんが……残念だったな」
テュッティ「……どういうつもり、ティアン? いきなり殴り飛ばすなんて……」
ティアン「ああ、ムダムダ。化けるのならもっとうまく化けよ、化生が」
ミオ「えっ? 化けるって……まさか?」
テュッティ「ふ……なぜわかった?」
ティアン「香水よ。テュッティ殿は日替わりで香水を替えられておる。今日はシトラス系の香りの日。なのに貴様はグリーン・ノート系を使っておる!」
ミオ「何でそんな事まで覚えてんのよ!」
????(カテキス)「ふふ……いやあ、お見事。そんな事まで覚えているとは、とんだ変態だったな」
ティアン「やかましい!」
ミオ「わっ!? 変身した?」
カテキス「その変態具合に免じて、僕の名前を教えてあげよう。僕の名はカテキス。銀の魔法師、カテキスだ」
ミオ「え? ウソ……聞いた事る。確か、とんでもない魔法師だって……」
カテキス「ま、有名だからね、僕は」
ティアン「ウソをつくな、たわけが!」
カテキス「な、何だと? 何がウソだ!」
ティアン「カテキスはすでに60を超えていると聞き及んでおる。そんな若造のワケがあるまい」
カテキス「ふっ、そんな事か。不老不死の術くらい、使えるんだよ」
ティアン「よしんば、貴様の言う事が真実であったとしても、貴様の様な外法の輩に銀の魔法師など、もったいないわ!」
カテキス「げ、外法だと!? この僕がか!」
ティアン「美人に化けて隙を突いて暗殺……これを外法と言わずして何と言う!」
カテキス「貴様……思いしれっ!」
ミオ「えっ!? わっ!?」
カテキス「ぐっ!? き、貴様……面妖な術を……」
ミオ「あー、びっくりした。面妖な術って何よ。合気道よ、合気道!」
ティアン「せいっ!」
カテキス「おっと!? ……ちっ、二人共思ってより使い手だったか」
ティアン「ムエタイチャンプは伊達ではないわ! そろそろ引導を……〔術の発動音〕むうっ!?」
ウーフ「ご苦労、カテキス」
ティアン「こ……これは……影縛り……」
〔画面、発光〕
[イベント「刺されるティアン」]
〔刺突音〕
ティアン「ぐあっ!?」
カテキス「ウーフ、遅いぞ!」
ウーフ「すねるな。貴様のお蔭で隙をつけた。これは貴様の手柄だ」
ティアン「ぐうっ……」
ミオ「ティアンさん!」
ティアン「来るなっ! こやつは……ミオでは太刀打ち……できん。〔刺突音〕ぐうぁっ!?」
ウーフ「こんなものか。あっけないな」
ティアン「な……なんの……まだ……」
ウーフ「とどめは刺さんよ。苦しみながら……死ね」
〔刺突音〕
ティアン「ぐうぁっ!?」

〔人の倒れる音〕
ミオ「ティアンさん!?」
????(画面オフ)「おいっ!? ミオか!?」
ミオ「あっ! ゲンちゃんの声! ここよっ、早くっ!」
ウーフ「ふん、もう遅いわ。すでに充分な血は流れた。行くぞ、カテキス」
カテキス「へいへい」
ミオ「あっ!? 待てっ!!」
〔走り寄る足音〕
ゲンナジー「どうした、ミオ!? うっ!? ティアン!?」
ミオ「ゲンちゃん! 治癒術使えるよね? あたしじゃ弱くてダメ! お願い!」
ゲンナジー「わかった!」
ティアン「ま、待て……」
ミオ「ティアンさん! 喋っちゃダメ! 少しでも体力を……」
ミオ「バカ……もん。さっきのヤツの言葉……聞いておらん……かったのか?」
ミオ「え? 言葉って……」
[イベント「血の魔方陣」]
ティアン「充分な血……つまり、生贄……何かが……おぞましい何かが……」
ゲンナジー「む……周囲に何やら魔法陣らしき紋様が……」
ティアン「い……急いで魔装機に……でないと手遅れに……」
ゲンナジー「わかった! 俺が背負いながら治癒を続ける。ミオ、後に続け!」
ミオ「う、うん」

【シナリオデモ終了】


サブタイトル
「暗殺者」


【戦闘マップ開始】
〔敵ユニット出現済み〕
ウーフ「……そろそろだな」
〔爆発音〕
〔画面、震動〕

カテキス「……来たのか?」
ウーフ「ああ……後少しだ」
〔味方ユニット出現〕
ミオ「あんたらっ! よくもティアンさんをっ!」
ウーフ「ほう、死んだか?」
ミオ「死んでないっ! ゲンちゃんが治療してるんだからっ!」
カテキス「なら、お前らが先に死ねよ」
ベッキー「こいつら……」
カテキス「まさか、僕達ふたりに、たった2機で勝てると思ってるのかい?」
ベッキー「残念だったね。すぐに仲間が駆けつけてくるよ」
ウーフ「すぐに、ね。さて、間に合うかどうか……」
〔爆発音〕
〔画面、震動〕

ミオ「!? また……」
ウーフ「そろそろだな」
カテキス「おい、避難しなくていいのか?」
ウーフ「ああ、頃合いだろう」
カテキス「へへっ、じゃ、おさらばだ。てめぇら、喰われちまいな」
ウーフ「余計な口を叩くな!」
カテキス「うっ……わ、わかったよ。あばよ!」
〔敵ユニット離脱〕
ミオ「あっ!? こらっ!」
ベッキー「こりゃあ……もしかしてヴォルクルスの復活かね?」
ミオ「うん、そうだと思う。……ここはあたし達だけで食い止めないと……」
〔祭壇上に魔法陣展開〕
ミオ「き、来たっ!?」
ベッキー「ヴォルクルス相手となると……ちょっとキツいかね」
????(画面オフ)「いかんっ! こやつは……」
〔味方ユニット出現〕
ミオ「ティアンさん!?」
ベッキー「何やってんだい、ティアン! 動いちゃダメだろっ!」
ティアン「お主ら……感じんのか? この気配を……ぐっ……」
ミオ「気配って……ヴォルクルスの気配でしょ? ここはあたし達で何とかするから、ティアンさんは下がって!」
ティアン「違う……違うのだ……これはヴォルクルスではない……ん? 何? お主は……」
ミオ「え? ちょっと、ティアンさん? どうしたの、急に?」
ティアン「そうか……お主が……ふむ、確かにな……全てのものに仏は宿る……」
ベッキー「ちょっと! 何言ってるんだい!? 出血多量で幻覚でも……」
ティアン「……心配せずともよい。お主らにもいずれはわかる。これが、ディンフォースの意志……」
ベッキー「ディンフォースの……意志?」
ティアン「よく……見ておけ。これが……ポゼッションよ!」
[イベント「ディンフォース、ポゼッション!」]
〔ポゼッション発動音〕
ミオ「ポゼッションって……ウソッ!?」
ベッキー「マサキが一度だけ経験したっていうこと……アレかい!? けど、あれは魔装機神しか……」
ティアン「魔装機にも精霊は宿る……なぁ、ディンハイムよ……お主の想い……理解したぞ」
ベッキー「ディン……ハイム? ディンフォースに宿る……電光の精霊……?」
ミオ「ち……ちょっと!? ティアンさん、何する気!?」
ティアン「こやつは……復活させてはならん邪神だ。いずれは否応なく復活しようが……今は……今だけはいかん!」

〔ティアン、発光〕
〔ティアン、魔法陣へ隣接〕
〔ティアン、魔法陣を制止〕

ベッキー「よしな、ティアン! そんな事をしたら、あんたの身体が……」
ティアン「もとより、承知の上! わしとディンハイムの力を持ってしても、どこまで抑えられるか……だが、やらねばならんのだ!」
ミオ「ダメだよ!! 死んじゃうっ!」
ティアン「人はいつかは死ぬ……ならば、今のこの時を置いて、わしにふさわしい死に場所はない!」
ベッキー「そんな……勝手な!」
ティアン「すまんな……わしとディンハイム……二つの命と意志……全てを懸ける!」
ミオ「と、止めないとっ! 動けっ! 動いてっ!」
ベッキー「くっ……この圧力……このラ・ウェンターでさえ動けないなんて!」
ティアン「お主らにはまだ無理よ! ハッハッハッ! ……ごふっ! ぅぅ……いかん、今ので傷口が更に開いた……」
ベッキー「何やってんだい、ティアン! あんた一人にそんな事……」
ミオ「そうよっ! 何のためにあたし達がいると思ってんの! 仲間でしょ!」
ティアン「仲間だからこそ、よ。わしはミオ、お主よりは多少長く生きておる。ならば、その死に様を見せるのも年長者の役目……」
ミオ「ダメだってばっ!」
ベッキー「何言ってんだい! あたしの方が年上だろ!」
ティアン「ベッキー殿には……色々といい思い出を頂いたな……感謝しとるぞ。ぬうぅっ!?」
ベッキー「ティアン!?」
[イベント「ティアンの最期」]
ティアン(画面オフ)「どうやら……頃合いの様だ。いくぞっ! ディンハイムよ!」
ミオ「ティアンさん!!」
ティアン(画面オフ)「案ずるな……わしと……ディンハイムの遺す想いは……お主達と共に……ある」
ベッキー「ティアン!!」
ティアン(画面オフ)「おっと、忘れるところだった。こやつはヴォルクルスではなく、調和神ラス……ぬおうっ!? 悟ったつもりであったが……入滅するのは……意外と恐ろしいものよな……」
〔画面、発光〕
〔大爆発音〕
〔味方ユニット撃破〕

ミオ「あ……あ……ああ……」
ベッキー「……ティアン……そんな……」
〔敵ユニット出現〕
カテキス「おいっ! どういう事だ!? 何でラスフィトートがあんなちんけな魔装機如きに……」
ウーフ「黙れ! その名を口にするなと言ったはずだ!」
カテキス「ぐっ……と、とにかくだ! もう一度封印を解けないのか?」
ウーフ「無理だな。これほど強力な封印をされては、向こう百年は手が出せぬ。他を当たるしかあるまい」
カテキス「マジかよ!? くそっ! とんだ失態だ! こうなりゃあいつらを片付けないと!」
ウーフ「ああ……そうだな」
ベッキー「あんたら……間が悪かったね。今のあたしは虫の居所が悪くてね……手加減できそうにもないんだ」
ミオ「あんたは……あんた達はっ!! 赦さないっ!!}
〔味方全機、気力上昇〕
<戦闘開始>

<2PP・味方援軍1出現>

〔味方ユニット出現〕
ゲンナジー「ティアン……くっ、俺がもっとしっかりとどめておけば……」
〔ゲンナジー、気力上昇〕

<3PP・味方援軍2出現>
〔味方ユニット出現〕
〔カーソル、ティアンがいた地点を指定〕

リューネ「っ!? ……映像は送られてたから、事情はわかってたつもりだけど……ホントにティアンさんが……」
シモーヌ「ウソだろ……あのティアンが……」
テュッティ「しかも、魔装機神でもないのにポゼッションを使った……」
アハマト「呆けるな、みんな。あのティアンが身を捨てて防いでくれたのだ。その遺志をムダにするな」
リューネ「ま、まだ死んだと決まったワケじゃ……」
アハマド「ならば、なおの事、早く始末をつけるべきだろう。すべてはそれからだ」
テュッティ「……そうね、いくわよ!」
シモーヌ「わかった!」
リューネ「……了解!」
アハマド「ティアンよ……お前お心意気は、しかと受け取った。俺もなすべき事をなそう!」

<ミオvsウーフ>
ミオ「赦さないっ! 絶対にっ!!」
ウーフ「……地上人でもそういう感情はあるか」

<ミオvsカテキス>
ミオ「ティアンさんの仇っ!!」
カテキス「ほう、面白い事言うねぇ。確か、魔装機神操者は、個人的感情で動かねぇんじゃなかったか?」
ミオ「えっ? うっ……」
カテキス「ははっ! てめぇは未熟者だって事だな!」
ミオ「……そう、確かにあたしは未熟よ。だからっ! 今はティアンさんのためにっ! あんたを倒すっ!」

<ベッキーvsウーフ>
ベッキー「あんたの首、ティアンの墓前に供えてやるっ!」
ウーフ「ふん、できもせん事を宣言するな」

<ベッキーvsカテキス>
ベッキー「あんた達……赦さないよ、絶対にっ!!」
カテキス「ふん、だったらどうしたってんだ」

<ウーフorカテキスHP50%以下・敵増援1出現>
※※ウーフHP50%以下の場合のセリフ※※
ウーフ「少々予定とは変わったが……まあ、この辺りで下がっておくか」
※※カテキスHP50%以下の場合のセリフ※※
カテキス「ちっ、作戦は失敗か! 次で挽回してやる!」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

〔敵ユニット離脱〕
〔敵ユニット出現〕


<敵全滅・勝利条件達成>
【戦闘マップ終了】

【シナリオエンドデモ開始】

ブラッドロイ「捜索の結果は?」
コレット「……残念ながら」
ウェンディ「回収できたのは……ディンフォースの脚部、その一部だけ……」
マサキ「…………」
ワグネル「残念です……」
ミオ「待ってよ! まだ決まったワケじゃないでしょ! もっとよく探さないと!!」
ベッキー「ミオ……気持ちはわかるけど……あんたも、見たよね……」
ミオ「あ、あんなの、光っただけじゃないっ! どこかに……どこかにいるのよ! 待ってるんだよ! あたし達を!!」
ゴクー「お師匠さん! 落ち着け!」
ハッカイ「取り乱しちゃダメですよ~」
ゴジョー「おっしょさん……」
ミオ「でも……でも……」
マサキ「……手は尽くした。だが……跡形もなくなっちまってる」
ウェンディ「正確に言うと、魔法陣にかすかに精霊の痕跡があるけど……」
セニア「精霊の痕跡……というと……」
ウェンディ「……電光の精霊、ディンハイム……間違いありません」
アハマド「……盟友、ティアンプラサートに平穏があらん事を」
テュッティ「……とにかく、一度善後策を練らないと」
ゲンナジー「そうだな……ティアンが命を懸けて行った事……その意味を正しく把握せねば……」
ワグネル「ミオ、あなたには少し急用が必要です。診察も兼ねて、ソラティス神殿へ行ってください」
ミオ「イブンお婆さんの所に?」
ワグネル「ええ、イブン様なら、きっと力になってくれるはずです」
ミオ「……わかった。そうする」

セニア「それで、ベッキー。カテキスがラスフィトートって言ったのは確実なの?」
ベッキー「戦闘記録を調べてもらってもいいよ。……あたしは、見たくないけど」
セニア「……ごめん。でも、そこって結構重要だから」
マサキ「何だよ、そのラスフィトートって?」
ウェンディ「古代神話にある神の名前よ。……あのヴォルクルスと同じ」
マサキ「ヴォルクルスだと!? あの化け物と同じヤツだってのか?」
ウェンディ「違うのは、ヴォルクルスは確実に存在しているけど、ラスフィトートはその存在を確認された事例がない事」
セニア「伝説上の存在だと思われてたのよ」
ウェンディ「それに、破壊神ヴォルクルスとは違い、ラスフィトートは調和神……」
セニア「そう、そこなのよね。別に、人に害を為す存在だって言われてるワケでもなし」
アハマド「だが、ティアンは命を賭して、その復活を阻止した」
ウェンディ「ええ……しかもポゼッションまで起こして……」
ゲンナジー「……それもわからん。ポゼッションは魔装機神でなければできないのではなかったか?」
ウェンディ「理論上、そこまで精霊と一体化できるのは魔装機神だけなんだけど……可能性はゼロじゃないわ」
アハマド「それだけ危急存亡の秋だった、とは考えられんのか?」」
ウェンディ「よほど精霊の危機感が強かったのかしら」
マサキ「精霊の意志……か。確かに俺は一度ポゼッションはしたが、あれ以来、精霊の声が聞こえた事はねぇ」
ウェンディ「今回の事から、人の感情が何かしらのキーになってるのは推測できるけど……」
ベッキー「……情けない話だねぇ。あたしは、ティアンみたいに、精霊の声が聴けなかった……」
アハマド「言うな。その点でもっとも傷付いているのはミオだ」
ベッキー「わかってるさ……」
セニア「ラスフィトートに関しては、今後も調査を続けるけど、あまり期待しないでよ。わからない事だらけなんだから」
ウェンディ「私はポゼッションについて見直してみるわ。ディンフォースの設計は私じゃないけど……資料をもう一度、詳しく解析してみる」
ベッキー「あたしは……ティアンの冥福を祈るよ」
アハマド「みんな同じ気持ちだ。黙祷を捧げよう」
マサキ「ああ……そうだな……」

ベッキー「…………」
アハマド「どうした、ベッキー。ティアンの事を考えているのか?」
ベッキー「……ああ、そうさ。ティアンはあたし達に、何を伝えたかったんだろうって」
アハマド「ティアンは精霊ディンハイムの意志を感じ取ったと言った。それは、かつてマサキが一度だけ行った事で、他にそれができた者はいない。
であるなら、いくら忖度してもその真意を測るのは難しい」
ベッキー「簡単に割り切るんだね、あんたは」
アハマド「人の身で全てを知ろうなどとはおこがましいと思わんか?」
ベッキー「別に、全てを知ろうなんて大それた事は考えちゃいないよ。ただ、ティアンに起きたって事は、いつかあたし達にも同じ事が起きないって保証はない」
アハマド「臆したか?」
ベッキー「まさか。その時の覚悟はもうできたよ。……ただ、あたしは魔装機操者になってからこの方、ずっと考えてたんだよ。精霊って、何だろうってね」
アハマド「この世界の精霊は、俺の知っている精霊の概念とは、かなり異なるものだな」
ベッキー「あんたはそうだろうさ。でも、あたしにとっちゃ、昔語りに聞いた精霊と結構似てるんだよ」
アハマド「ティアンはブッディストだったが、あれも精霊に対して似たような考えをもつのか?」
ベッキー「あたしも詳しくは知らないさ。でも、ティアンが日頃言っていた、全てのものに仏は宿るって言葉……あたしには何となくなんだけど、理解できるんだよね」
アハマド「なるほどな。お前は精霊と相性がいいのか知れんな」
ベッキー「そういうアハマドはどうなのさ?」
アハマド「……俺は、少々合わんようだ」
ベッキー「おや、そうだったのかい?」
アハマド「愚痴のようで悪いが……魔装機操者に向いていない、と思った事もしばしばある」
ベッキー「へぇ……あんたがそんな風に思ってるなんてね」
アハマド「戦場で死ぬ事を恐れてはいないが、精霊がどうこうという話には、正直興味がない。もし、魔装機操者としての資質に、精霊に対する理解が必要だというのであれあ……俺は不適格だろう」
アハマド「信仰が邪魔するって事かい?」
アハマド「いや、個人の内心の問題だ。むしろ、志と言った方が正しいかもしれん」
ベッキー「志、ねぇ……ま、確かにあんたの考え方にゃ、色々と問題があると思うけど。でもさ、アンティラス隊のあり方や行動理念については、賛成なんだろう?」
アハマド「ああ、もちろんだ」
ベッキー「だったら、それでいいじゃないか。あたし達は仲間なんだからさ」
アハマド「ああ……そう、だな」
【シナリオエンドデモ終了】


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